「霊界」『トピックと質問』
福音学習ガイド
霊界
人が死んで復活するまでの間に霊がいる場所
人が死んだらどうなるか,考えたことはありますか。イエス・キリストの福音は,人の命がこの世だけで終わるわけではないことを,はっきりと教えています。わたしたちの霊の体は生まれる前から存在していましたし,死んだ後も生き続けます。死ぬとわたしたちは霊界に行き,復活を待ちます。イエス・キリストの福音は,霊界でも教えられています。すべての人は神にとって貴い存在ですから,イエス・キリストは福音を受け入れる機会がないまま亡くなった人のために,救いの道を備えられました。
セクション1
死後の世界は存在する
友人や愛する人の死には,苦痛と悲しみが伴います。人が亡くなって悲しい思いをするのは現世で避けることのできない経験ですが,聖文は,イエス・キリストが死から復活することによって「死のとげ」を取り除かれたと宣言しています(モーサヤ16:8;アルマ22:14;モルモン7:5)。イエス・キリストが死の縄目を断ち切ってくださったので,わたしたちは皆,再び生きることができます(アルマ11:42-43参照)。死ぬと,肉体と霊の体は分かれます。霊の体は,「〔その後〕〔わたしたちの〕行いに応じて行く場所が決められ,正しい行いをした人は正しい人たちとともに,正しくない行いをした人は正しくない人たちとともに,復活を待ちます。」1(アルマ40:11-13参照)
考えてみましょう
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ウェザーフォード・T・クレートン長老はこのように考察します。「この世では,誕生と死が始まりと終わりであると理解されています。しかし,神の神聖な計画により,わたしたちは誕生と死が,天の御父と永遠に住むことを目指す旅路の節目にすぎないことを知っています。」2この観点から考えることは,愛する人が亡くなったときのための,どのような備えとなるでしょうか。
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1コリント15:51-55,57を読んでください。愛する人が亡くなったときのことを思い出してください。イエス・キリストが死に打ち勝たれたという知識は,あなたにとってどのような助けになりましたか。だれかを失うことや死について疑問を持っている人たちを力づけるために,その知識をどのように活用できるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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霊の体という概念になじみのない人のために,手袋を使って肉体を表し,手を使って霊を表すとよいでしょう。手を手袋の中に入れ,手袋が「生きている」のは手が入っているときだけだということを指摘します。次に手袋を外して,手袋があってもなくても手は生き続ける,ということを説明します。その後,手袋をはめ,復活してからは霊と体が分かれることは決してないことを説明します。(アルマ11:45 参照)
さらに学ぶ
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ポール・V・ジョンソン「もはや,死もなく」『リアホナ』2016年5月号,121-123
セクション2
霊界について分かっていること
人が死ぬと,その霊は霊界に行きます。そこで,義人の霊は「パラダイスと呼ばれる幸福な状態,すなわち安息の状態,平安な状態に迎え入れられ,彼らはそこであらゆる災難と,あらゆる不安と憂いを離れて休〔みます。〕」(アルマ40:12)「真理を知らずに罪のうちに死んだ者や,預言者たちを拒んで背きのうちに死んだ者」の霊は(教義と聖約138:32;1ペテロ3:18-20も参照),霊の獄に行きます。
考えてみましょう
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獄にいる霊は,イエス・キリストの福音の教えを受けることができます。しかし,獄にいる一部の霊の状態は,聖文の中で「地獄」と呼ばれることがあります(教義と聖約76:81-85参照)。地獄とは,不誠実な人と福音を受け入れない人が復活する時まで苦しむ場所のことです。罪を悔い改めようとしない人やイエス・キリストの福音を受け入れようとしない人は,永遠の栄光の王国に救われる前に自分自身の罪のために苦しむことになります(教義と聖約19:16-18参照)。霊の獄にいる人のことをよりよく理解するうえで,この聖句はどう役立つでしょうか。
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パラダイスにいる霊は義人の霊であって,彼らは「パラダイスと呼ばれる幸福な状態,すなわち安息の状態,平安な状態に迎え入れられ,彼らはそこであらゆる災難と,あらゆる不安と憂いを離れて休〔みます。〕」(アルマ40:12)この真理は,神の戒めを守って義にかなった生活をしたいという望みをどのように強めるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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霊界について聖文が教えている事柄を学ぶために,紙に二つの欄を作り,片側に義人と書き,もう一方に悪人と書きます。次に,アルマ40:6-14と教義と聖約138:12-14,20-22を研究してください。これらの聖句から分かったことを話し合います。
さらに学ぶ
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「霊界」『歴代大管長の教え—ブリガム・ヤング』,305-311
セクション3
霊界で福音が宣べ伝えられる
イエス・キリストの福音を聞くことも,救いと昇栄の儀式を受ける機会もなく亡くなった人々がどうなるか,考えたことがありますか。賢明で愛にあふれた天の御父は,御自分のすべての子供たちが自ら望んで戻って来て御自分とともに住めるようになるための方法を用意されました。預言者ジョセフ・スミスは,教会員にこう宣言しています。「死者は,王なるインマヌエルに向かって永遠の賛美の歌を語り出しなさい。王なるインマヌエルは,わたしたちが死者を獄から贖えるようにする方法を,世界が存在する前に定められました。獄にいる者たちは解放されるのです。」(教義と聖約128:22).
1918年,ジョセフ・F・スミス大管長は,霊界に関する天からの示現を見ました。教義と聖約138章に記録されている示現の詳細を読むと,霊の獄の束縛の中にいる人々が福音を学び,悔い改め,不可欠な神権の儀式を受けることをイエス・キリストがどのような方法で可能にされたかが,はっきりと理解できるようになります。
考えてみましょう
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教義と聖約138:16-19,50-52を読んでください。この聖句によると,どのような点で霊界というものは,義にかなった霊たちにとっても牢獄のようなものなのでしょうか(1ペテロ3:18-20;4:6も参照)。その人たちは,イエス・キリストが亡くなって霊界に御姿を現されたとき,パラダイスでどのような気持ちを感じたでしょうか。
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教義と聖約138:29-37,57-59を読み,現世で福音を受け入れることなく亡くなった人々が福音の祝福を受けられるようになる方法を見つけてください。イエス・キリストがなさったことによって先祖が救われることは,あなたにとってどのような意味がありますか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えています。「だれかを助けるために何かを行うときはいつでも,それが幕のどちら側であろうと,神と重要な聖約を交わして,救いに不可欠なバプテスマと神殿の儀式を行うことに向かって進むのであれば,あなたはイスラエルの集合を助けています。」3亡くなった人々が贖われ,不可欠な儀式を受けられるようにする方法について,話し合います。グループの中でその業に携わったことのある人に,そのときのことを話してもらいます。
さらに学ぶ
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デール・G・レンランド「家族歴史と神殿活動—結び固めと癒し」『リアホナ』2018年5月号,46-49
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「神殿の業により死者を贖う」『歴代大管長の教え—ジョセフ・F・スミス』,407-415