第32課
「彼らはすべての号令に従ってそのとおりに行うように努めた」
目的
ヒラマンの勇敢な若い兵士たちの模範に従うとき,主が自分たちを強めてくださることを理解できるようにする。
準備
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以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。
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アルマ53:10-19;56:1-8。2,000人の勇敢なアンモン人の青年たち,ニーファイ人の自由のために戦うことを聖約する。彼らはヒラマンに指揮官になってくれるよう依頼する
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アルマ56:9-58:41。母親の教えを忠実に守り,青年兵士たちは神への信仰を働かせ,勇敢に戦う。60人のアンモン人の青年たちが彼らに加わる。2,060人の青年兵士たちは皆負傷するが一人も殺されない。
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「2,000人の若い兵士たち」(『福音の視覚資料セット』313)の絵があれば,レッスンで使用できるよう準備する。
レッスンの展開
導入
適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。
「2,000人の若い兵士たち」の絵を見せる。アルマ57:25-26を声に出して読む。26節の「救われたのです」という言葉の後でやめる。
ニーファイ人とレーマン人の間の戦いにおいて,ほかにも奇跡的に命が守られたニーファイ人の兵士が確かにいたことを指摘する。一方で,殺された義にかなったニーファイ人も大勢いた(アルマ56:10-11;57:36)。ヒラマンの若い兵士たちの軍は,モルモン書で述べられている軍隊の中で,だれ一人戦いで殺されなかった唯一の軍隊である。
生徒に,わたしたちはヒラマンの若い兵士たちのように大いなる軍の一員であることを話す。その後エズラ・タフト・ベンソン大管長の以下の言葉を読む。この言葉はアロン神権者に向けられたものであるが,教会のすべての会員に当てはまることを説明する。
「アロン神権を持つ若い男性の皆さん,皆さんがこの時代に生まれたのには,神聖ですばらしい目的があります。皆さんがこの時満ちる最後の神権時代に地上に生まれるようにとどめおかれていたのは,決して偶然ではありません。この特別な時代に生を受けるように,天においてあらかじめ定められていたのです。
皆さんはこの末日において主の軍勢に加わるべき人々なのです。……
皆さんは今霊的な戦いをしていますが,わたしにはまるで現代のヒラマンの息子たちのように思えます。モルモン書に出てくる2,000人の若い兵士の話を思い起こし……てください。」(「高貴な生得権を持つ若人へ」『聖徒の道』1986年7月号,45)
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「主の軍勢」に加わるとはどういう意味でしょうか(エペソ6:11-18;1ペテロ2:9;教義と聖約138:55-56参照)。主の軍勢の一員としてわたしたちが戦っている「霊的な戦い」とは何でしょうか。
本課では,2,060人のアンモン人の兵士が主から非常に大きな力を受けるために助けとなった原則と特質について話し合うことを説明する。わたしたちがこれらの原則に従って生活し,これらの特質を培うとき,わたしたちの霊的な強さは増すであろう。「主の軍勢」における僕としてより効果的に働くことができるのである。
聖句を使った話し合いと応用
クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。
1.2,000人の勇敢なアンモン人の青年たちは,ニーファイ人の自由のために戦うことを聖約する
アルマ53:10-19;56:1-8から選んだ箇所を読んで話し合う。この話について話し合う前に,アンモン人(アンタイ・ニーファイ・リーハイ人)が改宗のときに立てた平和の聖約を簡単に復習するよう生徒に勧める(アルマ24:15-18;53:10-11)。
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ニーファイ人は,アンモン人をレーマン人から守ることを約束していました(アルマ27:22-24;53:12)。ニーファイ人の苦難を見たとき,アンモン人は何をしたいと願いましたか(アルマ53:13参照)。なぜヒラマンは民に聖約を破らないよう説得したのですか(アルマ53:14-15;56:8参照)。このことは聖約を守ることについて何を教えているでしょうか。
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アンモン人の息子たちはニーファイ人を助けるために何をしましたか(アルマ53:16参照)。若いアンモン人たちは,ニーファイ人を助けるという彼らの強い決意をどのように示しましたか(アルマ53:17参照。彼らは聖約を交わして「どのような場合でも」聖約を守ると決心した。黒板に「神聖な聖約を交わして守る」と書く)。
