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第15課 教師用資料:聖餐を通してイエス・キリストに近づく


「第15課 教師用資料:聖餐を通してイエス・キリストに近づく」『イエス・キリストとその永遠の福音 教師用資料』(2023年)

「第15課 教師用資料」『イエス・キリストとその永遠の福音 教師用資料』

第15課 教師用資料

聖餐を通してイエス・キリストに近づく

七十人のピーター・M・ジョンソン長老は,次のように教えています:「聖餐には霊的に教化されることが伴います。それは,個人的で力強く,必要なものです。」(「サタンに打ち勝つ力『リアホナ』2019年11月号,112)この課は生徒にとって,聖餐がどのように自分の生活に個人的で力強い影響を及ぼしてくれるかを分かち合う機会となります。生徒はまた,聖餐を取り,いつも主を覚えようと努めるときに,さらに救い主のもとへ行くために自分には何ができるかを考えることができます。

教えるための提案

イエス・キリストは,御自分の偉大な贖いの犠牲を思い起こさせるために聖餐を定められた

十字架に架けられる前の晩,救い主は弟子たちと過越の食事をされたことを生徒に思い出してもらいます。この食事のときに,救い主は聖餐を定められました。

教え方と学び方を改善する

聖句や聖文の話を心に思い描くよう生徒に勧める。心に思い描くことで,学んでいる登場人物に対して理解や共感を深める助けとなります。また,学んでいる原則が真実であり,重要であると感じる助けにもなります。

生徒に最後の晩餐の重要性を感じてもらえるよう,この出来事が描かれた絵を見せて,一人の生徒にマタイ26:19-20,26-30を声に出して読んでもらうか,ビデオ「最後の晩餐」の一部(タイムコード2:14-3:16)を見るとよいでしょう。救い主が初めて聖餐を執行されたときに自分がその場にいたとしたら,どのように感じるだろうかと生徒に想像してもらいます。何人かの生徒に,考えたことや感じたことを分かち合ってもらいましょう。

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生徒に次の場面を想像してもらうとよいでしょう。自分はクリスチャンではなく,教会の集会で聖餐が執行される様子を初めて目にしています。集会中,集っている人々は「ナザレ出しわが主よ」(『賛美歌』100番)を歌い,聖餐のパンと水の祝福が行われ,配られています。(生徒にこの賛美歌の歌詞を読んでもらうと助けになるかもしれません。)生徒に,もし自分がクリスチャンでなかったとしたら,聖餐について抱くと思われる質問を幾つか書き出してもらいます。

質問を書き終えたら,少人数のグループに分かれてもらいます。グループのメンバーにそれぞれ順番に自分の質問をしてもらい,それぞれの質問に答えてもらいます。

生徒が自分たちの質問について話し合っている間,部屋中を回りながら,話されている事柄に耳を傾けます。聞いた内容を基に,以下のうちどの質問が,クラスの話し合いで生徒がさらに深く学ぶ助けとなるかを判断します:

  • 聖餐の象徴は,何を表していますか。(生徒は次のような真理を見つけるでしょう:パンとぶどう酒〔または水〕は,イエス・キリストの体と血を表しており,わたしたちのために行われた主の贖罪を表している。

  • パン,ぶどう酒,水の象徴を通して,救い主について聖文からどのようなことが学べますか。パンを食べる前に裂くことが重要であるのはなぜでしょうか。

  • ただパンと水を眺めるだけでなく,実際にパンを食べ,水を飲むことが重要なのはなぜでしょうか。(話し合いをよりよいものとするために,準備資料のセクション1にある黒丸印のついた項目を確認するとよいでしょう。)

生徒に,聖餐の象徴に込められている意味について,また救い主の犠牲が個人に対するものであることを思い起こすうえで,この象徴がどのような助けになるかを深く考えてもらうとよいでしょう。

わたしたちは深く考えながら聖餐を受けるときに,救い主に近づくことができる

以下のシナリオを提示してください:

由美は,聖餐が配られている間,つい退屈に感じてしまうことがよくあります。聖餐が重要だと分かってはいても,なかなかそうは感じられないのです。集っている人々に聖餐が執行されているときに,ふと気づくとアルバイトや学校の課題,社会生活,教会が終わったらすることについて考えていることがよくあります。時には,スマートフォンでソーシャルメディアを見ていることもあります。

  • 聖餐に対する由美の態度は,どのようなものでしょうか。聖餐に対するそのような態度によって,由美はどのような機会や祝福を逃してしまっているでしょうか。

  • もし救い主御自身がパンと水を渡してくださったとしたら,由美の認識はどのように変わると思いますか。

何人かの生徒に3ニーファイ18:7,10-1220:8-9を黙読してもらい,別の何人かには教義と聖約20:77,79を読んでもらい,残りの生徒には,準備資料のセクション2にあるシェリル・A・エスプリン姉妹の言葉を研究してもらいます。生徒に,聖餐に関する様々な原則や態度,祝福を見つけてもらいます。教師自身や生徒が見つけたことをホワイトボードに書き出すとよいでしょう。

見つけたことを生徒に発表してもらう際,自分が見つけたことにつながる個人的な経験や例を分かち合ってもらってもよいでしょう。また,このクラスへの備えとして生徒が話をした人たちから聞いた例や経験を分かち合ってもらうこともできます(準備資料セクション2の「クラスに備えて話し合う」参照)。

いつも救い主を覚えるとはどういうことかを生徒が話し合う際に,以下のように尋ねるとよいでしょう:

  • いつも救い主を覚えておくと,日々の生活にどのような影響があるでしょうか。どうしたら,1週間を通してもっと主を覚えておくことができるでしょうか。

生徒が聖餐を受けるときの自らの姿勢について深く考え,書き留める時間を取るとよいでしょう。聖餐式の過ごし方や,「いつも御子を覚え〔る〕」(教義と聖約20:77)ための努力を改善する方法について,考えてもらうことができます。

聖餐を受けるふさわしさについて疑問を抱いている生徒がいる場合や,この話題についてクラス全体で話し合う方がよいと感じた場合は,準備資料のセクション3を参照してください。以下のような質問をするとよいでしょう:

  • 聖餐を受ける備えをする際,自分自身を「吟味」することはなぜ大切なのでしょうか(1コリント11:27-29参照)。

  • 聖餐を受けるにふさわしい状態に関するジョン・H・グローバーグ長老(1976-2005年)の言葉(準備資料のセクション3)について,どのように感じましたか。この助言は,弱さや罪,その他の困難に苦しんでいる人々にとって,どのような希望をもたらすでしょうか。

クラスを終えるに当たり,救い主のもとに行くうえで聖餐の儀式がどのような助けとなるかについて,生徒に証を分かち合ってもらうか,教師自身が証を述べるとよいでしょう。または,この課で感じたことや学んだことを生徒に分かち合ってもらってもよいでしょう。

次回に向けて

次のクラスのための予習ができるよう促すために,今週中に次のメッセージ(または自分で考えたメッセージ)を送るとよいでしょう:準備資料を学ぶとき,イエス・キリストの贖罪がなぜ人類史上最も重要な出来事なのかを考えてみてください。

ビデオ「イエスのおかげで—復活祭」(2:43)のリンクを送ってもよいでしょう。

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