「13:ステークやワードの指導者と協力して働くにはどうしたらよいでしょうか」『わたしの福音を宣べ伝えなさい—伝道活動のガイド』213-224
「13 ステークとワードの指導者」『わたしの福音を宣べ伝えなさい』213-224
13
ステークやワードの指導者と協力して働くにはどうしたらよいでしょうか
伝道中には,多くの指導者や会員たちと協力して働くというすばらしい機会が与えられます。あなたは彼らとともに末日聖徒イエス・キリスト教会を強め,確立するのです。教会指導者との間に築く関係は,残りの生涯を通じて祝福となることでしょう。宣教師と教会員が,回復された福音を天の御父の子供たちにもたらすために努力するとき,これらの関係は大きな意味を成してきます。ワード組織の中で働く基本的な方法を理解しておくことは,目標を明確にし,大いなる力をもって前進する助けとなります。
新会員と戻りつつある会員を強める
改宗者はバプテスマと確認を受けるときに,残りの生涯を通じて神に従い,神と人に仕えるという神聖な約束を交わします。彼らは日の栄えの王国において救いを得る権利を有するようになります。約束された祝福を受けるには,イエス・キリストを信じる信仰をもって最後まで堪え忍ばなければなりません。新しい改宗者が活発かつ忠実であり続けるためには,教会員の助けが欠かせません。
ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこう語りました。「わたしたちが伝道の業の実を大切に保たなかったなら,伝道活動を行っても何の意味もありません。伝道と定着,この二つの働きは不可分のものであり,……会員となった人が定着するように見守るのは,わたしたちの急務なのです。」(「子羊を見いだし,羊を養う」『リアホナ』1999年7月号,125)
ビショップの指示の下,ワード評議会には新会員と戻りつつある会員を強める第一の責任が課せられています。ワード評議会は,新会員と戻りつつある会員に友人がいて,彼らが神の言葉で養われており,召しと責任を受けているか確認します。また,ミニスタリングに関する支援を専任宣教師に要請したり,新会員や戻りつつある会員,長老見込み会員への訪問を依頼する場合があります。宣教師と会員が組になって訪問するとよいでしょう。
宣教師にも,こうした人々に対する責任があります。ヒンクレー大管長はこう語りました。「宣教師の皆さん……にも改宗者を教会に定着させる責任があります。改宗した彼らを訪問し続けることはできないかもしれません。しかし時々手紙を書いて,彼らを力づけることができます。……帰還した後も,彼らを忘れないでください。そしてそれ以降もずっと,彼らの信頼に値するような生活をしてください。そして時折手紙を書き,皆さんの愛を伝えてください。」(「子羊を見いだし,羊を養う」126)
教会の集会に出席するときは,同僚とともに訪問者の隣に座ってください。または,支え,強めようと働きかけている会員と座ります。ほかの宣教師たちと集まって座るべきではありません。
宣教師の主要な目的の一つは,教会を確立し,奉仕しているユニットを強めることです。新しい改宗者が教会に定着し,戻りつつある会員が再び活発になるように助けることによって,この使命の一部を果たすことができます。あなたの一つの務めは,バプテスマを受けた新会員へ宣教師の5つのレッスンすべてを教えるに当たって主導的役割を果たすことです。適切であれば,戻りつつある会員にも同じように教えます。ワード宣教師,ミニスタリングブラザーおよびミニスタリングシスターも,これらの原則を教える助け手となることができます。
ゴードン・B・ヒンクレー大管長は,改宗して間もない人々の多くが直面する困難についてこう述べています。
先日わたしはとても興味深い手紙を頂きました。1年前に教会に加入したある女性からの手紙です。こう書かれています。
「教会にたどり着くまでの道のりはユニークで,チャレンジに満ちたものでした。この1年間はわたしの人生でいちばん厳しいものでしたが,最も報いの多い1年でもありました。新会員であるわたしには,これからも毎日チャレンジが続くでしょう。」
彼女は教会に加入したとき,ワードの指導者からの助けを感じられなかったと言います。ビショップは新会員の彼女に対して無関心に思われました。疎外感を抱いた彼女は,伝道部会長のところに行ってみました。伝道部会長は彼女に様々な良い機会を与えてくれました。
彼女はこう述べています。「教会の人は,新会員となることがどういうことか分かっていません。……ですから,どのように新会員を助けたらよいかなど分かるはずがありません。」
