「第28課 教師用資料:主は御業を速められる」『回復の礎 教師用資料』(2019年)
「第28課 教師用資料」『回復の礎 教師用資料』
第28課 教師用資料
主は御業を速められる
わたしたちは,主が救いの業を速めておられる時代に生きています(教義と聖約88:73参照)。本課は,主の御業は反発を受けながらも進むと信じる生徒たちの信仰が強くなるようにし,主が速めておられる御業を熱心に助ける計画を生徒が立てられるようにすることを目的としています。
教えるための提案
ジョセフ・スミスは,反発を受けながらも主の御業は進むと教えた
ピーター・ホイットマー・シニアの丸太の家の写真(準備資料を参照)を生徒に見せ,1830年に組織されて以来の主の回復された教会の発展について,知っていることにを生徒に話してもらいます(生徒は,準備資料のセクション 1を見直してもよいでしょう)。
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預言者たちは末日聖徒イエス・キリスト教会の未来について何と言っていますか。主の教会の行く末を理解することが大切だと思うのはなぜですか。
1842年3月,イリノイ州シカゴの新聞編集者ジョン・ウェントワースから教会の信条について情報を求められてジョセフ・スミスが主の福音と教会の行く末について説明する手紙を書いたことを,生徒に説明します。手紙の中で預言者は,「末日聖徒の起こりと発展,迫害,信仰」について説明しました(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』437)。
次の手紙の一部を提示し,一人の生徒に読んでもらいます。
真理の旗が掲げられています。いかなる汚れた者の手も,この業の発展を止めることはできません。迫害は威を振るい,暴徒は連合し,軍隊は集合し,中傷の風が吹き荒れるかもしれません。しかし神の真理は大胆かつ気高く,悠然と進み行き,あらゆる大陸を貫き,あらゆる地方に至り,あらゆる国に広まり,あらゆる者の耳に達して,神の目的は成し遂げられるでしょう。こうして,大いなるエホバは,業は成ったと告げられることでしょう。(『教え―ジョセフ・スミス』444)
必要に応じて,中傷とは,だれかの評判を傷つける意図で虚偽を言うことを指すと説明します。
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ジョセフ・スミスの言葉や皆さんが準備資料で学習したことから,神の御業についてどのような真実が分かりますか。(生徒が答えた後に,次の真理を見せます:神の御業は,反発を受けながらも,その目的が達成されるまで進む。)
十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長が,ジョセフ・スミスのこの預言は今も引き続き実現されていると宣言したことを説明します。次の言葉を見せ,一人の生徒に読んでもらいます。
確かに,迫害は威を振るいました。中傷,偽り,そして事実の歪曲によって名誉を失墜させようとする試みがありました。しかし,回復のとき以来,どの時期においても,神の真理は「大胆かつ気高く,悠然と」出で立ってきたのです。1830年にほんの一握りの会員から始まった小さな教会が発展し,今や全世界の様々な国々に1,300万人の会員を擁する教会となっているのです。そして,現在も,あらゆる大陸を貫き,あらゆる地方に至り,あらゆる国に広まり,あらゆる者の耳に達するよう,着実に発展し続けているのです。
これは神の業です。神の業が妨げられることはありません。(M・ラッセル・バラード「神の真理は出で立ち」『リアホナ』2008年11月号,83)
以下の質問を見せ,生徒に考える時間を1分間与えてから答えを言ってもらいます。
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反発を受けながらも神の御業が進み続けていることを示す,教会の歴史や現代の例を挙げてください。
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神の御業を止めることはできないことを知ることは,何かに直面して信仰が揺らぎそうになった時のための備えとしてどのように役立ちますか。
主は御業を速めておられる
ディーター・F・ウークトドルフ管長が大管長会の第二顧問を務めていたときに述べた以下の言葉を見せます。
時々,わたしたちは福音の回復は完了したもの,つまり,ジョセフ・スミスがモルモン書を翻訳し,神権の鍵を受け,教会が回復されたという,すでに過去に起きたものとして考えます。しかし実際は,回復は現在も進行過程にあり,わたしたちは今まさにその中で生きているのです。(ディーター・F・ウークトドルフ「回復の業が進む間ずっと眠っていますか」『リアホナ』2014年5月号,59)
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回復が現在も進行過程にあることを知ることが大切なのはなぜだと思いますか。
1832年12月下旬に主がオハイオ州カートランドの長老たちに「最後に異邦人の中に出でて行」く準備をするよう命じたことを説明します(教義と聖約88:84)。
教義と聖約88:73-74,80-81を生徒とともに読み,主の約束とそれにかかわる戒めに印を付けるよう勧めます。
生徒がこの約束を理解できるよう,本課の準備資料の導入部分にあるラッセル・M・ネルソン大管長の次の文を読んでもらいます。
今は,胸の高鳴る時代です。主が業を速めておられるのをわたしたちは目の当たりにしています。心躍る時代です。厳しい時代でもあります。わたしたち一人一人に,かつてないほど多くのことが求められています。その分,かつてないほど多くが与えられています。(ラッセル・M・ネルソン「個人的な招き」,ChurchofJesusChrist.org)
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上記の教義と聖約88章の聖句と,主の御業を速めておられる中でわたしたちの果たす役割について述べたネルソン大管長の言葉から,何を学ぶことができますか。(生徒は,以下の真理に似た考えを発表するかもしれません:わたしたちには,主の御業を速めることに携わる責任がある。)
このコースで学んだ主の救いの御業の側面について,生徒に考えてもらいます。生徒が重要なテーマを思い出せるよう,コースの概要またはこのコースの全レッスンの題名をおさらいするとよいでしょう。また,準備資料のセクション 2にある聖句や教会の指導者空の勧めの中で印象に残ったものについて,生徒に話してもらってもいいかもしれません。
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わたしたちは,主の救いの御業のどんな側面に携わる責任を持っているでしょうか。(生徒たちの答えをホワイトボードに書き出します。これには,イスラエルの集合,福音を宣べ伝えること,死者の贖い,預言者に従うこと,人のために犠牲を払うこと,ミニスタリング,困っている人の援助,神殿での礼拝,安息日を尊ぶことなどが含まれます。)
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今挙げた分野で主が御業を速めておられる方法には,具体的にどんなものがあると思いますか。
生徒に数分与え,主が速めておられる御業にどのような形で個人的に携わることを主は自分に望んでおられるか,よく祈って考えてもらいます。生徒に時間を与え,主を助けるために行おうと思うことの計画を書いてもらいます。計画を立てるときに,方法と時期を具体的に決めるようアドバイスしてもいいかもしれません。
レッスンの前に自分自身の個人的な計画を書いてみるとよいでしょう。その計画には,主の御業を速めるために携わろうと思う(または続けていこうと思う)ことを書き出します。生徒に計画を書いてもらう前に,例として自分の計画を紹介するとよいでしょう。
十分な時間をとった後で生徒に,このコースに参加して分かったことや感じたことを証してもらいます。生徒が主の御業を速めることに引き続き積極的に携わっていれば祝福を受けるという証を,教師が短く述べます。