「顧客の開拓」始める,育てる,わたしのビジネス 自立に向けて
「顧客の開拓」
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所要時間:65分以内
1.顧客の重要性
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顧客をビジネスの中心に置く必要があります。あなたのビジネスを顧客がどう見るか,それがビジネスの進展に大きく影響します。あらゆる面において,ビジネスを顧客の要望に合ったものとすることにこだわってください。あなたのビジネスが提供する製品やサービスを,顧客が熱狂的に支持してくれるようになると理想的です。
2.顧客となり得る人々
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あなたはビジネスオーナーとして,提供するサービスまたは製品を購入する可能性が高い人や集団,組織のタイプを事細かに理解すべきです。顧客を理解すればするほど,的を絞ったメッセージを発信し,より顧客に適した製品やサービス,サポートを提供することができるようになります。ターゲット顧客を見いだす際に注目すべき要素を幾つか挙げましょう。
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人口統計的要素:年齢,性別,婚姻状況,職業,所得
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組織的要素:公営/民間,単純労働/専門職,卸売り/小売り
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地理的要素:立地,人口密度
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心理的要素:人柄,生活様式,興味関心,物事に対する考え方,評価
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行動的要素:購買行動,ブランドへのこだわり,特典への執着
3.自分のビジネスメッセージを定義する
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ターゲット顧客を特定したら,あなたのビジネスが提供するサービスまたは製品に,彼らが興味を抱くであろう理由を伝えることが大切です。それを発信するために,あなたのビジネスが提供するものが優れており,ほかとは異なることがすぐに分かるような短いビジネスメッセージを作りましょう。このメッセージには,3つの重要な要素を含めるようにします。
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ビジネスの名称
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提供するサービスまたは製品
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提供するサービス/製品がほかと違う,あるいは優れている理由(自分の「わたしのビジネスプランナー」を見て,自分の提供するサービスまたは製品がほかとは違う,あるいは優れている理由を確認する)
短いビジネスメッセージの例を挙げましょう。
「こんにちは。わたしはテリーです。『ミステリーケータリング』というビジネスを始めます。職場の行事や親族の集まり,そのほかの集まりで重宝する,ヘルシーな料理をお届けします。料理には,採れたての有機野菜のみを使用しています。独創的なベジタリアン料理と,お手軽さをお望みの健康志向の方々に喜んでいただくことを目指しています。
4.最良の販売ルートを見つける
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顧客にサービスまたは製品を届けるうえで最も効果的な方法を見つけるのは,重要なことです。多くのビジネスオーナーは,物理的およびインターネットによる複数の販売ルートを使って顧客に製品を売り,かかわりを持ちます。ところが,新規にビジネスを立ち上げる人にとって最も良いのは,物理的な販売ルートとインターネットによる販売ルートをそれぞれ一つに絞ることです。別の販売ルートは,ビジネスが成長してから付け加えればよいでしょう。一般的な販売ルートは,以下のようなものです。
物理的な販売ルート
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直販:ビジネスオーナーまたはセールスマンが,個人的な接触により直接顧客に売る
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卸業者:ビジネスオーナーが卸業者に売り,それを大口購入した卸業者が,ほかの小売業者に売る
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小売業者:ビジネスオーナーが小売業者に売り,小売業者が顧客に売る
インターネットによる販売ルート
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ウェブサイト:商取引は,ビジネスオーナーのウェブサイトで行われる
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オンラインストア:商取引は,ビジネスオーナーのウェブサイトではなく,オンラインストアのウェブサイトで行われる
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モバイルアプリ:モバイルアプリを使って商取引が行われる
5.顧客を引きつけるもの
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ビジネスを始めたからといって,自動的に客が集まるわけではありません。顧客が気に入り,役に立つと考えるようなものを提供する必要があります。ビジネスメッセージは,見込み客のニーズと結びついたものにしてください。客の立場になって,こう考えるのです。「このビジネスが提供するサービスまたは製品を自分は買いたいと思うだろうか。それはなぜか。」
賢いビジネスオーナーは,客の興味を引くために独創的な方法を考え出します。客の関心を引く方法を幾つか挙げましょう。
画像 「情報提供」アイコン 情報の提供や意見の提供。ビデオやブログ,ニュースレター,記事,展示会を通して行う。 |
画像 「客に合わせる」アイコン 顧客の関心や社会の動向に合わせる。そのためにイベントなどを提供する。 |
画像 「経験させる」アイコン サービスまたは製品を顧客に低価格,あるいは無料で体験してもらう。そのためにサンプルやクーポン券を配る。 |
画像 「信用」アイコン 信用を植えつける。お客様の声や業界内での受賞歴,そのほか品質保証となるものを利用して,会社の評判と,サービスまたは製品の品質を信用してもらう。 |
画像 「利便性提供」アイコン 利便性を提供し,時間の節約に寄与する。ビジネスを目につきやすく,利用しやすいものにする(例えば,検索エンジンを最適化して,自分のビジネスがオンライン上で検索されやすくする)。 |
画像 「提携」アイコン 提携する。同じ顧客層を持ちながら,自分のビジネスと競合することのない有名企業と,独創的な連携を行う。 |
6.顧客へのメッセージの成功度を測る
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自分の発信するメッセージが顧客の興味を引き,売り上げ増に寄与し,利益を上げるのにつながっているかどうかを確認するのは,大切なことです。そのためには,以下の事項を評価する必要があります。
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顧客にメッセージを伝える具体的な方法
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ビジネスの業績
以下の例を検討してください。
忙しいからといって,成功しているとは限りません。ビジネスオーナーがメッセージを発しても結果がついてこないのであれば,時間を上手に使っていることにはならないのです。常に結果を確認する必要があるのは,そのためです。