兄弟姉妹の皆さん,わたしは皆さんがもし新会員の気持ちを理解していないとしたら,それがどのような気持ちなのか想像してみるようにお勧めします。それはたとえようもなく寂しいという気持ちかもしれません。幻滅や恐怖という気持ちかもしれません。この教会に属しているわたしたちは,自分で想像する以上に,この世の人とは懸け離れた存在です。この女性はこう書いています。「わたしたちは,……教会員という立場に変わったときに,自分がまったく異なる世界,独自の伝統,文化,言葉を持つ世界に足を踏み入れてしまったことに驚きます。わたしたちは,この新しい世界を旅するときに導きを求めることのできる人や場所がないということに気づきます。最初のうち,この旅は興奮に満ちたものであり,失敗しても楽しくさえありますが,次第に欲求不満が募り,ついには怒りへと変わっていくのです。この欲求不満と怒りの段階で,新会員は去って行きます。そして,元いた所へと戻って行きます。そこでは,自分が何者なのか分かりますし,人に貢献し,言葉を交わすこともできるのです。」〔「子羊を見いだし,羊を養う」125〕
ミニスタリングの割り当て
伝道部会長の承認を受けて,地元の指導者は限られた範囲内でミニスタリングの割り当てを手伝うよう専任宣教師に依頼することを検討しても構いません。伝道部会長はこの承認をステーク会長に伝え,ステーク会長はビショップに伝えます。そのような承認が与えられるとき,専任宣教師はおもに新会員,パートメンバーの家族,および戻りつつある会員を訪問する割り当てを受けます(『手引き 第2部—教会の管理運営』7.4.3参照)。
新会員と戻りつつある会員を強めるために,ワード評議会と協力して働く
新たに改宗する人々に教え,バプテスマを施すことは,伝道部会長の指示の下で行われます。しかしながら,専任宣教師と会員が調整を図り,一致してともに働くなら,福音を宣べ伝える業をもっと力強く前進させることができます。宣教師はしばしば,ワード評議会に出席するよう求められるでしょう。しかしながら,あなたが最も優先すべきことは,教えている人々が教会に来られるようにすることです。ほとんどの場合,宣教師は教会の中で教えている人々と行動をともにするからです。ワード評議会への出席と,だれかを教会に連れてくる時間帯が重なってしまった場合,後者を優先させます。このようなときは,『進歩状況報告書』のコピーをワード伝道主任に渡し,伝道主任が必要な情報をすべて携えてワード評議会に出席できるようにします。
ゴードン・B・ヒンクレー大管長はこう語りました。
「新しい改宗者はだれでも3つのことを必要としています。
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常に頼ることのできる,自分を支えてくれる教会の友人,自分の質問に答えてくれ,自分の問題を理解してくれる教会の友人。
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責任。この教会のいちばん大きな特徴は活発に働くことです。それは,わたしたちを成長させてくれる過程です。主に対する信仰と愛は,腕の筋肉に似ています。筋肉は使えば強くなります。使わなければ弱くなります。どの改宗者にも責任を与えるべきです。……
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すべての改宗者は『神の善い言葉で養われ』なければなりません(モロナイ6:4)。改宗者にとって欠かせないのは,神権定員会や扶助協会,若い女性,若い男性,日曜学校,あるいは初等協会などに参加することです。また,聖餐会に出席して聖餐を取り,バプテスマのときに交わした聖約を新たにするよう励ましを受けなければなりません。」(「子羊を見いだし,羊を養う」125)
新しい改宗者に友人,責任,霊的な養いを与えるために,ワード評議会は率先して行動を起こします。宣教師は要請を受けたときに支援します。神権指導者と会員は,宣教師の助けを借りて人々をフェローシップします。
友情を育む
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バプテスマと確認の前に,可能であればすべてのレッスンに会員が同席するようにします。こうした会員たちは,あなたが教えている人々としばしば時間をともにし,質問に答え,彼らが抱える問題を理解し,励ましを与えてくれます。
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会員をバプテスマ会に招待して,新しい改宗者をワードに歓迎してもらいます。会員は教会の様々な集会において,新しい改宗者が安心できるように助けます。また,彼らをほかの会員に紹介します。
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できるだけ早い時期に,あなたが教えている人々をビショップ,ビショップリック顧問,長老定員会および扶助協会の会長,そのほかワードの指導者たちに紹介します。ビショップをはじめ,ワードの指導者たちが果たす役割について説明してください。
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だれかがバプテスマと確認を受けたら,必要に応じて,ミニスタリングブラザーおよびミニスタリングシスターを割り当てるようワードの指導者に依頼します。
奉仕の機会
