「末日聖徒の歴史:1815-1846年 教師用資料の紹介(宗教341)」『末日聖徒の歴史:1815-1846年 教師用資料』
末日聖徒の歴史:1815-1846年 教師用資料の「紹介」
末日聖徒の歴史:1815-1846年 教師用資料の紹介(宗教341)
わたしたちの目的
宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的
「わたしたちの目的は,以下のことができるよう,青少年とヤングアダルトを助けることです。イエス・キリストの教えと贖いについて理解しそれに頼る。神殿の祝福を受ける資格を得る。天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備える。」(『福音を教え学ぶ—宗教教育セミナリー・インスティテュートの教師ならびに指導者用手引き』 1)。
この目的を達成するために,わたしたちは生徒に,聖典と預言者の言葉に見いだされるままの福音の教義と原則を教えます。これらの教義と原則を,生徒が理解し,教化されるような方法で教えます。わたしたちは,生徒が学習の過程における自らの役割を果たすよう助けます。また,福音を他の人々に教える備えができるように彼らを助けます。
これらの目的を達成するため,あなたとあなたが教える生徒は,ともに研究するときに次の「福音を教え学ぶときの基本」を取り入れるように勧められています。
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「御霊によって教え,学ぶ。
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愛と敬意と目的意識のある学習環境を作る。
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毎日聖文を研究し,コースの聖典を読む。
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聖典と預言者の言葉の背景と内容を理解する。
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福音の教義と原則を見つけ,理解し,それらが真実であり重要であることを感じ,それらを応用する。
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福音の教義と原則を説明し,分かち合い,証する。」(『福音を教え学ぶ』 10)。
これらの『福音を教え学ぶ』の基本原則は,「福音の学習における役割を積極的に果たすよう生徒に促し,福音に従って生活して福音を他の人々に教える能力を増し加える」ことを目的としています(『福音を教え学ぶ』 10)。本教師用資料の各課にある教えるための提案は,教えていく中でこれらの結果を達成するための方法を説明します。
上記の成果を具現化し,達成することに加え,あなたは,生徒たちがイエス・キリストの福音に忠実であり,真実と誤りを識別することを学ぶよう彼らを助けなければなりません。生徒たちには,教会の教義,歴史,または社会的問題に対する見解についての質問があるかもしれません。生徒たちがそのような質問に対処する備えとして,生徒たちが霊的な知識を得,教義に精通する原則を応用できるように助けることができます。(『マスター教義基本文書』 参照。)
生徒が疑問に対する答えを受けられるよう教師が支援するときの導きとして,十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は次の助言を提供しています。
「皆さんが,聖文と教会歴史という教義面と歴史面に関する内容と背景を理解するには,主が指示されたとおり『最良の書物』から学ぶ必要があります〔教義と聖約88:118参照〕。『最良の書物』には,聖文,現代の預言者と使徒の教え,また入手可能な末日聖徒の最良の研究書などがあります。教師も勤勉に努力し,研究と信仰によって学ぶことで,生徒たちを助け,彼らが自分を励ます信頼できる情報か,それとも自分を落ち込ませる,教義や歴史,慣行に関する誤った解釈や半端な真実かを見分けるのに必要な技術と態度を身につけられるようにすることができます。……
生徒を教えたり,生徒の質問に答えたりする際に,信仰を鼓舞する目的はあっても根拠のないうわさ,あるいは教義や慣行に関する一昔前の理解や説明を分かち合わないようにと警告します。生ける預言者や使徒の言葉を研究するようにしてください。mormonnewsroom.orgやLDS.orgを通して今現在の問題,方針,声明に関する最新の情報を得るようにしてください。真実でない,時代遅れの,あるいは奇妙奇天烈なことを教えることがないように,一般的に認められた,思慮深く,忠実な末日聖徒の学者が記したものを参照してください。そうするのがいつも賢明です。」(M・ラッセル・バラード「21世紀においてCES教師に与えられている機会と責任」〔中央幹部との夕べ,2016年2月26日〕)。
このコースの特徴
『末日聖徒の歴史:1815-1846年』(宗教341)は,インスティテュートのほかのコースとは幾つかの点で異なります。このコースは聖文の配列順に基づいておらず(例えば『教義と聖約』など),また回復のテーマの研究(例えばコーナーストーンコースの『回復の礎』〔宗教225〕など)にも基づいていません。 むしろ,このコースは末日聖徒イエス・キリスト教会の歴史の年代順の研究であり,1830年の教会の組織に至るまでの重要な出来事から始まり,1846年のノーブー神殿の奉献で締めくくっています。
