「第22課:ジョセフ・スミス,扶助協会を組織し,神殿のエンダウメントを執り行う」『末日聖徒の歴史:1815-1846年 教師用資料』
「第22課」『末日聖徒の歴史:1815-1846年 教師用資料』
第22課
ジョセフ・スミス,扶助協会を組織し,神殿のエンダウメントを執り行う
紹介とタイムライン
1842年3月17日,預言者ジョセフ・スミスは,ノーブー女性扶助協会を組織しました。エマ・スミスが組織の初代会長として召され,何年も前に与えられた啓示が成就しました(教義と聖約25:7参照)。1842年5月4日,預言者ジョセフ・スミスは,彼の赤れんが造りの店の2階の部屋において,9人の教会指導者に対して初めて神殿のエンダウメントを執り行いました。
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1842年3月17日ノーブー女性扶助協会が組織された。
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1842年5月4日ジョセフ・スミスが9人の教会指導者に神殿のエンダウメントを紹介した。
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1843年9月28日エマ・スミスが神殿のエンダウメントを受けた。
生徒用読書課題
『聖徒たち—末日におけるイエス・キリスト教会の物語』第1巻「真理の旗」1815-1846年,第37章
教えるためのヒント
預言者ジョセフ・スミス,扶助協会を組織する
掲載されている絵を提示します。1841年1月に預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示の中で,主はノーブーに神殿を建てるよう聖徒たちに命じられました(教義と聖約124:25-28参照)。ノーブー神殿の主任建築士ウィリアム・ウィークスは,1841年に神殿建設の準備としてこのスケッチを描きました。
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読書課題の『聖徒たち』第1巻第37章によると,二人の末日聖徒の女性は,どのような貢献を申し出ましたか。(「マーガレット〔・クック〕は,まともな靴もなければ,ズボンもシャツもない〔神殿建設〕労働者が大勢いることに気がつき,彼らのために新しいシャツを一緒に作らないかと,サラ〔・キンボール〕に持ちかけました。マーガレットが縫ってくれるのなら,シャツの生地を提供するとサラは言います。二人は,ノーブーに暮らすほかの女性たちの手も借りて協会を作り,作業を指示することもできると考えました。」〔『聖徒たち』第1巻425〕)
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ここでの話し合いや取り組みは,最終的にどのようなことにつながったでしょうか。(扶助協会の設立。)
生徒を2,3人のグループに分け,付属の配付資料「扶助協会の設立」のコピーを配ります。グループごとに資料を読み,扶助協会の設立に関して印象に残ったことに印を付けるように言います。配付資料に書かれた質問に対する答えについてグループで話し合ってもらいます。
十分に時間を取った後,生徒に見つけた真理を発表するように言います。生徒は,以下を含む幾つかの真理を挙げるかもしれません:扶助協会は古代からあった組織であり,神からの霊感により行われたイエス・キリスト教会の回復の一部である。扶助協会は神権の下に,神権の規範に倣って組織されました。
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扶助協会はどのような点で回復されたイエス・キリスト教会の欠かせない一部だと思いますか。
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扶助協会は神権の下に神権の規範に倣って組織されたとは,どのような意味だと思いますか。
生徒が「扶助協会は神権の下に,神権の規範に倣って組織された」という意味を理解できるよう,大管長会のダリン・H・オークス管長の次の言葉を一人の生徒に声に出して読んでもらいます。
「扶助協会に向けた話の中で,当時十二使徒定員会会長であったジョセフ・フィールディング・スミス大管長は,次のように述べています。『姉妹たちには神権が与えられておらず,神権が姉妹たちに授けられていないとはいえ,主が姉妹たちに権能を与えておられないという意味ではありません。……わたしたちの救いに関連があって絶対に必要な特定の事柄を教会内で行うために,男性あるいは,姉妹に与えられている権能があります。 姉妹たちが主の宮で行う業などがそれです。彼女たちには幾つかの大いなるすばらしい事柄を行う権能が与えられています。それは主にとって神聖であり,神権を持っている男性によって与えられる祝福と同様に完全に拘束力を持っています。』〔Joseph Fielding Smith, ‘Relief Society—an Aid to the Priesthood,’ Relief Society Magazine, Jan. 1959, 4〕