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男性の改宗者が,アロン神権とメルキゼデク神権について理解し,神権を受ける準備ができるよう助けてください。神権定員会では,ともに学び,礼拝し,奉仕する機会があることを説明します。
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伴侶に先立たれた人や病人を助ける,福祉事業に参加するなど,新会員と戻りつつある会員に奉仕の機会に携わってもらいます。
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改宗者を神殿・家族歴史相談員に紹介し,彼らが小冊子『わたしの家族』やFamilySearch.orgを活用して家系図の作成を始められるようにします。
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改宗者がバプテスマを受けて1か月以内に,亡くなった先祖のために神殿でバプテスマを受ける備えができるよう目標日を設定します。あるいは同じく1か月以内の目標日に,神殿に参入できる人に家族ファイルカードを託します。家族歴史を行い,神殿に参入し,亡くなった先祖のために儀式を行うことで,改宗者の定着率は驚くほど高まります。これらの活動は,救い主に対する信仰を強めることにつながるためです。
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宣教師から教えを受けるために家族や友人を備えるよう改宗者を招きます。宣教師は新しい改宗者と戻りつつある会員にリフェローを尋ねるべきです。
神の言葉で養う
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バプテスマの前後で,宣教師のレッスンをすべて教えます。バプテスマの後は,新会員が抱いている質問を確かめ,それらに応じます。宣教師のレッスンにある招きについては,新会員の現在の必要に合わせて調整してください。
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新しい改宗者と戻りつつある会員に,彼らがバプテスマを受ける前に決意した事柄と,バプテスマと確認を受けたときに交わした聖約を思い起こさせます。
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個人として,また家族として毎日祈るよう励まします。
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聖文,特にモルモン書を毎日研究するよう励まします。
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イエス・キリストの福音が預言者ジョセフ・スミスを通して回復されたことに対する新しい改宗者の証を強めます。
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毎週日曜日に教会に出席してふさわしい状態で聖餐を受けることの大切さを,引き続き教えます。改宗して間もない人や戻りつつある会員と教会に集い,一緒に座ります。
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週に一度,家族で過ごす夕べを開く方法を教えます。教会のウェブサイト,福音ライブラリー,教会機関誌といったリソースを活用することができます。
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回復された福音を人々に分かち合うよう励まします。
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セミナリーやインスティテュートのクラスに登録するよう助けます。
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教会が提供する様々なリソースについて知らせます。
専任で奉仕する伝道部会長の役割は何でしょうか
専任で奉仕する伝道部会長は,改宗者のバプテスマの鍵を持っています。伝道部会長の指示の下,専任宣教師は教会員でない人々に福音に教えるうえで主要な責任を果たします。これに対してビショップは,教えを受けている個人の進歩と,教会員による働きかけを管理します。ワード伝道計画は,ビショップという管理役員の下で実施されます。伝道部会長は定期的にステーク会長と会い,専任宣教師が地元の神権指導者と協力しているか確かめます。伝道部会長は伝道活動を調整し,ステーク会長が伝道活動に関する原則と働きについて指導するのを助けます。
ステークおよびワードの指導者の責任は何でしょうか
