「第3課 クラス準備資料:霊的な知識を得る」『回復の礎 教師用資料』
「第3課 クラス準備資料」『回復の礎 教師用資料』
第3課 クラス準備資料
霊的な知識を得る
教会の教義や慣行や教会歴史について,時折,驚かされる情報を発見したり,疑問をかき立てるような情報に出会うことがあります。どのように疑問をとらえるか,どこから答えを得るかによって,信仰は強くも弱くもなり得ます。霊的な知識を得る方法を学習し,主の方法で答えを求める際の助けとなる原則を見いだしてください。
セクション 1
教会について疑問を抱いてもよいのだろうか
聖書は神に質問するよう繰り返しわたしたちに勧めています(ヤコブの手紙1:5;教義と聖約88:63参照)。ディーター・F・ウークトドルフ管長は大管長会で奉仕していたときに,次のように教えています。
愛する若い友の皆さん,わたしたちは尋ね求める民です。常にそうでした。尋ね求めることは真理につながることを知っているからです。そもそも教会は,疑問について尋ねた若い男性によって始まりました。実際,疑問について尋ねることなく真理を発見できるものでしょうか。……求めることは証の始まりです。……尋ねることは弱さの表れではなく,成長の前触れなのです。(「水に映る影」(教会教育システム・ディボーショナル,2009年11月1日),broadcasts.ChurchofJesusChrist.org)
天の御父とイエス・キリストは,わたしたちに知識と理解を喜んで授けてくださいます。わたしたちは疑問をもち,誠意と信仰をもって答えを探すことで霊的に成長します。主はわたしたちが主への信仰をもてるように助けますが,わたしたちが人生でもつすべての疑問に答えを与えるわけではないということを忘れてはなりません。事実,証をもち,真実の証人として立つために,わたしたちはすべての質問の答えを見つける必要はありません。しかし,誠意をもって尋ねることは,学び,成長し続ける助けとなります。
セクション 2
主はわたしがどのように疑問の答えを探し,霊的な知識を得ることを望んでおられるだろうか
以下の原則は,主の方法で疑問の答えを探し,懸念を解消するのに役立ちます。
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信仰をもって行動する。
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永遠の視点から概念や疑問について調べる。
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神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。
これから霊的な知識を得るための原則を学びますが,クラスで共有したり,あとで参照できるよう,印象に残った重要な言葉やポイントに印を付けると良いでしょう。
信仰をもって行動する
信仰は,神は生きておられ,万事を御存じで,あらゆる真理の源であられると信じることから始まります。神を信頼することを選ぶとき,そして真心から祈り,神の教えを研究し,神の戒めに従うことを通して神に頼るときに,わたしたちは信仰をもって行動しています。主は,わたしたちに「疑ってはならない。信じなさい。」と招いておられます(モルモン9:27)。日常生活の中で信仰をもって行動するパターンを確立するとき,わたしたちはイエス・キリストの上に確かな基盤を構築します。これにより,困難な疑問や課題に直面しても,わたしたちは強くいられるのです(ヒラマン5:12参照)。
理解できない,あるいは自分の信条に異議を申し立てるような情報や主張に遭遇した際に,自分の証や過去の霊的な体験を疑う必要はありません。そうした瞬間のために,ジェフリー・R・ホランド長老は次のように勧告しています。「ろうばいしたり,たじろいだりしてはなりません。自信をなくしてはなりません。かつてあなたがどのように感じたかを忘れてはなりません。実際に体験した〔霊的な〕体験を疑ってはなりません。」(「確信を放棄してはいけない」『リアホナ』2000年6月号,38)その代わりに,「すでに知っていることに固くしがみついて,新たな知識を得るまで,強くあってください。」(ジェフリー・R・ホランド「主よ,信じます」『リアホナ』2013年5月号,94)
