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第15課 教師用資料:イエス・キリストの来臨に備える


「第15課 教師用資料:イエス・キリストの来臨に備える」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』(2021年版)

「第15課 教師用資料」『モルモン書の教えと教義 教師用資料』

第15課 教師用資料

イエス・キリストの来臨に備える

この課で生徒たちはイエス・キリストがニーファイ人とレーマン人に教えを宣べ伝えられたときの重要な出来事と教えについて学びます。この課の題材を取り扱う準備をするときに,生徒たちが主の神聖な使命に対する証を強められるような方法を考えてください。

生徒たちはこの課を通じて,モルモン書から救い主の再臨に備えるための方法を学ぶ機会を得ます。また再臨の備えに対する自信を深められるように,恐れの感情を克服し,疑念を抱かせるメッセージに反論するために何をしなければならないかについて学びます。

教えるための提案

レーマン人の預言者サムエルは,イエス・キリスト誕生の前にあるしるしを預言する

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再臨,ハリー・アンダーソン画

掲載されているイエス・キリストの再臨の絵を見せ,次のように尋ねます。

  • 末日と再臨に関連して預言されているしるしや状況の中で,人々に不安を抱かせるものには何があるでしょう。(時のしるしが分からない生徒がいるようであれば,『聖句ガイド』の 「時のしるし」の項目を簡単に復習させるとよいかもしれません 〔scriptures.ChurchofJesusChrist.org参照〕。)

  • 主は民のもとに来られる前にしるしを示されるという事実から,わたしたちは何を学ぶことができるでしょうか。

  • 地上への主の来臨について不安を減らし,準備を整えさせ,喜びをもって迎えられるようにするうえで,モルモン書はどのように役立つでしょうか。(準備資料の導入部にあるベンソン大管長の言葉を見直すとよいでしょう。)

教え方と学び方を改善する

生徒同士で強め合う機会を作るイエス・キリストの弟子としてわたしたちが集うのは,独りで学ぶためだけではありません。お互いを強め合い,助け合うためです(モロナイ6:4-5参照)。レッスン中に生徒が互いに会話を交わす機会を持てるような方法を探してください。二人一組で話したり,小グループでの話し合いに加わったりしてもらうと,こうした会話がはずむようになります。レッスンをしながら,一方的な話だけにならないように気をつけてください。例えば,教師が生徒の質問や関心事にこたえる前に,まずはほかの生徒の意見を求めるとよいかもしれません。また,あなたが好きな自分の体験談を話すより,生徒に彼らの経験を分かち合うように勧めてください。また,自分の証を述べる機会だけを求めてはいけません。生徒にも彼らの証を述べる機会を与えてください。

次の質問をしてください。ヒラマン14:9-13によれば,サムエルがニーファイ人に教えを説き,預言をしに来たのはなぜでしょうか。

生徒に二人一組になって割り当てられた聖句について話し合い,質問の答えを考えるように勧めるといいでしょう。数人の生徒に学んだことを発表してもらいます。生徒たちの答えをもとに,彼らが学んだことを応用する準備ができるよう,下記のどれかの質問をしてください。

  • キリスト来臨のしるしや不思議を理解し,信じるようになると,生活はどのように変わるでしょうか。(質問について互いに話し合う時間を取ってから,彼らの考えをクラスで発表してもらうとよいでしょう。次の原則と同じようなことを見いだせるように生徒を助けます。キリスト来臨のしるしを理解し,認めることで,さらに主を信じ,罪を悔い改めやすくなっていく。

  • 主の再臨に関連するしるしと不思議はわたしたちの希望を増してくれるものであって,恐れをあおるものではありません。それはなぜでしょう。再臨に関連するしるしと不思議は,神のその子供たちを愛し,気にかけておられることの表れです。どのような点で,そう言えるでしょうか。

  • 預言されている再臨のどのような教えかしるしで,あなたは主の来臨に備えようと促されますか。(神の愛が今日の世界にどのように示されているかを生徒たちが理解できるように助けるために,主の来臨の備えについて生ける預言者や使徒たちが最近どのように教えているのかを分かち合うか,調べてもらうのもいいでしょう。)

D・トッド・クリストファーソン長老による次の言葉を見せてください。

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D・トッド・クリストファーソン長老

まず主の再臨に不可欠なことは,主の来臨に際して主を受け入れる備えのできた人々が地上に存在することです。(「主の再臨に備える」『リアホナ』2019年5月号,82)

2,3分深く考える時間を取り,生徒たちに次の質問について考えたことを記録してもらいます。

  • イエス・キリストの来臨を受け入れる備えに対して自信を深めるには,何をし始め,あるいは何を止める必要がありますか。

信者の信仰が試されるのは,預言されたしるしが成就するのを堅固に待ち続けるときである

クラスを少人数のグループに分けることを検討してください。ヒラマン16:13-223ニーファイ1:4-15,22をそれぞれのグループで一緒に検討してもらい,救い主の誕生についてサタンがどのように疑念をあおり立て,忠実な人々がそれにどう対応したのかを調べさせてください。十分な時間を取った後,各グループから一人ずつ,見つけたことを発表してもらいます。生徒が発表する間にクラスでの話し合いを深める助けとして,以下の質問を幾つか,あるいはすべて尋ねるとよいでしょう。

  • このような疑いを広める方法は,現代でどのように使われているでしょうか。

  • 不信者からの妨害や疑いに遭遇して,一部のニーファイ人やレーマン人は忠実であり続けるために,何をしましたか。(次のような原則を提示してください。主により頼んで来臨を固く待ち望むことは,懐疑論や疑念に信仰をもって立ち向かうのに役立つ。

  • 揺るがないしっかりとした態度を確実に保ってイエス・キリストの再臨を待ち望むには,何ができるでしょうか。(準備資料のセクション2にあるD・トッド・クリストファーソン長老ボニー・L・オスカーソン会長の言葉を取り上げるとよいでしょう。)

  • 懐疑論や疑いをあおるようなメッセージに出遭ったとき,主に頼ることはどのような助けになりましたか。主の来臨に備えるとき堅固で居続けるために,わたしたちはどのように助け合えるでしょうか。

予習していたときやレッスンの最中にイエス・キリストとその再臨について学んだこと,あるいは感じたことを,静かに思い返すように生徒に勧めます。その後で,主と,主の来臨を知ることから生じた希望について,生徒たちが自らの証を述べる時間を取ってください。

次回に向けて

次回のクラスでは,救い主の御前に立ち,主と交わることが,どのようなものであるかについて考える機会があることを説明してください。クラス用準備資料を予習するときには,イエス・キリストがアメリカ大陸の人々の間で働かれる様子から,その属性や性質について何が学べるか,探すように勧めてください。

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