日曜学校―福音の教義
第25課:「彼らは……神の力と権能をもって教えた」


25

「彼らは……神の力と権能をもって教えた」

アルマ17-22章

目的

人々に福音を分かち合い,教え導くことによって,モーサヤの息子たちの模範に従うよう生徒に示唆する。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。

    1. アルマ17:1-18。モーサヤの息子たち,レーマン人に福音を説く。

    2. アルマ17:19-3918章19章。アンモン,ラモーナイ王に仕え,教える。王と王妃と多くのレーマン人が改宗する。

    3. アルマ20-22章。アンモン,御霊に導かれて牢にいる兄弟たちを救い出す。ラモーナイの父が改宗する。

  2. 生徒の一人にアルマ17:19-39を要約する準備をしてもらう。教義や個人での応用については発表後クラスで話し合うので,それらよりもむしろそこで述べられている出来事について発表するように頼む。

  3. 「ラモーナイ王の羊の群れを守るアンモン」(『福音の視覚資料セット』310)の絵があれば,レッスンで使用できるよう準備する。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

次の言葉を黒板に書く。--「知る」「感じる」「行う」

  • これらの言葉は,伝道活動とどのような関連があるでしょうか。

    カーロス・E・エイシー長老は以下のような経験を述べている。

    「先ごろ,わたしはある改宗したばかりの若い兄弟の証を聞いた。その人は確かに『御霊』によって語っていた。その中で彼は,心から望んでいることは自分の家族や友達にこの回復された福音を伝えることであると語っていた。彼は目に涙を浮かべ,声を震わせながら,こう言った。

    • 『わたしは家族や友達に,わたしが知っていることを知ってもらいたい。

    • わたしが感じていることを感じてもらいたい。

    • わたしが行ったことを行ってもらいたいのです。』

    • これこそ伝道の御霊である。この御霊がわたしたちに自己中心的な生活を避け,人の福祉を考えるように勧めてくれるのである。尊い伝道の業に携わったことのある人,友達の改宗を助けた人,伝道中の息子や娘を援助した人,宣教師と親密な関係を築いた人,これらの人はそれが真実であることを証することだろう。」(「伝道に伴う御霊」『聖徒の道』1977年2月号,70)

モーサヤの息子たちは改宗した後,福音を人々と分かち合いたいという強い望みを抱いていたことを説明する。彼らの経験は,聖文の中で最も偉大な伝道活動の例として与えられている。本課では,レーマン人を真理の知識へ導くに当たって,彼らがどのようにして神の手に使われる者となることができたかについて話し合う。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.モーサヤの息子たち,レーマン人に福音を宣べ伝える

アルマがマンタイに向けて旅をしていたとき,彼は14年にわたるレーマン人への伝道からの帰路にあったモーサヤ王の息子たちと出会ったことを説明する。アルマ17-26章には,モーサヤの息子たちが伝道中にした経験と説教とが記録されている。アルマ17:1-18を読んで話し合う。

  • なぜモーサヤの息子たちはこれほど強力で効果的な教師だったのでしょうか(アルマ17:2-4参照。黒板に「伝道活動で成功するための鍵」という見出しを書く。この見出しの下に,「研究」「断食」「祈り」と書く)。わたしたちの個人としてのふさわしさと備えは,主の効果的な道具となる能力にどのように影響するでしょうか。宣教師またはそのほかの人が,個人的備えによってどのように祝福を受けるのを見てきましたか。

  • モーサヤの息子たちは伝道活動をするためにどのような犠牲を払いましたか(アルマ17:5-6参照)。なぜ彼らは喜んでそうしたのでしょうか(アルマ17:9,16参照。モーサヤ28:1-3参照。黒板に「神と人を愛する」と書く)。どうすればモーサヤの息子たちが示したような人々への愛と関心をはぐくむことができるでしょうか。

  • モーサヤの息子たちは「かたくなで残忍な民」に教えを説きに行きました(アルマ17:14)。主は彼らが伝道に備えるのを助けるために,どのような慰めと勧告をお与えになったでしょうか(アルマ17:10-11参照)。主からの慰めと指示を受けた後,モーサヤの息子たちはどのように感じましたか(アルマ17:12参照)。これらの箇所は,わたしたちが自分の召しにおいてチャレンジに直面したときにどのような助けとなるでしょうか。

