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第16課 教師用資料:カートランド神殿と神権の鍵


「第16課 教師用資料:カートランド神殿と神権の鍵」『回復の礎 教師用資料』(2019年)

「第16課 教師用資料」『回復の礎 教師用資料』

第16課 教師用資料

カートランド神殿と神権の鍵

主はオハイオ州カートランドに神殿を建てることを聖徒たちに命じ,「高い所から力を」授けると約束なさいました(教義と聖約95:8)。本課は,神殿に関する主の戒めをどうすればさらに忠実に守ることができるかを生徒が考えるのに役立ちます。また,本課の学習は,カートランド神殿で回復された神権の鍵の重要性を生徒が説明できるようになるためにも役立ちます。

教えるための提案

主は,カートランド神殿を建設するという主の命令を成し遂げられるよう聖徒たちを助けられた

主がその僕を通して教会員に求められることの中で実行するのが難しそうなものや,実行できそうにないものについて,生徒に考えてもらいます。何人かの生徒に,その例を皆に発表してもらいます。

カートランド神殿の画像を見せます。1832年12月に主が聖徒たちに「神の家」をカートランドに建てるよう命じられたことを(教義と聖約88:119),生徒に指摘します。

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〔カートランド神殿の画像〕

主に命じられてから5か月を過ぎても,教会の指導者と会員が神殿の建設に着手していなかったことを説明します。聖徒による神殿建設の遅れについて主が何と言われたか考えながら,教義と聖約95:1-3を全員で読んでください。

  • 神殿を建設しないことが「非常に重い罪」と見なされるのは(3節6節も参照),なぜだと思いますか。

  • 神殿を建設しないことについて主が聖徒たちを懲らしめられたのは,どのような意味で聖徒たちに対する主の愛のしるしになっていたと思いますか(1節参照)。

カートランドに神殿を建てることを主が望まれた一つの理由は何だったのか考えながら教義と聖約95:8を読むよう,生徒たちに言います。

授ける〔訳注:英語では「エンダウ(endow)」〕とは,だれかに贈り物をあげるという意味であることを説明します。教義と聖約95章で言われている「エンダウメント〔訳注:英語では「endowment」であり,「授けられるもの」という意味」〕には,霊的な知識と力という賜物が含まれていました。今日神殿で執り行われているエンダウメントの儀式は,1842年になって初めて,イリノイ州ノーブーで明らかにされたものです。

一人の生徒に,教義と聖約95:11-12を読んでもらいます。

  • 11節で主が聖徒たちに与えられた約束から,どのような原則を学ぶことができますか。(生徒の言葉を使ってホワイトボードに次のような原則を書きます:わたしたちが主の戒めを守るよう努力するならば,主は御心を成し遂げる力を与えてくださる。

  • 主のなされたこの約束がカートランドの聖徒にとって慰めとなっていたと思われるのはなぜですか。(準備資料のセクション 1にあるエライザ・R・スノーの言葉を参照。)あなたの生活のどんな場面で,この原則が慰めとなる可能性があるでしょうか。

  • カートランド神殿を建てるという主の命令に従うために聖徒が払った犠牲には,どんなものがあったでしょうか。(必要に応じて準備資料のセクション 1を見直すよう,生徒に勧めます。)

  • カートランド神殿を建てる力と助けを,主はどんな形で聖徒たちにお与えになったでしょうか。

生徒に,準備資料のセクション 1にあるトーマス・S・モンソン大管長の言葉を読み返して,次のことについて考えてもらいます:今日の聖徒は,神殿の建設をどのような形で支援しているか。神殿で礼拝するためにわたしはどのような犠牲を払っているか。

  • 神殿の祝福にしばしば犠牲が結びついているのは,なぜだと思いますか。

教え,学ぶことを向上させる

生徒に考える時間を与える。時間を与えられてイエス・キリストの福音に従った経験について深く考えると,生徒は聖霊の助けを受けて過去のことを思い出すことができるようになります。この方法と併行して,時々考えを記録してから発表するようにしてもらうようにすると,いい意見が出るようになったり,発表する意欲が湧いてきたりする可能性があります。

