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はじめに 『新約聖書セミナリー教師用手引き』について


はじめに 『新約聖書セミナリー教師用手引き』について

わたしたちの目的

宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的

「わたしたちの目的は,以下のことができるよう,青少年とヤングアダルトを助けることです。イエス・キリストの教えと贖いについて理解しそれに頼る。神殿の祝福を受ける資格を得る。天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備える。」(『福音を教え学ぶ—宗教教育セミナリー・インスティテュートの教師ならびに指導者用手引き』1

この目的を達成するために,わたしたちは生徒に,聖典と預言者の言葉に見いだされるままの福音の教義と原則を教えます。これらの教義と原則を,生徒が理解し強化されるような方法で教えます。わたしたちは,生徒が学習の過程における自らの役割を果たすよう助けます。また,福音を他の人々に教える備えができるように彼らを助けます。

これらの目的を達成するため,あなたとあなたが教える生徒は,聖文をともに研究するときに次の福音を教え学ぶときの基本を取り入れるように勧められています。

  • 御霊によって教え,学ぶ。

  • 愛と敬意と目的意識のある学習環境を作る。

  • 毎日聖文を研究し,コースの聖典を読む。〔新約聖書全体をどこまで読んだかを追跡するための表は,LDS.orgおよびstore.lds.orgにある新約聖書マスター聖句カード(アイテム番号10480)にあります。〕

  • 聖典と預言者の言葉の背景と内容を理解する。

  • 福音の教義と原則を見つけ,理解し,それらが真実であり重要であることを感じ,応用する。

  • 福音の教義と原則を説明し,分かち合い,証する。

  • 重要な聖句と基本的教義に精通する(『福音を教え学ぶ』10)。

これらの目的を達成することに加え,あなたは,生徒たちがイエス・キリストの福音に忠実であり,真実と誤りを識別することを学ぶよう彼らを助けなければなりません。生徒たちには,教会の教義,歴史,または社会的問題に対する見解についての質問があるかもしれません。あなたは,「研究によって,また信仰によって学問を求め〔る〕」(教義と聖約88:118)よう生徒たちを助けること,およびsi.lds.orgSeek Truth(真理を探求する)というセクションにある参考資料を活用することによって,そのような疑問に対処するために彼らを備えることができます。

この教師用手引きは,これらの目的を達成する助けとして作成されたものです。

レッスンの準備

主は,主の福音を教える人々に,「『聖書』と完全な福音が載っている『モルモン書』の中にあるわたしの福音の原則を教え」るように命じられました(教義と聖約42:12)。さらに,「信仰の祈りによって……与えられる」これらの真理を「御霊に導かれるままに」教えるべきであると指示しておられます(教義と聖約42:13-14)。それぞれのレッスンを準備するときは,聖文と,聖文に含まれている教義と原則を理解する助けとして,よく祈って御霊の導きを願い求めてください。同様に,生徒たちが聖文を理解し,聖霊から教えを受けることを学び,学んだ事柄を応用したいという気持ちを感じるよう彼らを助ける方法を計画するときにも,御霊の促しに従ってください。

このコースで,あなたが準備し教えるときの最も重要なテキストは新約聖書です。教える章または節を,よく祈って研究してください。話の筋,人物,場所,出来事を含む,聖句ブロックの背景と内容を理解するように努めてください。各聖句ブロックの背景と内容についてよく分かるようになったら,そこに含まれている教義と原則を見つけ,その中で生徒が理解し応用すべき最も重要な真理はどれかを判断します。焦点を当てる事柄を見つけたら,その聖句に含まれる神聖な真理を生徒が学び応用するのに最も役立つ教え方,採り上げ方,活動を決めます。

この手引きは,あなたがそのようなプロセスを踏めるように助けることを意図したものです。教える聖句ブロックに応じて注意深くレッスン資料を検討してください。聖句ブロックに関する教え方の提案を全て使うか,それとも一部だけ使うか,自分で決めることができます。あるいは,生徒の必要と状況に合わせて,提案されている教え方に工夫を加えることもできます。

