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父なる神を礼拝する


「父なる神を礼拝する」『トピックと質問』

祈りをささげる男性

福音学習ガイド

父なる神を礼拝する

神への愛と献身を示す

イエス・キリストは,いちばん大切な戒めは何か尋ねられたときに,こうお答えになりました。「心をつくし,精神をつくし,思いをつくして,主なるあなたの神を愛せよ。」(マタイ22:37)イエスは現世の生涯を通じて,父なる神を愛する方法を完全に示されました。「初めから,すべてのことについて父の御心」を行われました(3ニーファイ11:11)。天の御父がどれほどのことを自分のためにしてくださったか立ち止まって考えると,天の御父に対する愛と,御父に従いたいという望みが強くなるでしょう(モーサヤ2:20-24参照)。礼拝は,御父の愛に感謝を表し,御父に近づこうと努めていることを示すための重要な方法です。

天の御父を礼拝するとはどういう意味でしょうか。

神を礼拝するとは,神に愛と従順と敬意を示し,奉仕し,褒め讃え,感謝し,献身することです。天の御父は御自分の子供たちに,ほかの信者と交わることによる礼拝と,個人的な礼拝をするようにと命じておられます。礼拝することによってわたしたちは,神への愛と神への献身を示すだけでなく,神の戒めを守る力も与えられます。

トピックの概要:礼拝

関連福音学習ガイド:父なる神」,「祈り」,「聖餐」,「神殿」,「イエス・キリストの福音に従って生活する

セクション1

わたしたちはイエス・キリストの御名によって父なる神を礼拝する

祈る男女

父なる神は宇宙の至高の統治者であられます。そのような存在として,神は御自分の子供たちの救いと昇栄のための計画を立てられました。そして,御子イエス・キリストを地上に遣わして,すべての人のために贖いの犠牲を払うようにされたのです。御父の計画の祝福を享受するには,御父を信じ,御父が命じておられることをすべて行うよう努力しなければなりません。

モーセは次のように命じられました。「神を礼拝しなさい。あなたは神にのみ仕えるべきである。」(モーセ1:15)何世紀も後に,悪魔が自分を拝むようイエスを誘惑しに来たとき,イエスは,「主なるあなたの神を拝し,ただ神にのみ仕えよ」と答えられました(マタイ4:8-10参照)。初めから,父なる神は御自分の子供たちに,「あなたが行うすべてのことを御子の御名によって行いなさい」と命じられました(モーセ5:8)。現代において,ジョセフ・スミスは「イエス・キリストの名によって,〔神〕に仕えなければならない」(教義と聖約59:5)と命じられました。

天の御父を生活の最優先にすることは,天の御父に近づく助けとなります。主はイスラエルの子らにこう命じられました。 「あなたはわたしのほかに,なにものをも神としてはならない。」(出エジプト20:3)聖書に出てくる偶像礼拝は,今の時代に当てはめると,神や神の戒めを守ることよりも,物や人に重点を置くときにいつでも起こります(出エジプト20:4-5教義と聖約1:15-16参照)。それとは対照的に,神が愛してくださっているように心を尽くして神を愛していることを示すとき,神を近くに感じ,神のような者になれるのです。父なる神を礼拝する最も大切な方法は,信仰と悔い改めを通して御子イエス・キリストのもとに来て,永遠の命に至る道を歩もうと努力することです(ヨハネ17:3参照)。天の御父を唯一の礼拝の中心とする人は,いつの日か御父のようになることができます(教義と聖約93:19-20参照)。

考えてみましょう

  • 天の御父が存在するのを信じることを選び,天の御父の知恵と力を信頼することは,謙遜に礼拝によって神に近づくうえで不可欠です。モーサヤ4:9-10を読んでください。あなたが神を信じていたために神の助けと赦しを求めたのは,どんなときだったでしょうか。日頃から悔い改めて罪を捨てようとする努力が真の礼拝の重要な側面であるのは,なぜでしょうか。

  • イエス・キリストは,地上におられたときに,天の御父を礼拝する方法を示されました。ヨハネ5:19-20を読み,この聖句が礼拝について何を教えているか考えてください。御父と御子の業についてわたしたちが知る方法には,どんなものがあるでしょうか。聖文に記録されている神の業を研究することは,神を礼拝するためのどのような備えになるでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • ビデオ「わたしは神の子」(6:30)を視聴してください。モーセが経験した神との神聖な交流について学んだとき,皆が感じたことを話し合います。神を愛することを最優先に置くことによって,わたしたちはどのように誘惑から守られるでしょうか。神を礼拝する努力は,困難に遭うときのどのような備えになるでしょうか。