その重要な話の中で,スミス大管長は,女性に権能が与えられていると繰り返し語っています。女性たちにこう言っています。『皆さんは権能をもって語ることができます。 主が皆さんに権能を与えられたからです。』またこうも言っています。 扶助協会には『たくさんの事柄を行う力と権能が与えられています。姉妹たちが行う業は神の権能によって行われます。』もちろん,神殿でも,あるいはワードや支部でも,女性や男性によって行われる教会の業は,神権の鍵を持っている人々の指示の下に行われます。 扶助協会について語りながら,スミス大管長は次のように説明しています。こうして『〔主は〕この偉大な組織をお与えになりました。 それにより,ワードのビショップの指示の下で奉仕する力を受け……人々の霊的および物質的必要に心を配るためです。』〔Joseph Fielding Smith, “Relief Society—an Aid to the Priesthood,” 4, 5〕
このようにして,扶助協会は女性のためのクラスであるだけではなく,姉妹たちが所属するものであり,それは神権に付属するものとして神によって設けられたものであると真に言われています。」(ダリン・H・オークス 「神権の鍵と権能」『リアホナ』2014年5月号,50-51)
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この言葉は,扶助協会は神権の下に神権の規範に倣って組織されたということをより理解できるようどのように助けてくれるでしょうか。
生徒に,『聖徒たち』第1巻の第37章を開くように言います。数人の生徒に,427ページの「『主のみたまは火のごと燃え』を全員で歌い」で始まる段落から読み始め,429ページの「良いことをしたいという望みは」で始まる段落まで,順番に声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,その箇所を目で追いながら,扶助協会が組織された日に起こったことと話し合われたことを見つけるように言います。
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この話で,印象に残ったのはどんなことですか。
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扶助協会の女性が「とてつもなく大きなこと」をして,あなたや知人を祝福してくれたのは,どのような方法によってでしたか。
一人の生徒に,次の段落を声に出して読んでもらいます。
「ノーブーの姉妹たちは我先にと扶助協会に入りました。組織化された正規の方法で物質的な面でも霊的な面でも助けを与えることができることに胸を躍らせていたのです。さらに高い霊的な知識と神殿の祝福に備えるため,預言者から教わるまたとない機会であることを知っていました。姉妹たちは,姉妹同士が一致団結し,また神権者とも一致してこの大義を推し進めることに喜びを感じました。……
姉妹たちは預言者ジョセフ・スミスから6回にわたって教えを受けるという祝福にあずかりました。ジョセフが教えると,姉妹たちはあふれ出る御霊を感じました。……
ジョセフ・スミスは扶助協会設立の土台となった『貧しい人に慰めを与え』,『人々を救う』という原則を,扶助協会の姉妹たちが実践することができるように教えました。……扶助協会創立時の集会以来,姉妹たちは預言者の教えを実践して信仰と個人の義を増し加え,家族と家庭を強め,困っている人を見つけ出し,助けてきました。」(『わたしの王国の娘』15-16)
扶助協会が神の霊感による救い主の教会の一部であることについて,何人かの生徒に証してもらってもよいでしょう。ワードや支部,地方部,ステークの扶助協会に積極的に参加するよう姉妹たちを励ましてください。
預言者ジョセフ・スミス,ノーブーにおいて神殿のエンダウメントを執り行う
掲載されている写真を提示し,イリノイ州ノーブーにある再建された赤れんが造りの店の2階の部屋であることを説明します。1842年5月4日,ノーブー神殿が完成するはるか以前に,預言者ジョセフ・スミスは自分の赤れんが造りの店の2階の部屋で,何人かの教会指導者に神殿のエンダウメントを紹介しました。それはエンダウメントの儀式に備えるためのものでした。預言者ジョセフ・スミスがいつ神殿のエンダウメントに関する理解を得たか,その時期は正確には分かりませんが,啓示によって得たことは確かです(ラッセル・M・ネルソン「神殿の祝福を受けるための個人の備え」 『リアホナ』2001年7月号,37参照)。
一人の生徒に,次の話を声に出して読んでもらいます。ジョセフ・スミスの歴史が,1842年5月4日に執り行われたエンダウメントの儀式についてどのように説明しているかを注意して聞くよう,クラスの生徒に言います。
「店の2階で一日を過ごしました。……スプリングフィールドのジェームズ・アダムズ将軍,祝福師のハイラム・スミス,ニューエル・K・ホイットニービショップとジョージ・ミラービショップ,そしてブリガム・ヤング会長,ヒーバー・C・キンボール長老,ウィラード・リチャーズ長老とともに評議会を開き,彼らに神権の原則と位を教え,洗いと油注ぎとエンダウメントを行い,アロン神権に属する鍵からメルキゼデク神権の最も高い位に属する鍵を授けました。また,日の老いたる者に関する位と,人が長子の教会のために用意されている祝福のすべてを手にし,上って行って永遠の世でエロヒムの前に住むことを可能にする,すべての計画と原則を示しました。この終わりの時代の中で初めて,古代の物事の秩序が再び地上に設けられたのは,この評議会においてでした。