時間をとって,生徒に(1)自分が神殿に関連して払っている犠牲,(2)自分が神殿からすでに受けている祝福,(3)神殿に関する主の戒めにいっそう熱心に従うためにできることについて,考えて(場合によっては書いて)もらいます。

主はカートランド神殿を受け入れ,神権の鍵がジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに委ねられました。

注:教義と聖約109章にあるカートランド神殿に関する奉献の祈りについては,第20課で学ぶことになります。

聖徒たちの犠牲と主の助けのおかげでカートランド神殿は完成し,1836年3月27日に奉献されたことを説明します。聖徒たちが従順に神殿を建てた結果として,主から力が授けられました。

  • カートランド神殿の奉献中に聖徒たちはどんな霊的な現れを経験したでしょうか。(準備資料のセクション 2で学んだことを生徒に思い出すよう勧めます。)

1週間後,神殿にいたジョセフ・スミスとオリバー・カウドリのもとに,救い主や天の使者たちが御姿を現されたことを説明します。一人の生徒に,教義と聖約110章の前書きを読んでもらいます。

次の画像を見せます。

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「カートランド神殿に御姿を現される主」デル・パーソン画

救い主がどのように描かれているか,ジョセフとオリバーに救い主がどんなことを言われたか考えながら,教義と聖約110:1-10を全員で読みます。印象に残った点を生徒たちに発表してもらいます。発表してもらう際には,以下のような質問について生徒が話し合う時間を考えに入れておきます。

  • 新たに建てられた主の宮での主の現れと教えから,主についてどんなことが分かるでしょうか。

  • 7-8節にある主の御言葉と約束から,主の神殿の神聖さについてどんなことが分かるでしょうか。

  • カートランドの神殿は,世界のそれ以外の地域にどのような影響を与えることになっていたのでしょうか(9-10節参照)。

生徒に,カートランド神殿に現れたそのほかの天の使者について知っていることを発表してもらいます。次の真理を見せてもよいでしょう:主は,救いの業に不可欠な神権の鍵を委ねるために,天の使者たちをカートランド神殿に送られた。

生徒に,それらの使者がジョセフとオリバーに委ねた鍵についても説明してもらいます。必要に応じて,準備資料のセクション 2を生徒に参照してもらいます。生徒が発表する間,モーセエライアスエリヤの名前を,関連する鍵とともに見せるとよいでしょう。

  • カートランド神殿で委ねられた神権の鍵によって,わたしたちは今日どのような祝福を受けているでしょうか。

ジョセフ・フィールディング・スミス大管長の次の言葉を見せ,一人の生徒に読んでもらいます。

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〔ジョセフ・フィールディング・スミス大管長の画像〕

カートランド神殿は神殿建設の歴史の中で特異な位置を占めています。それはほかの神殿とは異なります。カートランド神殿は主として権能の鍵の回復のために建設されました。(Joseph Fielding Smith, Doctrines of Salvation, comp. Bruce R. McConkie [1955], 2:242

カートランド神殿で委ねられた鍵があなたの生活をどのような形で祝福しているかについて,具体的な例を伝えるとよいでしょう。預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに委ねられた神権の鍵は,今日,教会の大管長の指示の下で大管長会と十二使徒定員の各会員が保持し,行使していることを証します。

次回に向けて

次のクラスの予習では教会史における暗黒時代の一つであり,聖徒が試練,迫害,背信を経験した時期について学ぶことになることを,説明します。準備資料を学習して,神を信じる信仰の妨げになるものや信仰を持ちにくくするものに立ち向かう助けとなる原則を発表できるよう準備してクラスに来るよう,生徒に勧めます。

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