「神権の回復」『トピックと質問』(2023年)
福音学習ガイド
神権の回復
神は御自分の御名によって行動する権能を与えられた
神が神権の権能を回復して,聖約や儀式,そのほか多くの神聖な賜物をあなたや愛する人々が受けられるようにしてくださっていなかったとしたら,あなたの人生はどう変わっていたか想像してみてください。イエス・キリストの福音の重要な一部は,神は御自分の子供たちを愛しておられるので,教会において御自分の僕たちに神権の力と権能を授けておられるというメッセージです。神権には,イエス・キリストの福音を宣べ伝え,救いと昇栄の神の業を遂行するための権能が含まれています。今日,無数の人々が,神の神権の権能と力を通して与えられる神聖な聖約と儀式,そのほかの祝福によって,祝福を受けています。
神の神権は,世界の歴史を通じて神の子供たちに祝福をもたらしてきました。新約聖書の時代にキリストの使徒たちが亡くなった後,神の御名によって行動する権能は失われてしまいました。それからずっと後の1800年代,天の使者たちがやって来て,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに神権の権能と神権の鍵を授けました。この神の力の回復は,イエス・キリストの福音と主の教会の回復の重要な一部でした。神権の権能と鍵は今日も教会に存在しています。
セクション1
神は御自分の子供たちを祝福するために御自分の神権の力を分かち合われる
神は世の初めから御自分の僕たちに神権の力を与えてこられました(モーセ6:7参照)。古代の族長であるアダム,ノア,アブラハム,モーセ,そのほか数え切れないほど多くの人々が,神の子供たちを祝福する目的で神権を持っていました。神権を通して,神は御自分の民に,福音のメッセージを分かち合い,礼拝の一部として神聖な儀式を執行する権能を与えられました。神は預言者を召したときはいつでも,神聖な啓示を通して彼らを導き,彼らに神権の力と権能を授けてこられました。
今日,末日聖徒イエス・キリスト教会のすべての会員は,神の神権に関連する祝福を受ける特権に恵まれています。神権を通して,わたしたちはバプテスマや確認,聖霊の賜物,神殿の儀式,そのほかたくさんのものを受けることができます。神権の儀式を通して,「神性の力が現れ」(教義と聖約84:20),わたしたちはさらに天の御父とその御子イエス・キリストのようになることができるように備えられます。
考えてみましょう
-
神権の儀式に関連する聖約を交わして守ることは,あなたと神との間に重要な霊的なつながりを生み出します。デール・G・レンランド長老は次のように教えています。「バプテスマフォントや神殿で交わす聖約を守ることにより,現世の試しや心痛に耐える強さが与えられます。これらの聖約に関連する教義は,進むべき道を容易にし,希望や慰めや平安をもたらします。」1神権を通して受けることができる聖約を交わし,守るために,あなたは何をしますか。ほかの人々が神と聖約を交わすのをどのように支え,助けられるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
-
一人の参加者に,ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を読んでもらいます。
「メルキゼデク神権が回復されたおかげで,女性と男性の両方が,聖約を守るかぎり『教会のすべての霊的な祝福』〔教義と聖約107:18〕を受けることができるのです。主が神の子供たちのために用意しておられる霊の宝をすべて受けることができると言ってもよいでしょう。
神と聖約を交わしてそれを守るすべての男女と,ふさわしい状態で神権の儀式に参加する男女は皆,神の力に直接あずかることができます。主の家でエンダウメントを受けた人は,聖約を交わしたことによって神の神権の力の賜物を受け,同時に知識の賜物も受けて,その力に頼る方法を知るようになります。」2
儀式を受け,聖約を交わして守ることによって受けた「霊の宝」または祝福にはどのようなものがありますか。
さらに学ぶ
-
『聖句ガイド』「聖約」の項,「福音ライブラリー」
-
ジェフリー・R・ホランド「最も際立った特性」『リアホナ』2005年5月号,43-45
-
「第5章:神の子供たちに祝福をもたらす聖なる神権」『歴代大管長の教え—ジョージ・アルバート・スミス』45-56
セクション2
復活したバプテスマのヨハネが,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリにアロン神権を回復した
主は御自分の神権の権能を分け与える秩序ある方法を備えておられます。人はこの権能を自ら受けることはできません(ヘブル5:4参照)。神権を持つ人だけがほかの人を聖任することができ,またそうすることができるのは,その聖任に対する鍵を持つ人から権限を与えられたときのみです(信仰箇条1:5参照)。
モルモン書を翻訳していたとき,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリはバプテスマに関する聖句を見つけました。ジョセフとオリバーはそれについて疑問を持ち(ジョセフ・スミス—歴史1:68参照),主に尋ねることにしました。二人が森に入って祈ると,その祈りにこたえてバプテスマのヨハネが彼らに現れ,按手によって彼らに神権の権能を授けました(教義と聖約13章参照)。バプテスマのヨハネは彼らに,互いにバプテスマを施し,神権に聖任し合うよう指示しました(ジョセフ・スミス—歴史1:68-72参照)。
考えてみましょう
-
若いジョセフ・スミスは,当時の宗教上の教えについて疑問を抱いていました。導きを求めて,ジョセフは祈りを通して神に頼り,天の御父とイエス・キリストの訪れを受けました。ジョセフ・スミス—歴史1:17-20を読んでください。この聖句は,神権の回復が必要だった理由をよりよく理解するためにどのように役立つでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
-
グループの参加者とともに,ビデオ「神権の回復」(2:00)を視聴し,アロン神権が回復されたことによってわたしたちの生活にもたらされる祝福に耳を傾けてください。どうすれば生活の中でアロン神権の祝福をさらに十分に受けることができるでしょうか。
さらに学ぶ
-
「イエス・キリストの完全な福音の回復:200周年の世界への宣言」「福音ライブラリー」
-
「教会歴史のテーマ」「アロン神権の回復」の項,「福音ライブラリー」
-
“Days Never to Be Forgotten,” The Priesthood Restored: A Joseph Smith Papers Podcast, josephsmithpapers.org
セクション3
天の使者ペテロ,ヤコブ,ヨハネによって,メルキゼデク神権がジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに回復された
バプテスマのヨハネの訪れから1か月もたたないうちに,さらに多くの天の使者がジョセフ・スミスとオリバー・カウドリのもとにやって来ました。今度は,新約聖書の使徒ペテロ,ヤコブ,ヨハネが,ジョセフとオリバーにメルキゼデク神権と神の王国の鍵を授けました(教義と聖約27:12-13;128:20参照)。アロン神権はジョセフとオリバーにバプテスマを施す権能を与えましたが,メルキゼデク神権は二人に,教会を管理し,救いと昇栄を受けるために必要なすべての儀式を執行する権能を授けました。
その後,ジョセフ・スミスやそのほかの教会指導者たちに,さらなる神権の鍵,すなわち教会とその使命の特定の部分を監督し,導くための権能が与えられました。カートランド神殿で,モーセ,エライアス,エリヤといった天の使者たちが,イスラエルの集合の鍵,アブラハムの福音の神権時代(これにはアブラハムの聖約の回復が含まれます),そして結び固めの力の鍵を委ねました(教義と聖約110:11-16参照)。
考えてみましょう
ほかの人と一緒に学ぶための活動
-
神権の儀式を受けた後,生活にどのような変化を感じてきましたか。グループの参加者とともにこの質問について考え,ジョセフ・スミス—歴史1:74の次の言葉を読んでください。「今やわたしたちの心に光が注がれ,わたしたちは聖文をはっきりと理解できるようになってきた。より不明瞭な聖句の正確な意味と意図が,以前に一度も経験することのできなかった方法で,あるいは以前に考えもしなかった方法でわたしたちに明らかにされたのである。」
さらに学ぶ
-
ゲーリー・E・スティーブンソン「回復において神権が果たす重要な役割」『リアホナ』2020年6月号,13-17
-
「教会歴史のテーマ」「メルキゼデク神権の回復」の項,「福音ライブラリー」
-
“The Voice of Peter, James, and John,” The Priesthood Restored: A Joseph Smith Papers Podcast, josephsmithpapers.org