生徒が各レッスンの聖句ブロックの全体を学べるように助けることが大切です。そうすることによって,生徒は聖文の記録者が伝えようとしているメッセージの全容を理解することができます。しかし,レッスンを準備する段階で,あなたは手引きの中にある全ての教え方の提案を使う時間がないことに気づくでしょう。生徒が,福音の真理が真実であり重要であると感じ,それらを生活に応用するように助けるため,聖句ブロックのどの部分を強調すべきかを決める時,御霊の導きを求め,生徒の必要をよく祈って深く考えてください。時間が足りない場合は,節のまとまりを短く要約したり,次の節のまとまりに移る前に生徒が原則や教義を素早く見つけるように導くことで,レッスンを部分的に変更する必要があるかもしれません。

レッスン資料にどのような工夫を加えるか考えるときは,十二使徒定員会のダリン・H・オークス長老が述べた次の勧告に従ってください。

「パッカー会長は度々,まず基本に従い,次に状況に合わせて変えるようにと教えてくれました。指定されているレッスンに十分精通していれば,その後,御霊に従って変えることができます。」(“A Panel Discussion with Elder Dallin H. Oaks”からの“4.3.4 Decide through Inspiration”〔宗教教育セミナリー・インスティテュート衛星放送,2012年8月7日〕,LDS.org

教える準備をするときは,特別な必要を抱えている生徒に配慮してください。彼らが成功できるように,活動や期待を調整します。親や指導者と連絡を取ることは,生徒の必要を理解するために役立ち,また生徒に有意義で教化される経験を提供する助けにもなります。

レッスンを準備するときは,LDS.org(モバイルデバイスの場合は福音ライブラリー)にあるメモおよび日記ツールを使用してもよいでしょう。これらのツールは,聖典,大会説教,教会機関誌の記事,およびレッスンに印をつけるために使うことができます。レッスン中に使用するメモを追加して保存することもできます。これらのツールの使用方法についての詳細は,LDS.orgメモおよび日記のヘルプページを参照してください。

この手引き内の資料の一部は,New Testament Student Manual(教会教育システム手引き,2014年)からの内容を編集したものです。

デイリークラス教師用手引きを活用する

各書への導入

各書の概要を提供する紹介部分です。特に,各書の著者と際立った特徴を説明し,内容の概要を提供します。

はじめに(聖句ブロックの紹介)

聖句ブロックの紹介では,各レッスンの聖句ブロックの背景と内容の簡単な概要が提供されています。

節のまとまり(セグメント)と背景の要約

聖句ブロックはしばしば,特定のトピックや行動に焦点を絞った,より小さな部分すなわち「節のまとまり(セグメント)」に分けられます。節のまとまり(セグメント)の表示には,それらの節のまとまりに記されている出来事や教えの簡単な要約が伴います。

教え方のヒント

教え方のヒントでは,福音を教える原則と方法が説明されています。これらは,教師として向上するための取り組みに役立ちます。

レッスン内容

レッスン内容には,あなたが研究し,教える際の指針が記されています。質問,活動,引用文,図,表などを使った教え方のアイデアが提案されています。

教義と原則

教義や原則は聖文の研究によって自然と明らかになるため,生徒たちとの話し合いの中でそれらを特定し,焦点を当てることができるよう太字で強調されています。

写真と絵

教会指導者の写真,および聖典の出来事の絵は,利用可能であれば教えるときに提示することができる視覚教材です。

マスター聖句

新約聖書からの25のマスター聖句は,それらが取り上げられるレッスンの文中で強調されています。これらの各レッスンには,マスター聖句のための教え方のアイデアも含まれています。マスター聖句を一貫して教える助けとして,手引きの随所にマスター聖句の復習活動が記載されています。マスター聖句の教え方のその他のアイデアについては,この手引きの付録,またはLDS.orgセミナリー生徒用資料を参照してください。

余白

印刷版の教師用手引きにある余白は,聖霊の促しを感じるときに,メモ,原則,経験,その他のアイデアを書き留めることを含む,レッスン準備のために使用することができます。