このコースは,生徒が教会の歴史を研究し,よく理解できるように作成されましたが,最終的な目的は宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的を果たすことであることを忘れないようにすることが大切です。つまり,このコースで意図していることは,ただ単に生徒が教会の歴史の学術研究に従事するだけに留まらず,イエス・キリストの福音の教えを学んでそれを生活に取り入れ,さらに天の御父のようになる助けを与えるためにあるのです。
この教師用資料は,効果的なレッスンを準備し,教える助けとなるおもな資料です。この教師用資料の各課には,『聖徒たち—末日におけるイエス・キリスト教会の物語』第1巻「真理の旗」1815-1846年;ジョセフ・スミス文書;そして様々な自伝,回想禄,手紙,そのほか初期の教会歴史の出来事にかかわった個人たちにより作成された主要な情報源からの歴史的情報が提供されています。このコースの生徒用読書課題は,すべて『聖徒たち』第1巻から引用されています。
各課は,一般的に『聖徒たち』第1巻に対応した生徒用読書課題の内容を扱っています。しかしながら,中には,対応する『聖徒たち』第1巻のすべての出来事をレッスンで扱っていない場合もあれば,『聖徒たち』第1巻ではまったく,もしくは少ししか触れていない事柄を強調している場合もあります。クラス外で生徒が『聖徒たち』第1巻を読むとき,複数の章を通して同時に幾つかの話を追っていくことになります。これは,大まかなあらすじと,教会歴史の広大さを理解していく助けとなります。クラスの中では,生徒はじかに聞く歴史的な説明,聖文,教義と原則などに 深く携わり,お互いの考えや経験,証などを分かち合う機会に預かります。生徒がクラス外で読み,またクラスにも参加することで,双方のアプローチから利益を得ることができます。
レッスンの準備
主は「信仰の祈りによって……与えられる」御自身の福音の真理を「御霊に導かれるままに」教えるべきであると指示しておられます(教義と聖約42:13-14)。各課を準備するにあたり,祈りを持って御霊の導きを求めてください。
また準備の一部として,各課の生徒用読書課題を研究してください。こうすることで,各課で扱う一部の歴史的な情報に慣れ親しむ助けとなります。また,その情報に関して生徒たちが出すかもしれない質問の予測もでき,答えるための備えができます。
次に,各課のために提供された教師用資料を注意深く目を通してください。教えるための提案は,教師と生徒が,各課の中に「福音を教え学ぶときの基本」を多く取り込むうえで役立ちます。例えば,主は福音を教える人々に,「わたしの福音の原則を教えなければならない。」(教義と聖約42:12)と戒められました。このコースでは,教義と原則は主に聖文と末日の預言者の言葉から引用されていることが分かりますが,原則の解説に関しては,様々な史料から引き出されています。生徒が教義と原則を見つけることができるようになるとともに,聖霊の証を通してそれらを理解し,それが真実であり重要であると感じて,生活に取り入れることが大切です。
特定のレッスンの中で教え方の提案をすべて使うか,それとも一部だけ使うか,自分で決めることができます。また,御霊の導きに従い,生徒の必要と状況に合わせて,提案されている教え方に工夫を加えることもできます。教え方の提案に工夫を加えたり,自分のアイデアで置き換える場合,特定の教え方の提案がどの基本的な結果をもたらす意図があるのかを必ず考慮し,同じ結果をもたらす代替のアイデアを選ぶようにしてください。
各課を準備する段階で,教師用資料の中にあるすべての教え方の提案を使う時間がないことに気づくでしょう。生徒が,福音の真理が真実であり重要であると感じ,それらを生活に応用するように助けるため,各課のどの部分を強調すべきかを決める時,御霊の導きを求め,よく祈って生徒の必要について深く考えてください。時間が足りない場合は,出来事を短く要約したり,次の課に移る前に生徒が原則や教義を素早く見つけるように導くことで,レッスンを部分的に変更する必要があるかもしれません。
各課の資料にどのような工夫を加えるか考えるときは,大管長会のダリン・H・オークス管長が述べた次の勧告に従ってください。
「〔ボイド・K・〕パッカー会長は まず基本に従い,次に状況に合わせて変えるようにと度々教えてくれました。指定されているレッスンに十分精通していれば,その後,御霊に従って変えることができます。」(“A Panel Discussion with Elder Dallin H. Oaks” [Seminaries and Institutes of Religion satellite broadcast, Aug. 7, 2012])
レッスンを準備する際に,churchofjesuschrist.orgや携帯機器の福音ライブラリーの中にあるメモツールを使いたいと思うかもしれません。このツールを活用して,聖典,大会説教,教会機関誌の記事,レッスンに印を付けることができます。またレッスン中に使用するメモを追加して保存することもできます。このツールの使用方法についての詳細は,churchofjesuschrist.orgのメモのヘルプページを参照してください。