さらに学ぶ

セクション2

ほかの人々と一緒に神を礼拝するとき,霊的な強さを得ることができる

教会にいる人々

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は毎週地元の集会に集って,祈り,聖餐を受け,賛美歌を歌い,福音を学び,互いに友情を深めます。主は聖徒たちに,「わたしの聖日に祈りの家に行って,聖式をささげ〔るように〕」と命じられました(教義と聖約59:9)。毎年2回開かれる総大会は,教会の指導者が全世界の教会員に霊感を受けた教えを与える大切な行事です。よく計画された教会の礼拝行事への参加は,父なる神を礼拝するために欠かすことのできない方法と見なされています。

安息日の礼拝に加えて,教会員は神殿でも礼拝します。主の宮で教会員は,永遠の命を受ける備えとなる神権の儀式を受けます。これらの儀式で聖約を交わして守ることは,神と話す備えとなります。すなわち,主の御霊を感じて平安や力を頂き,個人の啓示も受けることができるようになるのです。

考えてみましょう

  • モルモン書には,キリストの教会の会員がともに礼拝するために集まったことが記されています。モロナイ6:5-9を読んでください。彼らの礼拝の仕方は,今日の教会員が行っていることとどのような点で似ているでしょうか。教会に招待したい人に対して,安息日の礼拝の祝福についてどのように説明しますか。

  • 1836年のカートランド神殿の奉献式で,預言者ジョセフ・スミスは,「主の宮の敷居を越えて入って来るすべての人が,〔神の〕力を感じ〔られるように〕」と祈りました(教義と聖約109:13)。時間を作って主の宮で礼拝することが神の力を感じる助けとなったのは,どのようなときでしたか。

  • ディーン・M・デイビーズビショップの「礼拝がもたらす祝福」というメッセージを読み返して1,心からの礼拝がイエス・キリストの弟子として成長するうえでどのような助けになるか見つけてください。この話を読んで,礼拝という自らの取り組みについてどのようなことを考え,どのようなことを感じましたか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • イエス・キリストは御自分に従う者たちを祝福するために,現代に御自身の教会を設立されました。ダリン・H・オークス管長は,2021年10月の総大会で行った説教の中で,教会の必要性について話しました。2教会の必要性」を一緒に読んで,ほかの信者たちとともに礼拝することから得られる祝福を見つけてください。人の霊的な成長と進歩のために教会の礼拝行事への参加が不可欠である理由には,どのようなものがあるでしょうか。

さらに学ぶ

セクション3

神を礼拝することが日々の生活の一部となる

神殿の前にいる女性

モルモン書の預言者アルマは,「衣服が粗末であるために」公の礼拝行事から追い出されていた貧しい階層の人々の中で(アルマ32:21-12節も参照),福音を宣べ伝えました。アルマは,集会に出席することだけが礼拝ではないとして,次のように説明しました。「見よ,あなたがたは,自分たちの会堂から追い出されているので,神を礼拝できないと言っている。……もし神を礼拝できないと思っているのであれば,あなたがたはひどく誤解している。」(アルマ33:2)安息日の教会の礼拝行事で定期的に礼拝することだけでなく,日々行うすべてのことにおいて神を礼拝する気持ちを経験することができます。つまり,祈りによって天の御父に頼るときにも(アルマ32:3-1137:36参照),頂いている祝福に感謝を表すときにも(アルマ34:38参照),礼拝の気持ちを育むことができるのです。心を高める音楽を聴くことは,神とお話をするための備えとなります(教義と聖約25:12参照)。

考えてみましょう

  • 井戸端に来たサマリヤ人の女性は,神聖な場所でしか礼拝することができないと思っていました。ヨハネ4:19-26を読んでください。イエスはこの女性に真の礼拝について何をお教えになりましたか。生活の中で神を礼拝する気持ちを育む方法には,どのようなものがありますか。

  • D・トッド・クリストファーソン長老は,こう言っています。「わたしにとって非常に大切なことは,いかなる時でもどんな状況にあっても,祈りを通して恵みの御座に近づけること,天の御父がわたしの嘆願を聞いてくださること,罪を犯したことがなく,自らの血を流された弁護者が,わたしのために執り成しをしてくださることです。」3救い主に心を向けることは,天の御父を礼拝したいという望みにどう影響するでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • 良い音楽を聴くことによって,神を礼拝したいという望みを育むことができます。心を高める歌詞には,わたしたちの思いを,天の御父と,御父が憐れみに満ちて与えてくださった祝福に向ける力があります。神の愛を感じるのに役立った歌のリストを作ってください。神が「義人の歌」を祈りとみなされる幾つかの理由を(教義と聖約25:12),一緒に話し合います。

さらに学ぶ

  1. ディーン・M・デイビーズ「礼拝がもたらす祝福『リアホナ』2016年11月号,93-95

  2. ダリン・H・オークス「教会の必要性『リアホナ』2021年11月号,24-26

  3. D・トッド・クリストファーソン「私はだれを頼みにしているか知っている『聖徒の道』1993年7月号,86参照