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単元26,第1日—コロサイ


単元26—第1日

コロサイ

はじめに

使徒パウロはイエス・キリストの優越性(優位性,偉大さ,卓越性)について教え,偽りの教義に対して警告しました。パウロはコロサイの聖徒たちに,天にあるものを思い,キリストの特性を育むよう勧めました。パウロはまた,他の人々との交流において慈悲深く賢明であるよう教えました。

コロサイ1-2章

パウロ,イエス・キリストの優越性について教え,偽りの教義に対して警告する

drawing, trees and roots

1本は根が浅く,もう1本は深い根を持つ,同様の大きさの2本の木を想像してください。ひどい竜巻が来た場合,それらの木のどちらが倒れる可能性が高いでしょうか。それはなぜですか。

Elder Neil L. Andersen

十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老の次の話を読み,用心する必要がある嵐の種類を見つけてください。「これまでに預言されてきた〔末日の〕地震や戦争よりももっと気がかりなのは,霊を滅ぼす嵐です。それらは,皆さんを霊的な土台から根こそぎ引き抜き,思いも寄らなかった場所へと連れ去ります。時には,自分がそちらの方に進んでいることに気づかないこともあるのです。」(「霊を滅ぼす嵐」『リアホナ』2014年5月号,18)

わたしたちをイエス・キリストを信じる信仰から引き抜く,つまり引き離してしまう霊を滅ぼす嵐にはどのようなものがあるでしょうか。

これらの霊を滅ぼす嵐は,例えば地震や戦争などの物理的な困難よりも,なぜ厄介なことになり得るでしょうか。

どのような霊を滅ぼす嵐があなたに影響を与える可能性があるか深く考えてください。

教会員をイエス・キリストを信じる信仰から引き離す脅威となっていたコロサイにおける影響と偽りについて知った後,使徒パウロは彼らに宛てて書簡を書きました。コロサイへの手紙を研究しながら,どのようにパウロが教会員のキリストを信じる信仰を強化しようとしたか,さらにキリストに深く根ざした信仰を持つことで得られる祝福を見つけてください。

コロサイは,現代のトルコにある場所です。『聖書の地図』の地図13「使徒パウロの伝道の旅」を見て,地図上でコロサイの場所を見つけてください。コロサイは,ラオデキヤの南東およそ18キロメートルのところにあります。

コロサイ1:1-11に記録されているとおり,パウロはコロサイの聖徒たちに挨拶し,彼らの忠実さに感謝しました。パウロは,福音を受け入れて,福音に従って生活する人々の人生において,福音が実を結ぶ,すなわち祝福をもたらすことを説明しました。その後,パウロはイエス・キリストについて聖徒たちに教えました。

コロサイ1:12-19を読み,イエス・キリストについてパウロが教えた真理を見つけてください。自分の聖典に,見つけたことに印をつけるかメモをするとよいでしょう。15節の「見えない」という言葉は,「まだ見たことがない」という意味です。

コロサイ1:12-19は,イエス・キリストについて次の真理を教えています—イエス・キリストは贖い主,天の御父の霊の子供たちの長子,万物の創造主,教会の頭,最初に復活された御方であられる。

  1. journal icon聖典学習帳に次の質問の答えを書いてください。

    1. イエス・キリストについてこれらの真理を知り,信じるのが大切なのはなぜだと思いますか。

    2. これらの真理を知り,信じることによって,どのように主への信仰を強めることができるでしょうか。

パウロはイエス・キリストがわたしたちの贖い主であると教えました(コロサイ1:14)。コロサイ1:20-22を読み,パウロがコロサイの聖徒たちに贖い主の必要性について教えたことを見つけてください。

21節によると,人はどのようにして神から遠ざけられたのでしょうか。

「和解させる」(コロサイ1:20,22参照)という言葉は,合意,または一致させるという意味です。コロサイ1:20-22によると,イエス・キリストはどのようにしてわたしたちを神と和解させてくださったのでしょうか。(〔20節にある〕「その十字架の血によって平和をつくり」という語句は,イエス・キリストの贖罪を指します。)

神と和解するという祝福は条件つきです。コロサイ1:23を読み,神と和解するために必要な事柄を見つけてください。

「ゆるぐことがなく,しっかりと信仰にふみとどま〔る〕」(コロサイ1:23)とは,主の戒めを守り,罪を悔い改めることによって,イエス・キリストを信じる信仰に確固としてあり続けるという意味です。コロサイ1:20-23から,次の真理が分かります—揺るぐことがなく,しっかりと信仰に踏みとどまり続けるなら,イエス・キリストの贖罪を通じて,わたしたちは神と和解することができる。

  1. journal iconこのレッスンの最初に想像した2本の木の状態を思い出してください。それから,次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。

    1. 深く根ざした木のように,キリストを信じる信仰に揺るぐことがなく,しっかりと踏みとどまっている人を誰か知っていますか。

    2. その人の模範はあなたにとってどのような祝福となっていますか。

それら2本の木に吹きつける嵐を思い出してください。コロサイ2:4,8を読み,コロサイの聖徒たちを信仰から根こそぎ引き抜く恐れがある,霊を滅ぼす嵐を見つけてください。

当時,イエス・キリストの重要性を損なおうとしていた一部の人々によって教えられている哲学や言い伝えが幾つかありました。人気を集めた他の偽りの宗教哲学には,神への仲保者である天使を礼拝すべきであるとか,肉体は悪であるという考えがありました(コロサイ2:16-23参照)。

イエス・キリストの重要性を損なう教えを含め,偽りの教えを信じると,なぜ人は霊的に根こそぎ引き抜かれてしまうのでしょうか。

コロサイ2:6-7を読み,この世的な哲学や言い伝えによって聖徒たちが道に迷わされるのを避ける助けとなるようパウロが与えた勧告を見つけてください。

これらの聖句から次の真理が分かります—イエス・キリストに根ざし,強められることによって,この世的な哲学や言い伝えに惑わされるのを避けることができる。

  1. journal icon聖典学習帳に次の質問の答えを書いてください。

    1. イエス・キリストに根ざし,強められるためにわたしたちができる最も重要なことの一つは何だと思いますか。

    2. なぜその特定の事柄がそれほど重要だと思いますか。

ニール・L・アンダーセン長老の霊を滅ぼす嵐についての説教の続きである次の言葉をよく考えてください。

Elder Neil L. Andersen

「最悪の嵐はサタンの誘惑です。罪は常に世界に存在してきましたが,これほど近寄りやすく,避けがたく,受け入れやすい存在であったことはありません。もちろん,罪という嵐を鎮める強い力があります。それは悔い改めと呼ばれるものです。

人生で遭遇する嵐は全て自分の行いが原因とは限りません。他の人による間違った選択ゆえに起きるものもあり,俗世にありがちなものもあります。……

嵐に備えるにはどうしたらよいでしょうか。『覚えておきなさい。あなたたちは,神の御子でありキリストである贖い主の岩の上に基を築かなければならないことを覚えておきなさい。そうすれば,悪魔が大風を,まことに旋風の中に悪魔の矢を送るときにも,まことに悪魔の雹と大嵐があなたたちを打つときにも,それがあなたたちを引きずり落とすことはない。なぜならば,あなたたちはその岩の上に建てられて〔いる〕からである。』〔ヒラマン5:12〕このようにすれば,皆さんは嵐に遭っても安全です。」(「霊を滅ぼす嵐」18-19)

  1. journal iconレッスンの始めに考えたこれらの個人的な霊を滅ぼす嵐を思い出してください。聖典学習帳に,あなたが引き続きイエス・キリストに根ざし,強められ,霊を滅ぼす嵐によって根こそぎ引き抜かれるのを避けるために行う事柄を記録してください。

コロサイ3-4章

パウロはコロサイ人に天にあるものを思い,賢くあるよう勧める

コロサイ3-4章に記録されているとおり,使徒パウロはコロサイの聖徒たちに,義に反する行いをやめ,イエス・キリストの特質を育むよう熱心に勧めました。パウロはまた,キリスト教徒ではない人々との関わりにおいて,特に信心深くかつ賢明であるよう勧めました。パウロはその後,ルカを含む,何人かの仲間の僕たちからの挨拶を伝えました。

  1. journal icon聖典学習帳の今日の課題の下に,次の言葉を書いてください—

    _月_日,コロサイを学習し,このレッスンを終了しました。

    教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)—