第160課
生ける預言者
はじめに
末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は,祝福されて,生ける預言者,聖見者,啓示者によって導かれています。古代には,預言者が主から選ばれ,主に代わって語るという権威を授かっていました。現代も同じように,生ける預言者の言葉はわたしたちと世の人々に語る主の声です(教義と聖約1:37-38)。このレッスンで,生徒は教会の大管長であり,主の選ばれた預言者の最近の勧告を研究します。
教えるための提案
生ける預言者を通して与えられる絶えざる啓示
ホワイトボードに次の質問を書きます:あなたにとって最も大切な預言者とはだれでしょうか。
生徒たちにこの質問についてよく考え,エズラ・タフト・ベンソン大管長の次の言葉を読んで,その答えに耳を傾けてもらいます。
画像〔エズラ・タフト・ベンソン大管長の画像〕「わたしたちにとって最も大切な預言者は,今の世における生ける預言者です。」(「生ける預言者に従う」『歴代大管長の教—エズラ・タフト・ベンソン』137)
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生ける預言者がわたしたちにとって最も大切な預言者であるのはなぜですか。
生徒が意見を言った後,ベンソン大管長の言葉を読み進めます:
画像〔エズラ・タフト・ベンソン大管長の画像〕「その預言者こそ,わたしたちに神の今日の教えを与えてくれる預言者なのです。あらゆる世代には,古代の聖典とその時代ごとの生ける預言者の聖典が必要です。したがって,最も重視して読んで考えなければならないのは,主の代弁者が語る最近の霊感された言葉です。生ける預言者の言葉を手元に置いてよく読むことがきわめて大切なのはそのためです。」(「生ける預言者に従う」137)
わたしたちは大管長会と十二使徒定員会の会員を預言者,聖見者,啓示者として支持していることを説明します。しかし,すべての神権の鍵を行使する権限を持ち,教会全体のために啓示を受けて宣言する権限を持っているのは教会の大管長だけです。
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最近あなたが学んだレッスンの中で,教会の大管長が教会全体のために啓示を受け宣言したのはいつでしたか。また,教会の運営において重大な変更が発表されたのはいつでしたか。(答えには,ウィルフォード・ウッドラフ大管長の多妻結婚に関する宣言を発表したこと〔公式の宣言一参照〕,ジョセフ・F・スミス大管長が死後の霊界に関して,それまで知られていなかった真理を宣言したこと〔教義と聖約138章参照〕,スペンサー・W・キンボール大管長が神権の祝福は教会のすべてのふさわしい会員にもたらされるようになったと宣言したこと〔公式の宣言二参照〕が含まれるかもしれません。)
一人の生徒に,ディーター・F・ウークトドルフ管長が述べた次の言葉を読んでもらいます。他の生徒には,わたしたちの時代の啓示に関する真理に注意して聞いてもらいます。
画像〔ディーター・F・ウークトドルフ管長の画像〕「イエス・キリストの福音の回復に関する栄えあるメッセージの一つは,神は今もなおその子供たちに語られるということです。神は天に隠れてはおられず,昔の時代になさったように今日も語られるのです。
聖書,モルモン書,教義と聖約,高価な真珠には,神が人類に与えてくださったかけがえのない教えが記されています。さらに,主は御自分の僕を通してわたしたちに語り,次回の総大会においても再び語られるでしょう。」(「なぜ預言者が必要なのでしょうか」『リアホナ』2012年3月号,4)
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ウークトドルフ管長は啓示についてどのような教義を教えたでしょうか。(生徒は様々な言葉で表現するかもしれませんが,恐らく次の教義的な言葉と類似したことを見つけるでしょう:主は,生ける御自身の預言者を通して今日のわたしたちにも語り続けておられる。ホワイトボードにこの教義を書くとよいでしょう。)
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生ける預言者の言葉はどのようにして得ることができるでしょうか。(答えには,総大会,教会機関誌,LDS.org,mormonchannel.orgが含まれるでしょう。)
生ける預言者を通して主が語り続けられることの重要性を生徒が理解できるよう,一人の生徒に,次のジョン・テーラー大管長の言葉を読んでもらいます。預言者を通して語られる絶えざる啓示がなぜ大切なのか,生徒に耳を傾けるように言います。
画像ジョン・テーラー大管長「わたしたちは生ける木—生ける泉—すなわち生ける英知を求めています。天にある生ける神権から発する英知を地上の生ける神権を通じて求めているのです。…………アダムが初めて神との交わりを持ったときから……常に新しい啓示が必要とされました。教会や個人の置かれたその時々の特殊な状態に合った啓示です。アダムへの啓示はノアに箱舟を造ることを教えず,ノアの啓示はロトにソドムを見放すことを告げず,またそのいずれもイスラエルの子孫のエジプト脱出を語らなかった。」(The Gospel Kingdom,G・ホーマー・ダーハム選〔1987年〕,34)
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テーラー大管長によると,生ける預言者が必要なのはなぜでしょうか。(生ける預言者を通して,神はその時の特殊な状態に合った指示を与えられます。)
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絶えざる啓示が必要であることを理解すると,あなたが生ける預言者の言葉を聴いたり読んだりするとき,どのような影響があるでしょうか。
生ける預言者の勧告に従う