この教師用資料がどのようにまとめられているか
宗教341は,1期分のコースとして作られています。 この教師用資料は,28課で構成されています。各課は,50分の授業で教えるように意図されています。クラスが週2回の場合は,クラス1回ごとに1課教えます。クラスが週1回で90-100分間の場合,授業時間内に2課教えることが推奨されます。
本資料の各課には,次のような特徴があります:
紹介とタイムライン
各課は,その課で学ぶことになる,教会歴史の出来事の簡単な紹介から始まります。また,それぞれの紹介には年表も付随しています。この年表は,その課に関する教会歴史の出来事の基本的な概要を提供してくれます。
生徒用読書課題
第1課を除き,各課の生徒用読書課題は,紹介とタイムラインの直後に列挙されています。授業に臨む前に,『聖徒たち』第1巻からの生徒用読書課題を読んで授業に備えるよう,生徒を励ましてください。これは,生徒が学習の過程における自らの役割を果たす助けとなります。多くの課では,生徒がどのようなことを学んだか分かち合ってもらうことで,どのように生徒用読書課題のフォローアップをすればよいのか提案しています。また,各課は(第28課を除く)生徒が次の授業に備えるに当たって,生徒用読書課題を読むよう生徒に勧めることで締めくくっています。
教えるためのアイデア
各課の本文は,特定の教会歴史の出来事をどのように教えればよいかの助言やアイデアが含まれており,歴史的な情報,参照聖句,質問,引用文,地図,画像,図,活動や配布資料などがあります。これらのアイデアは,生徒たちが主と主の福音への改宗を深めることができるように,福音を教え学ぶときの基本をレッスンの中にどのように取り込めばよいか示しています。
背景の要約
各課で提供されている歴史的な情報や教えるためのアイデアは,通常,より小さなセグメントに分けられています。各セグメントは見出しで始まっており,その課のセグメントで扱う出来事の背景を簡潔にまとめています。
教義と原則
各課の本文では,重要な教義と原則が太字で表示されています。このように教義と原則がカリキュラムの中で示されているのは,それらの教義や原則が,生徒たちが主との関係を深めるうえで重要な真理であり,あるいは,今日の生徒の必要や状況に特に当てはまるものだからです。大管長会のヘンリー・B・アイリング管長は,次のように勧告しています。「レッスンを準備するとき,改心を促す原則を見つけてください。…… 改心を促す原則とは,神の御心に従うように導く原則です。」(“Converting Principles” [evening with a General Authority, Feb. 2, 1996], 1)この教師用資料は,教会歴史の研究で教える教義と原則のすべてを特定しようとはしていないことに注意してください。
本資料の教えるための提案は,生徒が教義と原則を特定する数多くの機会を提供しています。各課では,あなたが教師として教義や原則を特定することを選択できる機会も提案されています。生徒が見つけた真理を特定したとき,生徒が答えを述べるときに用いた言葉が資料で使われているものと違う,または教科課程で述べられていない真理を見つけたという理由だけで,答えが間違っていると生徒に思わせないように気をつけてください。ただし,生徒の言葉がもう少し正確に表すことができるか教義的に正しくない場合,愛と信頼の雰囲気を保ちながら,優しく生徒の理解を明確にしてあげたり,訂正してあげてください。
教え方のヒント
教え方のヒントは,各課を通して教えるための提案に含まれています。これらの教え方のヒントは,福音を教え学ぶときの基本を説明し,教えるための様々な方法,技術,アプローチなどの効果的な使い方の指針を与えてくれます。教え方のヒントに含まれる原則を理解したら,教えるときに絶えずそれらを応用する方法を探してください。
教えるためのその他のアイデア
教えるためのその他のアイデアは,一部のレッスンの終わりに記載されています。これらは,その課の本文では示されていないか,強調されていない出来事や教義,原則を教えるための提案です。また,特定の教会歴史の出来事を描写した動画などそのほかのリソースも提供することがあります。これらのアイデアを使わなければならないと感じる必要はありません。むしろ,使える時間,生徒の必要,御霊の導きに基づいて,これらの提案を使用するかしないか判断するようにしてください。
卒業単位のために生徒に求められること
インスティテュートの卒業に向けて単位を得るには,生徒は少なくとも授業の75%に出席し,コースのテキスト(『聖徒たち』第1巻)を読み,「学習の質を高める経験」を完成することが求められています。
障がいのある生徒のために授業を変更する
教える準備をするときは,特別な必要を抱えている生徒に配慮してください。彼らが成功できるように,活動や期待を調整します。彼らが,愛され,受け入れられ,仲間であると感じられるように助ける方法を見つけてください。信頼関係を育ててください。
追加のアイデアとリソースについては,churchofjesuschrist.org/life/disabilityの障がいに関するリソースページや,宗教教育セミナリー・インスティテュートの方針手引きにある「障がいを持つ生徒のための適応クラスおよびプログラム」というタイトルのセクションを参照してください。