「12:人々をバプテスマと確認に備えるにはどうしたらよいでしょうか」『わたしの福音を宣べ伝えなさい—伝道活動のガイド』205-214
「12 バプテスマと確認」『わたしの福音を宣べ伝えなさい』205-214
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人々をバプテスマと確認に備えるにはどうしたらよいでしょうか
人々をバプテスマと確認に備える
あなたがレッスンを教える目的は,人々がイエス・キリストを信じる信仰を育み,罪を悔い改められるよう助けることです。モルモンは「悔い改めの最初の実はバプテスマである」と教えました(モロナイ8:25)。バプテスマの面接は,志願者が主の定められたバプテスマの標準を満たしているか,また聖霊の賜物を受ける準備ができているかどうかを確認するために教会が定めた方法です。バプテスマ志願者はこの面接を通して,教会の正式な代表者の前で「自分のすべての罪を心から悔い改めたこと」(教義と聖約20:37)を証明するという聖文上の資格を満たすのです。人々が決意する事柄は,彼らがバプテスマの聖約を交わし,それを守るための備えとなります。また教会員として確認され,聖霊の賜物を授かり,限定推薦状を持って神殿に参入し,アロン神権を受ける(適齢の男性の場合)準備ともなるのです。あなたから決意するように招かれた事項を守ってきた人々は,面接を受け,教会員となり,活発であり続けるための備えが十分にできていることでしょう。
人々に教え,人々をバプテスマと確認に備える中で,彼らがバプテスマの資格を確実に満たせるようにしてください。人々が聖約の道を歩み始めるときには,その道が聖なる神殿,すなわち永遠の命を受けるに必要な祝福を受ける場所へと続いていることを覚えておきましょう。
個人がバプテスマを受ける日付を確定したら,『デイリープランナー』に記されているバプテスマと確認を受けるうえで助けとなる事柄をすべて完了させるための予定を組みます。『レッスン記録』を入念に確認し,あなたが基本的な教義を教え終えていること,志願者がバプテスマの面接でのあらゆる質問に答えられることを確認します。本人と一緒にこの日程を検討します。可能であれば,志願者は自分がバプテスマを受ける前にだれかのバプテスマ会に出席すべきです。
あなたが教えている人にさらなる備えが必要だと感じたら,本人が資格を満たすようになるまで面接の予定を組んではなりません。志願者が未成年であれば,親または保護者からバプテスマを受ける許可をもらっていることを確認してください。できれば書面による許可をもらいます。
人々がバプテスマの面接に備えられるように,面接の目的を説明してください。そしてバプテスマと聖霊の賜物を受けることがどれほど神聖であるかを教え,証を述べます。これまで教えてきた原則と,これから交わす聖約を理解しているか確認するために面接を行うということを伝えます。また面接は,神聖な儀式を受ける備えができていることを主の代表者の前で証明する機会でもあることを説明してください。バプテスマの聖約を守るならば,彼らは罪の赦しを受けるのです。主要な福音の教義を信じていること,過去の罪を悔い改めていること,生涯を通じてイエス・キリストに従うという聖約を交わしたいと思っていることについて,面接をする人が質問することを志願者に知らせておきます。聖霊の賜物による火のバプテスマを受けるまで,水に沈めるバプテスマは完成されないことを強調してください。
バプテスマと確認を受け次第,神殿に参入するための限定推薦状を受けるにふさわしく,その資格があることを確認しておきます。神殿では,亡くなった先祖のためにバプテスマを執行することができます。また,適齢の男性はアロン神権への聖任も受けられることを伝えておきましょう。これらは志願者が道にとどまり,永遠の命へと扉を開く神殿の聖約を交わすべく,歩み続ける助けとなるものです。
面接を実施する方法
面接を実施する人は,バプテスマの面接の質問を使い,御霊の導きに従って,バプテスマ志願者が教義と聖約20:37にある資格を満たしているかどうか見極めます。質問は,志願者の年齢や成熟度に応じて調整することが大切です。
バプテスマの面接の質問を通して志願者が資格を満たしていないことが分かった場合は,バプテスマと確認を延期すべきです。その人は専任宣教師からさらにレッスンを受け,ワードの会員たちからフェローシップを受ける必要があります。
面接を実施するディストリクトリーダーまたはゾーンリーダーは,以下を行います。
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快適で,プライバシーが保たれ,主の御霊を感じやすい場所で面接を行います。子供や青少年,女性の面接を実施する場合,面接者の同僚に,隣室,ロビー,またはホールといった近場にいてもらう必要があります。面接を受ける人が希望する場合,その面接に同席するよう別の成人に依頼することができます。宣教師は,誤解を招く可能性のあるあらゆる状況を避けるべきです(「虐待の防止と対応」大管長会からの手紙,2018年3月26日付を参照)。
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祈りによって始めます。
