学習経験6
背景と内容を理解する
概要
この学習経験は以下の概念を取り上げています。
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背景と内容の意味を理解する
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背景と内容の重要性を理解する
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聖文の背景と内容を見つける
重要な概念
次の幾つかの学習経験では,一度に一つずつ学習パターンの個々の要素を詳しく見ていきます。学習パターンは,わたしたちの思いと心に福音を染み込ませるための基本となる枠組みを提供してくれます。この学習経験では,背景と内容を理解することについて学びます。
この学習経験の目的は,学習パターンの側面を簡単に紹介することです。セミナリーまたはインスティテュートの教師として奉仕するとき,これらの技術について学んで実践するための機会がさらに多くあるでしょう。
聖文から学ぶ—背景と内容を理解する
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原石のたとえの中で,若い女性は砂の中の原石を探す夢を見ます。彼女が原石を探していたのは,学習者が聖典の中の永遠の真理を探すのを象徴しています。砂は,人々,場所,出来事,話の筋,教えなどは,聖文の背景や内容を表していて,その中から福音の真理を見いだすことができます。
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聖典の中の永遠の真理を探すとき,わたしたちは読んでいる節の背景や基本的な詳細について理解しようとすることから始めます。聖文の背景と内容を理解しようと努めると,大切な福音の真理を素早く見つけることができます。
背景と内容の意義と重要性
背景と内容をさらに理解するために以下の表を読んでください。
背景 |
内容 |
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背景とは何ですか。 背景には,特定の聖句や出来事,話に関わる状況あるいは背景となる状況が含まれます。背景には,歴史的,文化的,地理的状況,聖典の出来事を引き出した状況などが含まれます。 |
内容とは何ですか。 内容とは,聖文を構成している話の筋,人物,出来事,説教,霊感に基づく説明です。内容を見いだすとは,難しい言葉や言い回しや,たとえ,象徴などの解釈を学ぶことが含まれます。 |
背景が大切なのはなぜでしょうか。 背景から聖文中の物語,教え,教義,原則に関する理解が明らかになり深まるからです。 |
内容が大切なのはなぜでしょうか。 内容が分かると,聖句ブロックの中に見られる教義や原則に興味を持ち,自分との関連性を見いだすからです。 |
質問する
聖文の背景と内容を理解するために,まずその聖句の基本となる詳細をよく理解し,その後さらに理解を深めるためにそれらを詳しく調べます。これは,読んでいる聖句の人物,場所,出来事などについて問いかけることを学び,それから信頼がおけて役に立つ資料を使ってそれらの問いの答えを探すことによって行うことができます。
研究している部分の背景と内容をさらに理解するために,以下のような質問が役に立つでしょう。
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この節の背景は何だろうか。
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歴史的,文化的,地理的状況はどうだろうか。
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書いているのはだれだろうか。
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この聖句に出てくる人物は誰だろうか。彼らは何をし,何と言っているだろうか。またそれはなぜだろうか。
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何が起こっているだろうか。話の筋は何だろうか。
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聞き慣れない言葉,言い回し,表現の意味は何だろうか。
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描かれている慣習や行われていることの意義は何だろうか。
答えを探す
以下は質問の答えを探すのに役立てられる,最も信頼のおける資料です。
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章の前書き,脚注,,聖句ガイド,地図などのような聖典学習補助資料
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関連のある聖句
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生ける預言者と使徒の言葉(特に総大会の説教)
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セミナリーとインスティテュートの聖典教科課程(教師用・生徒用手引きを含む)
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辞書
聖文の背景と内容を理解することにより,あなたが読んでいる箇所の人物,場所,出来事,教えの世界に,記録者が見たのと同じように,さらに深く入っていくことができるようになります。これは,大切な福音の真理を見つけるための扉を開く助けとなります。
福音を教えるとき天からの助けを受ける
churchofjesuschrist.orgにあるビデオ“Understanding Context and Content”(『背景と内容を理解する』)(7:39)を視聴してください。このビデオでは,3人の教師が背景と内容を理解するための取り組みについて話し合っています。
学習帳または後で参照できるところに,ビデオから学んだアイデアを記録し,訓練指導者やグループと分かち合ってください。
まとめと応用
覚えておくべき原則
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背景は,聖典の中の物語,教え,教義や原則に対する理解を明確にし,深めてくれる。
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内容は,聖典の教義と原則に興味と自分との関連性を与えてくれる。
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聖文の背景と内容を理解すると,大切な福音の真理を解き明かす助けとなる。
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聖文の背景と内容を理解するようになると,問いかけをして,その答えを信頼できる資料から探さなければならない。
「聖文の中で説かれている教訓に慣れ親しんでください。主のたとえや預言者の勧告の背景や場面を学んでください。それらを,あたかも自分に話されているかのように研究してください。」(「最高の自分になる」『リアホナ』2009年5月号,67-68)
「それで,どうしますか?」
この学習経験を完了するために,今日学んだ原則に基づいて行おうと思うことを幾つか書き留めてください。