第30課
「偉大な幸福の計画」
目的
死後の生活とイエス・キリストの贖罪を通じて得ることができる憐れみについての理解を深められるようにする。
準備
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以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。
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アルマ40:1-23。アルマ,コリアントンに死と復活について教える。
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アルマ40:24-26;41章。アルマはコリアントンに,わたしたちが復活した後,義人は幸福へ回復され,悪人は不幸へ回復されることを教える。
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アルマ42章。アルマ,コリアントンに偉大な幸福の計画における正義と憐れみについて教える。
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そのほかの読書課題--教義と聖約138章
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『モルモン書ビデオ・プレゼンテーション』(53911 300)がある場合は,「仲保者」(10分33秒)を見せる準備をする。ビデオカセットが入手できない場合は,このたとえは『福音の原則』(31110 300)第12章に掲載されているので,それを読むか語るよう準備してもよい。
レッスンの展開
聖句を使った話し合いと応用
クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。
1.アルマ,コリアントンに死と復活について教える
アルマ40-42章は,不従順な息子のコリアントンに対するアルマの勧告の続きであることを説明する。アルマはコリアントンの不品行が,一部には基本的な福音の教義の幾つかについて証を欠き,また誤解していたことに起因することを理解していた。アルマは,死後起こることについてコリアントンが理解できるよう助けた。
アルマ40:1-23について話し合う。生徒たちに選んだ箇所を声に出して読んでもらう。
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アルマは,コリアントンに話すべき主題をどのように決めましたか(アルマ40:1参照。アルマ41:1;42:1も参照)。アルマはどうしてコリアントンの懸念を「分かる」ことができたと思いますか。教えている人々の必要をいっそう理解するにはどうすればよいでしょうか。
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死と復活の間,わたしたちの霊はどうなりますか(アルマ40:11-13参照。パラダイスまたは霊の獄へ行く。13節の「外の暗闇」とはわたしたちが普通,霊の獄と呼んでいる所であることを説明する)。アルマはパラダイスと霊の獄をどのように描写していますか(この質問の答えを探すために,生徒にアルマ40:11-15,21を読んでもらう。生徒たちの答えを,以下にあるような表を使って黒板に要約してもよい)。
パラダイス
霊の獄
幸福な状態
不幸な状態
安息と平安な状態
暗闇の状態,涙を流し,泣きわめき,歯ぎしりをする
災難や憂いがない
神の激しい怒りを,ひどく恐れながら待っている状態
1918年にジョセフ・F・スミス大管長が受けた啓示は,死と復活の間の霊の状態についてよりよく理解するうえでの助けとなることを説明する(教義と聖約138章)。この示現において,スミス大管長は救い主がパラダイスで教えを説き,霊の獄の人々に福音を教えられるのを見た。スミス大管長は,霊の獄の霊たちは福音を教えられ,最後の裁きの前に悔い改める機会を得ることを学んだ(教義と聖約138:29-34,57-59)。
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アルマは,わたしたちは定められたときに復活すると言いました(アルマ40:21)。復活するとはどういう意味ですか(アルマ40:21,23参照。霊と肉体が再結合し,肉体はその「完全な造り」に回復される)。だれが復活するでしょうか(アルマ40:5参照。アルマ11:42-44も参照)。
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アルマは死と復活について自分が知らないことについても幾つか述べました(アルマ40:2-5,8,19-21)。アルマは復活の教義についてその詳細のすべてについては知らなかったにもかかわらず証したという事実から,何を学ぶことができるでしょうか(ある教義についてそれが真実であるとの証を得るために,そのあらゆる詳細について前もって理解することは必要でないことを理解できるようにする。)
2.アルマは,人が復活した後,義人は幸福へ回復され,悪人は不幸へ回復されることを教える
アルマ40:24-26;41章から選んだ箇所を読んで話し合う。
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アルマは,霊と肉体は再結合されて肉体が「完全な造り」に回復されることから,復活を回復と呼びました(アルマ40:23;41:2)。わたしたちが復活して「自分の行いに応じて裁かれる」とき,さらにどのような回復が起きますか(アルマ41:3-6参照。義人は幸福へ回復され,悪人は不幸へ回復される)。善や悪へ回復されるとはどういう意味でしょうか。
ブルース・R・マッコンキー長老はこう述べた。「復活とは回復である。肉体と霊が回復されるとともに,この世で得たのと同じ知識や霊性,考え方が本人に回復されるのである。」(Mormon Doctrine,第2版〔1966年〕,641)
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わたしたちは何を「自分で判断」しているのでしょうか(アルマ41:7-8参照。わたしたちは善を行うか悪を行うかを選び,その結果,死後何へ回復されるかを自分で選んでいる)。
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アルマは,「悪事は決して幸福を生じたことがない」ので,コリアントンは罪から幸福へ回復されることはできないと説明しました(アルマ41:10)。なぜ悪事は幸福を生じることができないのでしょうか(アルマ41:10-13;ヒラマン13:38参照)。ある人々は戒めに反する活動に幸福を見いだしているように見えるという議論に対して,あなたはどのように答えるでしょうか。
エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように述べている。「罪悪を犯して一時的な快楽を得たとしても,結局は不幸に終わってしまうのである。……罪悪は神の御業と調和することなく,むしろ霊を抑圧するものである。」(「落胆してはいけない」『聖徒の道』1975年2月号,90)
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アルマは,義が自分に回復されるようにするためにはコリアントン自身何をする必要があると言いましたか(アルマ41:14-15参照)。「あなたから出るものがあなたに返って来」るという言葉が真実であることを,あなたはどのような経験から学んできたでしょうか。
3.アルマ,コリアントンに正義と憐れみについて教える
アルマ42章から選んだ箇所を読んで話し合う。コリアントンは父の教えに心を悩ましていたことを説明する。彼はなぜ「罪人が不幸な状態に置かれる」のかを理解していなかった(アルマ42:1)。この疑問に対する答えとして,アルマは神の正義について教えた。また,イエス・キリストは「憐れみの計画を成し遂げるため,正義の要求を満たすため」に世の罪を贖われたことを教えた(アルマ42:15)。
正義についてのアルマの教えを理解できるようにするため,生徒たちにアルマ42:6-7,10,18を声に出して読んでもらう。読みながら,生徒たちが以下に挙げる真理を理解できるようにする。
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アダムとエバの堕落によって,わたしたちは堕落した状態にある。わたしたちは死すべき状態であり,不完全である。この堕落した状態にあって,わたしたちは不死の状態で完全である神の前に住むことができない。正義はわたしたちが肉体的にも霊的にも神の前から絶たれることを要求する。
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わたしたちは罪を犯すとき,「清くない者は神とともに住むことができない」ので神からさらに自分を引き離してしまう(1ニーファイ10:21)。正義はわたしたちが罪のために罰を受けることを要求する。
ビデオ・プレゼンテーション「仲保者」を使用するのであればここで見せる。自分でたとえを読んだり語ったりする場合は,ここで行う。借主はわたしたち一人一人を表し,貸主は正義を表し,借主の友人は救い主を表していることを指摘する。
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イエス・キリストの贖罪はどのようにして「正義の要求を満た」したでしょうか(モーサヤ15:7-9参照。主は死に従い,すべての人類の罪を受けられた)。
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アルマは「憐れみは贖罪によって与えられる」と証しました(アルマ42:23)。神の憐れみのすべてを受けるためには,わたしたちは何をしなければならないでしょうか(アルマ42:13,23,27,29-30参照。アルマ41:14;教義と聖約19:15-18も参照)。