第23課
「証する証人が一人にとどまらなかった」
目的
贖いの計画,および福音の真理を証する証人が二人以上いる場合の力強さについて生徒の理解を増す。
準備
-
以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。
-
アルマ8-9章。アルマ,ミレクで教えを説いた後,アモナイハの民に悔い改めを叫ぶが拒まれる。彼はそこを去るが,一人の天使に引き返すように命じられる。アルマはアミュレクに迎えられ,二人はアモナイハで教えを説くように命じられる。
-
アルマ10章。アミュレク,アモナイハの民に教えを説き,自身の改心について述べる。アルマの教えにもう一人の証人がいることに民は驚く。アミュレク,不義な法律家やさばきつかさたちと論じ合う。
-
アルマ11章。アミュレク,ゼーズロムと論じ合い,キリストの来臨,悪人への裁き,贖いの計画について証する。
-
アルマ12章。アルマ,アミュレクの言葉をさらに詳しく説明し,心をかたくなにすることと罪悪に対して警告し,堕落と贖いの計画について証する。
-
-
生徒の一人に,アルマとアミュレクがどのようにして出会ったかについての話を要約するよう頼んでおく(アルマ8:19-32)。
-
生徒二人にアルマ11:21-40にあるやり取りを,一人がアミュレクの箇所を,もう一人がゼーズロムの箇所を担当して読むよう頼んでおく。
-
「導入」の活動を行う場合は,何かを箱または袋に入れてクラスに持参する。生徒が予想しないような,または教師がその場に持参するとは信じられないような珍しい物を持って来る。生徒からそれが見えないように箱または袋で隠す。
レッスンの展開
聖句を使った話し合いと応用
クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。
1.アルマ,アモナイハの民に悔い改めを叫ぶが拒まれる
アルマ8-9章について話し合う。生徒たちに選んだ箇所を声に出して読んでもらう。アルマはさばきつかさの職をニーファイハに譲り,伝道の旅を始めたことを生徒に思い出してもらう。これには邪悪なアモナイハの町への旅が含まれていた。
-
ギデオンとミレクの人々の間で教会の秩序を確立した後,アルマはアモナイハの地へ行って教えを説いた。彼はそこでどのようなチャレンジに直面しましたか(アルマ8:8-9参照)。アルマ8:10のどの言葉が,アモナイハにおけるアルマの努力の力強さを述べていますか。アモナイハの民はアルマの教えにどのような反応を示しましたか(アルマ8:11-13参照)。
-
アルマがアモナイハを離れてアロンという町へ向かって旅をしているときに,何が起こりましたか(アルマ8:14-17参照)。天使によると,アルマが喜ぶべき理由とは何でしたか(アルマ8:15参照)。アルマは天使の御告げに対してどのような反応を示しましたか(アルマ8:18参照)。彼の反応からわたしたちは何を学ぶことができるでしょうか。割り当てておいた生徒に,アルマとアミュレクがどのように出会ったかについて簡単に述べてもらう(アルマ8:19-32)。生徒に頼んでいなかった場合は,教師がその話をする。
-
アルマとともに教えを説くよう,主はどのようにしてアミュレクを備えられたでしょうか(アルマ8:20,27;10:7-11参照)。人が主の務めに対する備えを受ける方法として,どのようなものがあるでしょうか。
-
なぜアモナイハの民はアルマの警告を拒み続けたのでしょうか(アルマ9:5参照)。彼らはアルマのメッセージを拒むために,どのような主張をしましたか(アルマ9:2,6参照)。
-
アルマは,アモナイハの邪悪な人々が,先祖の義にかなった言い伝え,神の戒め,および主が先祖を導き出されたことを忘れてしまったと言いました(アルマ9:8-11)。民の忘れやすい性質は,どのように彼らを罪悪へと向かわせたでしょうか。自分やほかの人々に対し主が行われたことを人々が忘れてしまう理由には,どのようなものがあるでしょうか。主が与えてくださった祝福を覚えておくための効果的な方法としてあなたが見いだしたものには,どのようなものがありますか。
