「第22課 教師用資料:末日の偽りの教義から自分を守る」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)
「第22課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』
第22課 教師用資料
末日の偽りの教義から自分自身を守る
エズラ・タフト・ベンソン大管長は「モルモン書は,キリストの敵を明らかにし,偽りの教義を打ち破〔る〕」と教えました(『歴代大管長の教え—エズラ・タフト・ベンソン』132)。このレッスンを通して生徒たちは,イエス・キリストとその福音を信じる信仰を打ち壊すために敵が用いる策略を,見つけられるようになるでしょう。生徒たちはまた,そのような策略に対して自らを強めるために,どのように救い主の助けを得ることができるか明らかにすることができるでしょう。
教えるための提案
ニーファイ,終わりの時にはびこる偽りの教えを預言する
生徒に,自分(または知人)がイエス・キリストや回復された福音に対して反論したり,疑いを投げかけたりするような考え方や教えを聞かされたときのことを,思い出すように言ってください。一人か二人の生徒に,彼らの経験を簡単に話してもらいます。
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イエス・キリストや福音に対する信仰を揺るがすような考え方や教えから,モルモン書はどのようにわたしたちを守ってくれると思いますか。(準備資料のセクション1にあるベンソン大管長とラッセル・M・ネルソン大管長の言葉を見直すとよいでしょう。)
ホワイトボードに「偽りの教え」と書いてください。生徒に,2ニーファイ28:7-9,20-22,29-30を読んで,ホワイトボードに書かれた見出しに合う教えを見つけてもらいます。ホワイトボードに書いた見出しの下に,生徒の答えを書いてください。
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現代においても見られるこのような教えには,どのようなものがあるでしようか。例を幾つか挙げてください。こうした教えは,イエス・キリストと福音に対する信仰をどのように揺るがそうとしていますか。
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こうした偽りの考えから自分を守るために,あなたはどんなことをしてきましたか。
シーレム,ニーホル,コリホルは,イエス・キリストを信じる信仰を滅ぼそうとした
モルモン書の中には偽りの教義を広めた3人の反キリスト,つまりシーレム,ニーホル,コリホルがいたことを指摘してください。3人ともイエス・キリストを信じる人々の信仰を滅ぼそうとしました。
生徒に数分与えて,準備資料のセクション2で自分が選んだ話を見直してもらいます。この話の一つを選んでまだ学習していない生徒には,この時間を使って学習するように言ってください。
十分な時間を取ってから,同じ話を選んだ人たち同士で小グループに分かれてもらいます。それぞれのグループの中で,リーダーを一人決めてもらいます。配布資料「サタンの策略を明らかにする」のコピーを各グループリーダーに渡します。
サタンの策略を明らかにする
『モルモン書の教えと教義 教師用資料』—第22課
グループリーダーへの指示:以下の質問を使ってグループの話し合いを進めてください。グループの参加者に,準備資料のセクション2にある聖句や教会指導者の言葉を活用するように勧めてください。グループの参加者全員が発言できるように励ましてください。だたし,意見を発表するように強制してはいけません。
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この反キリストは,イエス・キリストとその福音に対する信仰をくじくために,どのような策略を用いましたか。
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この話にある反キリストが教えた偽りの教えや,使用した手法の現代における実例として,どのようなものがあるでしょうか。サタンは現代において,こうした考え方をどのように広めているでしょうか。
策略の一つと,その策略の現代での例を,クラスで発表できるように準備してください。
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サタンの策略を明らかにする
生徒が配付資料にある質問について話し合ったら,それぞれのグループリーダーに,話し合いの中で見つけたサタンの策略を一つまたはそれ以上,ホワイトボードに書き出しもらってください。そうした策略の現代における例についても簡単に紹介するように,それぞれのグループリーダーを励ましてください。以下と似たように真理が幾つか出て来るでしょう。
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サタンは甘言と十分な弁舌の力を用いて,人々がイエス・キリストを信じる信仰を行使できず,預言者に従えないように誘う(モルモン書ヤコブ7:4参照)。(こうした信仰への攻撃はしばしば,部分的な真理や不安させる言葉,偏った議論,誤った前提,本論から外れた事実などを伴ってなされることを指摘するとよいでしょう。そうした議論は聴衆を驚かせ,きわめて論理的な響きを持っていますが,結局は疑いを引き起こすように計算されています。[See Dallin H. Oaks, “Reading Church History” (address to Church Educational System religious educators, Aug. 16, 1985), 1–27.])