地元の教会指導者と会員は,あなたの最大の協力者です。彼らに敬意を払い,良い関係を築くよう努めてください。こうした指導者とともに働くとき,彼らにはそれぞれの召しに伴うほかの責任があることを忘れてはなりません。ステークやワードの指導者の重荷ではなく,祝福となるよう心がけてください。「どのようにお手伝いできるでしょうか」という積極的な態度を示してください。宣教師の計画や活動について,ビショップおよびワード伝道主任と評議します。あなたの働きが,ワード伝道計画を支えるものとなるようにしてください。
伝道活動において地元の神権指導者が果たす役割が以下に説明されています。彼らの役割を理解することによって,さらに良い協力関係を築くことができます。
ステーク会長
ステーク会長は,伝道,定着,活発化に対する責任を果たすビショップを管理します。毎月行うビショップとの面接で,様々な計画について,また宣教師から教えを受けている人々や会員の状況について話し合います。さらに,ステークやワードの集会で伝道活動に関する教義が定期的に教えられ,神権指導者をはじめとする人々が伝道の責任について訓練を受けられるようにします。
そのほか,ステーク会長は伝道部会長と定期的に会い,指導者と会員の訓練,専任宣教師の活用と配置,活発化に対する支援を含む,伝道活動の調整を図ります。
高等評議員
一人の高等評議員がステーク会長会から割り当てを受け,ステークにおける伝道,定着,活発化の取り組みを促進するために働きます。この高等評議員は,こうした取り組みの進歩状況についてステーク会長会に定期的に報告します。さらに,ワード伝道計画の作成を含め,ワード伝道主任が自らの務めについて適切な訓練を受けられるようにします。
ビショップ
ビショップはワードにおける伝道,定着,活発化の取り組みに対して責任があります。ビショップ自身が携わり,リーダーシップを発揮することが大切です。この働きを成し遂げるために,ビショップはふさわしいメルキゼデク神権者をワード伝道主任として召します。また,ワードの必要を満たすうえで十分な人数のワード宣教師を召します。
ビショップはワード評議会を活用して,伝道,定着,活発化に関する取り組みの調整を図ります。また,ワード伝道計画を作成し,実行するための指示を与えます。
神権指導者と補助組織指導者
神権指導者および補助組織指導者は,新会員と戻りつつある会員の状況を定期的に検討し,彼らをフェローシップし,強めるための最善の方法を計画します。また,ワード伝道主任と密接に働き,ワード宣教師と専任宣教師による伝道,定着,活発化に対する働きを調整します。
ワード伝道主任
ワード伝道主任はビショップの指示の下,以下を実施します。
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新しい改宗者や戻りつつある会員を含め,人々に福音を伝えるうえで模範を示します。
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ワード宣教師と専任宣教師が,神権指導者および補助組織指導者,会員と働くうえでの調整を図ります。
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『進歩状況報告書』『対応・面接リスト』『新会員および戻りつつある会員の進歩状況』フォームを活用し,宣教師が教えている人々の進歩状況をワード評議会で検討します。こうした報告書は,「指導者と書記のためのリソース」を使ってオンラインで作成されます。新しい改宗者をはじめとする会員たちの進歩を見守るうえで活用されるものです。
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伝道調整集会を毎週開きます。
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専任宣教師と連携しながら,ワードにおける改宗者のバプテスマ会を計画します。バプテスマ会は通常,ビショップリックの一員またはワード伝道主任が司会をします。
ワード伝道主任はまた,ワード評議会の一員として働き,ステーク神権指導者会に出席します。
ワード宣教師
ふさわしい兄弟姉妹がワード宣教師として働くよう召されます。ワード伝道主任が彼らを監督します。
ワード宣教師には,人々を見つけ,フェローシップを行い,教える責任があります。また,新しい改宗者と戻りつつある会員を教え,フェローシップします。
メルキゼデク神権を持つワード宣教師を,ワード伝道主任補佐として召すことができます。
伝道活動の調整
ワード伝道活動の調整は,通常ワード評議会の場で,『進歩状況報告書』を使って行われます。以下の段落で要約されているように,人々を見つけ,教え,フェローシップと活発化を助けるという割り当てに関して,報告,計画,調整を行うことが,こうした集会における宣教師の目的です。
教える人々を見つける—ワード評議会では,専任宣教師のレッスンを受けられるよう特定の人々を備えるための計画について話し合います。ワード評議会の会員は,宣教師からレッスンを聞けるよう個人や家族を備えている具体的なワードの会員の進捗について話し合います。
