「第11課 教師用資料:聖約の道を力強く進む」『モルモン書の教えと教義 教師用手引き』(2021年版)
「第11課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用手引き』
第11課 教師用資料
聖約の道を力強く進む
永遠の命につながる聖約の道を行く最初の一歩は,イエス・キリストを信じる信仰と罪の悔い改めです。バプテスマの儀式を受けるとき,わたしたちは天の御父とイエス・キリストとの間に聖約による関係を結びます。このレッスンを通して生徒は,日常生活の中でバプテスマの聖約を守る方法の例を説明し,聖霊の清めの力が与える影響について証し,大きな希望と喜びをもって最後まで耐え忍ぶために何ができるか分かるようになるでしょう。
教えるための提案
アルマとニーファイはバプテスマの聖約と聖霊の賜物の重要性について教えています。
七十人のベンジャミン・M・Z・タイ長老による以下の話を紹介してください。
主がわたしたちのために作られたアクションプランであるキリストの教義は,モルモン書に最も明確に教えられています。これには以下のことが含まれます。……バプテスマなどの儀式を通して神と聖約を交わし,守る。これによって神へと続く聖約の道にとどまることができます。(「改心におけるモルモン書の力」『リアホナ』2020年5月号,46)
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バプテスマを受けたことで天の御父やイエス・キリストに似た者になるという自分の能力に,どのような変化がありましたか。
次の穴埋めの文章を提示してください。バプテスマを受けるとき,わたしたちは……という聖約を交わす。
モーサヤ18:8-10をに目を通すように生徒に伝え,わたしたちがバプテスマを受けたときに,行い,なるように聖約した事柄を幾つか見つけてもらいます。(生徒の答えに次のような内容が含まれるでしょう。バプテスマを受けるとき,わたしたちはお互いの重荷を負い,悲しむ者とともに悲しみ,慰めの要る者を慰め,神の証人となり,神に仕えて神の戒めを守るという聖約を交わす。)
バプテスマの聖約を尊んでいる人たちの模範を見た例について考えてくるように勧められたことを,生徒たちに思い出してもらいます。それらの模範を思い出す時間を少し取り,次いで,自分の考えを二人一組になって分かち合ってもらうか,小グループで紹介してもらいます。それらの模範について話し合った後,生徒たちに次の質問をしてもよいでしょう。
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人々を慰め,強め,ともに悲しむというバプテスマの聖約を実践したイエス・キリストの模範を,幾つか挙げてください。
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悲しむ者とともに悲しみ,慰めの要る人を慰めることについて,これまでの人生でどのようなことを学びましたか。(準備資料のセクション1にあるデール・G・レンランド長老の言葉を読み返してもらってもいいでしょう。)天の御父が御覧になっておられるような見方でほかの人を見る努力をしたとき,どんなすばらしいことが起きましたか。
バプテスマの聖約を守るときに,主は聖霊が伴侶になってくださることを約束してくださいました。この点を指摘してください。生徒たちに2ニーファイ31:13,17を調べてもらい,聖霊の賜物を授かるとどんな祝福があるのかを見つけてもらいます。
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火のバプテスマと天使の言葉で語ることの意味を,あなたなら,バプテスマを受ける準備をしている人にどのように説明しますか。(準備資料のセクション2にあるボイド・K・パッカー会長とデビッド・A・ベドナー長老の言葉を見直すといいかもしれません。)これらの祝福をどのような形で経験したことがありますか。
時間を取って,生徒に以下の質問について深く考えてもらいます。
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聖霊の祝福を生活の中に招くために,わたしは何をしているだろうか。聖霊の聖めの祝福をもっと完全に受けられるようにするにために,何をこのまま行い続け,新しく始め,やめる必要があるだろうか。
ニーファイは最後まで堪え忍ぶことの大切さについて教えました。
十二使徒定員会のロバート・D・ヘイルズ長老が紹介した次の話を読むか,困難な境遇に耐えることの重要性について模範となる話をあなた自身で用意してもよいでしょう。
1968年,ジョン・スティーブン・アフワリという名前のマラソンランナーがいました。国際大会でタンザニアの代表選手でした。優勝者がゴールのテープを切ってから1時間を少し過ぎたころ,ジョン・スティーブン・アフワリが……スタジアムに近づいてきました。最後の走者です。レース中に疲労,足のけいれん,脱水症状,方向感覚喪失などに悩まされながらも,レースを続けるようにという内なる声を聞き,諦めませんでした。…もはや勝つことができないレースをなぜ完走したのかという質問に対して,アクワリはこう答えました。『わたしの祖国はただレースを始めるために,わたしを5,000マイル(8,000キロ)もの遠い場所へ派遣したのではありません。レースを完走するためにここに送ってくれたのです。』」(「人生の指針となる10の根本原理」『リアホナ』2007年2月号,37)
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ジョン・スティーブン・アフワリが完走を放棄していたとしたら,どんな理由があったと思いますか。
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ジョンの体験は聖約を守る戦いに直面したときのわたしたちチャレンジと,どのように比較することができますか。
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聖約を捨てる選択をした場合の理由として,どのようなものが挙げられますか。
話し合いを促すため,生徒たちを小グループに分け,2ニーファイ31:15-16,19-21を読んでもらい,最後まで堪え忍ぶとはどのような意味かを見つけてもらうとよいでしょう。(『聖句ガイド』「堪え忍ぶ」の項に挙げられている聖句を幾つか読むよう勧めてもよいでしょう。)
十分に時間を取った後で,生徒に学んだことを発表してもらいます。(生徒は次の真理と似たような内容を指摘するでしょう。細くて狭い道を確固としてキリストを信じながら力強く進んで終わりまで堪え忍ぶなら,天の御父はわたしたちに永遠の命を祝福してくださる。)生徒がこの原則をさらに深く理解するのに以下のどの質問が一番役立つか,考えてください。
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完全な希望の輝きを持ちながら確固としてキリストを信じ力強く進むとは,あなたにとってどのような意味でしょうか。
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救い主の生涯,モルモン書の登場人物,あるいはあなたの知っている人の例の中で,最後まで堪え忍ぶことの意味をよく理解するのに役立つものとしてどのようなものがありますか。(生徒たちは,クラス用準備資料のセクション3を勉強したときに,この質問に対する答えを記録しているかもしれません。)
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どのようにしてキリストを確固として信じ,力強く進み続けますか。大きな希望と喜びをもって最後まで堪え忍ぶために,あなたにはどのようなことができますか。
このレッスンの中で示されている真理についてあなたの証を分かち合うか,生徒たちに自分の証を述べるように勧めて,レッスンを終えるとよいでしょう。
次回に向けて
生徒たちへの質問,「あなたは新しく生まれましたか」と尋ねられたら,何と答えますか。次回レッスンの準備資料 を読んで,霊的に生まれ変わり,イエス・キリストの福音に真に改宗するとはどういう意味か,深く考察することを生徒たちに勧めてください。