「第28課 教師用資料:キリストのもとに来なさい」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)
「第28課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』
第28課 教師用資料
キリストのもとに来なさい
預言者モロナイは自らの記録を締めくくるに当たって,読者にこう呼びかけました。「キリストのもとに来て,キリストによって完全になりなさい。」(モロナイ10:32)。このレッスンは生徒たちにとって,自らの生活をイエス・キリストという土台の上に築くことがなぜ大切なのかを説明し,さらに完全に主のもとに来るために何ができるかを考える機会となるでしょう。また,このコースでモルモン書を研究することがイエス・キリストのもとに来るのにどのように役立つのかを述べる機会もあるでしょう。
教えるための提案
ヒラマン,イエス・キリストの上に基を築くよう息子たちに教える
ニール・L・アンダーセン長老の次の言葉を見せて,読んでください。生徒たちに,ニール・L・アンダーセン長老の教えは彼らが置かれている独自の環境と,どのような関連があるか考えるように生徒たちに促してください。
若い友人の皆さん,世界は救い主の再臨を穏やかに迎えるわけではありません。聖文は「すべての物事が混乱する」と宣言しています〔教義と聖約88:91〕。……
これまでに預言されてきた地震や戦争〔ダリン・H・オークス「再臨への備え」『 リアホナ』2004年5月号,7-10参照〕よりももっと気がかりなのは,霊を滅ぼす嵐です。それらは,皆さんを霊的な土台から根こそぎ引き抜き,思いも寄らなかった場所へと連れ去ります。時には,自分がそちらの方に進んでいることに気づかないこともあるのです。
最悪の嵐はサタンの誘惑です。罪は常に世界に存在してきましたが,これほど近寄りやすく,避けがたく,受け入れやすい存在であったことはありません。 (「霊を滅ぼす嵐」『リアホナ』2014年5月号,18)
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今日のヤングアダルトが直面する「嵐」には,どのようなものがありますか。(生徒の答えをホワイトボードに書くとよいでしょう。)
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将来直面する霊の嵐のために,どのようにすれば最もよく備えられるでしょうか。(アンダーソン長老は話の中で同じような質問をして,次にヒラマン5:12を引用したことを指摘するといいでしょう。)
ヒラマン5:12を一緒に読んで,霊的な嵐を耐え抜くために役立つ原則を見つけるように生徒に勧めてください。(生徒の答えを用いながら,ホワイトボードに次のような原則を書くとよいでしょう。イエス・キリストの上に基を築くなら,サタンはわたしたちを滅ぼす力を持たない。)
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この世の価値観や思想の上に生活を築いている人たちは霊的な嵐が吹き荒れるとき,どのような影響を受けるでしょうか。
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イエス・キリストが,生活を築くための唯一の確実な基であるのは,なぜでしょう。(準備資料のセクション1にあるジェリー・L・デュー姉妹の言葉を見直すよう生徒に言うとよいでしょう。)
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イエス・キリストの上に基を築き,それを維持するのに,妨げとなるのはどのようなものでしょうか。これらの問題を克服するにはどうすればよいでしょうか。
イエス・キリストの上に生活を築くために,具体的にどのような行動を取ってきたか挙げるように生徒たちに言ってください。(彼らの答えをホワイトボードに書き出すとよいでしょう。)生徒たちが自分の経験を話した後で,時間を取って,さらに主の上に生活を築くために自分ができる行いをノートに書き出してもらってください。
モロナイはモルモン書を締めくくるに当たって,イエス・キリストのもとへ来るようにすべての人を招きました。
キリストのもとに来る選びをしたときにどのように生活が変わるかについて,だれかの経験を紹介するのもよいでしょう。その経験からどのようなことが学べるか,話し合うように生徒たちに勧めてもよいでしょう。
モロナイ10:32-33を一緒に読んで,なぜこのような招きがモルモン書の最後の章としてふさわしいのか,話し合うように生徒たちに勧めてください。生徒がこれらの聖句から,次のような原則を見つけられるよう助けます。イエス・キリストのもとに来るとき,わたしたちはその恵みによって聖められ,完全になれる。
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「キリストのもとに来る」ことの意味を,初めてこの招きを耳にする人たちに,あなたならどのように説明しますか。(準備資料のセクション2にあるD・トッド・クリストファーソン長老の言葉を読み直すように生徒に言ってください。それが役に立つでしょう。)
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「神の御心に添わないものをすべて拒〔む〕」とは,どのような意味でしょうか(モロナイ10:32)。
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完全になるためには,なぜイエス・キリストの恵みが必要なのでしょうか。生活の中に恵み,すなわち人に能力を与える主の力を招くには,何ができるでしょうか。(準備資料のセクション2にあるタッド・R・カリスター会長の言葉を読み直すように,生徒たちを促してください。)
2,3人の生徒に,イエス・キリストのもとに行くときに主の恵みがどのような助けになったか話すように励ましてください。
エテル12:41にあるモロナイの招きを一緒に読んで,自分がこの招きにどのようにこたえているか深く考えるように促されていることを,生徒たちに思い起こさせてください。準備資料のセクション3を開けて,小見出し「自分の考えを記録する」にある3つのオプションを見直すように生徒に言ってください。彼らに時間を与えて自分の書いたものを見直すように,もし準備する時間が取れなかったのであれば,どれか一つのオプションを選んで,発表するために考えをまとめるように彼らを励ましてください。
十分に時間を取った後で,生徒に書いたことを発表してもらいます。(クラスの生徒が多い場合には,幾つかのグループに分けて,全員に発表の機会が持てるようにするといいでしょう。)
このレッスンとコースを終えるに当たり,キリストのもとに来るためにモルモン書があなた自身にとってどのように役立ったか,証を述べるとよいでしょう。モルモン書を日々研究することによって,キリストのもとに来続けるように,生徒たちを励ましてください。