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志願者が気持ちを楽にできるよう配慮します。
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面接が霊を鼓舞する機会となるようにします。
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志願者が面接の目的を理解していることを確認します。
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バプテスマの面接の質問を行います。志願者の証の強さを確認し,その悔い改めが真心からのものであることを知るためにフォローアップの質問をします。
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志願者の質問に答えます。
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証を述べ,感じていることを話すよう志願者に勧めます。
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証やふさわしさに何か課題があれば,本人の準備がさらに整うまで,バプテスマを延期するのが最善であることを説明します。
面接を終え,志願者がバプテスマの資格を満たしている場合は,祝福の言葉をかけてください。ほかの宣教師たちを交えて,バプテスマ会でどのようなことをするかを説明します。
確認は,志願者が住むエリアのワードの聖餐会において,ビショップの指示の下に行われることを説明します。
バプテスマを延期する必要がある場合,ディストリクトリーダー,ゾーンリーダー,その他の宣教師は,事態を慎重かつ内密に扱う必要があります。志願者には資格を満たす道が開かれていることを確認し,一部の背きを完全に悔い改めるには,より長い期間が必要とされることを説明します。儀式の神聖さを保つために,ふさわしさに関して高い標準が求められていることを説明します。志願者を支援するために全力を尽くすことを理解してもらえるようにしてください。それから,その約束を最後まで忠実に守るのです。
バプテスマと確認フォーム(改宗者用)を完成させる
面接を行う宣教師は,最新の「バプテスマと確認フォーム」(改宗者用)に必要事項を記入する必要があります(確認に関する情報を除く)。面接者は,「バプテスマと確認フォーム」(改宗者用)を基に会員記録が作成されることを説明してください。個人情報やこれまでに受けた儀式など,会員に関する大切な情報が記載されるのが会員記録です。面接の際に,宣教師はフォームに記載の情報が正確なものであることを志願者に確認してもらう必要があります。面接を行う宣教師は「バプテスマと確認フォーム」(改宗者用)をバプテスマ会に持参し,管理者に渡さなければなりません。
ビショップは,志願者一人一人の「バプテスマと確認フォーム」(改宗者用)が,フォームに記載の指示に則って確実に記入されていることを確かめます。会員が転居すると,会員記録は転居先のユニットに転送されます。転居先のビショップがフェローシップと支援を行えるようにするためです。
バプテスマ会
バプテスマと確認の聖なる儀式が執行されるとき,力強い御霊の現れがあります。バプテスマ会とそれに続く確認の儀式は,新しく改宗する人にとって霊的に大きな意義を持つ出来事とならなければなりません。あなたはワード伝道主任と協力して,よく準備された,霊的で記憶に残るバプテスマ会を実現するべく全力を尽くさなければなりません。新しく改宗する人が教会に活発に集う決意をいっそう強められるような集会にする必要があります。
バプテスマ会には,ビショップリックの一員,定員会および補助組織の指導者,またミニスタリングブラザーおよびミニスタリングシスター(割り当てられている場合)を招待します。バプテスマを受ける人に,友人や親戚を招待するよう勧めます(例として,ソーシャルメディア上でイベントを作成する)。バプテスマ会および確認が行われる聖餐会に出席してもらうのです。あなたが教えているほかの人々を招待してもよいでしょう。こうした経験は,人々が御霊を感じるうえで助けとなります。また福音についてさらに学ぶようにとの招きを受け入れる備えの機会ともなります。バプテスマを受ける人,ワード伝道主任と力を合わせて,本人の友人や親戚を招待しましょう。バプテスマ会の後,彼らが感じたことについて話し合うためにフォローアップを行い,友人がなぜバプテスマを受けたか理由を尋ねるよう招きます。
バプテスマを受ける人を教えた宣教師は,バプテスマ会を計画するためにワード伝道主任と調整をします。日曜日にバプテスマ会を行う場合,日曜日の定例集会への妨げが最小限に抑えられる時間帯に開くべきです。バプテスマを受ける人に,バプテスマ会の内容とその理由を説明します。適切な服装について話し,バプテスマの際に身に着ける白い衣装をどのように手渡すかも説明します。バプテスマの場所と時間を確認します。通常,ビショップリックの一員またはワード伝道主任がバプテスマ会の司会を務めます。主要な計画事項は以下のとおりです。
バプテスマ会には以下の事柄が含まれます。