教え,バプテスマを施す—ワード評議会では,『進歩状況報告書』を毎週検討します。 『進歩状況報告書』には,専任宣教師が教えている人々の進歩状況が記されています。また,ワード評議会の会員は,会員の家でのレッスン,教えを受けている人々のフェローシップ,バプテスマ会への会員の参加といった事柄に関する計画についても調整します。
新会員をフェローシップし,教える—ワード評議会では,『新会員および戻りつつある会員の進歩状況』フォームを確認し,新会員一人一人の進歩状況を把握します。ワード評議会の会員は,新会員へのフェローシップ方法についても話し合います。また,ビショップから求められた場合には,新会員の召しについて推薦を出します。
戻りつつある会員をフェローシップし,教える—ワード評議会では,長老定員会および専任宣教師による活発化に関する働きを調整します。また,ワード評議会の会員は,戻りつつある会員をどのようにフェローシップするか,特に教会の集会や活動に招待する計画を立てます。
ワード伝道主任と行うその他の調整
ワードにおける伝道活動は,通常ワード評議会で調整されます。さらに調整が必要な場合,ワード伝道主任は専任宣教師との間で伝道調整集会を開くことができます。ほかにも,ワード宣教師,長老定員会会長会顧問および扶助協会会長会顧問を招待するとよいでしょう。
この調整集会に出席する人々は,前回の調整集会で決めた割り当てや目標に関する検討や報告,新たな週に向けた計画について話し合うことができます。必要であれば,ワード宣教師が専任宣教師と働けるように割り当てを調整し,またワード宣教師と専任宣教師がともに働くことで,さらに効果を上げる方法についても話し合います。
ワード伝道計画
ワードにおける伝道活動を活性化するには,ワード伝道計画を立てることが有効です。その効果は多くのワードのビショップにより実証されています。この計画には,ワードの会員が福音に耳を傾けるよう人々を招く助けとなる目標や戦略,活動などを含めることができます。このような計画を通して,個人や家族もどのように伝道活動に携わったらよいか知ることができます。
会員は回復のメッセージに進んで耳を傾ける人を見つけるために,あらゆる有効な手段を活用しなければなりません。将来,家族として教会に集うことのできる父親や母親,子供たちを見つけることに力を入れる必要があります。伝道計画を立てる際,ビショップが検討すべき事柄の提案を以下に挙げます。
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福音を勧めようとしている人々の心を主が備えてくださるよう祈ってください。また,主が備えておられる人々に気づくことができるよう祈ります(アルマ6:6参照)。ゴードン・B・ヒンクレー大管長は次のように教えています。 「わたしたちの民が世界中の宣教師のために祈るだけでなく,自分のワードで働く宣教師たちを自ら援助できるよう主に助けを求めるとき,すばらしいことが起こるでしょう。」 (“Missionary Service,” First Worldwide Leadership Training Meeting, Jan. 2003, 19)
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人々に手を差し伸べる機会に目を向けます。親切であり,あらゆる人に愛をもって接します。
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友人や隣人に,会員と力を合わせて奉仕するよう求めてください。地域社会で奉仕することや,困っている人々に食事を提供すること,扶助協会の平日の集会でワークショップを教えること,またワードの活動や引っ越しを助けること,青少年の活動を手伝うこと,家族歴史や福祉事業を支援することなど,様々な機会があります。
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バプテスマや確認,神権の聖任が行われるときに,教会員でない親戚,友人,隣人を招待します。
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食事会などの特別な行事を,教会員でない人々に手伝ってもらうようにします。
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ワードの集会,活動,ディボーショナル,オープンハウスなどを,会員が知人を招待したいと思えるような楽しく充実した内容のものとします。
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人々を家族で過ごす夕べに招待します。
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結婚,出産,死など,人生の転換期を迎えている人を訪問します。
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近所に引っ越してきた人を訪ね,手伝います。地域や近隣の情報を伝え,教会について知らせましょう。