注釈と背景情報

レッスンによっては,歴史的な背景,特定の概念,聖句についての理解を深めるための追加の引用と説明が,レッスンの終わりに付け加えられています。この箇所にある情報は,質問に答える準備をしたり,教えるときにさらなる洞察を加えるために使用してください。その他の注釈は,LDS.org,または福音ライブラリーアプリにあるこの手引きのデジタル版で見つけることができます。

教えるためのその他のアイデア

教えるためのその他のアイデアは,一部のレッスンの終わりに記載されています。これは,レッスン内容の本文中に示されていないか,強調されていない教義と原則を教えるための提案です。また,DVDプレゼンテーション,およびLDS.orgビデオなどの映像メディアを使用することについての提案が記載されている場合もあります。その他の教え方のアイデアは,LDS.org,または福音ライブラリーアプリにあるこの手引きのデジタル版で見つけることができます。

デイリーセミナリープログラム(リリースタイムおよび早朝)

この手引きには,デイリークラスの教師のために,次の項目が含まれています—デイリークラスを教えるための160のレッスン,教え方のヒント,各書への導入,マスター聖句と基本的教義を教えるための補助資料。

各書への導入

各書への導入は,聖典各書の最初のレッスンの前に記載されています。これには,この書を研究する理由,誰がこの書を書いたのか,いつどこで書かれたか,誰のためになぜ書かれたのか,この書の特徴は何か,という質問に答えることによって,各書の概要が提供されています。また,各書の内容も短く概説されています。教師は,各書への導入からの文脈および背景情報を,必要に応じてレッスンに組み込むようにしてください。

デイリークラスのレッスン

レッスンの構成

この手引きの各レッスンでは,特定の概念,教義や,原則ではなく,聖句ブロックに焦点が当てられています。この構成は,あなたと生徒が配列順に聖文を研究し,聖典の本文から自然に浮かび上がってくる教義と原則について話し合うために役立ちます。生徒は聖文の背景を学んで教義や原則を見つけるとき,その真理に対する理解を深めることができます。生徒はさらに,霊感を受けた聖文の記録者が伝えようとしたメッセージの全容をもっとよく知り,理解することができるようになります。この方法で聖文を教えることは,生徒が個人の聖文研究を通して永遠の真理を見出し,それを応用する方法を学ぶ助けとなります。

各レッスンで,聖句ブロックの全てが強調されるわけではありません。霊感を受けた記録者のメッセージ全体に照らしてそれほど重要ではない場合,あるいは生徒の状況に当てはまらない場合,その聖句ブロックを強調することはありません。あなたには,生徒の必要と関心に応じて,これらの資料に工夫を加える責任があります。あなたはレッスン資料の中の特定の教義や原則を強調したり,手引きの中で詳しく扱われている聖句ブロックのセグメントをそれほど強調しない選択をすることによって,この手引きのレッスンアイデアに工夫を加えることができます。レッスンを準備し,教えるときは,このような変更を行う助けとして聖霊の導きを求めてください。

教義と原則

レッスン内容の本文中には,重要な教義と原則が太字で強調されている箇所が幾つかあります。これらの教義と原則が教科課程の中で明確にされているのは,次の理由によります。(1)聖句ブロックの中心となるメッセージを反映している。(2)生徒の必要と状況に特によく当てはまっている。(3)生徒が主との関係を深めるために役立つ重要な真理である。ただし新約聖書には,教科課程の中で明確にされている真理よりもはるかに多くの真理が教えられているということに留意してください。十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長は,聖文には「さまざまな状況でさまざまな人の必要に適合する真理の組み合わせが無限に」あると,教えています。(“The Great Plan of Happiness”〔教義と聖約/教会歴史に関するCESシンポジウム,1993年8月10日〕,si.lds.org。『セミナリーを教える』69,LDS.orgも参照)

