日曜学校―福音の教義
第21課:「アルマは……義にかなった裁きを行った」


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「アルマは……義にかなった裁きを行った」

モーサヤ29章アルマ1-4章

目的

統治の義にかなった原則を理解し,偽善売教と高慢を避けられるようにする。

準備

以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

  1. モーサヤ29章。モーサヤ,義にかなった統治の原則を教え,王を持つことの危険性を民に警告する。民は彼の勧告を心に留め,彼らの政治指導者としてさばきつかさたちを任命し,息子アルマを大さばきつかさとする。

  2. アルマ1章。息子アルマは大さばきつかさおよび大祭司として働く。アルマ,民の中の偽善売教と闘う。

  3. アルマ2-3章。アムリサイ,王となろうとするが,民の声により拒絶される。アムリサイと彼に従う者たちはレーマン人に加わり,額に赤い印を付け,信者であるニーファイ人と戦争をする。

  4. アルマ4章。教会は繁栄するが,教会の人々は高慢になる。アルマはさばきつかさの席を退き,神の道を説く務めに献身する。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

以下の言葉を黒板に書く--君主制,共和制,民主制,神政政治。

  • これらの言葉はどのような意味ですか(生徒を助けるため必要に応じて以下の定義を利用する)。」

    • 君主制--王などの一人の人物による絶対的な統治

    • 共和制--選ばれた代表の一団による統治

    • 民主制--多数決制による,人々による統治

    • 神政政治--預言者への啓示を通じて神により導かれた統治

  • モーサヤのもとで,ニーファイ人はどのタイプの政体を執っていましたか。

モーサヤは何年にもわたって王として,また民を導くために神から啓示を受ける預言者として働いたことを説明する。モーサヤ王の統治の後,息子アルマがニーファイの民を治める大さばきつかさに任命され,この新しい政治体制,「さばきつかさの統治」として知られる時代が始まったのである。聖文によると,「アルマは主の道を歩み,主の戒めを守り,義にかなった裁きを行った。」(モーサヤ29:44)本課では,民を義によって導くためさばきつかさの制度がどのように組織されたかを説明し,民を治める大さばきつかさおよび管理大祭司としてアルマが直面したチャレンジの幾つかを述べる。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.モーサヤ,義にかなった統治の原則を教える。

モーサヤ29章について話し合う。選んだ箇所を生徒に声を出して読んでもらう。モーサヤ王のすべての息子たちが王位の継承を断ったとき,モーサヤは民の中に書面による布告を送り,彼の死後用いるための,王による統治に代わる政治制度を提案した。

  • 王を持つことについて,モーサヤはどのような勧告を民に与えましたか(モーサヤ29:13,16参照)。二人の異なる王の例として,モーサヤはだれについて述べましたか(モーサヤ29:13,18参照。この二人の王が民に与えた影響を簡単に復習してもよい)。邪悪な指導者を持つことが招く結果をモーサヤはどのように述べていますか(モーサヤ29:16-18,21-23参照)。

  • モーサヤは,王の統治に代わって民にさばきつかさの制度を設けるよう提案した。モーサヤはこれらのさばきつかさにはどのような特質がなければならないと言いましたか(モーサヤ29:11参照。教義と聖約98:10参照)。なぜこれらの特質は今日の指導者にとって大切なのでしょうか。

  • 民を裁くための法律の土台は何ですか(モーサヤ29:11参照モーサヤ29:12-14も参照)。義にかなった原則に基づく法律に従って生活するとき,人々はどのような祝福を享受するでしょうか。

  • 邪悪な人物またはグループが持ち得る権力を制限するために,モーサヤは何を提案しましたか。(モーサヤ29:24-26,28-29参照。モーサヤは,彼らはすべての事柄を民の声によって行い,さばきつかさを任命してさばきつかさたちに民に対する責任を負わせ,法律に従って判決を下さないさばきつかさを訴える制度を定めることを提案した。)

  • モーサヤは,民の大多数が罪悪を選ぶならどのようなことが起こると言いましたか(モーサヤ29:27参照)。人々が正義を理解して選ぶのを助ける方法として,どのような事柄が挙げられるでしょうか。

2.息子アルマ,大さばきつかさとして働き,偽善売教と闘う

アルマ1章から選んだ箇所を読んで話し合う。民はモーサヤの勧告に従い全地においてさばきつかさを任命し,息子アルマを大さばきつかさとしたことを説明する。

  • さばきつかさの統治の第1年に,ニーホルという名前の男が裁判を受けるためにアルマの前に連れ出されました(アルマ1:1-2,15)。ニーホルは民にどのようなことを教えていましたか(アルマ1:3-4参照)。その教えはどのような影響を及ぼしましたか(アルマ1:5-6参照)。なぜニーホルの教えはこれほど多くの人々にとって魅力があったのだと思いますか。これらの教えのうち,今日どれを耳にしたことがありますか。

  • ニーホルは民に教えを説いていたとき,教師として働いていた教会員のギデオンに出会いました(アルマ1:7-8。ギデオンはリムハイ王の軍隊の長として忠実に仕えていたことを生徒に思い出してもらってもよい)。ギデオンはニーホルの偽りの教えに対し,どのような反応を示しましたか(アルマ1:7参照)。神の言葉を知っていることと証をすることは,偽りの教えに対抗するうえでどのような助けとなるでしょうか。