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あらゆる機会を捕らえて福音について話すようにします。救い主やモルモン書,聖書,人生の目的,家族,家族歴史などについて話します。
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同年代の子と友達になり,教会の集会や活動に誘うよう青少年を励まします。
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パートメンバーの家族に働きかけます。
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霊的に鼓舞されるような聖餐会を計画します。
教会に活発に集う決意
人々が生涯を通じて教会に活発に集う決意をして,それを貫くときに,伝道活動は最大の成果を上げることになります。教会員となるだけでは不十分です。定着する必要があるのです。あなたの教えと招きは,すべてこの目標に向けられていなければなりません。会員が天の御父の備えておられるすべての祝福を受けるには,絶えず福音に従って生活し,教会に活発でなければなりません。
ニーファイはこう教えました。「さて,わたしの愛する同胞よ,わたしは尋ねたい。あなたがたがこの細くて狭い道に入ったならば,それですべて終わりであろうか。見よ,わたしはそうではないと言う。……あなたがたはこれからもキリストを確固として信じ……力強く進まなければならない。そして,……最後まで堪え忍ぶならば,見よ,御父は,『あなたがたは永遠の命を受ける』と言われる。」(2ニーファイ31:19-20)
人々が「永遠の命……神のあらゆる賜物の中で最も大いなるもの」を得るふさわしさを身に付けられるよう最善を尽くしてください(教義と聖約14:7)。
研究と応用のためのアイデア
個人学習
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『デイリープランナー』またはデジタルツールを使って,新しい改宗者や最近戻ってきた会員と話す計画を立ててください。生活を変えたときの話や教会に出席するようになったときのことを尋ねてください。最も助けになったのはどのようなことでしたか。彼らの経験について感じたことを学習帳に書き留めます。学んだことの中から,現在教えている人々に働きかけるうえでどのようなことが役立つと思いましたか。
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2ニーファイ31:18-20;アルマ26:1-7と32:32-43;モロナイ6章を研究してください。新しい改宗者を強めることに関して,これらの聖句から学んだことを書き留めます。
同僚との勉強会
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ワード評議会のときに,エリア内の戻りつつある会員の中で,今週訪問してほしいと思う人がいないかビショップに尋ねてください。こうした人々を訪問する際には,イエス・キリストを信じる彼らの信仰を築くように努めてください。また,彼らにリフェローを尋ねてください。
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1コリント3:2;ヘブル5:12;教義と聖約19:22を研究してください。これらの聖句で言われている「乳」とは何を意味しているでしょうか。「堅い食物(肉)」とは何でしょうか。自分の答えを「何を研究し,教えたらよいでしょうか」の章に記されている教義と比較します。適量の乳と肉を正しい順序で与えなければならないのはなぜでしょうか。あなたはそれをどのように行っていますか。
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ジョセフ・F・スミス大管長がバプテスマを受けたときの気持ちについて語った以下の引用を読んでください。
「わたしが感じたのは,純粋な平安と愛と光でした。もしわたしが罪を犯していたとしたら—もちろん罪がなかったわけではありませんが—わたしは自分の罪が赦され,まことに罪から清められたと感じました。わたしは感動に心打たれ,足もとの最も小さい虫さえも傷つけまいと思うほどでした。あらゆるところで,あらゆる人に,あらゆるものに善を行いたいと思いました。新たな命を感じ,正しいことを行おうという新たな意欲が湧いてきました。わたしの心に悪を求める思いはひとかけらも残っていませんでした。……わたしにもたらされた影響力,それは神からのものであり,わたしが主を受け入れたことの生きた証であり,この証が今もわたしの心に生きていることをわたしは知っています。」 (Gospel Doctrine, 5th ed. [1939], 96)
次に,バプテスマを受けてから長い年月が過ぎた後,スミス大管長が自分の気持ちについて語った言葉を読んでください。
