自立
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読む:この1週間,あなたは職業の選択肢について調べるようになりました。今日あなたは,それらの選択肢についてさらに掘り下げて調べ,どの職業に就きたいか決断できるようになることを目指します。その過程において,以下の事柄が役立つでしょう。

  1. 自立するために必要な収入を知る

  2. 職に関する現実的な側面を理解する

  3. 相談すべき人を知る

  4. 自立計画を更新する

1.自立するために必要な収入を知る

読む:「あなたがたのうちで,だれかが邸宅を建てようと思うなら,それを仕上げるのに足りるだけの金を持っているかどうかを見るため,まず,すわってその費用を計算しないだろうか。」(ルカ14:28

自立するには,自分と家族に必要なものを満たすのに十分な収入が得られる職に就く必要があります。数週にわたり支出を記録してきたあなたは,現在の支出をおおよそ把握しています。次のステップは,自立するうえでさらにどのくらいの収入が必要かを見積もることです。あなたの選ぶ職業は,それだけの収入が得られるものでなければなりません。

2.職に関する現実的な側面を理解する

読む:先週,あなたは興味のある職種を3つ選び,それについて1週間,さらに掘り下げて調べることにしました。今度は職業に関する重要かつ現実的な側面をさらに検討することで,あなたが選択肢を絞り,訓練の道を選べるようにしましょう。

現実その1:雇用主が支払う給料は,職業によって大きく異なる

読む:雇用主がどこに価値を置いているかを理解しましょう。ファーストフード店で働く能力を持つ人は多くいるため,給与は低くなります。一方,心臓の外科手術を行う能力のある人は非常に少ないため,給与は高くなります。

アーリーン(44歳)の例を見てみましょう。アーリーンは看護師としてパートで働いていましたが,職場で患者を移動させる際に背骨をひどく損傷してしまいました。伝道中の息子が一人,家に子供が二人いましたから,アーリーンと夫は十分な収入を得られるか不安でした。アーリーンは医療関係の職場に復帰したいと思っていますが,体への負担が軽い職務内容にする必要があります。彼女が関心を向けたのは,医療事務,診察室のアシスタント,そのほか医療系の管理業務です。アーリーンは,こういった仕事でどのくらいの収入が得られるのか,このような職種に移るには何が必要となるのかを確認する必要があります。

アーリーンはどの仕事を目指したらいいかを思い巡らす中で,最低でも看護師として得てきた収入を確保するためには,医療系の管理業務を選ぶべきだということを知ります。ほかの二つでは,そこまでの収入が得られないからです。

現実その2:地域によっては需要のない職業もある

読む:あなたの住む地域によっては,先細りで将来性のない職業もあります。テクノロジーに取って代わる職業もありますし,現在おもにほかの国で行われている仕事もあるのです。

レイチェル(48歳)の例を見てみましょう。レイチェルは離婚しており,結婚した娘が一人,家にはまだ10代の息子が二人います。以前,大学で2学期の間履修したことがありますが,卒業はしませんでした。様々な仕事の経験があり,現在はスーパーで働いています。教会にはある程度活発に集っていますが,日曜日に働かなければならないこともしばしばです。レイチェルはいつもやりくりに四苦八苦していますが,努力家です。学位を取得し,家族を養えるようなより良い職に就き,教会にもっと活発に集えるようになりたいと考えています。

レイチェルが興味を持っている仕事の一つは,小さな電化製品の修理です。しかしながら,調べてみても,その分野で働いている人を見つけられませんでした。彼女の住む地域において,その仕事の需要はまずないからです。そこで,その仕事は選択肢から外し,ほかの職業や訓練について調べることにしました。

フアン(33歳)の例を見てみましょう。フアンは既婚者で,3人の幼い子供がいます。昼間は工事現場,夜は厨房で働いています。より良い仕事に就いて今の二つの仕事を辞め,収入を増やしたいと考えています。大工場が立ち並ぶ港湾の近くに住んでいるため,溶接工はどうかと検討しています。ある程度調べたところ,溶接工の求人は多く,良い選択肢かもしれないと思いました。訓練を受けた方が良い溶接工になれますから,訓練に関してどのような選択肢があるかを調べてみようと思っています。

現実その3:希望の職業に就くには,幾つものステップが必要とされる場合がある

読む:資格を得るうえで,様々な訓練,多大な時間を要する職業もあります。莫大な費用がかかる訓練や,地元で受けられない訓練もあります。また,訓練だけでなく経験が求められる職業もあります。自分が興味を持っている職業に就くには,どのようなステップを踏む必要があるか,調べてみるとよいでしょう。

優子(36歳)の例を見てみましょう。優子は数年間,ホテルの客室清掃業務をしていました。賃金は低く,ホテルの総支配人になりたいと思いましたが,なれそうもありません。一度にすべてはできないことを認めたうえで,彼女は前に進むことにしました。10年かけ,以下のステップを踏んでいったのです。

  • 客室清掃業務において勤勉に働き,自発的に問題を解決

  • シフトスーパーバイザーに募集がかかり,そのポストに就任

  • シフトスーパーバイザーとして働きつつ,学校に通い,ホテル管理の学位を取得

  • フロント支配人の職を得る

  • フロント支配人として3年間,優れた業績を上げた後,ホテルの総支配人という目標の職に就く

現実その4:仕事は仕事であり,楽しいだけではない

読む:仕事とは,本来どういうものなのかを理解してください。理想の職業に就くチャンスが巡って来るのを待つ人もいます。何の苦労もなくできるような仕事です。例えばステファノは,仕事に就くチャンスを幾つか断りました。就くべきだったのに,「格下の仕事だ」と思ってやめたのです。

成功を収める人たちは,仕事の中には好きな部分も嫌いな部分もあることを承知していますから,前進しながら仕事に就きます。

今週,自分が就く可能性のある職業について人と話す際には,その仕事の好きな部分と嫌いな部分を尋ねるようにしてください。

3.相談すべき人を知る

読む:今週は,職業の選択肢を3つから一つに絞りましょう。それから,その職業に就く資格を得るための訓練と教育には,どのような選択肢があるかを調べてください。3つの職業に関してさらに調べ,一つに絞るうえで最適な方法は,その職に就いている人々と話し,分からないことがあれば尋ねることです。

話し合う:人と話すことは,選択肢を絞るうえでどのような助けとなるでしょうか。

4.自立計画を更新する

話し合う:今日のグループ集会で学んだ,最も大切な事柄は何ですか。

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