「オンラインコースにおける教師の存在―機会と課題」『オンライン教師として成長する』(2023年)
「オンラインコースにおける教師の存在―機会と課題」『オンライン教師として成長する』
オンラインコースにおける教師の存在―機会と課題
あなたはセミナリーまたはインスティテュートの生徒で,初日にクラスに入って行ったと想像してください。あなたが最初に気づいたのは,だれも話していないということです。会話を始めようと試みますが,全員が携帯電話を見詰めています。教師が来るのを待っている間,何人かのクラスメートが居眠りを始めました。インターネットを閲覧している生徒もいれば,学校の宿題をしている生徒もいます。教室を出て行く生徒もいます。10分待っても,教師はまだやって来ません。帰ろうとしていると,教師からの歓迎のメッセージと,その日にやるべき指示のリストがホワイトボードに書かれていることに気づきます。
もしあなたがクラスでこのような経験をしたとしたら,引き続きこのクラスに出席しようと思いますか。そう思う理由,またはそう思わない理由は何ですか。
ここで説明したようなことは,現実の世界ではまず起こらないでしょう。しかし,オンライン教師が自分の存在を力強く示さないと,オンライン学習者はこのように感じるかもしれません。教師が自分の存在を力強く示すとは純粋に,学習者と良い関係を築き,オンライン学習経験に「熱心に……携わ〔る〕」(教義と聖約58:27-28参照)ことを意味します。効果的なオンライン教師は,オンラインクラス(Canvasなど)とリモートギャザリング(Zoomなど)の両方で生徒と関わるよう努めます。
機会
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オンライン学習は,課題のフィードバック,クラスのアナウンスメント,ディスカッションボード,メッセージ,リモートギャザリングなど,教師の存在を学習者が感じられる複数の方法を提供します。
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存在を感じる機会が数多くあることで,学習者は教師が自分の成功に非常に関心を持っていると感じることができます。そうして,学習者が愛され,支えられていると感じる助けになります。
課題
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限られている時間の中で教師がオンラインクラスで生徒と関わるのに苦労する場合があります。
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オンラインクラスでいつ,どのようなところで存在感を出すのがよいかいつも把握しておくというのは,教師にとって圧倒されるような気持ちになる事柄かもしれません。
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学習者は,教師との対面での交流に慣れています。オンラインでのやり取りに適応することは,一部の人にとって難しい場合があるでしょう。
学習者の視点から見るオンライン学習
オンラインクラスの学習者は,幾つかの理由で疎外感を抱いたり,つながりを感じられなかったり,やる気を失ったりすることがあります:
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対面でのやり取りが制限されている
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気をそらす家庭環境
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技術的な問題
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オンライン学習になじみがない
教師自らがクラスでの積極性を示し,一人一人の学習者にミニスタリングを行うことによって,オンライン学習者がこれらの問題を克服できるように助けることができます(3ニーファイ11:12-15;17:21参照)。
スーパーバイザーと話し合う
以下の質問をあなたのレッスンにどのように応用できるか深く考えてください。これらについて,地元の宗教教育セミナリー・インスティテュート(S&I)スーパーバイザーと話し合う準備をしてください。
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担当するオンラインクラスのうち,教師が積極的に生徒とやり取りをする最も大切な場面はいつでしょうか。
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クラスで積極的に役割を果たせているかどうかを評価するにはどうすればよいでしょうか。