「この同じ精神,同じ熱心な望みを,〔バプテスマを受けたあの日〕から今日に至るまで,人生のあらゆる瞬間に心に持ち続けていたら,どれほどすばらしかったことでしょうか。ところが,この証と新しい誕生と心の変化を受けたわたしたちの多くは,判断を誤ったり,多くの間違いを犯したり,日常生活で正しい標準を守らなかったりすることがしばしばあります。そのようなときに,わたしたちは邪悪な行いを悔い改め,しばしば主の手にすがって赦しを求めてきました。このようにして,わたしたちがバプテスマを受けて罪の赦しを受けたときに心にみなぎっていたのと同じ望みと目的が,今日に至るまでわたしたちの心を捕らえ,わたしたちの感情と情熱を支配してきました。」(Gospel Doctrine, 96)
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自分自身の証と福音に従って生きるという決意に関して,スミス大管長からどのようなことを学びましたか。
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たとえ将来預言者になる人であっても,新しい改宗者はバプテスマ後に困難に直面します。そのことについて何が分かりましたか。
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最近の改宗者と戻りつつある会員について考えてください。彼らがかつて抱いていた「望みと目的」を取り戻し,保つことができるよう助けるうえで,あなたは何ができるでしょうか。
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ディストリクト評議会,ゾーン大会,および伝道部リーダーシップ評議会
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ビショップを集会に招き,戻りつつある会員や新しい改宗者に働きかけるときの問題について話してもらいます。特に,これらの問題に対処するうえで,宣教師にどのような助けができるか話してもらいます。
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迷い出た羊,なくした銀貨,放蕩息子のたとえについて話し合ってください(ルカ15章参照)。
伝道部会長夫妻と顧問
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地元の神権指導者に働きかけて,以下の事柄について新しい改宗者を助けるよう励ましてください。
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神権の聖任を受ける。
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必要に応じてミニスタリングブラザーおよびミニスタリングシスターの割り当てを受ける。
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神殿に持っていく先祖の名前を準備して,死者のためのバプテスマを受けられるようにする。
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ミニスタリングブラザー,ミニスタリングシスターをはじめとする会員の同席のもと,宣教師の5つのレッスンすべてを受ける。
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ワード評議会において宣教師を生かす方法を地元の指導者に教えてください。
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地元の指導者に『進歩状況報告書』の目的と活用方法を教えてください。
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時折,宣教師の『進歩状況報告書』に目を通します。
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定期的に最近の改宗者をフォローアップして彼らの状況を把握し,宣教師と会員が彼らをどのように助けられるか考えてください。
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ステークまたはワードの指導者を招き,宣教師が最も助けとなるのはどのようなときか,宣教師たちの前で話してもらいます。
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最近の改宗者を招いて,教会の新会員として経験していることを宣教師に向けて話してもらいます。
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時折,改宗者の会員にゾーン大会で改宗談を分かち合うよう依頼します。