「イエス・キリストの再臨」『トピックと質問』
福音学習ガイド
イエス・キリストの再臨
キリストは偉大な力と栄光とをもって再び来られる
遠くに住む親族や友人の訪問を心待ちにしていたときのことを思い出せますか。その訪問に備えるために何をしましたか。準備に費やした時間と労力,そしてその人の到着を心待ちにしていたときに感じた幸福感について考えてください。
多くの人々が,大きな期待をもって救い主の再臨を待ち望んでいます。主の再臨は地上の戦争と対立の終わりを告げ,平和と義の千年の始まりを告げるものです。救い主の再臨を待ち望んでいるので,わたしたちは希望と喜びを持つことができます。イエス・キリストが来られるとき,すべての過ちを正し,「涙をまったくぬぐいとって下さる」(黙示21:4)ことを,わたしたちは知っています。
再臨という出来事を研究するとき,そのすばらしい出来事に備えるために自分は何をしているか,そして,さらに何ができるかについて考えるとよいでしょう。
第1章
イエス・キリストは,栄光と力を携えて地上に戻って来られる
イエスが初めて地上に来られたとき,ほとんどの人はそれが起こったことを知りませんでした。主は,故郷から遠く離れた質素な女性のもとに生まれ,飼い葉おけに寝かされました。イエスが2度目に来られるときについて,イエスは弟子たちにこう言われました。「人の子は父の栄光のうちに,御使たちを率いて来る……であろう。」(マタイ16:27)
預言者は,イエス・キリストの再臨についてしばしば預言しました。ラッセル・M・ネルソン大管長はそれを「この神権時代のクライマックス」と呼びました。 D・トッド・クリストファーソン長老は言いました。「末日聖徒イエス・キリスト教会が,主の再臨に必要な備えを成し遂げるために,特別に力を与えられ,権限を与えられているということです。まさにこの目的のために教会は回復されたのです。」
キリストが戻って来られるとき,すべての人がそれを知るのです(教義と聖約101:23参照)。「こうして主の栄光があらわれ,人は皆ともにこれを見る」と預言者イザヤは宣言しています(イザヤ40:5)。この記念すべき出来事は,福千年として知られる輝かしい1000年の始まりを告げるもので,イエスが自ら地上を統治され,サタンは何の力も持たなくなり(黙示20:1-3;教義と聖約45:55参照),すべての人が平和と喜びのうちに暮らすようになるのです。
考えておくべきこと
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イエス・キリストが戻って来られるとき,地上のすべての悪は終わります。なぜ,その時が一部の人々にとって恐ろしいものになるのでしょうか。(教義と聖約29:17を読んで,深く考えるのもよいでしょう。)救い主の再臨が義人にとって恐れを抱く時ではないのはなぜでしょうか。(1ニーファイ22:17,22を読んで,深く考えるのもよいでしょう。)
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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イエスが主の主として再び来られるとき,多くの重要な出来事が起こります。各自,次の聖句を一つ以上研究し,これらの来るべき出来事について学んだことを分かち合うとよいでしょう。マタイ25:31-46;教義と聖約29:9-11;63:53-54;76:50-54,63;88:96-98;101:24-25;133:19,25;信仰箇条1:10。これらの出来事は,イエス・キリストについてどのようなことを教えていますか。
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幼子イエスの絵を見て,イエスの再臨の絵と比較します。「いやしく生まれ」を読むか歌うかして,2枚の絵の違いについて話すのに役立てるとよいでしょう。これらの絵とこの歌は,イエス・キリストについて理解するうえでどのような助けとなるでしょうか。
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ビデオ「The Second Coming of Jesus Christ」(3:02)を視聴し,ビデオの中で述べられている,救い主の再臨を示す事柄について話します。再臨されるイエス・キリストについて説明するために,このビデオではどのような言葉が使われていますか。その言葉は,イエス・キリストについてどのようなことを教えていますか。「イスラエルの救い主」や「主の来られる時」など再臨に関する歌や賛美歌を,一緒に歌うか読んで,その歌詞が救い主と主が地上に戻って来られることについて何を教えているか話し合うこともできます。
さらに学ぶ
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ニール・L・アンダーセン「御国が来ますように」『リアホナ』2015年5月号,119-22
第2章
わたしたちは救い主の再臨に備えるべきである
イエスは言われました。「〔わたしが帰って来る〕その日,その時は,だれも知らない。天の御使たちも……知らない。ただ父だけが知っておられる。」(マタイ24:36。教義と聖約49:7も参照)キリストの再臨の時は,多くの人にとって驚きの時となるでしょう(2ペテロ3:10;教義と聖約106:4参照)。しかし,イエス・キリストの真の弟子は驚かないでしょう。主は,御自分に従う者たちは「光の子となる」ように,「そうすれば,その日が盗人のようにあなたがたを襲うことはない」と言われました(教義と聖約106:5)。