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わたしたちが主と聖約を交わして「どのような場合でも」これらの聖約を守るとき,主はどのようにわたしたちを強めてくださるでしょうか。
エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように述べている。「自分の命をささげて神の御心を果たそうとする人は,神が,わたしたち自身の力だけでは到底及びもしない多くのことを成し遂げさせてくださることに気づくでしょう。神はそのような人に対して,さらに大きな喜びと展望を与え,また理解力を増し加え,肉体を強め,精神を高め,祝福を豊かに注ぎ,さらに多くのすばらしい機会を授け,慰め,友人,平安を与えてくださることでしょう。神の務めにおいて自分の命を失う者は,永遠の命を見いだすのです。」(The Teachings of Ezra Taft Benson〔1988年〕361)
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アンモン人の青年たちはヒラマンに自分たちの指揮官となるよう依頼しました(アルマ53:19;56:1,5)。ヒラマンは預言者であり,教会をつかさどる大祭司でした(アルマ37:1-2,14;46:6)。預言者に従おうという決断が,より効果的に戦う力をアンモン人の青年たちにもたらすのはなぜでしょうか。霊的な戦いにおいて人々を弱めるのはどのような指導者でしょうか。
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アンモン人の青年たちは与えられた号令にどのように応じましたか(アルマ57:21参照。黒板に,「預言者の教えに対し,『そのとおりに』従う」と書く)。主の預言者の教えにそのとおりに従うことはなぜ大切なのでしょうか(以下の引用を参照)。今日預言者の教えに対し,「そのとおりに」従うために,わたしたちは具体的にどのようなことをしなければならないでしょうか。
ハロルド・B・リー大管長は次のように教えている。
「サタンの力は増すでしょう。至る所でそれを目にすることができます……
教会の会員であるわたしたちにとっての唯一安全なよりどころとなるのは,この教会が組織されたときに主が教会に対して言われた事柄をそのとおりに行うことです。わたしたちは主が預言者を通じて与えてくださる言葉と戒めに対し,預言者が『〔主〕の前を完全に聖く歩み,〔それら〕を受けるとき,……忍耐と信仰を尽くして,あたかも〔主御自身〕の口から出ているかのように』それらを心に留めることを学ばなければなりません(教義と聖約21:4-5)。忍耐と信仰を必要とする事柄もあるでしょう。中央幹部から与えられたものが気に入らないことがあるかもしれません。それはあなたの政治的な考えに反するものであるかもしれません。あなたの社会的な考えに反するものかもしれません。あなたの社会生活の一部を妨げるものかもしれません。しかし,もしこれらの事柄に,あたかもそれが主御自身の口から出ているかのように,忍耐と信仰を尽くして耳を傾けるなら,『地獄の門もあなたがたに打ち勝つことはない……。そして,主なる神はあなたがたの前から闇の力を追い払い,また,あなたがたのためと,神の名の栄光のために天を震わせるであろう』と約束されているのです(教義と聖約21:6)。」(Conference Report,1970年10月,152;Improvement Era,1970年12月号,126)
2.若い兵士たちは神への信仰を働かせ,勇ましく戦う
アルマ56:9-58:41について話し合う。生徒に選んだ箇所を声に出して読んでもらう。「2,000人の若い兵士たち」の絵があればここで見せる。
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アンモン人の青年たちが最初に直面したのは,レーマン人の最強で最大規模の軍隊でした(アルマ56:34-43)。ヒラマンがこの軍隊と戦うつもりがあるか聞いたとき,若い兵士たちは何と答えましたか(アルマ56:44-47参照)。このような偉大な信仰と勇気を持つことを,これらの兵士たちはだれから学んでいたのですか(アルマ56:47-48参照。アルマ53:21;57:21も参照。成人を教えている場合は,黒板に「子供たちに神を信じるように教える」と書く。青少年を教えている場合は,「両親の義にかなった教えに従う」と書く)。
母親が子供たちに与え得る影響を強調するために,スペンサー・W・キンボール大管長の以下の言葉を読んでもよい。
「特に救い主の再臨に先立つこの最後の時代に,廉直な女性であることは,きわめて崇高な召しであると言えましょう。義にかなった女性の力とその影響力は今日,平静な時代と比べてはるかに大きな効果を及ぼします。そのような女性がこの地上に送られたのは,社会の基本かつ最も貴い組織である家庭を豊かにし,守るよう助けるためです。社会におけるそのほかの組織は揺れ動いたり,崩壊したりすることがあります。しかし,家庭は義にかなった女性によってきっと守られることでしょう。そして家庭は嵐と闘争のただ中にあっても唯一の聖所となることでしょう。」(The Teachings of Spencer W. Kimball,エドワード・L・キンボール〔1982年〕326-27)