わたしが,この評議会に伝えたことは霊的な事柄であり,それを受けることができるのは,霊的な思いを抱く者だけです。また,この人々に知らされた事柄はすべて,聖徒たちに受ける備えができ,またそれらを伝えるための適切な場所が用意されたらすぐに,終わりの時のすべての聖徒たちに,すなわち聖徒の中の最も弱い者にさえも知らされるでしょう。ですから聖徒たちはこれまでに神から建てるように命じられた,あるいはこれから命じられる,神殿とすべての家を建てるために絶えず努力しなければなりません。」(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』414)
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この話で興味深い,または重要だと思うのはどのようなことですか。
エロヒムという言葉は,「神」または「神々」を意味するへブル語であることを説明します。ここで言う「エロヒム」には,天の御父とイエス・キリストが含まれます(『聖句ガイド』「エロヒム」の項,scriptures.churchofjesuschrist.org参照)。
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「上って行って永遠の世でエロヒムの前に住む」という言葉は,神殿のエンダウメントの儀式の目的について何を教えてくれるでしょうか。(生徒が答えた後,次の真理をホワイトボードに書きます:神殿のエンダウメントは,天の御父とイエス・キリストのもとへ行き,住むための備えとなる。)
一人の生徒に,ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を声に出して読んでもらいます。
「神殿でわたしたちはエンダウメントを受けます。エンダウメントとは,文字どおりには,賜物という意味です。この賜物を受けるときに,わたしたちは,その意味と,神聖な聖約を守ることの重要性を理解する必要があります。それぞれの神殿儀式は,『受ければそれで済むという儀式ではなく,厳粛な聖約を交わす行為です。』〔Gordon B. Hinckley, Teachings of Gordon B. Hinckley(1997), 638〕
神殿のエンダウメントは啓示によって与えられました。したがって,よく祈り,誠実な心をもって求めるときに,啓示によって最もよく理解できます〔モロナイ10:4-5参照〕。ブリガム・ヤング大管長は,次のように語っています。『あなたにとってエンダウメントとは,主の宮において必要なすべての儀式を受けることであり,あなたがこの世を去った後,……御父のもとに帰り,……永遠の昇栄を得られるようにするものです。』〔Discourses of Brigham Young, sel. John A. Widtsoe (1941), 416〕……
……神殿の聖約に従順であることによって,神が人にお与えになる最も大いなる賜物である永遠の命にあずかる資格が得られるのです〔教義と聖約14:7参照〕。永遠の命は不死不滅以上のものです。永遠の命とは,最高の天において昇栄にあずかること,すなわち神が送っておられるような生活を送ることです。」(ラッセル・M・ネルソン「神殿の祝福を受けるための個人の備え」 『リアホナ』2001年7月号,37参照)。
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この話は,神殿のエンダウメントを受け,そこで交わした聖約を守ることの重要性を理解するうえでどのように役立つでしょうか。
1844年6月に亡くなるまでの2年間,預言者ジョセフ・スミスは神殿の儀式を「何十人もの男女に施し,人々は1845年12月のノーブー神殿の完成を待ちながら,神殿の儀式のためにしばしばともに集まって祈り,神殿の儀式に参加しました。」(「福音のテーマ」「神権,神殿および女性についてのジョセフ・スミスの教え」の項,topics.churchofjesuschrist.org)エマ・スミスは,1843年9月28日に神殿のエンダウメントを受けました。エンダウメントを受けた最初の女性であり,その後ほかの姉妹たちが同じ儀式を受ける助けをしました(see The First Fifty Years of Relief Society, ed.Jill Mulvay Derr and others [2016], xxviii, 9–10)。
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自分自身や先祖のための神殿の儀式によって,どのような祝福を受けてきましたか。
神殿のエンダウメントは天の御父とイエス・キリストのもとに行く備えとなることを証してください。時間や状況が許すかぎり,神殿において主を礼拝するように生徒を励まします。
生徒に,次のレッスンのために『聖徒たち』第1巻の第38-39章を読んで準備してくるように勧めます。
注釈と背景情報
今日における神の民の集合
読書課題の『聖徒たち—末日におけるイエス・キリスト教会の物語』第1巻「真理の旗」1815-1846年の第37章から,生徒はノーブーで実施された多妻結婚についてさらに学ぶことでしょう。そのテーマについて生徒に質問がある場合,福音のテーマの論文「カートランドとノーブーにおける多妻結婚」の項(topics.churchofjesuschrist.org)を紹介することができます。多妻結婚については,第24課でさらに詳しく述べられます。