イエス・キリストにさらに似た者となる

イエス・キリストは弟子であるわたしたちに，御自身のようになるよう求めておられます（3ニーファイ27：27参照）。この課で生徒は，キリストのような特質をさらに伸ばすことによって，どのようにさらに救い主に似た者になれるかを考えます。また，この課は生徒にとって，キリストのような特質を具体的に選び，その特質をさらに十分に伸ばすために何ができるかを決める機会となります。 

教えるための提案

イエス・キリストは弟子たちに御自身のようになるよう指示しておられる

レッスンを始めるに当たり，準備資料のセクション1にあるダリン・H・オークス管長の言葉を見せるか，一人の生徒に声に出して読んでもらいます。その後，以下のように問いかけます：

何かを「知ること」と，何かを「行うこと」と，何かに「なること」の違いは何でしょうか。

3ニーファイ27章の内容を簡単に説明してから，3ニーファイ27：27を一緒に読んでください。あるいは，モルモン書ビデオ（ChurchofJesusChrist.org）から該当する箇所を見てもよいでしょう。以下の真理を見せるとよいでしょう：イエス・キリストは御自分の弟子たちに，御自身のようになるよう求めておられる。

キリストの特質が描かれた絵を幾つか見せてもよいでしょう。その後，生徒に以下の聖句を一つか二つ選んで読んでもらい，キリストのような特質を見つけてもらいます：

イエス・キリストの特質の中で，さらに伸ばしたいと思うのはどの特質ですか。（生徒が挙げた特質をホワイトボードに書き出すとよいでしょう。）
皆さんや皆さんの知っている人は，さらに救い主に似た者となるよう努力することを通して，どのような祝福を受けてきましたか。（準備資料のセクション1にあるエズラ・タフト・ベンソン大管長の言葉を読み返してもよいでしょう。）

以下のようなシナリオを紹介するとよいでしょう：

エライザは，キリストのような特質のリストを見たとき，圧倒されるような思いがしました。このような特質全部を自分の生活に取り入れることなんてできるのだろうかと思いました。不可能としか思えなかったのです。

皆さんは，エライザのように感じたことはありませんか。皆さんだったら，エライザにどのようなアドバイスをしますか。
キリストのような特質を伸ばそうとするとき，ほかにどのような問題に直面することがあるでしょうか。
キリストのような特質を伸ばそうと努力するとき，もっと希望を持つ助けとなるような福音の原則にはどのようなものがあるでしょうか。（必要に応じて，準備資料のセクション2にあるディーター・F・ウークトドルフ管長の言葉や，次のような聖句について生徒に考えてもらうとよいでしょう：モーサヤ4：27およびエテル12：27，または教義と聖約78：17－18および93：13。）

教え方と学び方を改善する

物語を用いる。物語は興味をそそり，理解を深め，応用する方法を示すことができます。聖典の中の話に加えて，教会の指導者が話す信仰を高める話も，現代の状況において原則をどのように当てはめればよいかを示すことができます。また，教師や生徒も，自らの体験から霊感をもたらす話を分かち合うことができます。

一歩一歩主に似た者になるという概念を説明するために，冨士山の写真を見せて，スコット・D・ホワイティング長老とホワイティング姉妹の以下の経験を読むとよいでしょう。（あるいは，総大会でホワイティング長老がこの経験を語っているのを見る（または聴く）こともできます〔タイムコード2：35－3：09〕。）

10:21

「数年前，妻とわたしは日本の最高峰である富士山の登山口に立ちました。登り始めてから，遠く離れた頂上を見上げて，果たしてあそこに到達できるのだろうかと思いました。

進むにつれて，疲れ，筋肉痛，標高の高さの影響を感じ始めました。精神的に，次の一歩を進むことだけに集中することが重要になりました。わたしたちは次のように言い聞かせました。『頂上にはすぐにたどり着けないかもしれないが，次の一歩は進むことができる。』一歩一歩進み，やがてこの困難な課題は最終的には達成可能となりました。」（スコット・D・ホワイティング「キリストのようになる」『リアホナ』2020年11月号，12）

ホワイティング家族の経験は，さらにイエス・キリストに似た者となることと，どのように関連しているでしょうか。

生徒に自分の考えを話してもらってから，ホワイティング長老の以下の言葉を見せてください：

「イエス・キリストのようになるには，わたしたちの心と思い，行い，わたしたちの人格そのものを変える必要があります。そして，それは，イエス・キリストの救いの恵みを通してのみ可能です。……

真の成長を見るには，努力を継続する必要があります。登山に事前準備や登山中の忍耐や我慢強さが必要なように，この行程にも真の努力と犠牲が求められます。真のクリスチャンになることには，そのためにわたしたちは主のようになるための努力をしていますが，常に最善の努力が求められます。」（スコット・D・ホワイティング「キリストのようになる」13，14）

生徒に，準備資料のセクション3にある「自分の考えを記録する」活動を参照してもらいます。次に，以下の活動の中から，生徒の必要に最も適した活動を選んでください：

生徒に，『わたしの福音を宣べ伝えなさい』に載っている「特質を伸ばすための活動」を行ってもらうか，この経験から学んだこと，または，学べることについて深く考えてもらいます。
生徒に，準備資料の「さらに深く知る」セクションに載っている説教の一つを選んでもらい，それを読む（または読み始める）ための時間を取ります。また，「福音ライブラリー」でキリストのような特質を検索してもらい，学ぶためのリソースを自分で見つけてもらうこともできます。
数人の生徒に，自分が取り組むことにした特質の模範を，イエス・キリストがどのように示しておられるかを聖文から紹介してもらいます。（準備資料のセクション3にある「自分の考えを記録する」活動のステップ2を参照してください。）
さらに救い主に似た者となることについて，知り合いの人と話すことで学んだことを生徒に分かち合ってもらいます。（詳しくは，準備資料のセクション1にある「クラスに備えて話し合う」活動か，セクション3にある「自分の考えを記録する」活動の3番目のステップを参照してください。）

レッスンを終えるに当たり，以下の質問を見せて生徒に深く考えてもらい，印象を書き留めてもらうとよいでしょう：

皆さんが選んだキリストのような特質を伸ばしたり強めたりすることで，皆さんの人生や人間関係にどのような影響があるでしょうか。
この特質を養うために，今週，どのような小さくて簡単な一歩を踏み出すことができるでしょうか。
この特質を伸ばしたり，強めたりするために，主の助けをどのように求めますか。

今日の話し合いの中で感じたこと，学んだこと，書き留めたことを，数人の生徒に分かち合ってもらうとよいでしょう。また，教師が自分の証を分かち合ってもよいでしょう。

次回に向けて

次のレッスンに向けて，準備資料を学ぶよう生徒を励ますために，次のメッセージ（または自分で考えたメッセージ）を送るとよいでしょう：第27課を研究する際，希望，光，命という言葉の関連性について考えてみましょう。