日曜学校―福音の教義
第24課:「キリストを信じるわたしたちの信仰に応じて……力をわたしたちにお与えください」


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「キリストを信じるわたしたちの信仰に応じて……力をわたしたちにお与えください」

アルマ13-16章

目的

自分たちの予任された役割,召し,および神権の責任を敬うことの大切さを認識し,預言者の勧告に従うことによって主の安息に入れるようになる,ということを理解できるようにする。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

    1. アルマ13章。アルマ,神権と予任の教義について力強い説教をする。

    2. アルマ14章。アルマ,アミュレク,およびそのほかの信仰を持つ忠実な人々がその義のために迫害される。主はアルマとアミュレクを彼らのキリストへの信仰のゆえに牢から救い出される。

    3. アルマ15章。ゼーズロム,癒され,バプテスマを受ける。シドムの民の多くがバプテスマを受ける。

    4. アルマ16章。レーマン人がアモナイハを滅ぼすことでアルマの言葉が成就する。主は人々の心をアルマ,アミュレク,そのほかの人々が教える言葉を受け入れるよう備えられる。

  2. そのほかの読書課題--ジョセフ・スミス訳,創世14:25-40エテル12:12-13

  3. 「導入」にある活動を使用する場合は,「使徒を聖任されるキリスト」(『福音の視覚資料セット』211),または「メルキゼデク神権の回復」(『福音の視覚資料セット』408)など,神権を受けている人を描いた絵をクラスに持参する。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

生徒に,これから世の中で最も大切な質問の一つを黒板に書くことを伝える。その後,黒板に「どうやって?」と書く。

わたしたち個人の行動に関係している場合,この質問は重要な意味を持つことを説明する。これを説明するために,以下の状況を想像してもらう。

  1. ある若い男性は,自分がある決まった時間にある特定の場所にいなければならないことを知っていたが,どうやってそこへ行くのか知らなかった。

  2. ある女性は,彼女がバプテスマを受けなければならないことを知っていたが,どうやって準備すればよいのか知らなかった。

  3. ある男性は,イエスが救い主であられると知っていたが,どうやってキリストのもとへ行けばよいのか知らなかった(この例を紹介するとき,生徒の一人に1ニーファイ15:14を読んでもらってもよい)。

アルマがアモナイハの民に教えたとき,わたしたちがどうやってキリストのもとへ行くことができるのかについて話した。「どうやって」という言葉を用いる代わりに,彼は「どのようにすれば」という言葉を用いた。生徒の一人にアルマ13:1-2を読んでもらう。

神権の聖任の絵を見せる(「準備」の項,3参照)。本課の一部では,わたしたちが「どのようにすれば神の御子を待ち望んで贖いを得られるかを知る」うえで(アルマ13:2),神権の位がどのような助けとなるかについて話し合うことを説明する。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.アルマ,神権と予任について力強い説教をする

アルマ13章について話し合う。生徒に選んだ箇所を声に出して読んでもらう。アルマはゼーズロムとアモナイハのそのほかの人々に贖いの計画について教えた後,神権と予任の教義について証したことを説明する。この説教においてアルマが話した祭司はメルキゼデク神権の大祭司であったことを指摘する(アルマ13:10)。

  • 人が最初に神権への聖任の「召〔しを受け,〕備えられ」るのはいつですか(アルマ13:3)。

    預言者ジョセフ・スミスは次のように述べている。「世に住む人々を教え導く召しを受けるすべての人は,この世が存在する前に天上の大会議においてまさにその目的のために聖任を受けた。」(Teachings of the Prophet Joseph Smithジョセフ・フィールディング・スミス〔1976年〕365)

  • 人は前世において,メルキゼデク神権を授かると予任されるにふさわしいことを,どのように示したでしょうか(アルマ13:3-5参照)。人々は予任にふさわしい状態にとどまるために,この生涯において何をしなければならないでしょうか(アルマ13:8-10参照)。

  • 予任についてのアルマの教えは,わたしたちを管理するよう召されている人々に対する支持の仕方にどのような影響を与えるでしょうか。これらの教えは,神権指導者がわたしたちに召しや割り当てを与えるとき,わたしたちの反応にどのような影響を与えるでしょうか。

    スペンサー・W・キンボール大管長は次のように教えている。「この地上に来る以前,忠実な男性が神権にかかわるある種の責任に予任されていたのと同じように,忠実な女性にも何らかの責任が与えられていました。それが何であったのか今は覚えていなくても,かつてわたしたちが同意した栄えある事柄を変えることにはなりません。皆さんには,わたしたちが預言者や使徒として支持している人々と同じように,前世で与えられた務めを果たす責任があるのです。」(「義なる女性の役割」『聖徒の道』1980年3月号,141)

  • アルマは,人は「神の戒めを教えて,〔人の子らも〕神の安息に入ることができるようにするため」にメルキゼデク神権を受けると述べました(アルマ13:61節も参照)。メルキゼデク神権者が教える機会には,どのようなものがあるでしょうか。「神の安息に入る」とはどういう意味でしょうか(以下の引用を参照)。なぜ神の安息に入るためには福音を教え,また学ばなければならないと思いますか。