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前奏曲
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司会を務める神権指導者からの簡単な歓迎の言葉(可能であればビショップリックの一員が管理する)
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開会の賛美歌と祈り
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バプテスマや聖霊など,福音のテーマに関する一人か二人の短い話
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音楽の発表
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バプテスマの執行
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バプテスマに携わった人々が乾いた衣服に着替えている間の敬虔な時間(間奏曲を演奏する,親しまれている賛美歌や初等協会の歌を歌う,あるいは会員でない出席者のために専任宣教師が福音を短く伝える時間としてもよい)
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新しい改宗者が証を述べる機会(希望がある場合)
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閉会の賛美歌と祈り
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後奏曲
確認
バプテスマを受けた人は,その後で確認の儀式を受けます(教義と聖約20:41参照)。新しい改宗者はバプテスマの儀式と確認の儀式の両方を受け,正式に記録されて初めて教会員と見なされます(ヨハネ3:5;教義と聖約33:11 参照)。改宗者は自分の住んでいるエリアのワードにおける聖餐会で確認を受けます。確認は,バプテスマ直後の日曜日に受けることが望ましいでしょう。改宗者の確認は,バプテスマ会では行われません。ビショップはバプテスマが執行された後,速やかに確認の儀式が執り行われるのを見届ける責任があります。確認には,少なくともビショップリックの一人が参加します。ビショップは,改宗者を教えるのに携わった長老の宣教師たちを,確認に参加するよう招くべきです。この重要な儀式が確実に執行されるように,ビショップやワード伝道主任と密接に連絡を取ってください。確認の儀式のために,ビショップが別途面接を行うことはありません。
確認の後,ビショップまたはワード書記は「バプテスマと確認フォーム」(改宗者用)の確認に関する情報を記入します。記入が済んだら,ワード書記はフォームの控えを2枚,専任宣教師に返します。会員記録を作成できるように,宣教師はそのうち1枚をミッションオフィス(伝道本部)へ送付してください。
バプテスマと確認の後
宣教師はビショップの指示の下,引き続き新会員をフェローシップするべきです。引き続き新会員を教え,これまで学んできたことを復習してください。彼らを励まし,支え,一緒にモルモン書を読み,家族や友人に福音を分かち合うよう助けます。また適切であれば,生涯を通じて,あなたが教えた人々と連絡を取り,励まし,支え続けてください。
確認の後は,宣教師の5つのレッスンすべてを再び教えてください。進歩を記録するに当たっては,引き続き『レッスン記録』を活用します。ワード伝道主任をはじめとするワードの指導者たちと密接に働き,新しい改宗者を助けてください。彼らが活発であり続け,地元の会員たちと信頼関係を築き,限定神殿推薦状を受け,アロン神権へ聖任される(適齢の男性の場合)ように力を尽くすのです。新しい改宗者を支え,彼らがイエス・キリストの贖罪がもたらすすべての祝福を受けられるように助けてください。
研究と応用のためのアイデア
個人学習
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バプテスマの志願者が直面すると思われる問題をリストアップしてください。志願者が教会員たちから愛と友情を感じることはなぜ大切なのでしょうか。
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モロナイ6章と教義と聖約20:68-69を研究してください。人々をバプテスマと確認に備えることについて,これらの聖句から何を学べるでしょうか。学んだ事柄を書き留め,同僚との勉強会で自分の考えを伝えてください。
同僚との勉強会