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サタンはうそと真実を混ぜて,人々をだます (アルマ1:4。モルモン書ヤコブ7:7も参照)。
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サタンは偽りの教義を用いて,人が神を軽視し,罪を犯すことを正当化するように誘惑する(アルマ1:4;30:17-18参照)。
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サタンは,人々の知性や信念をおとしめることによって,イエス・キリストを信じる信仰を捨てさせようとしている (アルマ30:13-16, 27-28参照)
注:生徒たちが挙げた現代の実例で誤解や言い争いが起きそうになったら,御霊に従って,正確でない言葉があればそれを明確にし,本課で教えられている真理に立ち戻るように話し合いを導いてください。
グループリーダーの発表が終わったら,以下の質問をするといいでしょう。
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反キリストの言葉や行いに対するヤコブ,ギデオン,アルマの対応の仕方で,何が一番心に残りましたか。
ホワイトボードに次の未完成の文を書きます。「……ことによって,イエス・キリストと福音に信仰に敵対する脅威に打ち勝つことができる。」
教え方と学び方を改善する
原則と教義を見つけ,理解する生徒が聖典と預言者の言葉から真理を見つけられるようにしてください。特定の真理がなぜ彼らの印象に残ったのか,その理由を生徒たちに説明してもらいます。また生徒たちに,その原則や教義を通して,主イエス・キリストについて何が学べるか考えるように言ってください。そうすることで,真理の重要性を理解し,霊感を受けて応用するように助けることができるでしょう。
生徒たちにヤコブ,ギデオン,アルマの言動から学んだことを使って,この文を完成させてもらいます。以下のようにして文を完成させることができるでしょう。
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主に対する信仰が強められた過去の経験を思い出す……(モルモン書ヤコブ7:5参照)。
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聖霊の導きに頼る…… (モルモン書ヤコブ7:8参照)。
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預言者の言葉に頼って,イエス・キリストとその福音に対する証を述べる……(モルモン書ヤコブ7:9-12;アルマ1:7;30:39-44参照)。
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神に信頼して,その結果を御手に委ねる……(モルモン書ヤコブ7:13-14参照)。
ホワイトボード上の完成した文の中で,個人的に経験したものがあるかどうか深く考えるように生徒に尋ねてください。何人かの生徒に,自分が選んだ文について,知っていることや感じていることを分かち合うように勧めてください。
義にかなった行動を取れるように生徒たちを励ますために,次の質問を提示し,自分たちの状況に一番関連があると思う質問を幾つか考えてみるように勧めるとよいでしょう。自分の考えや気持ちを記録に残すように,生徒たちに勧めることもできます。
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イエス・キリストと回復された福音に対するわたしの信仰を揺るがすような人物,ブログ,ウェブサイトをフォローしているだろうか。今日,学び感じたことから考えると,信仰を打ち壊そうとする人々から自らの信仰を守るために,自分は何をするべきだろうか。
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イエス・キリストやその回復された福音に反対する人々,あるいはメッセージの影響を受けて信仰上の悩みを抱えた人が,自分の知っている人の中にいないだろうか。今日,学び感じたことから考えると,その人の信仰が強まるように助けるには,わたしは何を語り,行うことができるだろうか。
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モルモン書をさらに熱心に研究することで,信仰を打ち壊そうとする人々やメッセージに対してどのように抵抗力を増すことができるだろうか。モルモン書に対する現在のわたしの勉強の仕方を改善するには,何ができるだろうか。
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主とその福音に対する自分の信仰を確立し,強めるために,救い主をお招きするには,具体的に自分に何ができるだろうか。
次回に向けて
生徒たちに,これまでの生活で最もつらかった従順の試しは何であったか考えてもらいます。その後で,ゲツセマネにおける救い主の絵を見せて,天の御父を信頼してその指示にどのように従うのかをイエス・キリストから学ぶことを目標としながら,次回のレッスンの準備資料を学んでくるように生徒たちに勧めてください。