    ブルース・R・マッコンキー長老はこう教えている。「主の安息とは,死すべき者に関しては,末日の偉大な業が神の業であることを完全に理解することである。〔ジョセフ・F・スミス大管長はこう語った。〕『主の安息とは,神を知り,神を愛するようになるという意味である。すなわち,主の目的と計画を信じる信仰を持ち,自分は今正しい道におり,何か別のものを追い求めているのではないということを理解できるまでになることである。また,いかなる教えの風にも,あるいはわたしたちを欺こうと待ち受けている人々の狡猾なはかりごとにも惑わされないことである。』また,『世の宗教上の混乱,すなわち「見よ,ここにキリストがいる,あそこにいる」とあちらこちらから起こる叫び声とは無縁の安息』なのである(Gospel Doctrine,第5版,58,125-126)。主の安息とは,永遠の観点から言えば,永遠の命を受け継ぎ,主の完全な栄光を受けることである。」(Mormon Doctrine,第2版〔1966年〕,633)

  • 神の安息に入ることを許されるために,わたしたちはどのようにして清くなるのでしょうか(アルマ13:11-12参照)。小羊の血を通じて,また聖霊によって聖められるために,どのような生活をしなければならないでしょうか(アルマ13:12-13,16,27-293ニーファイ27:19-20参照)。

生徒の一人にアルマ13:2,16を声に出して読んでもらう。その後,以下に挙げられている箇所を読む。どのように救い主を待ち望んで贖いを得るかを知るうえで,神権の位がどのような助けとなるかを理解できるようにする。下線の言葉を特に強調する。

  1. アルマ13:3-4(メルキゼデク神権を受けるように予任されていた人々は「彼らの非常に深い信仰と善い行いのために……召され,備えられていた。」)

  2. アルマ13:6(彼らは「人の子らに神の戒めを教えて,彼らも神の安息に入ることができるようにするため,……聖任〔予任〕された……。」)

  3. アルマ13:8この生涯において,彼らは「聖なる儀式によって聖任され〔る。〕」)

  4. アルマ13:10(彼らは信仰と善い行いを継続することを通じて,および悔い改めを継続することを通じて,自らが受けていた予任にふさわしいことを示した。)

  • 信仰と悔い改めは,わたしたちがイエス・キリストを待ち望み,贖いを得るうえでどのような助けとなるでしょうか。善い行いと戒めに従うことは,主を待ち望むうえでどのような助けとなるでしょうか。神権の儀式は,主を待ち望むうえでどのような助けとなるでしょうか。

  • アルマは大祭司の模範としてメルキゼデクについて話しました(アルマ13:14-15)。メルキゼデクの模範から,何を学ぶことができるでしょうか(アルマ13:17-18参照。ジョセフ・スミス訳,創世14:25-40も参照)。

  • アルマ13:27から,アモナイハの人々に対するアルマの愛についてどのようなことを知ることができるでしょうか。

  • 生徒の一人に,アルマ13:27-29に記されているアルマの民に対する嘆願を読んでもらう。悔い改めを引き延ばさないことはなぜ大切なのでしょうか(アルマ34:32-36参照)。「目を覚ましていて絶えず祈」るときに,わたしたちはどのような祝福を受けるでしょうか(アルマ13:28参照)。どうすれば「永遠の命を得る希望」を持つことができるでしょうか(アルマ13:29モロナイ7:41参照)。

2.アルマ,アミュレク,およびそのほかの信仰を持つ忠実な人々がその義のために迫害される

アルマ14章から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • アモナイハの民の多くはアルマとアミュレクの教えを信じ,悔い改めて聖文を調べ始めました(アルマ14:1)。しかし民の大半は,怒ってアルマとアミュレクを迫害しました(アルマ14:2-5)。なぜある人々は悔い改めるように言われると怒るのでしょうか(1ニーファイ16:1-3参照)。

  • ゼーズロムは「自分の虚言によって人々の」中に起こったことを見て,何をしましたか(アルマ14:6-7参照)。ゼーズロムが自分の罪を告白してアルマとアミュレクを弁護したとき,民はどのような反応を示しましたか(アルマ14:7参照)。

  • アモナイハの邪悪な人々は神の言葉を信じた人々に何をしましたか(アルマ14:7-9参照)。なぜ主はこのことが起こるのを許されたのでしょうか(アルマ14:10-1160:13参照)。アルマとアミュレクが命を保つことは,なぜ主の御心だったのでしょうか(アルマ14:12-13参照)。

  • アルマとアミュレクは牢の中で何日間も迫害を受けた後,最後にどのように救い出されましたか(アルマ14:26-29エテル12:12-13参照。彼らは「キリストを信じる〔彼ら〕の信仰」によって強さと力を与えられた)。わたしたちはどのような事柄から救い出される必要があるでしょうか。わたしたちを救い出してくれる信仰がキリストを中心としたものでなければならないのはなぜでしょうか(モーサヤ3:17モロナイ7:33参照)。

