「救い」『トピックと質問』
福音学習ガイド
救い
イエス・キリストを通して死者の中から復活し,罪から清められるという賜物
わたしたちは皆,イエス・キリストを必要としています。救い主の最も重要な称号の一つは「救い主」,つまり「救う者」です。1なぜ救われる必要があるのでしょうか。モルモン書の預言者アビナダイはこう説明しています。「全人類は……もし神が御自分の民を迷い堕落した状態から贖われなければ,……限りなく迷った状態になっていたであろう。」(モーサヤ16:4)神の助けがなければ,わたしたちは罪の結果から永遠に苦しむことになります。それに加えて,死はすべての人を永久に支配することでしょう。
イエス・キリストの福音がもたらす良い知らせとは,地上に生を受けたすべての人が,自分の選択にかかわらず復活し,完全で不死不滅の体を受けるということです(アルマ40:23参照)。また,イエス・キリストのおかげで,わたしたちは赦しと罪からの清めを受けることができます(モーサヤ4:1-3;ヒラマン3:35;教義と聖約20:37)。
セクション1
イエス・キリストは世の救い主であられる
地上における人生の最大の目的の一つは,天の御父がわたしたちを救うために御子イエス・キリストを遣わされたことを知り,そのことを信じることです(ヨハネ3:16-17;2ニーファイ25:26)。そのメッセージは,主がお生まれになられる何千年も前から預言者たちによって宣言されました(モーサヤ13:33-35,ヒラマン8:13-20;3ニーファイ20:23-24;モーセ4:1-2;5:7-9)。末日に,預言者ジョセフ・スミスは,よみがえられたキリストについての証を宣言しました(教義と聖約76:22-24,110:1-4)。
預言者ジョセフ・スミスは次のように教えています。「わたしたちの宗教の基本原則は,使徒と預言者たちがイエス・キリストについて立てた証です。すなわち主が亡くなり,葬られ,3日目に再びよみがえって,天に昇られたことです。わたしたちの宗教に関するほかのすべての事柄は,それに付随するものにすぎません。」2
考えてみましょう
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救い主の必要性について述べている2ニーファイ9:6-13と教義と聖約76:40-42を読んでください。イエス・キリストの贖罪のおかげで人が肉体の死と霊の死の影響に打ち勝てるようになるのは,なぜでしょうか。
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福音ライブラリーにある福音トピックスの概要の「救い」の項では,救いには重要な側面が幾つかあることが教えられています。その記事で概説されている救いの説明を読んで,自分にとっていちばん意味のあるものはどれか考えてください。その説明があなたの心に響くのはなぜでしょうか。感じたことを日記に書くといいかもしれません。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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ビデオ「Because of Him(主のおかげで)」(2:44)を視聴してください。その後,グループの人たちに,ビデオを見て感じたことを分かち合ってもらいます。彼らはイエス・キリストの贖罪について何を学んだでしょうか。その知識は彼らの生活にどのような影響を及ぼすでしょうか。必要に応じて,グループの人たちに,「主から受けている恩恵」を挙げてもらい,グループ内で発表してもらうとよいでしょう。
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死からの救いは,神のすべての子供たちへの賜物であり,イエス・キリストを通して可能になりました。2ニーファイ2:4と2ニーファイ25:23-24を一緒に読んでください。罪からの救いが金で買うことができず,イエス・キリストを信じる信仰を中心としたものであることは,なぜ大切なのでしょうか。どうすればもっと強い信仰をもって主に頼ることができるようになるでしょうか。
さらに学ぶ
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ラッセル・M・ネルソン「救いと昇栄」『リアホナ』2008年5月号,7-10
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ダリン・H・オークス「御父の計画における神の愛」『リアホナ』2022年5月号,101-104
セクション2
わたしたちはイエス・キリストの証人とならなければならない
世界の多くの善良な人々は,神を理解しようとしており,神がどのようにして自分の人生を良いものにしてくださるのかを知ろうとしています。今日の教会員は皆,バプテスマを受け,聖霊を通して証を得ることでイエス・キリストの証人となります(2ニーファイ31:13,18;モーサヤ18:8-9;3ニーファイ28:11)。イエス・キリストに真に従う者になろうと努力するとき,わたしたちは主の恵みを経験し,それによって強くなります。そして最終的には,主の恵みによって救われるのです(2ニーファイ25:23参照)。神と聖約を交わしてそれを守ることによって,わたしたちはキリストが自分たちのためにしてくださったすべてのことに対する感謝の気持ちを表します。主の愛,主の赦し,約束された救いの祝福を受ける者として,わたしたちには,出会うすべての人に証を分かち合う責任があります(ルカ22:32;モーサヤ18:8-9;教義と聖約84:61)。
考えてみましょう
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救い主はあなたのために何をしてくださったでしょうか。この質問について考える際には,ダリン・H・オークス管長の説教,「救い主はわたしたちのために何をしてくださったのでしょうか」を読むか,聴いてください。イエス・キリストの使命があなたの人生に及ぼす力について,この話から何が学べるでしょうか。イエス・キリストがしてくださったこととしてオークス管長が挙げたことに自分が個人的に経験したことを付け加えるとしたら,あなたはどんなことを付け加えますか。
