慈愛

慈愛はキリストの純粋な愛です。それはキリストが人の子らに対して持っておられる愛であり，人の子らは互いに対してこの愛を持たなければなりません。それは最も崇高で気高く，強い愛であり，人にとって最も喜ばしいものです。

慈愛は「キリストの純粋な愛」あるいは「永遠の愛」です。預言者モルモンは次のように教えています。「慈愛は長く堪え忍び，親切であり，ねたまず，誇らず，自分の利益を求めず，容易に怒らず，悪事を少しも考えず，罪悪を喜ばないで真実を喜び，すべてを忍び，すべてを信じ，すべてを望み，すべてに耐える。」

イエス・キリストは慈愛の完全な模範であられます。地上で務めを果たしていたとき，主はいつも福音を教え，貧しい人，苦しんでいる人，落胆している人に心からの哀れみを示し，「よい働きをしながら……巡回されました。」イエス・キリストの示された慈愛の頂点を成すのは，その無限の贖罪です。主はこう言われました。「人がその友のために自分の命を捨てること，これよりも大きな愛はない。」それは他に類を見ない寛容と優しさと無私の最も偉大な行いでした。

救い主は御自身の愛をすべての人に受けてほしいと望んでおられます。またその愛を周囲の人々と分かち合ってほしいとすべての人に望んでおられます。救い主は弟子たちにこう宣言されました。「わたしは，新しいいましめをあなたがたに与える，互に愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように，あなたがたも互に愛し合いなさい。互に愛し合うならば，それによって，あなたがたがわたしの弟子であることを，すべての者が認めるであろう。」家族やほかの人々との関係において，キリストに従う者は救い主を模範として，尽きることのない思いやりと忍耐と憐れみを胸に，主が愛されたように愛そうと努力します。