2.アンモン,ラモーナイ王に仕え,教え,多くの人々が改宗する

割り当てておいた生徒にアルマ17:19-39に書かれている出来事を要約してもらう。その後アルマ17:19-3918章19章から選んだ箇所を読んで話し合う。「ラモーナイ王の羊の群れを守るアンモン」の絵を使用するのであればここで見せる。

  • なぜアンモンの胸は王の家畜の群れが追い散らされたとき「喜びで……いっぱいにな」ったのでしょうか(アルマ17:29参照)。アンモンはどのようにこの経験を前向きなものとしたでしょうか(アルマ17:30-39参照)。

  • アンモンがどのようにして王の群れを守ったのかを僕たちから聞いたとき,王はどのように答えましたか(アルマ18:2-5参照)。王がアンモンはどこにいるのかと尋ねたとき,アンモンは何をしていましたか(アルマ18:8-9参照。黒板に「奉仕を行い信頼を築く」と書く)。このことはラモーナイ王が教えを聞くよう備えるうえでどのような助けとなったでしょうか(アルマ18:10-11参照)。

  • アンモンが王に会いに来たとき,王の僕たちはアンモンにどのようにあいさつをしましたか(アルマ18:13参照)。アンモンのラモーナイ王への言葉は,アンモンが依然として謙遜な僕であったことをどのように示しているでしょうか(アルマ18:14-17参照)。

  • アンモンが,王に教えようとする前にまず彼に仕えたことはなぜ大切だったと思いますか。人々に仕えて信頼関係を築くことは,わたしたちが彼らに福音のメッセージを伝えるうえでどのような助けとなるでしょうか。わたしたちが教える人々に対して仕える方法として,どのようなものがあるでしょうか。

  • ラモーナイ王に教え始めたとき,アンモンは王が神と天についての理解を得るのをどのように助けたでしょうか(アルマ18:24-33参照。アンモンは王が理解できるような方法で教えた)。わたしたちは福音を教えるとき,どのようにこの模範に従うことができるでしょうか。

  • ラモーナイ王がある程度の理解をした後で,アンモンが彼に教えた根本的な教義は何でしたか(アルマ18:34-39参照。黒板に「聖文から贖いの計画を教える)と書く)。今日これらの真理を教えるうえで,モルモン書が重要な道具になるのはなぜでしょうか。

  • ラモーナイ王はアンモンの言葉を聞いて信じた後,何をしましたか(アルマ18:40-41参照)。福音の原則を教えられた人々にとって,赦しを求めることはなぜ大切なのでしょうか。改心の過程において祈りが必要なのはなぜでしょうか。

  • 祈りの後,ラモーナイ王は地に倒れた。ラモーナイが死んだようになったとき,王妃はどのように自分の信仰を示したでしょうか(アルマ19:1-5,8-9参照)。

  • ラモーナイは改宗後に王妃に話したとき,どのようなことを強調しましたか(アルマ19:12-13参照)。

  • 王妃に語った後,ラモーナイは再び地に倒れ,王妃とすべての僕たちも,エービシを除いて皆地に倒れました(アルマ19:13,15-16参照)。エービシはどんな人でしたか(アルマ19:16-17参照。生徒がエービシについて話し合うとき,信仰を持たない人々の中で信仰を持ち続ける模範として,エービシから何を学べるかを指摘してもよい)。エービシは何が起きたのか分かったとき,何をしましたか(アルマ19:17参照)。どうすればわたしたちは福音を分かち合う機会をよりいっそう認識し,利用することができるでしょうか。

  • 民が王の宮殿にやって来たとき,どのような異なる反応がありましたか(アルマ19:18-28参照)。エービシは民の中の争いをどのように解決しようとしましたか(アルマ19:28-29参照)。王と王妃は起き上がった後,自分たちが改宗したことをどのように示しましたか(アルマ19:29-31,33参照)。

  • アンモンとラモーナイ王および彼の民の経験から,モルモンはわたしたちが何を学ぶことを望んでいると思いますか(アルマ19:36参照。答えの一つとして,主の腕は「悔い改めて主の名を信じるすべての人に伸べられる」というものも考えられる)。

