日曜学校―福音の教義
第4課「御霊に連れ去られたときに見たこと」


第4課

「御霊に連れ去られたときに見たこと」

1ニーファイ12-14章

目的

ニーファイが見た将来についての示現を理解し,その中の警告と約束が今日のわたしたちにどのように当てはまるか理解できるようにする。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容についてついて深く考え,祈る。

    1. 1ニーファイ12章。ニーファイは示現の中で自分の子孫と兄弟の子孫を見る。彼らが互いに対して戦いを挑むこと,救い主の来臨の前に邪悪な者たちが滅びることを見る。彼らが救い主の来臨後しばらくの間,義にかなった生活をするが,その後堕落し邪悪な状態になるのを見る。

    2. 1ニーファイ13章。ニーファイは示現の中で大きな忌まわしい教会の設立,アメリカ大陸の入植,背教,末日における福音の回復を見る。

    3. 1ニーファイ14章。ニーファイは示現の中で忠実な異邦人に約束された祝福と,忠実でない異邦人にふりかかるのろいを見る。また,神の小羊の教会が大きな忌まわしい教会に対して最終的な勝利を収めるのを見る。

  2. 「導入」にある活動を実施する場合は,大きな紙か厚紙あるいは黒板に年表を書いておく。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

以下の表を引用する。

年を年表に書いてその時にどのような出来事があったかを答えてもらってもよい。または出来事を黒板に書き出し,それらがいつ起きたかを生徒に答えてもらってもよい。

  1. イエス・キリストのはりつけ(紀元33年)

  2. 大背教(紀元約100年から1800年)

  3. レーマン人とニーファイ人の最後の戦い(紀元約385年)

  4. クリストファー・コロンブスによるアメリカ大陸の発見(紀元1492年)

  5. イエス・キリストの福音の回復(紀元1820年-現在)

生徒が出来事を年表に並べ終えたら,ニーファイはこれらをはじめとする数々の出来事を,将来に関する示現の中で見たことを説明する。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.ニーファイ,自分の子孫と兄弟の子孫の将来を見る

1ニーファイ12章について話し合う。選んだ箇所を生徒たちに声に出して読んでもらう。1ニーファイ12章では,ニーファイが自分の子孫とニーファイの兄弟たちの子孫の将来に関する示現について述べていることを説明する。この章を話し合う際,命の木の示現にあった幾つかの象徴(暗黒の霧,大きく広々とした建物,汚れた水の流れ)がどのようにニーファイの子孫の没落の前兆となっているかに注目する。

  • 救い主がアメリカを訪れられる直前の地上の状態について,ニーファイはどのように述べていますか(1ニーファイ12:1-6参照)。これらの状態は救い主の再臨直前の状態とどのように似ているでしょうか(ジョセフ・スミス-マタイ1:27-37参照)。救い主が訪れられた後の状態についてニーファイはどのように述べていますか(1ニーファイ12:11-12参照。4ニーファイ1:2-4に記されているこの預言の成就も参照)。この義と平和は何によって実現したのでしょうか(4ニーファイ1:15参照)。

  • ニーファイは約4世代にわたる義にかなった時代が続いた後,自分の子孫と自分の兄弟の子孫が再び戦い合っているのを見ました(1ニーファイ12:12-15)。ニーファイは,これらの戦いで自分の子孫にどのようなことが起きているのを見ましたか(1ニーファイ12:19-20参照)。なぜニーファイの子孫は打ち負かされて,滅びたのでしょうか(1ニーファイ12:19参照)。高慢と悪魔の誘惑はどのように人々を滅亡への道に誘い込んでいるでしょうか。

2.ニーファイ,大きな忌まわしい教会の設立,アメリカ大陸の入植,背教,福音の回復を見る

1ニーファイ13章から選んだ箇所を読んで話し合う。1ニーファイ13章はニーファイが見た以下の事柄に関する示現の記録であることを説明する。

  1. 大きな忌まわしい教会の設立。

  2. アメリカ大陸の発見と入植。

  3. 背教と聖書の分かりやすくて貴い部分が失われること。

  4. モルモン書の出現と福音の回復。

大きな忌まわしい教会の設立

  • ニーファイは「異邦人の国民の中に」何が設立されるのを見ましたか(1ニーファイ13:4-5参照)。大きな忌まわしい教会の創設者はだれでしょうか(1ニーファイ13:6参照)。

    ブルース・R・マッコンキー長老はこう語った。「『悪魔の教会』や『大きな忌まわしい教会』という呼び名は,政治,哲学,教育,経済,社会,友愛,市民,宗教など,どのような名称または姿であれ,人を神とその律法から引き離し,ついには神の王国における救いから遠ざけようとする,すべての教会や組織を指している。」(Mormon Doctrine,第2版〔1966年〕,137-138)