生徒が生ける預言者の勧告について話し合うことができるように,過去一年間の総大会で話された大管長の説教を一つか二つ選びます。生徒全員にその話のコピーを配ります。生徒が,生ける預言者の現在教えている教義や原則を見つけられるように時間を取ります。
十分に読む時間をとったうえで,預言者が教えている教義や原則を書き出してもらいます。一人の生徒に,ホワイトボードに答えを書いてもらってもよいでしょう。
生徒が確認したこれらの教義や原則の重要性についてよく理解し,実感できるよう,次の一部,あるいは全部の質問をしてみましょう:
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これらの教義や原則の中であなたが特に身近に感じるものはどれでしょうか。それはなぜですか。
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あなたやあなたの家族は預言者の勧告にどのように従おうとしていますか。
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今日の預言者が教えていることを学んで実行することが大切なのはなぜだと思いますか。
次の質問をホワイトボードに書き,生徒たちには,答えをクラスノートや聖典学習帳に書いてもらいます:
あなたが今勉強した生ける預言者の言葉の中で,主があなたに望まれているメッセージはどれだと思いますか。
預言者が今勧告していることに対してあなたは何をするでしょうか。
書き出した事柄を実践するよう生徒を励まします。そうするとき,生徒は天父が祝福してくださると確信できることを証してください。常に生ける預言者の教えを学び実行するように生徒を励まします。
生徒にも生ける預言者に対する証を分かち合ってもらいます。
今年度のセミナリーのまとめとして,毎日聖文研究を続けるように生徒を励ましてください。もし彼らが来年度もセミナリーのコースを取るなら,旧約聖書を研究し始めるよう提案してもよいでしょう。一人の生徒に,セミナリーが開講していないときでも毎日聖典を読み続けることによって得られた祝福について証してもらうとよいでしょう。
注釈と背景情報
生ける預言者に従うことの大切さ
エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように教えています:
画像〔エズラ・タフト・ベンソン大管長の画像〕「この世のすべての人の中で,わたしたちがだれよりもしっかりと目を向け続けている必要のある人物は,導き手であり,預言者,聖見者,啓示者である末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長です。彼こそ,生ける水の源である御方の最も近くに立っている人だからです。わたしたちには,預言者を通してでしか受けることのできない天からの教えがあります。自分がどれだけ主の近くにいるかを知る良い方法は,地上における主の代弁者,預言者である大管長が主の霊感を受けて語った言葉に対してどのように感じ,その言葉にどのように従っているかを検証することです。大管長が主の霊感を受けて語った言葉を軽んじてはなりません。すべての人が霊感を受ける権利を有し,個々の責任に関する啓示を受ける資格を持っています。しかし,教会と世に対する主の代弁者として立つのはただ一人であり,その人こそ教会の大管長なのです。霊感に満ちた預言者の言葉は他のすべての人の言葉よりも重視されなければなりません。
主の預言者は死すべき人間ですが,神は預言者が教会を誤って導くことをお許しにはなりません。(Discourses of Wilford Woodruff,212-213参照)神はすべてを御存じです。初めから終わりまで知っておられます。ですから,イエス・キリストの教会の大管長に偶然になる人はいませんし,その地位に偶然とどまる人もいません。また,偶然に神のみもとに召される人もいないのです。
わたしたちにかかわる最も大切な預言者は,わたしたちの時代に生きている預言者です。この方こそ今日神がわたしたちに与えてくださる教えを預かる預言者です。神がアダムに授けた啓示によってノアは箱舟を作ることはできませんでした。あらゆる世代には,古代の聖典とその時代ごとの生ける預言者の聖典が必要です。したがって,最も重視して読んで考えなければならないのは,主の代弁者が語る最近の霊感された言葉です。そのような理由から,皆さんが教会機関誌を入手して預言者の言葉を注意深く読むことは重要なことです。」(”Jesus Christ—Gifts and Expectations,” New Era, 1975年5月号,16-17)
J・ルーベン・クラーク・ジュニア管長は,生ける預言者の言葉に耳を傾けることの必要性を強調しました:
画像President J. Reuben Clark「先日,1冊のパンフレットがわたしの机に置かれていました。……表紙には『わたしたちには預言者が必要です』と書かれていました。その時読んだことを,今考えると,世の中はいかに盲目なのだろうと思います。
…わたしたちは預言者を欠いてはいません。わたしたちが欠いているのは傾ける耳であり,神が命じられたことに従って生活しようとする決意です。」(Conference Report, 1948年10月,79-80)
ウィルフォード・ウッドラフ大管長は次のように語りました:
画像ウィルフォード・ウッドラフ大管長「主はわたしであろうと,他のだれであろうと,この教会の大管長として立つ者が,皆さんを誤った道へ導くのをお許しになることは決してありません。そうすることは,計画の中にはありません。それは神の御心の中にありません。もしわたしがそうしようとしたならば,主はわたしをこの職から退けられることでしょう。また,他のだれであろうと人の子らを神託や彼らの職務から誤った道に導こうとする者に,主はそのようにされるでしょう。」(公式の宣言一)