あなたが「すでに知っていることに固くしがみついて」いるとしても,質問して答えを求める姿勢や意図が,聖霊から学ぶ能力に大いに影響を与えるということを覚えておいてください。このプロセスに必要なのは,謙遜と正直さ,そして主から与えられた真理に基づいて行動する誠心誠意さです。
ジョセフ・スミスは,宗教に関して「様々な教派間の混乱と争い」に満ちた風潮に直面したとき(ジョセフ・スミス—歴史1:8),落胆し,疑念で心がいっぱいになり,「暗闇と混乱の中にとどま」っていた可能性も大いにありました(13節)。ですが彼はそうすることなく,聖文を調べ,ヤコブの手紙1:5の中に見つけた「神に,願い求めるがよい」というメッセージに深い感銘を受けました。彼は信仰をもって行動し,森へ向かい,「ひざまづいて,心の願いを神に告げ始め」ました(ジョセフ・スミス―歴史1:15)。彼の真摯な祈りへの答えは,天の示現とともに与えられました。自分の疑問への答えを「自分で分かり」,彼は森を後にしたのでした(20節)。
永遠の視点から概念や疑問について調べる
教義的な概念や疑問,社会問題について永遠の視点で調べるには,わたしたちはそれらを,救いの計画や救い主の教えに照らして検討します。主が御覧になっているように物事を見ることができるよう,聖霊の助けを求めます(1コリント2:5,9-11参照)。こうしたアプローチは,世俗的な見方ではなく,主の観点から物事を見る手助けになります。そのためには,次のような質問をするとよいでしょう。「天の御父やその計画,天の御父がその子らにどのように働きかけられるかについて,わたしはどのようなことをすでに知っているだろうか。」「この概念や問題に関連する,あるいは明確にする福音の教えはどれだろうか。」
歴史上の出来事に関する疑問も,永遠の視点で考察するべきです。また,現代の視点や姿勢を押しつけるのではなく,当時の文化や基準を考慮することにより,適切な歴史的背景の中で歴史上の疑問について調べることも役に立ちます。例えば,14歳や15歳で結婚していた1800年代の先祖を発見した場合,その時代にはそれが珍しいことではなかったということを知らなければ,早すぎる結婚だったととらえてしまうかもしれません。
詳しく書かれた史実でも,儀式や聖約や教義のもつ救いの力は含まれていないことを覚えておくことが重要です。回復の奇跡に注意を払わずに,さほど重要でない細かい事柄に気を取られることは,あたかも贈り物自体のすばらしさに目を向けずに贈り物の入っている箱を分析するのに時間を費やすようなものです。
神が定められた情報源を通してさらに理解を深める
あなたの愛する人が誤った行動をしたと,見知らぬ人がとがめたと想像しましょう。彼らが真実を話しているのか,あるいは勘違いをしているのか,あなたはどのように特定しますか。事情を詳しく調べないまま,その見知らぬ人を信じることに,どんな危険が潜んでいるでしょうか。
インターネットを介して,わたしたちは良い情報にかつてないほどにアクセスできるようになっています。それと同時に,インターネットにより,信頼のおけない情報の流出にも晒されています。インターネットは,誤解を招く情報や,人を欺く情報,虚偽の情報を自動で取り除くことはないため,わたしたちは自らフィルターをかけなければなりません。大管長会のダリン・H・オークス管長は,こう警告しています。「真理を探し求め,その過程で頼る情報源を選ぶ際には,慎重になる必要があります。」(「真理と計画」『リアホナ』2018年11月号,25)
霊的な知識を得る主の定められた過程の一部として,主は真理と導きを神の子らに明らかにするための情報源を確立されています。そうした神が定められた情報源には,キリストの光,聖霊,聖文,教会の指導者,誠実な家族などが含まれます。大管長会,十二使徒定員会といった,今日地上に置かれている主の預言者たちは,重要な真理の源です。主はこれらの人々を,主に代わって語る者として選び,聖任されました。
わたしたちはさらに,他の信頼できる情報源を通して真理を学ぶことができます。しかし,真心から真理を求める人々は,信頼のおけない情報源に用心しなければなりません。信頼のおけない情報源を認識し,それを避けることを学ぶことにより,誤った情報や信仰を損なおうとする者たちから身を守ることができます。次の質問と指針は,情報源の信頼性を特定する助けとなるでしょう: