第25課
「息のあるすべてのものに主をほめたたえさせよ」
目 的
救い主に対して,また救い主と天の御父がわたしたちに与えてくださっている多くの祝福に対して,クラスの生徒が感謝を示せるように助ける。
準 備
-
この課で話し合う聖句と,詩篇中のできるだけ多くの聖句を,祈りの気持ちをもって研究する。
-
レッスンを研究し,クラスの生徒の必要を最も満たす聖句と主題,質問を祈りの気持ちをもって選ぶ。この課では詩篇の全体は網羅しない。全書にわたって見られる重要な主題の幾つかを扱うだけである。
-
「導入」1の活動を行うときは,救い主の絵と,あなたが感謝しているものを表す4つから5つの物,例えば聖典,愛する人の写真,あなたの才能の一つを表す物,食べ物などを持参する。「導入」2の活動を行うときは,一人か二人の生徒に,詩篇の好きな詩を分かち合い,なぜそれが自分にとって大切か話すよう準備しておいてもらう。
-
神殿の写真を1枚以上持参する。
レッスンの展開
聖句を使った話し合いと応用
以下の聖句について教えるときには,日々の生活にどう応用するか話し合う。聖句に述べられている原則に関する経験を分かち合うよう,生徒に勧める。
詩篇は神への賛美あるいは懇願として当初歌われた詩を集めたものであることを説明する。その多くはダビデにより書かれた。この書は古代イスラエルからの聖歌のようなものである。その叙情詩は世界で最も霊感に満ちた文学を成し,主を信じる信仰と,義にかなった生活を送りたいという熱烈な望みを表している。
1.イエス・キリストの生涯と使命の預言
詩篇の多くの詩は,メシヤとしてのキリストの使命を預言している。復活された救い主はこう宣言された。「モーセの律法と預言書と詩篇とに,わたしについて書いてあることは,必ずことごとく成就する。」(ルカ24:44)詩篇に書かれている,キリストについての預言の成就について話し合う。
預 言 |
成 就 |
---|---|
マタイ8:23-27。イエスは風と波とを静められた。 | |
ヨハネ13:18,21。イエスは友に裏切られた。 | |
マルコ14:32-41。イエスはゲツセマネで御独りで苦しまれた。 | |
マタイ27:39-43。イエスはあざけられた。 | |
マルコ15:25。イエスは十字架につけられた。 | |
マタイ27:35。兵士たちはキリストの着物をくじ引きした。 | |
マタイ27:46。イエスは御父に,どうして御自分をお見捨てになったのか尋ねられた。 | |
ヨハネ19:28-30。イエスはのどの渇きのために酢を与えられた。 | |
ヨハネ19:33-36。イエスの骨は折られなかった。 | |
ルカ23:46。イエスは御自分の霊を御父にゆだねて亡くなられた。 | |
-
イエス・キリストは,生誕する以前から御自身の誕生とその生涯と復活が預言されたただ一人の御方です。救い主の生涯についてこのように詳細な預言がなされたのは,なぜだと思いますか。(これらの預言は,イエスが約束されたメシヤ,世の救い主であられることをはっきりさせた。)これらの預言は,これらを受け入れる人々にとってどのように祝福となったでしょうか。(預言は,人々が救い主について学び,その生誕前でさえ救い主について
証 を得る助けとなった〔モーサヤ3:13参照〕。預言はまた,救い主が来られたときに救い主のことを人々に認めさせるのにも役立った。)
2.「主は豊かにおまえをあしらわれたからである」(詩篇116:7)
救い主の生涯と使命についての預言のほかに,詩篇の多くの詩は,天と地の創造,救い主の
天と地の創造
天と地の創造について主に感謝を述べている次の詩について話し合う。
救い主の憐れみ,赦し,愛
救い主の憐れみ,赦し,愛に対して救い主に感謝を表す次の詩の幾つかについて話し合う。
-
これらの詩から主について何を知ることができるでしょうか。主の憐れみ,赦し,愛について知るようになったのはどうしてか,生徒に話してもらう。
-
詩篇51篇の中のダビデの赦しの懇願をどのように感じますか。この詩は,悔い改めと赦しについて何を教えていますか(第2,7,12節の最初の言葉に注目する。これらの言葉は悔い改めの重要な側面を述べている。心から悔い改めなければならない心の状態について述べている第17節にも留意する)。
聖 文
聖文について主に感謝を述べている次の詩について話し合う。
-
聖文のことを述べるのに,ダビデは,詩篇19:7-10でどのような言葉を用いましたか(聖文の同義語として,「おきて」「あかし」「さとし」「戒め」「さばき」という言葉が用いられている。聖文について述べた形容詞には,「完全」「確か」「正しい」「まじりなく」「清らか」という言葉が含まれる。聖文は金よりも慕わしく,
蜜 よりも甘いとも述べられている)。 -
詩篇19:7-11に記されているところによれば,聖文はわたしたちの生活にどのような祝福をもたらすでしょうか。これらの祝福を黒板に列記するとよい。
-
聖文は魂を生き返らせる(第7節)。
-
聖文は無学な者を賢くする(第7節)。
-
聖文は心を喜ばせる(第8節)。
-
聖文は
眼 を明らかにする(第8節)。 -
聖文は警告を与える(第11節)。
-
-
聖文はこれらの方法により,あるいはほかの方法により,あなたの生活にどのような祝福をもたらしてきたでしょうか。
-
詩篇作者は,「いかにわたしはあなたのおきてを愛することでしょう。わたしはひねもすこれを深く思います」(詩篇119:97。15-16,33-35,40,47-50,72,92,104,174節も参照)と主に叫んでいます。わたしたちは聖文に対するこのような愛を,どのように増し加えることができるでしょうか。
-
聖文はどのような点で,「足のともしび……道の光」に似ているでしょうか(詩編119:105)。
神 殿
神殿についての次の詩の幾つかを話し合う。生徒がこれらの詩を読んでいる間,神殿の写真を何枚か提示するとよい。
-
これらの詩から神殿について何が分かるでしょうか。神殿参入に自らを備えることについて,何が分かるでしょうか。
生徒に,「いとまされる」(『賛美歌』158番)を歌わせるか,歌詞を読ませるとよい。あるいは,初等協会の子供たちを何人かクラスに招いて,「神殿に行きたいな」(『子供の歌集』99)を歌ってもらう。
3.「わたしに賜わったもろもろの恵みについて,どうして主に報いることができようか」(詩篇116:12)
-
ダビデは,詩篇116篇の中で,「わたしに賜わったもろもろの恵みについて,どうして主に報いることができようか」と問うています。ダビデはこの質問にどのように答えたでしょうか。下記のように,ダビデの言葉の一つ一つを列記するとよい。
-
「わたしは
救 の杯 をあげて」(詩篇116:13) -
「わたしは……主のみ名を呼ぶ。」(詩篇116:13)
-
「主よ,わたしはあなたのしもべです。」(詩篇116:16)
-
「わたしは感謝のいけにえをあなたにささげて」(詩篇116:17)
-
「わたしはすべての民の前で,主にわが誓いをつぐないます。……主の家の大庭の中で,これをつぐないます。」(詩篇116:18-19)
-
-
主に感謝を述べる際に,わたしたちは,ダビデの答えをどのように応用できるでしょうか。
4.「主に寄り頼みなさい」(詩篇4:5)
教えるためのそのほかのアイデア
以下の説明はレッスンの展開を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。