    大きな忌まわしい教会はあらゆる形の背教の象徴であることを強調する。それはあらゆる偽りの教義,偽りの礼拝,そして反宗教的な態度を表すものである。今日世界に存在する特定の教会を指すものではない。

  • 「大きな忌まわしい教会」の特徴としてどのようなものが挙げられるでしょうか(1ニーファイ13:5-9参照。信仰を弱める,この世の富と罪悪を好む,世の誉れを求める,などの答えが考えられる)。命の木の示現の中に出てくる象徴で,大きな忌まわしい教会に相当するものは何でしょうか(1ニーファイ13:5-91ニーファイ11:35-36と比較する)。

  • 今日大きな忌まわしい教会が聖徒を滅ぼそうとしている証拠としてどのようなことが挙げられるでしょうか。人々を神とその律法から離れさせる人々や組織にだまされないようにするためには,どうしたらよいでしょうか。

アメリカ大陸の発見と入植

  • 「大海を渡って……行」った異邦人はクリストファー・コロンブスやそのほかの初期の探検家や移民者たちであったと理解されています(1ニーファイ13:12-13)。そのような探検家や移民者たちの試みが成功を収めることができたのはどのような理由によるのでしょうか(1ニーファイ13:14-19参照)。

  • これらの探検家や移民者たちは,福音の回復に当たってどのような役割を果たしたでしょうか(アメリカ合衆国建国への道を備えた。アメリカ合衆国憲法は,モルモン書の出現と福音の回復に不可欠だった宗教の自由を確立した。教義と聖約101:77-80参照)。

背教と聖書の分かりやすくて貴い多くの部分が失われたこと

モルモン書の出現と福音の回復

  • 主は大きな忌まわしい教会が聖書の神の言葉を滅ぼそうとすることを御存じでした。主は御自身の言葉が保存されて末日の世に出て来るために,どのような手段を講じられたでしょうか(1ニーファイ13:35-36参照)。ニーファイの子孫によって書き記されたこの記録は何ですか(モルモン書)。

  • モルモン書の目的は何でしょうか(1ニーファイ13:40-41参照。モルモン7:8-9教義と聖約20:8-12も参照。生徒の答えを黒板に書き出すとよい)。あなたはこれらの目的がどのように成就するのを見てきたでしょうか。

  • 聖書の中では理解するのが難しくても,モルモン書の中では分かりやすくて貴い教義にはどのようなものがあるでしょうか(贖罪,復活,バプテスマなどの答えが考えられる。これらの教義がモルモン書の中ではどのように明確に教えられているかの例を紹介するとよい。例えば,生徒たちに贖罪と復活について分かりやすくて貴い真理を教えているアルマ11:42-45を読んでもらう。またはバプテスマについて分かりやすくて貴い真理を教えている3ニーファイ11:21-26モロナイ8:11-12を読んでもらう)。モルモン書はあなたが聖書をさらによく理解するうえで,または聖書に対するあなたの証を強めるうえでどのような助けとなってきたでしょうか。

3.ニーファイ,忠実な者に約束された祝福を見,大きな忌まわしい教会の滅亡をも見る

1ニーファイ14章から選んだ箇所を読んで話し合う。

生徒を二つのグループに分ける。一つのグループには1ニーファイ14:1-7から,異邦人(イスラエルの民ではない人々)が主に対して忠実である場合に約束されている祝福を探してもらう。もう一つのグループには同じ箇所から,異邦人が心をかたくなにして主に背いた場合に宣言されているのろいを探してもらう。それらを黒板に列挙する。その後,以下の質問をする。

  • これらの祝福を受けることができるよう心を和らげるために,わたしたちは何をしなければならないでしょうか。

  • 今日世界には二つの勢力しかないとはどういう意味でしょうか(1ニーファイ14:1010:16参照)。

  • 大きな忌まわしい教会は最終的にどのような有様になるでしょうか(1ニーファイ14:3-4,15-1722:23参照)。

  • ニーファイは,末日に主の教会に属する会員は比較的少ないが,それでも彼らは大きな忌まわしい教会の迫害に打ち勝つ力を持っているのを見ました。ニーファイは神の聖徒たちが何によって武装しているのを見ましたか(1ニーファイ14:14参照)。どうすればわたしたちは「義と神の力とをもって……武装」することができるでしょうか。

結び

ニーファイの示現は人類の歴史の中ですでに起こったこと,あるいはこれから起こることの概要を提示していることを説明する。また,この示現は,わたしたちが次の二つのどちらかを選ばなければならないことを示している。一つはキリストに従うことであり,もう一つはキリストに逆らいサタンに従うことである。1ニーファイ14章で約束されている祝福は,イエス・キリストに従うことを選ぶならば,わたしたち全員に与えられるものであることを生徒に確認する。

本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。

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