3.アンモン,御霊に導かれて兄弟たちを救い出す。ラモーナイの父が改宗する

アルマ20-22章から選んだ箇所を読んで話し合う。

  • ラモーナイ王の王国で教会が設立された後,ラモーナイは何をしたいと思いましたか(アルマ20:1参照)。新しい改宗者にとって,自分たちの証をほかの人々と分かち合うことはなぜ大切なのでしょうか。そのような熱意を持ち続けるにはどうすればよいでしょうか。

  • ラモーナイ王と彼の父との会話から,ラモーナイがどの程度改宗していたことが分かるでしょうか(アルマ20:13-15参照)。

  • ラモーナイの父は,アンモンのどのようなことに驚きましたか(アルマ20:26-27参照)。人の心を和らげるうえで愛と証が非常に強力なのはなぜでしょうか(生徒自身の心または生徒の家族や友人の心が人々の愛と証で和らげられた経験を分かち合うように勧める)。

アルマ21章はアンモンの兄弟アロンと彼の同僚たちの話で始まることを説明する。彼らはエルサレムのアマレカイ人とアミュロン人に福音を説くが,これら背教したニーファイ人たちはきわめてかたくなで,耳を傾けることを拒んだ。アロンと同僚たちはそこを去り,ミドーナイの地で教えを説き始めるが,そこで投獄されてひどい扱いを受ける。

  • アロンと同僚たちは牢から解放されて食べる物と着る物とを与えられるとすぐに,何をしましたか(アルマ21:14-15参照。黒板に「艱難にもかかわらず出て行く」と書く)。苦しみや艱難に直面するときでも,神の王国における働きを続けることはなぜ大切なのでしょうか。

  • アロンと彼の同僚たちは,どこへ行って福音を教えるべきかをどのように知りましたか(アルマ21:16参照)。彼らは御霊に導かれて行ったときにどのような祝福を受けましたか(アルマ21:17参照)。御霊の促しに注意を払うことによって,あなたはどのような祝福を受けてきましたか。

  • アロンは御霊に導かれてラモーナイ王の父の宮殿へ行きました(アルマ22:1)。アンモンの模範は,ラモーナイ王の父が教えを受ける備えをするうえでどのような助けとなったでしょうか(アルマ22:2-3参照。黒板に「良い模範となる」と書く)。あなたは教会員の模範が,人々にどのような良い影響を与えてきたのを見てきましたか。

  • ラモーナイの父へのアロンの教えは,ラモーナイへのアンモンの教えとどのように似ていたでしょうか(アルマ18:24-39アルマ22:7-14を比較する)。ラモーナイの父が贖いの希望を得るために何をすべきか尋ねたとき,アロンは何と言いましたか(アルマ22:16参照。生徒の答えを黒板に列挙する。答えの中には以下のものも考えられる)。

    1. 「神の御前にひれ伏す」

    2. 「罪をすべて悔い改め」

    3. 「信仰をもって神の御名を呼ぶ」

  • 王は神を知るためにどのような犠牲を進んで払う用意がありましたか(アルマ22:15,17-18参照)。王の模範から,どのようなことが学べるでしょうか。

    アルマ22:15,18に言及してエズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように述べている。「兄弟の皆さん,キリストをほんとうに知ろうと思うなら,自分の罪を捨てなければなりません。キリストのようになるまでは,キリストを知ることはできないからです。中にはこの王のように,喜びを得る前に『悪い霊を……取り除いて』祈らなければならない人々がいます。」(「汝らはいかなる人物にてあるべきか」『聖徒の道』1984年1月号,79)

  • 息子のラモーナイのように,王は御霊によって肉体的に圧倒されました。王は起き上がった後,自分の証を宣言し,この経験を通じて多くの者が改宗しました(アルマ22:18-26)。王は自分の改宗に続いて,宣教師たちが何千もの人々に主の知識を教えられるようにするために何をしましたか(アルマ22:2623:1-6参照)。あなたが経験したり聞いたりしたことで,一人の人の改宗が多くの人に良い影響を及ぼしたという出来事にはどのようなものがあるでしょうか。

結び

現在の伝道活動への取り組み方は,アンモンやアロンが行ったものと似ていることを指摘する。宣教師は信頼関係を築き,御霊に従い,聖文から贖いの計画を教えるように奨励されている。

本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。