教えるときには,聖文にある教義と原則を見つける機会を絶えず生徒に与えてください。生徒は見つけた真理について述べるとき,教義や原則についてこの手引きの中で述べられている表現とは違う言葉を,しばしば用いるかもしれません。また,教科課程の中で明確にされていない真理を指摘するかもしれません。生徒が答えを述べるときに用いた言葉が手引きで使われている言葉と違っている,あるいは教科課程の中に述べられていない真理に言及したという理由で,生徒の答えは間違っていると思わせないように気をつけてください。ただし,生徒の言葉が教義的に正しくない場合,あなたには,愛と信頼の雰囲気を保ちながら,生徒が自分の言葉を訂正できるように優しく助ける責任があります。そうすることによって,クラスの生徒たちに大切な学習経験を与えることができます。

学習進度

この手引きには160のレッスンが載せられています。このコースを教える年度の長さを考慮し,必要に応じてレッスンと進度に工夫を加えるとよいでしょう。学習進度ガイドの例については,この手引きの付録を参照してください。学習進度ガイドは,1学年36週(180日)に基づいて作成されていて,20回の「フレックスデー」があります。フレックスデーは,日々のレッスンに手を加えたり,生徒が重要な聖句や基本的教義に精通するのを助けたり,以前学んだ資料を復習したり,必須の理解度調査の実施と復習をしたり,スケジュールを調整するために活用することができます。

補習

デイリーセミナリープログラムで生徒に補習用課題を与える際に,『新約聖書 家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド』を使用することができます。家庭学習用の学習ガイドは,この手引きに述べられているレッスンの内容と一致しています。欠席が多い生徒には,学習ガイドの中からクラスで受けられなかった内容に相当する課題を行うよう割り当てることが可能です。割り当てはLDS.orgから印刷できるため,補習課題が必要な生徒のために手引き一冊全体を提供する必要はありません。『新約聖書 家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド』に関する情報は,この手引きの「家庭学習セミナリープログラム」の項に詳しく述べられています。

教え方のヒント

この手引きのページの左右の余白には,「教え方のヒント」が記載されています。そこには,あなたと生徒が新約聖書を研究する際に,「福音を教え学ぶときの基本」をどのように応用できるかが説明されています。また,さまざまな教授法,技術,採り上げ方の効果的な活用法に関する提案も記されています。ここに挙げられている原則が分かるようになったら,教える際に絶えずそれを実行し応用する方法を探すようにしてください。

マスター聖句と基本的教義

生徒が永遠の真理を心に大切に蓄える助けとして,また聖文から学び教えることについて自信を増すために,宗教教育セミナリー・インスティテュート(S&I)は,それぞれの学習コースで生徒が精通すべき幾つかの聖句を選んでいます。さらに,生徒がセミナリーの4年間に,またその後の生涯で,理解し,信じ,従って生活する必要のある重要な教義を強調するため,基本的教義のリストが挙げられています。各コースの手引きは,生徒が配列順に聖文の研究を継続する中で,基本的教義が現れるたびにそれを強調するよう作成されています。マスター聖句の多くは基本的教義を念頭に置いて選ばれているので,生徒にマスター聖句を教えるときは,同時に基本的教義も教えることになります。

生徒がその思いと心の中に永遠の真理を大切に蓄えるとき,聖霊は,必要なときにこれらの真理を生徒の記憶から呼び起こし,信仰をもって行動する勇気をお与えになります(ヨハネ14:26参照)。ハワード・W・ハンター大管長は次のように教えています。

「皆さんに切にお勧めします。教えるときに聖文を使ってください。また,生徒が聖文を使い,聖文を使い慣れるように,皆さんのできる範囲で全てのことをして生徒を助けてください。若い人々が聖文を信頼するようになってほしいのです。……

……生徒が聖文の力と真理を信頼し,天の御父が実際に聖文を通じて自分に語りかけておられるという確信と,聖文を調べれば自分の問題と祈りに対する答えが見つかるという確信を持ってほしいと,わたしたちは思っています。……

……適切な聖句を探し出せるほどよく聖文を知らないために必要な助けを得られず,びくびくしながら,またはばつの悪い思いで,あるいは恥ずかしい気持ちで教室を後にする生徒が一人もいないようにと,わたしたちは願っています。」(“Eternal Investments”CES宗教教育者への講話,1989年2月10日〕,2,si.lds.org。『セミナリーを教える』20LDS.orgも参照)

