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単元17,第2日—使徒行伝1:9-26


単元17—第2日

使徒行伝1:9-26

はじめに

イエス・キリストは,弟子たちを40日間お教えになった後,天に昇られました。使徒たちと他の人々は祈りと嘆願で一つになりました。霊感を通して,マッテヤが,イスカリオテのユダの裏切りと死によって空いた十二使徒定員会の欠員を埋めるよう召されました。

使徒1:9-12

救い主,天に昇られる

イエス・キリストの再臨についての次の文章を読んで,所定の箇所にその文章が正しい(正)か,または誤っている(誤)かのどちらかを書き込んでください。正しく回答するために関連する聖文を役立ててください。

現世での教え導く業において,イエス・キリストは,末日にはイエスの再臨について誤った教えを広める人がいると預言されました(ジョセフ・スミス—マタイ1:22-25参照)。救い主の言葉と,主の預言者たちの言葉に従えば,わたしたちはイエス・キリストの再臨に関する特定の教えが正しいかどうかを知ることができます。そうすることにより,欺かれないようにすることができます(ジョセフ・スミス—マタイ1:37)。

使徒1:9-12を研究しながら,イエス・キリストの再臨についての真理を見つけてください。

救い主は,復活された後40日間使徒たちを指導されました(使徒1:3参照)。使徒1:9-12を読み,救い主が彼らの指導を終えられた後で,何が起こったかを見つけてください。

あなたがそこにいて,救い主が天に上られるのを目撃したと想像してください。どのような考えや気持ちを持ったと思いますか。

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Ascension of Jesus

古代イスラエルでは,雲は時折,神の栄光と存在の視覚的な描写として使われました(出エジプト40:34参照)。使徒1:9に記述されている雲は,栄光の雲でした(Bible Dictionary, “Cloud”の項参照)。使徒1:10に書かれている二人の人とは天使のことです。

使徒1:11では,天使が使徒たちに何を言ったかに注目してください。天使が言った事柄から学ぶことができる真理の一つは,主の再臨の際,救い主は栄光のうちに天から降りて来られるということです。

使徒1:12では,救い主の昇天がオリブ山で起こったことに注目してください。救い主が再びおいでになるとき,主は天から降りて来られ,実際にオリブ山の上に立たれる姿を見ることになります。(ゼカリヤ14:4;教義と聖約45:47-53133:19-20参照)。このことは,主が世界にその偉大で威厳のある姿を現される前に起こります(イザヤ40:5参照)。

次の質問について考えてください。救い主がお戻りになる方法を知っておくことは,主の再臨を待つにあたって欺かれることがないようにするためのどのような助けとなりますか。

使徒1:13-26

十二使徒定員会の空席を埋めるためにマッテヤが選ばれる

使徒たちがオリブ山からエルサレムに戻った後,彼らは祈って礼拝するために,イエスの母であるマリヤを含む忠実な男女の何人かとともに集まりました。使徒1:13を読み,そこに挙げられた使徒たちの人数を数えてください。

その当時の使徒たちが11人だけだったのはなぜですか。

使徒1:15-20では,ペテロが120人の弟子たちの前に立ち,イスカリオテのユダの死について話したことが分かります。ユダは十二使徒の一人であったため,弟子たちは新しい使徒を選ぶために集まりました。

次の指導者が選ばれるさまざまな方法を考えてください。チームのキャプテン,地方自治体の指導者,王や女王,会社の社長。これらの指導者の地位に就くための資格にはどのようなものがあるでしょうか。

イエス・キリストの使徒が選ばれる方法と,使徒として奉仕するためにはどのような資格が必要かを考えてください。

使徒1:21-26を読み,イスカリオテのユダの死後,新しい使徒がどのように選出されたかを見つけてください。

26節にある「くじを引いた」という句は,判断を下すための古代の方法を指しています。忠実な者の中では,神の御手が然るべき結果へと導いてくれます(箴言16:33参照)。

