わかい勇士の家族
「キリストの名を受けなければならない……。キリストとはわたしの名である。」(3ニーファイ27:5)
以前,チリのある家族を訪問しました。その家族の父親は,わたしが訪問する1か月前に事故でなくなっていました。家族の中に,ベンハミンという男の子がいました。当時10才でした。
父親の事故の前,ベンハミンは家庭の夕べのレッスンをしました。モルモン書に出てくる,わかい勇士の話でした(アルマ53:16-22;56:42-57参照)。ベンハミンは,かれらがどれほど勇敢で,神を信頼していたかを話しました。
ベンハミンのお母さんは,事故のことを聞いたときに,ベンハミンのレッスンを思い出しました。「わたしたちは,あのわかい勇士たちのように勇敢でなければならないわ。わたしたちにはわたしたちの戦いがあるの。」
ベンハミンの家族にとっては,つらい経験でした。生活がひっくり返ってしまったように感じました。おばあさんと住むために家も引っこしました。それに,お父さんがいなくて,さびしくてたまりませんでした。でも,ベンハミンの家族は,いつかお父さんと再会できると知っています。かれらは,わかい勇士のような家族になろうと決意しました。ベンハミンは,「ぼくは今,勇敢です」とわたしたちに言いました。
わたしは,ベンハミンの家族をなぐさめようと思って家を訪問しましたが,かえって祝福されたと感じながら家を後にしました。ベンハミンと家族は,この戦いをとても勇敢に戦っています。かれらの信仰はわたしを勇気づけてくれました。
だれもが,ベンハミンのように勇敢になれます。勇敢になるというのは,悲しんだり,こわがったりしない,ということではありません。つらい時期を乗りこえられるよう,天の御父が助けてくださる,という信仰を持つということです。つらいことが起こるとき,わたしたちは主を信頼することを選ぶことができます。だれもが,わかい勇士になれるのです!