  • ニーホルはギデオンに対して腹を立て,剣で彼を殺しました(アルマ1:9)。民がニーホルをアルマの前に連れて行ったとき,アルマはどのような二つの罪を彼に見いだしましたか(アルマ1:10-13参照。偽善売教と殺人)。偽善売教とは何ですか(アルマ1:16参照。2ニーファイ26:29も参照)。偽善売教に関して,アルマはどのような警告を与えましたか(アルマ1:12参照)。今日,偽善売教の証拠として,あなたはどのようなものを目にしてきましたか。

  • ニーホルはその罪科のために死刑にされましたが,偽善売教とそのほかの悪人は全地に広がり続けました(アルマ1:15-16)。教会に属していた者たちと属していなかった者たちの間に,どのようなことが起こり始めていましたか(アルマ1:19-22参照)。わたしたちの信条に賛成しない人々には,どのように対処すべきでしょうか(教義と聖約38:41参照)。

  • この争いは一部の教会員たちにどのような影響を与えたでしょうか(アルマ1:23-24参照)。神の教会にとどまった人々から,何が学べるでしょうか(アルマ1:25参照)。どうすれば神の戒めを守ることにおいて「確固として動かず」にいることができるでしょうか。アルマ1:26-30では教会の人々の平和と繁栄の時期について述べられている。これらの箇所を声に出して読み,その後以下の質問の幾つかについて話し合ってもよい。

  • 祭司たちは自分たちが教えている人々についてどのように思っていましたか(アルマ1:26参照)。なぜこの態度はわたしたちが人々を教えるときに大切なのでしょうか。謙遜に教える教師によって,あなたはどのような祝福を受けてきましたか。

  • アルマは,教会員は乏しい者にどのように対応したと述べていますか(アルマ1:27参照)。彼らの模範に従うことは,わたしたちの生活にどのように平安をもたらすでしょうか。

3.アムリサイは王になろうとするが,民の声によって拒まれる

アルマ2-3章から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • さばきつかさの統治第5年に,アムリサイという名前の悪知恵にたけた男が,彼を立てて全地を治める王にしたいと望む多くの人々を引き寄せました(アルマ2:1-2)。なぜアムリサイは王になりたかったのですか(アルマ2:4参照)。民の大多数が彼に反対する票を投じたとき,彼は何をしましたか(アルマ2:7-10参照)。

  • ニーファイ人とアムリサイ人との最初の戦いの結果はどうでしたか(アルマ2:16-19参照)。アルマが密偵を遣わしてアムリサイ人の残りの者を追わせたとき,密偵は何を見ましたか(アルマ2:23-25参照)。人数が少なかったにもかかわらず,ニーファイ人はどのようにしてアムリサイ人とレーマン人が連合した軍を破ることができたのでしょうか(アルマ2:27-28参照)。

  • アムリサイ人は,自分たちをニーファイ人と区別するために何をしましたか(アルマ3:4,13参照)。これらのしるしは,どのような点で預言の成就と言えるでしょうか(アルマ3:14-19参照)。わたしたちにとって,「彼らが自分自身にのろいを招いたということを知〔る〕」ことはなぜ大切なのでしょうか(アルマ3:19)。

4.教会は繁栄するが,教会の人々は高慢になる。アルマはさばきつかさの席を退き,神の道を説く務めに献身する

アルマ4章から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • ニーファイ人はアムリサイ人とレーマン人との戦いで勝利を収めましたが,多くのニーファイ人が死んでおり,生き残った者たちは家畜の群れと穀物を失ったので苦しみました(アルマ4:1-2)。これらの苦難は,どのような結果をもたらしたでしょうか(アルマ4:3-5参照)。どのようにして苦難はわたしたちの目を開かせ,義務を思い出させるでしょうか。

  • 教会員たちはどのくらいの期間で,非常に義にかなった状態から高慢と俗世の状態に戻りましたか(アルマ4:5-6参照。1年)。繁栄している人々にとって高慢と物質主義を避けることがしばしば困難なのはなぜだと思いますか。どうすればこれらの罪を避けることができるでしょうか。

  • 高慢は,教会の内外において,教会の人々の他人への対応の仕方にどのように影響したでしょうか(アルマ4:8-12参照)。このことは,教会員でない人々が教会を見る目にどう影響したでしょうか(アルマ4:10参照)。なぜ教会員の模範は教会の伝道活動にとって大切なのでしょうか。教会員の模範によって人々が良い影響を受けるのを目にしたのはどのようなときですか。

  • 民の高慢と罪悪が増すことに対して,アルマは何をしましたか(アルマ4:15-18参照)。なぜ彼はそうしたのでしょうか(アルマ4:19参照)。神の言葉を宣べ伝えることは,どのように「〔民〕の義務を思い起こすように促す」ことができるのでしょうか。神の言葉を宣べ伝えることは,どのように高慢,悪巧み,争いを「取り除く」ことができるのでしょうか。

  • 「純粋な証をもって責める」という言葉は(アルマ4:19),アルマが教えるときの力についてどのようなことを示唆しているでしょうか。人々が福音の純粋な証を述べるのを聞くことによって,あなたの生活はどのように変わってきたでしょうか。福音を宣べ伝えることや福音に添って生活することによって,今日のどのような問題を解決できるでしょうか。

結び

アルマが直面したチャレンジは今日わたしたちが直面する問題にどのように似ているか,またこれらの問題の解決法のうち類似するものがどれくらいあるかについて深く考えるよう生徒に勧める。

これからの数週にわたって,アルマが民を治める大祭司として直面したそのほかのチャレンジに,どのように対処したかを学んでいくことを説明する。直面する個々の状況に対処するためにアルマがどのように神の言葉を宣べ伝えたかを観察するように生徒に勧める。

本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。