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Elder Bruce R. McConkie

十二使徒定員会のブルース・R・マッコンキー長老は次のように説明しています。「彼らがくじを引いたら,それは主がその結果を選ばれたという実例なのでした。しかし,それはおおかた,聖なる使徒職で奉仕するために神が選ばれた人物を支持するために『彼らが投票した』のであり,おそらくは『支持の挙手』だったでしょう。」(Doctrinal New Testament Commentary,全3巻〔1965-1973年〕,第2巻,32)

使徒1:21-22によると,ペテロは,イエスを個人的に知っており,イエスの教え導く業の初めから復活までの証人である者の中から新しい使徒が選ばれると言いました。

使徒1:24-25に記録された使徒たちの祈りで,最も印象に残った箇所はどこですか。

この記述から学ぶことができる一つの真理は,イエス・キリストの使徒は,啓示を通して神によって召されるということです。聖典の使徒1:24の横にこの原則を書くとよいでしょう。

  1. 次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。使徒たちが,世の中の他の指導者たちと似た方法で選出されるのではなく,啓示を通じて神によって召されることが大切なのはなぜだと思いますか。

現代の使徒が啓示によって選ばれた方法の実例として,ヒーバー・J・グラント大管長の生涯から次の記述を読んでください。

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President Heber J. Grant

「グラント大管長は自身の生活の中で導きを受けただけでなく,大管長として教会全体を導くための啓示を受けた。そのような啓示の一つが大管長に召された直後に与えられた。新しく十二使徒定員会会員として誰を指名すべきかについて,主の御心を求めていたときのことであった。この責任について思い巡らしていると,忠実な末日聖徒で,その力量が実証されていた長年の友人リチャード・W・ヤングの名が度々心に浮かんできた。彼を召してはどうかと顧問たちに相談したところ,二人は大管長の考えに賛成した。最終的にこの方針を心に決めると,グラント大管長は友人の名を紙に書き,それを手にして,毎週神殿で開かれる大管長会と十二使徒定員会の集会に向かった。しかし,幹部の兄弟たちの承認を求めるためにその名を提示しようとしたとき,そうすることができなかった。リチャード・W・ヤングの名を提示する代わりに,彼は,自分がほとんど知らないメルビン・J・バラードの名を提示したのだ。グラン卜大管長は後にこの経験から受けた衝撃を次のように語っている。

『わたしは生ける神の霊感による導きを受けて自分の務めを果たしてきました。長年の愛する友の代わりに,ほとんど知らない人を十二使徒に選んだその日以来,この地上における神の業を管理するために神の光と霊感と導きを受ける権利を自分が持っていることを知りました。わたしは自分が生きていることを知っているのと同じように,それをはっきりと知ったのです。』」(『歴代大管長の教え—ヒーバー・J・グラント』181-182

使徒1:24で教えられている真理が,現代の使徒の召しについての話にどのように描写されているかについて深く考えます。

使徒の召しは,救い主が今も主の教会を導き続けておられるのをどのように示していますか。(使徒1:2で教えられた真理,すなわち,イエス・キリストが聖霊を通じて使徒たちに御心を明らかにすることにより,御自身の教会を導いておられるということを思い出してください。)

  1. 次の質問から一つ,あるいは幾つかを選び,聖典学習帳に答えを書いてください。

    1. 新しい使徒が十二使徒定員会に召されるのを見たのはどのようなときで,その召しにおける新しい使徒を支持しながら何を感じましたか。

    2. 生ける使徒たちが神によって召されたことを知る助けとなったのは,どのような経験でしたか。

    3. 生ける使徒たちが神によって召されたことについての証を持つことが,あなたにとって大切なのはなぜですか。

    4. 現在教会で奉仕している使徒全員の名前を知っていますか。思い出せる現在の使徒の名前を,出来るだけ多く書き出してください。(現在の使徒たちの名前をどれだけよく挙げることができたかを判断するには,最近の『リアホナ』総大会号で中央幹部の写真と名前が載ったページを見るか,LDS.orgで検索することができます。)

  2. 聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。

    _月_日,使徒1:9-26を学習し,このレッスンを終了しました。

    教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)—

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