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若い兵士たちは彼らの母親の証を疑いませんでした(アルマ56:48)。子供たちが両親の証の強さと確かさを知ることはなぜ大切なのでしょうか。親はどのような方法で証を子供たちに分かち合えるでしょうか。
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ある困難な戦いにおいて,ニーファイ人の多くは「退却しようとして」いました(アルマ57:20。アルマ57:12-19節も参照)。この戦いにおいて,アンモン人の青年たちはどのような態度を示しまたか(アルマ57:19-20参照。黒板に「ほかの人たちが『退却』するときでも『確固として……ひる』まずに」と書く)。
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アンモン人の青年たちの信仰と勇気は,どのような結果をもたらしましたか(アルマ57:22-25;58:31-33,39参照)。友人,仲間,そのほかの人々が「退却しようとして」いるときであっても「確固として……ひる」まずにいるにはどうすればよいでしょうか。わたしたちは「退却しようとして」いる人々をどのように強めることができるでしょうか。
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アンモン人の青年たちは,どのように「確固として……ひるみません」でしたか(例として,アルマ53:20-21;57:26-27;58:40参照)。
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彼らは「非常に勇敢であ」った(アルマ53:20)。
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「彼らは託されたことは何であろうと,いつでも誠実に果たす者たちであった。」(アルマ53:20)
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「彼らは……誠実でまじめな者たちであった。」(アルマ53:21)
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「彼らは信じるように教えられたことを深く信じていた……。」(アルマ57:26)
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彼らは「絶えず神に頼ってい〔た。〕」(アルマ57:27)
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「彼らは,神が自分たちを自由な者にしてくださったその自由にしっかりと立ってい〔た。〕」(アルマ58:40)
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「彼らは,日々主なる神をよく覚え〔た。〕」(アルマ58:40)
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彼らは神の「掟と裁決と戒めをいつも守〔った。〕」(アルマ58:40)
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彼らは「預言を深く信じてい〔た。〕」(アルマ58:40)
アンモン人の青年たちはこれらの特質を,兵士になる以前,若いときに伸ばしていたことを強調する。青少年を教えている場合は,黒板に「若いときに義の特質を伸ばす」と書く。
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ある戦いで,ヒラマン,ギド,テオムナーに導かれたニーファイ人の軍隊は「おびただしい数の敵」に直面しましたが,ゼラヘムラの地から非常にわずかな援助しか受けませんでした(アルマ58:1-9)。強さを得るためにニーファイ人が頼った手段は何でしたか(アルマ58:10参照。黒板に「強さと敵からの解放のために祈る」と書く)。
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ニーファイ人の祈りに主はどのようにこたえられましたか(アルマ58:11-12参照)。そのような答えは,「勇気を奮い起こ」すうえでどのような助けとなるでしょうか。
結び
141ページにあるエズラ・タフト・ベンソン大管長の言葉を読む。この言葉に関連して,黒板に書いてきた原則を復習する。
本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。
教えるためのそのほかのアイデア
以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。これをレッスンに取り入れてもよい。
アルマ60-61章からの洞察
国の総督であるパホーランにあてたモロナイの手紙と,パホーランの返事が載せられているアルマ60-61章について話し合う。これらの章には,以下の事柄についての教えが含まれている。