救い主はこの神権時代の初期の聖徒たちにこう言われました。「あなたがたは備えなさい。来るべきことのために備えなさい。主は近いからである。」(教義と聖約1:12)預言者たちもまた,救い主の再臨に備える必要性について繰り返し語ってきました。ダリン・Hオークス管長は勧告しました。「わたしたちには再臨の事実を変えることも,その正確な時を知ることもできません,しかし自らの備えを進め,周りの人々が備えるうえで影響を与えることはできます。」 主が間もなく来られることを示すしるしを主は与えておられ,わたしたちはそれらのしるしを探し出して研究することができます(例えば,ジョセフ・スミス—マタイ1章を参照)。
考えておくべきこと
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救い主の再臨に備える一つの方法は,主の御霊がわたしたちとともにいられる場所にいるよう努めることです。主は初期の聖徒に教えられました。「主の日が来るまで,あなたがたは聖なる場所に立ち,動かされないようにしなさい。見よ,その日はすぐに来る……。」(教義と聖約87:8 )聖なる場所にいることが,救い主の再臨に備える良い方法であるのはなぜだと思いますか。オークス管長は次のように説明しています。「この『聖なる場所』とは何を指すのでしょう。神殿とそこで交わす聖約を忠実に守ることはもちろん含まれるでしょう。また,子供を大切に育て,両親を敬う家庭もそうです。伝道の召し,あるいは支部,ワード,ステークで忠実に果たされる召しなど,神権の権能によって与えられる召しも,聖なる場所に含まれます。」 聖なる場所でキリストを中心とした活動を行うときに,どのように祝福となっているか考えてください。これらの活動は,どのようにあなたを主の再臨に備えますか。
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ジョセフ・スミス―マタイ1章を読んで,再臨に先立つ出来事の預言を見つけてください。これらの出来事について知ることは,それらの出来事に備えるうえでどのように助けとなりますか。家族や友人が再臨とそれに先立つ困難な出来事に備えるために,どのように助けることができますか。争いも貧困も悪もない再臨後の生活のために,どのように心を備えることができますか。救い主が戻って来られるときにあなたはどのような特質を備えていることが大切だと感じますか。それらの特質をどのように伸ばしますか。受けた印象を書き留め,それに従って行動してください。
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回復された主の教会の名前について考えてください。「末日聖徒」とはどういう意味でしょうか。救い主に対するあなたの信条,および救い主の再臨に対するあなたの信仰と希望を人々に知ってもらうために,日常の会話の中で教会の名前をどのように使うことができるでしょうか。
ほかの人と一緒に学ぶための活動
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救い主は10人のおとめのたとえを話して,主の再臨にいつでも備えていることの重要性を教えられました(マタイ25:1-13;教義と聖約45:56-57)。このたとえで述べられている油について,デビッド・A・ベドナー長老は次のように教えています。「この貴重な油は忍耐し,根気よく,『教えに教え,訓戒に訓戒を加えて』一滴ずつ得るものです(2ニーファイ28:30)。手抜きはできません。最後に短時間で慌てて準備することもできません。」 イエス・キリストの再臨に備えるために,個人,家族,ワードでできることについて話すたびに,一滴ずつ容器に油を入れてみるのもよいでしょう。
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末日聖徒イエス・キリスト教会の会員として,わたしたちには「主の来臨に際して主を受け入れる備えのできた人々」を集めるのを助けるという,神から与えられた特別な役割があります。 ネルソン大管長の記事「教会の将来:救い主の再臨に世を備える」を見直しましょう。 その後,救い主を受け入れるために世を備えるとはどういう意味かを話し合います。救い主はなぜ,この世を主の再臨に備えるよう末日聖徒に命じられたのだと思いますか。どのようにそれができるのでしょうか。
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救い主の再臨の前に起こる出来事について考えるとき,不安や恐れを感じる人もいるかもしれません。次の言葉を一緒に読むとよいでしょう。「救い主の再臨に備える最も良い方法は,福音の教えを受け入れ,福音に従って生活することです。イエスがこの世で教えられたように,日々最善を尽くして生活する必要があります。また,預言者の導きに耳を傾け,その勧告に従うことができます。聖霊の導きを受けるためにふさわしい生活をすることができます。そうすれば,救い主の再臨を恐れでなく,喜びをもって待ち望むようになります。」 次に,救い主の再臨にまつわる出来事について考えるときに平安と落ち着きを感じられるよう,これらの提案が福音によりよく従った生活をするうえで,どのように役立つかについて話し合います。
さらに学ぶ
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ラッセル・M・ネルソン「モルモン書,イスラエルの集合,そして再臨」『リアホナ』2014年7月号,24-29
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D・トッド・クリストファーソン「主の再臨に備える」『リアホナ』2019年5月号,81-84
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エイミー・A・ライト「キリストにあってその日に堪える」『リアホナ』2023年11月号,9-12