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2ニーファイ25:23から,わたしたちは「自分の行えることをすべて行った後に,神の恵みによって救われる」ことが分かります。この文脈において,「救われる」とは,罪から清められて再び神のみもとで生きることができるようになることを意味します。ディーター・F・ウークトドルフ長老のメッセージ,「恵みの賜物」の中の項にある,「自分の行えることの全てを」を読むとよいでしょう。あなたの生活の中で「自分の行えることの全て」とは,何ですか。「自分の行えることの全て」とイエス・キリストの使命との間には,どのような関係があるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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天の御父は,わたしたちがイエス・キリストと救いの約束についての証を分かち合うよう望んでおられます。イエス・キリストの福音のメッセージを人々に伝えるべき理由の幾つかを説明している,教義と聖約18:10-17を読みましょう。ほかの人たちが救いの祝福を受けられるようにする業に加わるよう,神がわたしたちを招かれる理由として,この聖句ではどのようなことが述べられているでしょうか。あなたは,自分が助けた人が福音を受け入れて神と聖約を交わしたことで喜びを感じたことがありますか。あなたの知っている人の経験でも構いません。それはどのような経験でしたか。
さらに学ぶ
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ジェームズ・E・ファウスト「贖い—最も大いなる希望」『リアホナ』2002年1月号,19-22
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「The Savior Understands Me(救い主はわたしを理解しておられます)」(ビデオ,英語),ChurchofJesusChrist.org
セクション3
霊界でも続く救いの業
聖文は,死からの贖い,つまり復活は,本人の意志に関係なく,この世に生を受けたすべての人への普遍的な賜物であると教えています(使徒24:15参照)。しかし,罪の影響からの救いには,イエス・キリストを信じる信仰と悔い改めがなければなりません。また,聖文を読むと,神の王国に救われるにはバプテスマを受けなければならないことも分かります(ヨハネ3:5参照)。
しかし,神の子供たちの多くは,バプテスマを受けることも,イエス・キリストについて聞くこともないまま亡くなっています。そういう人たちはどうすれば救いを受けることができるのでしょうか。聖文は,イエス・キリストが死後,霊の世界を訪れられたことを教えています(1ペテロ3:18-20参照)。そこで主は福音を宣べ伝える組織を作り,すべての人が福音を学ぶ機会を得られるようにされました。末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は神殿で身代わりのバプテスマその他の死者のための儀式を執行し,キリストを通して死者の霊に救いの機会を与えています(教義と聖約128:5,18参照)。
考えてみましょう
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死者の贖いに関する重要な啓示が教義と聖約に記録されています。例えば,教義と聖約138:11-32を読んでください。この聖句は,霊界で救いを得られるようにする神の業について何を教えていますか。
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聖文は,幼い子供たちは聖く,イエス・キリストの贖罪によって聖められているので,救いを得るためにバプテスマを受ける必要はないと教えています。使徒8:8-25;教義と聖約74:7-94;137:10を読んでください。これらの聖句から,創造主の性質についてどのようなことが学べるでしょうか。この教義は,子供を亡くしてつらい思いをしている個人や家族にとって,どのような助けとなるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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教義と聖約128章で,ジョセフ・スミスはこう書いています。「〔 わたしたちの先祖〕なしにはわたしたちが完全な者とされることはなく,またわたしたちなしには彼らが完全な者とされることはないのです。」(18節参照)ジョセフ・スミスはどのような意味でこう書いたのでしょうか。グループの何人かに,考えたことを分かち合ってもらいましょう。グループの人たちに,亡くなった先祖について調べてもらいます。または,可能であれば,主の宮で死者のための儀式を行う予約を取るよう勧めてもよいでしょう。
さらに学ぶ
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D・トッド・クリストファーソン「死者の贖いと,イエスへの証」『リアホナ』2001年1月号, 10-13
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『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』 401-411.
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『歴代大管長の教え—ジョセフ・F・スミス』 128-135.