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第26課 教師用資料:信仰が試されてから


「第26課 教師用資料:信仰が試されてから」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)

「第26課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用資料

第26課 教師用資料

信仰が試されてから

モルモン書には,試練の時にイエス・キリストを信じる信仰をもって行動し,彼らの信仰を確認する証を受けた人々の事例が,数多く記されています。このレッスンは生徒たちにとって,次のようなことを行う機会となるでしょう—霊的な証を受ける前にイエス・キリストを信じる信仰を行使する必要があるのはなぜか説明する。試練に直面したとき主に対するさらに大きな信仰をもって行動するための方法を見つける。また,モルモン書の証を得たり深めたりするために,信仰に基づいてどのような行動を取ることができるか考える機会となるでしょう。

教えるための提案

教え方と学び方の改善

実話を取り上げる学習に対する生徒の関心を高めるために,実話を使ってください。実話は,預言者の生涯,教会歴史,総大会説教,教会機関誌などにありますし,あなた自身の体験もあるでしょう。生徒たちに経験したことを話してもらってよいでしょう。そのような物語には福音の原則が織り込まれており,生徒たちがその真実性や重要性を感じる助けとなります。

モロナイは信仰をもって行動することの大切さを教えた

以下のD・トッド・クリストファーソン長老の言葉を紹介してください(準備資料のセクション1でこの経験談について読んでいることを指摘してもいいでしょう。)

D・トッド・クリストファーソン長老

中央幹部に召される少し前,わたしは数年の間,経済的な試練に直面しました。時には,わたしと家族の生活が脅かされることもあり,破産の文字が頭に浮かんだこともありました。奇跡的な助けによって問題から解放されるように祈りました。そのように誠心誠意,熱心に繰り返し祈りましたが,最終的な返事は「いいえ」でした。(「毎日神に頼る」『リアホナ』2015年2月号,49)

  • このような経験は,どのような点でイエス・キリストを信じる信仰を脅かす可能性があるでしょうか。

  • 人々の信仰が試され,試練に遭った例が実際にほかにありますか。

エテル12:3-7,12,18で信仰について記したモロナイの教えを生徒に読んでもらい,その後で次の質問をします。

  • エテルとモロナイから信仰の行使について,どのようなことを学べるでしょうか(ほかの真理と一緒に,生徒は次のようなものを挙げるでしょう。信仰が試されてからでなければ,霊的な証は得られない。

  • 神から霊的な証を受ける前に信仰をもって行動するように期待されているのは,なぜだと思いますか。

  • 試練の間でもイエス・キリストに忠実であれば,わたしたちはどのように祝福されるでしょうか。(準備資料のセクション1にあるクリストファーソン長老の言葉を読み直すとよいでしょう。)

試練や反対に遭ってもイエス・キリストを信じる信仰をもって行動したモルモン書の中の人々の例について,考えるように生徒に勧めてください。必要に応じて,生徒が思いついた人々の話を調べられるように,数分時間を取ります。(準備資料のセクション2にある学習活動)を予習してきた生徒は,すでに学んできたことの復習になります。)

時間を十分割いたら,クラスを小グループに分けて,以下の質問について話し合ってください(準備資料のセクション2にある質問と似た質問であることを生徒に指摘してください)。

  1. 個人や民が,イエス・キリストへの信仰をどのように行使しましたか。彼らが主に対する信仰を行使した後で,主はどのような祝福や天の力を授けられましたか。(祝福の中には来世になってから与えられるものもあることを指摘するといいでしょう。)

  2. この記事からどのような原則や行動を学ぶことができますか。あなたの生活にこれらの教えをどのように応用できますか。

話し合った原則について深く考え,それに対する自分自身の考えや印象を記録するように生徒に勧めてもよいでしょう。

モロナイ,読者にモルモン書の証を求めるように勧める

次の話を紹介してください。

あなたは,ちょうど今,親しい友人にモルモン書を一冊渡して,それが真実であるとを証したところだと,想像してください。それに対して友人がこう答えます。「本を紹介してくれてありがとう。モルモン書については,いろいろなことを言う人がいるようだね。うそばかり書いてあるから,読むなと忠告する人もいたよ。」

  • モルモン書に対する友人の疑問に,あなたなら何と答えますか。

  • エテル12:6 の教えを,この場合にどのように応用できるでしょうか。

一人の生徒に,モロナイ10:3-5を声に出して読んでもらってください。ほかの生徒には,その箇所を目で追いながら,モルモン書の証をどのように得ることができるか見つけてもらいます。

  • モルモン書の証を得るには,何をする必要がありますか。(生徒は次の原則,あるいはそれに似た原則を見つけるでしょう。モルモン書の証を得るには,モルモン書を読むときに主が憐れみ深い御方であることを思い出して深く考え,そのうえでイエス・キリストを信じながら,誠心誠意それが真実かどうかを神に尋ねる必要がある。

  • モロナイの招きを受け入れることは,これまで学んできた,信仰をもって行動することをどのように反映しているでしょうか。(生徒に準備資料のセクション3にあるジーン・R・クック長老の言葉を見直してもらうといいかもしれません。)

準備資料のセクション3で,モルモン書が真実であるという霊的な証を得たときの体験について思い出し,それを記録するように勧められていたことを,生徒に思い出してもらいます。モルモン書の霊的な証を求めて得たときの体験やその時に学んだことを,何人かの生徒に話してもらってください。

大管長会のヘンリー・B・アイリング管長が語った,モロナイの約束に関する次の言葉を紹介してもいいでしょう。

Sヘンリー

この約束が真実であることを,すべての皆さんがすでに自分自身で確かめているか,またはすぐに確かめることを願っています。答えは,一つの力強い霊的な経験により与えられるとは限りません。わたしの場合,答えは初め静かにやって来ました。しかし,モルモン書を読みそれについて祈る度に,いっそう強い答えを受けました。

わたしは過去の出来事に依存しません。モルモン書について生きた証を固く保つためにモロナイの約束を頻繁に受けるようにしています。わたしは証という祝福が,いつまでも有効な当たり前の権利だとは思いません。  (「生きた証」『リアホナ』2011年5月号,127)

  • モルモン書に対する自分の証を強めるために,あなたは何をしていますか,あるいは何ができるでしょうか。

次回に向けて

信仰も希望も愛も何もなかったとしたら,自分の生活はどのようになっていたと思うか,考えてくるよう生徒に勧めてください。また,次回のレッスンの予習をするときに,これらのキリストのような属性をさらに自分の生活に取り込むには何ができるか,深く考えてくるように生徒に勧めてください。