自立
3:学ぶ—


「ビジネスで確実に利益を上げる」始める,育てる,わたしのビジネス 自立に向けて

「ビジネスで確実に利益を上げる」

学ぶ—

所要時間:70分以内

1.ビジネスを検討する

視聴する:

「ビジネスを検討する」(ldschurch.jp/srs)動画を視聴することができない場合は,本セクションの最後にある台本を読んでください。

話し合う:

あなたはこのようなビジネスをしたいと思いますか。その理由は何ですか。

2.「わたしのビジネスプランナー」を練り上げる

読む:

あなたは日々,自分の行っているビジネスの改善を図るべきです。自分のビジネスを常に評価し,進捗状況と課題をグループで共有してください。

3.変動費と固定費を理解する

読む:

「手元にあるリソースを把握し,コストを管理する」(本セクションの最後にある台本を参照)

話し合う:

アントニオの靴修理ビジネスについての会話から,あなたはビジネスのどのような原則を学びましたか。

読む:

ビジネスを運営するには,大別して2種類のコストがかかります。変動費と固定費です。

変動費:幾つかのリソースのコストは,ビジネスでの生産量と販売量に応じて変動します。このようなリソースはよく,「売上原価」と呼ばれます。これは変動費とも呼ばれますが,グループではこの言葉を使います。変動費の一般的な例として,サービスまたは製品を販売・製造するのに必要な労働力や,サービスまたは製品に必要な資材,運送などにかかる費用が挙げられます。

固定費:幾つかのリソースのコストは,ビジネスで製造・販売した量にかかわらず,発生する費用が一定額となります。これは固定費と呼ばれます。固定費の一般的な例は,家賃,ローンの返済,給料,光熱費,保険料などです。ビジネスオーナーは,新たな固定費を設ける際にはよく考えて慎重になるべきです。

税金は,政府やそのほかの機関から課せられる費用です。あなたはビジネスオーナーとして,自分の支払うべき税金を調べて理解し,ビジネスチャンスの収益性を検討する際にはそれらを考慮する必要があります。

マーク・ベイリーの「わたしのビジネスプランナー」(付録に記載)を見て,ベイリーのビジネスにはどのようなリソースが必要なのか,確認しましょう。

4.粗利益率と純利益率を理解する

読む:

利益とは,売り上げ収益からコスト(経費とも呼ばれる)を差し引いた後に残った金額です。以下の方法で算出します。

画像
営業利益の算出

利益には2種類あります。粗利益純利益です。粗利益は以下のように算出します。

画像
粗利益の算出
画像
粗利益のチャート

純利益は以下のように算出します。

画像
純利益の算出
画像
純利益の算出

ビジネスでどれほどの粗利益と純利益を得たか知るだけでは不十分です。ビジネスが成功しているかどうかを判断するには,利益率も知る必要があります。利益率は,簡単な計算で求められる割合です。この割合を見ると,ビジネスの収益性が分かります。

粗利益率とは,売り上げ収益から変動費を差し引いた後に手元に残る金額の割合です。以下のように算出します。

画像
粗利益率の算出

粗利益率が重要なのは,ビジネスの収益性を判断するうえで役立つためです。

読む:

純利益率とは,売り上げ収益から変動費と固定費の両方を差し引いた後に手元に残る金額の割合です。以下のように算出します。

画像
純利益率の算出

純利益率が重要なのは,ビジネスに再投資できる金額や,ビジネスオーナーとしての自分の取り分となる金額の割合が分かるからです。

読む:

非常に成功しているビジネスは,50%前後以上の粗利益率と,10%前後以上の純利益率があります。また,顧客からの高いニーズがあり,ビジネスの成長が見込める市場で運営しています。

5.時間価値の計算

読む:

多くのビジネスオーナーは,時間の価値をきちんと計算に入れていません。サービスや製品に注ぐ労力を,必ず計算に入れてください。1時間当たりの費用が,あなたが自分の時間につける値段(または,自分の仕事を手伝うほかの人に支払う金額)です。

話し合う:

見事な毛布を手作りするビジネスオーナーがいたとしましょう。毛布の材料は安価ですが,毛布を一枚仕上げるのに60時間かかります。

  • このビジネスオーナーが毛布を150ドルで販売したとしたら,毛布を作るのに要した労働の価値はどのくらいになるでしょうか。(150ドル÷60時間=2.50ドル/時間)

  • ほかにもビジネスチャンスがあるとしたら,このビジネスオーナーにとって,これは最も時間効率のよい働き方でしょうか。

6.提供するサービスまたは製品の価格

読む:

設定価格は,かかるコストとあなたの求める利益を上回る金額でなければならないのですが,それだけで決まるわけでもありません。あなたが提供するサービスまたは製品に顧客が支払うと思われる金額を基にして価格を設定することもできます。しかし,設定価格は通常,競争相手と,サービスまたは製品の質に左右されます。

あなたは,品質を向上させる努力,または,サービスや製品の独自性を高める努力をしなければなりません。そうすれば,競争相手よりも高い価格を設定できるようになる可能性が出てきます。

顧客が無理なく支払える金額に設定すると営業利益が十分に上がらない場合には,コストを下げる方法を考えるべきです。コストを下げる方法には,(1)割安で大量購入する,(2)複数の仕入れ業者を競合させて価格を下げさせる,などがあります。コストを下げることができない場合は,別のビジネスを考えた方がよいかもしれません。

7.収益性の高いビジネスをしているか

読む:

利益率が良く,収益性の見込めるビジネスを選んだ人もいるかもしれません。しかし,選んだビジネスに収益性が見込めなかったり,時間をつぎ込むに値するほどの収益が上がらないと思われるのであれば,思い切ってほかのビジネスを考えてください。

それだけではありません。そのビジネスによって,あなたは自立することができますか。あなたと家族が生活すること,人に奉仕することは可能でしょうか。そうでなければ,思い切ってほかのビジネスを考えてください。興味の持てるビジネス,自分の能力を生かして競争優位性を持てるビジネスを行うことで,新たな顧客の潜在的ニーズを満たすことを検討する際には,第2章に掲載されている資料を参照してください。

印刷