マスター聖句と基本的教義に関する詳細については,この手引きの付録を参照してください。

家庭学習クラスのレッスン用資料を活用する

家庭学習レッスンの要約

この要約は,その週に生徒が生徒用学習ガイドを使って研究した聖句の背景ならびに教義と原則について,あなたが精通するのに役立ちます。

はじめに(レッスンの紹介)

「はじめに(レッスンの紹介)」は,あなたがレッスンで聖句ブロックのどの部分を強調したらよいかを知るのに役立ちます。

節のまとまり(セグメント)と背景の要約

聖句ブロックは,背景や内容が変わる場所に合わせて「節のまとまり(セグメント)」に分けられます。節のまとまり(セグメント)の表示には,それらの節のまとまりに記されている出来事や教えの簡単な要約が伴います。

レッスン内容

レッスン内容には,あなたが研究し,教えるための指針が提供されています。これには,質問,活動,引用文,図,表などを使った教え方のアイデアが提案されています。

教義と原則

聖文の研究から自然に引き出される教義や原則が太字で表示されているので,あなたはそれらを容易に見つけ,生徒との話し合いの中で強調することができます。

次の単元の紹介

各レッスンの最後の段落には,次の単元に関する簡潔な説明が提供されています。生徒がこれから1週間の聖文研究を楽しみにする助けとして,各レッスンの最後にこの段落を紹介します。

家庭学習セミナリープログラム

距離やその他の要因(障がいなど)のために生徒がデイリークラスに出席できない場所においては,地元の神権指導者とS&I代表者の指示の下で家庭学習セミナリークラスを組織することができます。早朝やリリースタイムとして(週日の)デイリークラスが行われている場所では,一般的に家庭学習セミナリークラスは行われません。

家庭学習プログラムでは,生徒が個人レッスンの課題を家庭で行うことによって,週日のクラスに出席しなくても,セミナリーの単位の取得が認められます。これらのレッスンは,『新約聖書 家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド』と呼ばれる別の手引きに収録されています。週に1回,生徒はセミナリー教師とともに集まり,課題を提出し,教室でのレッスンに参加します。生徒用学習ガイドと週1回の教室でのレッスンの詳細は下記のとおりです。

家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド

新約聖書 家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド』は,家庭学習の生徒が,週日のクラスに出席している生徒と同じように新約聖書を研究する経験を得られるようにすることを意図して作られています。したがって,生徒用学習ガイドの進度と強調される教義と原則は,この手引きの資料と一致しています。生徒用学習ガイドには,マスター聖句に関する指示も含まれています。マスター聖句は,聖文に出てくるとおりの文脈の中で取り上げられ,その聖句が含まれているレッスンの中でしばしば筆記課題が与えられます。

家庭学習セミナリーの生徒は,毎週,生徒用学習ガイドから4つのレッスンを終了し,セミナリー教師が行う週1回のレッスンに参加しなければなりません。生徒は学習ガイドからの番号が付された課題を,聖典学習帳を使って完成します。聖典学習帳は2冊持っておき,1冊を教師に提出している間,もう1冊を使って研究を続けられるようにしなければなりません。毎週クラスで教師に会うときに,生徒は家庭学習クラスの教師に聖典学習帳を1冊提出し,前回提出していた別の1冊を次週のレッスンで使うために教師から返してもらいます。(例えば,ある週,生徒は聖典学習帳1を使って課題を完成します。生徒はその聖典学習帳をクラスに持って行き,教師に提出します。それからの一週間,生徒は聖典学習帳2を使って課題を完成します。次に生徒が聖典学習帳2を提出すると,教師は聖典学習帳1を生徒に返します。その後,生徒は聖典学習帳1を使って次の週の課題を完成します。)

セミナリーの生徒は皆,毎日聖文を研究し,そのコースの聖典を読み終えるように奨励されています。さらに,家庭学習の生徒は,各単元にある週ごとの4つの家庭学習レッスンそれぞれを毎日30分から40分かけて学び,また週1回の家庭学習レッスンに出席する必要があることを理解しておかなければなりません。

