家庭学習クラスのレッスン
2テモテ1章-ヘブル4章(単元27)
はじめに
このレッスンでは,パウロの時代の苦難だけでなく,末日の時代の苦難についてのパウロの預言を取り上げます。パウロは,テモテと将来の読者たちに,苦難の中にあっても,それまでに学んだ真理に忠実であるように,また理解し,正され,導かれるための源として聖文を使うよう指示しました。
教えるための提案
2テモテ3章
パウロ,末日の苦難について教える
レッスン前に,早く到着した2-3人の生徒に,危険な状況を表す絵をそれぞれホワイトボードに描いてもらいます。レッスンが始まってから,次の質問を生徒たちに尋ねます。
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どのような言葉を使ってホワイトボードに描いた状況を表すことができますか。
テモテへの第二の手紙の中で,パウロの時代とわたしたちの時代の状況についてパウロが預言したことを説明します。一人の生徒に,2テモテ3:1を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,わたしたちの時代についてパウロがどのように表現したかを見つけてもらいます。
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パウロはわたしたちの時代をどのように表現しましたか。(必要に応じて,苦難(訳注—英文ではperilous。「危険」の意〕)という言葉は,危険に満ちていることを表していると説明します。)
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わたしたちの時代に見られる,道徳的あるいは霊的な苦難,危険にはどのようなものがありますか。
生徒たちに二人一組になってもらいます。各組に次の表のコピーを配ります。各組に2テモテ3:2-7を読んでもらい,表の質問に答えてもらいます。「そしる」とは,悪く言ったり,非難すること,「融和」とは,打ち解けて仲良くすることです。
新約聖書セミナリー教師用手引き-家庭学習レッスン(単元27)
パウロが説明した末日の状況には,どのようなものがありますか。 |
これらの状況のうち,わたしたちの時代にあなたが目にしたことがあるのはどれですか。(2つか3つ見つけます。)これらの状況はなぜそれほど危険なのでしょうか。 |
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十分な時間を取ってから,それらの状況がそれほど危険である理由も含めて,表の質問にどのように答えたかを生徒たちに発表してもらいます。
生徒たちが研究した聖句の中で,パウロが語った危険の幾つかが,自分たちに降りかかるかもしれないと心配したことがあったか深く考えてもらいます。
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2テモテ3:5の終わりの部分によると,パウロがテモテに勧めたことで,わたしたちの時代にも役立つことは何ですか。(わたしたちは邪悪から遠ざかるべきである。)
このように深刻な憂慮すべき状況の中でも,助けと守りを見つけることができることを説明します。一人の生徒に,2テモテ3:14-15を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,これらの苦難を耐え忍ぶのに助けとなるパウロが教えた事柄を見つけてもらいます。
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苦難を堪え忍ぶことについて,パウロは何を教えましたか。
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14節の「自分が学んで確信しているところに,いつもとどまっていなさい」とは,どのような意味だと思いますか。
生徒たちに末日の霊の苦難を克服する方法について,2テモテ3:14-15から原則を見つけてもらいます。(生徒が答えてから,ホワイトボードに次の原則を書きます。信頼できる情報源と聖文から学んだ真理にとどまっていれば,末日の霊の苦難を克服することができる。)
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聖文や学んだ真理に頼ることは,わたしたちが今日の苦難を克服するためのどのような助けとなりますか。
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学んだ真理に頼る決心をしたのは,どのようなときでしたか。そうすることでどのように祝福されましたか。(この質問への答えは,最初に生徒たちのクラスノートや聖典学習帳に書いてもらい,その後数人の生徒に書き込んだ事柄を発表してもらうとよいでしょう。)
生徒たちに,テモテ3:15-17はマスター聖句であることを再度伝えます。一人の生徒に,2テモテ3:15-17を声に出して読んでもらい,他の生徒には,聖文についてパウロが教えた事柄を見つけてもらいます。見つけた箇所に印をつけるよう生徒に提案するとよいでしょう。
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今日のわたしたちの助けとなり得る聖文の研究について,パウロは何を教えましたか。(生徒たちが次の原則を見いだせるよう助けます。聖文を研究するとき,わたしたちは完成に向かって成長する助けとなるように,教義を学び,正され,導きを得ることができる。ホワイトボードにこの原則を書きます。)
生徒たちに,新約聖書で学んだ聖句も含め,聖文が次のような状況で助けになったときのことを考えてもらいます。
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福音の教義を理解してくれた
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自分の間違った考え,選び,行動についてのとがめ,正すことを提供してくれた
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祈りへの答えを与えたり,問題の解決法についての指示を提供してくれた
生徒たちの経験を思い出す時間を与えて,その後数人の生徒に考えたことを分かち合ってもらいます。
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聖文の価値について学んできたことを基に考えると,なぜわたしたちは毎日聖文を研究するように勧められていると思いますか。
十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老が述べた次の言葉をコピーして,生徒たちに配ります。一人の生徒に,声に出して読んでもらい,他の生徒には,聞きながら,聖文を研究することについてのスコット長老からの勧告と約束を見つけてもらいます。
「聖文を研究する時間がないなどというサタンの欺きに屈してはなりません。聖文を研究するための時間を取ってください。神の言葉を毎日よく味わうことは,睡眠や学校,仕事,テレビ番組,コンピューターゲーム,ソーシャルメディアよりも大切です。神の言葉を研究する時間を取るために優先順位を見直す必要があるかもしれません。もしその必要があれば,見直してください!
……毎日時間を取って個人でも家族でも神の言葉を研究するなら,皆さんの生活に平安が満ちるでしょう。」(「信仰を行使することを最優先とする」『リアホナ』2014年11月号,93)
教師は,聖文に書かれた真理にとどまる者にもたらされる安全と平安について証します。
生徒に紙を渡し,3つに折ってもらいます。紙を広げて1つ目の欄の上に「人を教える」,2つ目の欄の上に「戒め,正しくする」,3つ目の欄の上に「義に導く」と書いてもらいます。
この紙を生徒たちの聖典のしおりとして1週間使ってもらい,これらの目的に当てはまる聖句を読むたびに,該当する欄に記入してもらいます。例えば「人を教える」の下には,参照聖句とその聖句から学んだ教義や原則を書くことができます。「戒め,正しくする」の下には,参照聖句とその聖句がどのように間違った概念を正したかを書きます。「義に導く」の下には,生徒たちが行うべき善行についての理解を与える聖句を記録します。
1週間後にその紙を授業に持参して,彼らの経験を報告してもらいます。教師は,1週間後にこのマスター聖句を見直して簡単に話し合いをすることを忘れないように,自分の聖典または手引きにメモしておくとよいでしょう。
次の単元(ヘブル5章-ヤコブ1章)
次の単元を研究する中で,生徒たちに次の質問について考えてもらいます—若い男性はどのようにして神権に召されますか。ヘブル書は偉大な信仰をもっていた人として,誰のことを語っていますか。この単元で学ぶ男性と女性の誰かを知っていますか。どの聖句を読んだ結果,ジョセフ・スミスは「神に,願い求める」ことにしましたか。この求めが最初の示現をもたらしました。清く汚れのない信心とは何ですか。