-
アルマは,アモナイハの邪悪なニーファイ人が悔い改めないならば,裁きの日にはレーマン人の方が彼らよりも「堪えやすい」であろうと言いました(アルマ9:15)。なぜそうなるのでしょうか(アルマ9:14-24参照。ルカ12:47-48;教義と聖約82:3も参照)。主はより大きな光を受けている人々に対して,どのようなことを求められるでしょうか。
-
アルマは「レーマン人に与えられている約束」について何を教えましたか(アルマ9:16-17)。これらの約束は今日どのように成就しつつあるでしょうか。
2.アミュレク,アモナイハの民に教えを説く
アルマ10章から選んだ箇所を読んで話し合う。アルマが民に話をした後,アミュレクが立ち上がって彼らに教えを説き始めたことを説明する。アミュレクはリーハイの子孫で,地域社会において「少なからず信望を得ている」裕福な人であった(アルマ10:2-4)。
-
アミュレクは,自分は「幾度となく呼ばれた」が「聞こうとしなかった」,また「これらのことについて知っていながら,知りたいと思わなかった」と言いました(アルマ10:6)。主がわたしたちを呼ばれる方法にはどのようなものがあるでしょうか。なぜわたしたちは,時々主に答えるのが遅いのでしょうか。どうすれば主に対してもっと敏感になれるでしょうか。
-
ついにアミュレクが改心したのはいつでしたか(アルマ10:7-11参照。生徒の一人にこれら5節全部を声に出して読んでもらってもよい)。
-
アミュレクに質問した法律家たちの意図は何でしたか(アルマ10:13-16,31-32参照)。なぜ彼らはアミュレクを欺くことができなかったのでしょうか(アルマ10:17参照)。
-
アミュレクは法律家たちを責め,彼らは民の滅亡の基を据えていると言いました(アルマ10:17-21,27)。彼らはどのようにしてこの基を据えていたのでしょうか。民を滅亡から守っていたものは何でしたか(アルマ10:22-23参照)。今日,義人の祈りは罪悪の影響をなくすうえでどのような助けになると思いますか。
-
なぜ民はアミュレクの言葉に驚いたのでしょうか(アルマ10:12参照)。福音を分かち合うとき,二人以上の証人がいることはどのような利益となるでしょうか。これらの取り組みにおいて,わたしたちはどのように互いに支え合うことができるでしょうか(専任宣教師,ホームティーチャー,訪問教師,親など,教会において二人一組で教える人々に言及してもよい)。
本課の残りの部分を通じて,アルマとアミュレクが同じ教義を説くことによってどのように働きを支え続けたかを観察するよう生徒たちに勧める。教義について話し合うとき,それらを黒板にまとめてもよい。以下の項目は,どのようにまとめることができるかの例である。
教義 |
アミュレクの証 |
アルマの証 |
---|---|---|
贖い | ||
悔い改め | ||
裁き | ||
復活 |
3.アミュレク,ゼーズロムと論じ合い,キリストについて証する
アルマ11章から選んだ箇所を読んで話し合う。第11章はニーファイ人の貨幣制度の説明で始まることを説明する。アルマ11:20から,アモナイハの地の最も狭滑な法律家であるゼーズロムの質問を受けるアミュレクの話が始まる。
-
アモナイハのさばきつかさたちはどのように俸給を受けていましたか(アルマ11:1,20参照)。なぜ彼らはアルマやアミュレクと論争をしたかったのでしょうか(アルマ11:20参照)。
割り当てておいた二人の生徒にアミュレクとゼーズロムのやり取りを読んでもらう(このやり取りはアルマ11:21-40にある)。または,これらの箇所の導入として本課の最後にある「教えるためのそのほかのアイデア」の項を用いる。その後,ここで挙げられている残りの質問について話し合う。
-