3.ゼーズロムは癒され,バプテスマを受ける

アルマ15章から選んだ箇所を読んで話し合う。主によって牢から救い出された後,アルマとアミュレクはシドムの地へ行ったことを説明する。彼らはそこで,神の言葉を信じたためにアモナイハを追い出され,石を投げつけられた人々に出会いました(アルマ15:1アルマ14:7も参照)。その中にはゼーズロムもいました(アルマ15:3)。

  • ゼーズロムは自身の罪悪のために霊的にも肉体的にも苦しんでいましたが,アルマとアミュレクがシドムにいると聞いて「心が奮い立ち」ました(アルマ15:3-4)。彼はアルマとアミュレクに何を頼みましたか(アルマ15:5参照)。このことから,ゼーズロムの彼らへの信頼についてどのようなことが分かるでしょうか。癒されるために,ゼーズロムはだれに信頼を置かなければなりませんでしたか(アルマ15:6-10参照)。

  • ゼーズロムの癒された後の行動から,何を学べるでしょうか(アルマ15:11-12参照)。アモナイハにとどまった人々と違い,シドムの民はアルマとアミュレクによって教えられたメッセージを信じ,バプテスマを受けました(アルマ15:12-15)。アルマは,彼らが「その心の高ぶりを抑え」るのを見ました(アルマ15:17)。民はより謙遜になったとき何をしましたか(アルマ15:17参照)。真に神を礼拝するためには,神の前にへりくだる必要があるのはなぜでしょうか。

  • アミュレクは福音に従って生活し,宣教師として働くことを選ぶことにより何を捨てましたか(アルマ15:16参照)。彼は何を得たでしょうか(アルマ8:3034:1,8エテル12:12-13参照)。福音に従って生活することや福音を教えることを選ぶため,あなたはどのような犠牲を払ってきたでしょうか。そのためにどのような祝福を受けてきたでしょうか。

  • シドムに教会が設立された後,アルマはアミュレクのために何をしましたか(アルマ15:18参照)。この行いからアルマについてどのようなことが分かるでしょうか。わたしたちはどのような方法で人々を教え導き,主にあって彼らを強めることができるでしょうか。

4.レーマン人がアモナイハを滅ぼすことでアルマの言葉が成就する

アルマ16章から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • アルマとアミュレクがアモナイハで教えを説いた約1年後,レーマン人がニーファイ人の地に侵入しました(アルマ16:1-2)。アモナイハのニーファイ人に何が起きましたか(アルマ16:2-3,9-11参照)。どのような点でこれはアルマの預言の成就だったのでしょうか(アルマ9:4-5,12,18参照)。

  • ゾーラムと彼の軍隊がレーマン人を追い散らし,捕われていた兄弟たちを救い出すことができたのはなぜでしょうか(アルマ16:4-8参照)。アモナイハの滅亡をゾーラムの軍隊の成功と比較することによって,何を学ぶことができるでしょうか(アルマ9:1-8およびアルマ15:15アルマ16:4-6と比較する。2ニーファイ4:34も参照。わたしたちは世の知識,力,または財産よりも,神と神の預言者を信頼すべきであることを強調する)。

  • アモナイハの滅亡の後,主は人々の心を,アルマやアミュレク,またそのほか御業のために選ばれた人々が教える言葉を受け入れるよう備えられました(アルマ16:13-21)。主はどのように人々の心を主の言葉を受け入れるよう備えられるでしょうか(アルマ16:16参照)。わたしたちが教える神の言葉が「純粋なまま」であるようにするにはどうしたらよいでしょうか(アルマ16:21参照。モーサヤ18:18-20教義と聖約52:9も参照)。

結び

アルマ13-16章について話し合って受けた洞察や印象を分かち合うよう生徒に勧める。

マタイ11:28-30アルマ13:27-29を読む。疑いと混乱に満ちた世の中にあって,神権を通じて「どのようにすれば神の御子を待ち望んで贖いを得られるかを知る」ことにより(アルマ13:2),安らぎが与えられることを強調する。主を待ち望み,主を信頼し,主の預言者の勧告に従うとき,わたしたちは主の安息に入ることができる。

本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。これをレッスンに取り入れてもよい。

「神の先見の明によって」(アルマ13:3

以下のエズラ・タフト・ベンソン大管長の言葉を読み,自分たちの予任に対する理解を強められるようにする。

「神は皆さんを主の再臨前の最後の日々に生まれるように取っておかれました。……この〔最後の日々の〕ために,神は最も強い子供たちを取っておかれました。その子供たちは王国を雄々しく支えていくでしょう。皆さんが生を受けたのはそのような時代です。皆さんは神にまみえるために備えられた世代だからです。

預言者たちはあらゆる時代を通して,時間という回廊からわたしたちの時代を待ち望んできました。何十億というこの世を去った人々,そしてまだこの世に生を受けていない人々が,わたしたちに目を向けています。いいですか。皆さんは特別な時代に生きているのです。わたしたちの時代のような短い期間に,忠実な人々が多く求められる時代は,いまだかつてありませんでした。」(The Teachings of Ezra Taft Benson〔1988年〕104-5)