週1回の家庭学習クラスのレッスン

新約聖書 家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド』の各単元は,デイリークラスの教師用手引きにある5つのレッスンに対応しています。この手引きでは,5つのデイリーレッスンごとにそれに続けて週1回の家庭学習クラスのレッスンが掲載されています。家庭学習クラスのレッスンは,生徒がその週の間に生徒用学習ガイドのレッスンを終了して学んだ教義と原則を復習し,理解を深め,応用する助けとなります。これらのレッスンでは,生徒用学習ガイドに述べられていない真理を取り上げることもできます。(レッスンのスケジュールを計画する助けとして,この手引きの最後の付録にある「家庭学習クラスの教師のための学習進度ガイド」を参照してください。)

家庭学習クラスの教師として,あなたは生徒が家庭で研究している事柄を十分に理解しておき,生徒とともに集まるときに,質問に答え,また有意義な話し合いを持てるようにしておかなければなりません。レッスン時に参照できるように,週1回のクラスには各自の聖典と聖典学習帳,生徒用学習ガイドを持参するよう生徒たちに伝えておきます。あなたが教える生徒の必要に応じて,また聖霊の導きに応じて,レッスンを工夫してください。レッスンを準備し,教えるときに,この手引きにあるデイリークラスの教師用レッスンを参考にすることもできます。デイリークラスで使用される教え方のヒントと教授法を学んでおくと,週1回のレッスンの教え方を向上させる助けとなります。生徒が特別に必要としていることを考慮してください。例えば,文章を書くことが難しい生徒がいる場合,録音機器の使用を認めたり,その生徒の答えを書く手伝いができる家族や友人に,その生徒の考えを書き留めてもらいます。

週1回のレッスンの最後に,毎回,生徒の聖典学習帳を集め,研究を継続するように生徒を励まします。上記の「家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド」の項で説明されているように,次の週の課題を行えるよう生徒に聖典学習帳を渡します。(ステーク〔で召された〕セミナリー教師は,神権指導者と両親の指導の下で,家庭学習セミナリーに登録したセミナリーの生徒と電子機器を使って通信をすることができます。)

生徒たちの聖典学習帳の課題を読むときは,短いメモを書き入れたり,次に会ったときに感想を伝えたりして,定期的に生徒の努力を評価します。また,励ましと有意義なフィードバックを提供するための他の方法を検討してもよいでしょう。これは,あなたが生徒の努力に関心を持っているということを生徒たちが理解する助けとなり,彼らが真剣に答えを書く動機づけにも役立ちます。

重要な聖句に精通するための取り組みの大半は,生徒が家庭学習レッスンを修了していく中で行われます。家庭学習の教師は,単元のその週の聖文研究の中で出てきたマスター聖句を暗唱や復習するように勧めることによって,生徒が家庭学習をするために払った努力をフォローアップすることができます。

その他の参考資料

LDS.org

『新約聖書セミナリー教師用手引き』(nttm.lds.org)および『新約聖書家庭学習セミナリー生徒用学習ガイド』は,LDS.org(モバイルデバイスの場合は福音ライブラリー)で利用できます。教師用手引きのデジタル版には,紙面の制約上この印刷版手引きには記載されていない追加の注釈と背景情報,教えるためのその他のアイデア,メディアリソースが含まれています。

si.lds.org

教師は,レッスンの準備の助けとして,およびその他の教授アイデアを探すために,宗教教育セミナリー・インスティテュートのウェブサイト(si.lds.org)にアクセスすることができます。

メモおよび日記ツール

教師と生徒は,レッスンの準備や,聖典を学習するときに,これらの手引きのデジタル版に印をつけたりメモを追加するためにオンラインとモバイル版のメモや日記ツールを使用することができます。教師用手引きと,生徒用学習ガイドは,LDS.orgからその他の形式(PDFePubmobiKindle〕ファイルなど)でダウンロードすることができます。

その他の項目

以下の参考資料は,オンラインや,スーパーバイザー,教会の地元の教会配送センター,教会のオンラインストア(store.lds.org)を通じて入手することができます。