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ヘンリー・B・アイリング管長は,高い標準を維持することの大切さについて説明しています。この勧告について同僚と話し合い,これらの標準に従うよう人々を雄々しく助けることに関して,感じていることを評価します。「主が主の標準を定められたのは,わたしたちを祝福するためです。そのような祝福について考えてみてください。主は標準を守る人に対して,聖霊の助けと内なる平安,主の宮で聖なる儀式を受ける機会を約束されました。さらに主の標準に沿って生活し続ける人は,永遠の命を得ると約束されました。……わたしたちは皆,自分の仕える人々を愛しているので,天の御父の子供である彼らが主の祝福すべてを受けるのに必要な忠実さと清らかさを身に付けられるよう,さらに努力していきたいと願っています。……まず主の標準を明確に,そして臆することなく教えることから始めるのです。世の中が主の標準から遠ざかり,主の標準をあざ笑うようになったとしても,皆さんはいっそう勇気をもって語らなくてはなりません。」(“Standards of Worthiness,” First Worldwide Leadership Training Meeting, Jan. 2003, 10–11)
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本章を研究した結果,人々をバプテスマと確認に備えることについて何を学んだか同僚と話してください。
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最近出席したバプテスマ会について考え,その内容を「バプテスマ会」の項に記されている指針と比較します。良かった点や改善できる点を挙げてください。自分たちが計画に携わるバプテスマ会を,霊的に鼓舞されたものとするにはどうしたらよいかを話し合います。
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特定の個人をバプテスマの面接に備える方法を練習してください。
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バプテスマの面接の質問を検討します。以下のような様々な状況に対処する方法を考えてください。
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志願者は以前に犯罪に関与しており,現在執行猶予中であることを伝えていませんでした。
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祈りましたが,ジョセフ・スミスが預言者であるという確かな答えをまだ受けていません。
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志願者は2日前にたばこを吸いました。
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志願者は祈りの答えを受けたかどうか,まだはっきりと分かっていません。
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その一家は友人からのプレッシャーを感じており,バプテスマを受けるべきか迷っています。
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「バプテスマと確認のフォーム」(改宗者用)を確認します。記載されている情報が正確であり,すべての項目が完全に記入済みであることを確認するにはどうすればよいでしょうか。
ディストリクト評議会,ゾーン大会,および伝道部リーダーシップ評議会
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バプテスマの面接の重要性を確認してください。人々をどのように面接に備えたらよいか話し合います。
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バプテスマ会と確認の儀式を,ファインディングの機会として活用するにはどうすれば良いか話し合ってください。
伝道部会長夫妻と顧問
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地元の神権指導者および補助組織指導者に働きかけ,彼らが『進歩状況報告書』を効果的に活用できるようにしてください。
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ディストリクトリーダー,ゾーンリーダー,および姉妹トレーニングリーターに向けて,人々をバプテスマの面接に備える方法を教えます。人々をバプテスマの面接に備えることに関して,伝道部指導者たちにほかの宣教師たちを訓練してもらいます。
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ディストリクトリーダーおよびゾーンリーダーに,バプテスマの面接の進め方を教えてください。
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重大な罪を犯したバプテスマ志願者にバプテスマの面接を行う方法について,伝道部会長会顧問および神権指導者を指導してください。
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可能であれば,新しい改宗者のバプテスマ会に出席します。幾らか時間を取って,新しい改宗者と話し,その改宗談に耳を傾けてください。伴侶や宣教師たちに,学んだことを分かち合いましょう。