アルマはゼーズロムの最初の質問にどのように答えましたか(アルマ11:21-22参照)。自分の言葉や教えを主の御霊と調和したものに保つにはどうすればよいでしょうか。
-
ゼーズロムはアミュレクに,イエスは民を罪があるまま救われるかどうかを尋ねました(アルマ11:34)。人は罪があるままでは救われることができないと言うに当たって,アミュレクはどのような理由を挙げましたか(アルマ11:34,37参照)。罪のあるまま救われるという間違った考えと,わたしたちは罪から救われることができるという真理との違いは何でしょうか。(悔い改めずに罪の状態にとどまるならば,わたしたちは救われない。悔い改めるならば,イエス・キリストはわたしたちを自分の罪から救ってくださる。)
-
キリストの贖罪の祝福のうち,すべての人にもたらされるものは何ですか(アルマ11:42-43参照)。主への信仰を持ち,主の戒めを守る人々だけにもたらされる祝福は何ですか(アルマ11:40-41参照)。
-
アミュレクは復活についてどのようなことを教えましたか(アルマ11:43-45参照)。これらの真理を知っておくことはなぜ大切なのでしょうか。
4.アルマはアミュレクの言葉をさらに詳しく説明し,心をかたくなにすることに対して警告する
アルマ12章から選んだ箇所を読んで話し合う。アミュレクがゼーズロムとの議論に答えた後,ゼーズロムは「おののき始めた」ことを指摘する(アルマ11:46)。これを見て,アルマは語り始めて「アミュレクの言葉を確認し……アミュレクよりもさらに詳しく聖文を説き明かし始めた。」(アルマ12:1)
-
アルマ12:3-6にあるアルマのゼーズロムヘの言葉から,サタンが望んでいる事柄およびサタンがどのような手口を用いるかについて,何を学べるでしょうか(サタンはしばしば多くの人々を滅びへ導くために一人の人を欺こうとする)。サタンの巧妙な策略から自身を守るためにはどうすればよいでしょうか。
-
心の状態が神の言葉の理解にどのように影響するかについて,アルマはどのようなことを教えましたか(アルマ12:9-11参照)。心をかたくなにしない人々にはどのような祝福が来るでしょうか(アルマ12:10参照)。神の言葉を認識し,理解し,受け入れる心をはぐくむにはどうすればよいでしょうか(1ニーファイ2:16;15:11参照)。
-
アルマは,神の言葉に対して心をかたくなにする人々は,自分たちの言葉,行い,思いによって罪に定められると教えました(アルマ12:13-14)。主が言葉や行いと同時に,思いによってもわたしたちを裁かれるのはなぜだと思いますか。
-
アルマは悔い改めずに罪のあるまま死んだ人々の状態をどのように述べましたか(アルマ12:14-18参照)。なぜこれらの人々は「あたかも贖いがなかったかのようになる」のでしょうか(教義と聖約19:16-18参照)。
-
アルマ12:22-34にはアダムの堕落と贖いの計画に関するアルマの説明が記されています。アルマは死すべき状態の目的についてどのようなことを教えましたか(アルマ12:24参照)。この原則を理解することは,より義にかなった生活をするうえでどのような助けとなるでしょうか。
-
「神は,贖いの計画を〔アダムとエバ〕に示された後,……戒めを彼らに与えられた」(アルマ12:32,強調付加)ことは,なぜ重要なのでしょうか。贖いの計画を理解することは,戒めを守るうえでどのような助けとなるでしょうか。親や教師は,戒めの大切さを教えるとき,この原則をどのように応用できるでしょうか。
-
わたしたちにとって,神がわたしたちを贖うために計画を備えておられると知ることはなぜ必要なのでしょうか。贖いの計画から,神の正義と憐れみについてどのようなことを学べるでしょうか。
教えるためのそのほかのアイデア
以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。これをレッスンに取り入れてもよい。