セミナリー
単元4—第1日,1ニーファイ15章


単元4—第1日

1ニーファイ15章

はじめに

1ニーファイ15章では,個人の啓示を受けるために熱心に努力するニーファイと,信仰によらずに理解を得ようとする兄たちとの違いを見ていきます。この章を研究しながら,主から答えや導きを受けるためにあなたはどのような努力をしているか,よく考えましょう。

1ニーファイ15:1-11

ニーファイの兄たち,リーハイの示現を理解できないことに不平を言う

多くの事柄において,成果を上げるためにはまずわたしたちの側で努力することが必要です。学校の勉強や楽器の演奏,スポーツなど,自分が行っていることを思い浮かべ,努力とその結果にはどのような関係があるか考えましょう。1ニーファイ15章を研究しながら,同じようなパターンを探しましょう。努力することと,霊的な真理を学んで主から啓示を受けることにはどのような関係があるかに注目してください。

ニーファイは,父親の示現や教えを理解しようと熱心に求め,自分自身で啓示を受けた後,父の天幕に帰りました。すると,兄たちが言い争っていました。1ニーファイ15:1-3を調べ,彼らが何を話していたと書いてあるか見つけてください。

1ニーファイ15:6-7で,ニーファイの兄たちを悩ませ,言い争いの種となっていた事柄に線を引きましょう。1ニーファイ15:3には,兄たちがリーハイの教えを理解するのが難しかったのはなぜだと書いてありますか。

1ニーファイ15:8を読み,ニーファイが兄たちに尋ねた質問に線を引きましょう。このように尋ねるのは,霊的な経験をしたばかりのニーファイにとっては当然のことでした。それはなぜでしょうか。

1ニーファイ15:9に書かれている兄たちの反応に線を引きましょう。ニーファイの兄たちは「主はわれわれに語られないので,尋ねていない」と説明したのです。

  1. 主が答えてくださらないと思い込んでいるために主に導きを求めない友達がいるとします。1ニーファイ15:11を研究し,主から答えを受けることについてニーファイが兄たちに勧めた事柄についてよく考えましょう。そして,信仰を持って神に尋ねるようにその友達に勧める手紙を聖典学習帳に書いてください。手紙の中で,ニーファイの勧めや祈りに対する自分の気持ちを伝えましょう。

ニーファイと兄たちの行動や経験から学べる福音の原則の一つは,「信仰をもって主に尋ね,主の戒めを守るならば,主から啓示と導きを受ける備えができる」ということです。

  1. 次の質問の中から一つ選び,聖典学習帳に答えを書きましょう。

    1. 主から教えや導きを受けるためには行わなければならないことを,新会員が理解できるように助けるために,あなたならどんなことを言いますか。

    2. 霊的な真理を学び,主の導きを求めるためにこれまで努力してきたことによって,あなたの「()(たま)を感じる力や福音を理解する力」は,どのように変化してきましたか。

明日,時間を見つけて,親や家族,教会の指導者,教師に,上記の課題の答えを話しましょう。その際に,あなたの話を聞いてくれた人にも,天の御父の助けと導きを求めて努力し,信仰を働かせたときのことを,話してもらってください。

1ニーファイ15:12-20

ニーファイ,イスラエルの散乱と集合について説明する

ニーファイの兄たちは,リーハイの預言やオリーブの木や異邦人についての教えがよく理解できていませんでした(1ニーファイ15:7参照。1ニーファイ10:12-15も参照)。オリーブの木の元の自然の枝が散らされるとは,イスラエルの家(神の聖約の民)が不従順のために物理的にも霊的にも散らされることを表していると,ニーファイは説明しました。イスラエルの家は,散らされたために,イスラエルの家に属するという身分だけでなく,福音の知識も失いました。末日におけるイスラエルの家の集合の一環として,世界中の人々が回復された福音を受け入れ,自分が主の聖約の民であることを知るようになります(1ニーファイ15:14-15参照)。

1ニーファイ15:14を読み,散らされたイスラエルの民が末日に理解することに印を付けましょう。

ニーファイは,教会に入る人々は「まことのオリーブの木に接ぎ戻される」のに似ていると教えました(1ニーファイ15:16)。また,イスラエルの家が散らされたように,この接ぎ木,すなわち集合は「異邦人を通して」起きるとも言いました(1ニーファイ15:17)。次の事柄を理解しておくとよいでしょう。「聖典で用いられている異邦人という言葉には幾つかの意味がある。あるときはイスラエルの血統に属さない人々を指し,あるときはユダヤ人の血統以外の人々を指す。あるいは,イスラエルの血が幾分入っていても,福音を持っていない民を指す場合もある。この最後の用法は,『モルモン書』…………に特に顕著である。」(『聖句ガイド』「異邦人」の項,scriptures.lds.org

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〔祈っている若い女性の画像〕

主は約束を守られますし,御自身の子供たちと交わした聖約を覚えておられます。そして,すべての子供たちが永遠の福音の祝福を受けることを望んでおられます(1ニーファイ15:18参照)。友達や家族に福音を伝える努力をすること,また伝道に出て立派に奉仕しようと決意することによって,あなたはリーハイの預言の成就に貢献しているのです。

1ニーファイ15:21-36

ニーファイ,自分の見た示現を基にして,リーハイの示現に対する兄たちの質問に答える

1ニーファイ15章の残りの部分には,ニーファイの兄たちがリーハイの夢について尋ねた質問について記されています。彼らは「あの木の所に通じている,父が見た鉄の棒は何を意味するのか」と尋ねました(1ニーファイ15:23)。1ニーファイ15:24-25にあるニーファイの答えを読み,神の()(こと)()に熱心に聞き従う人々に約束されている祝福は何か見つけてください。神の御言葉についてエズラ・タフト・ベンソン大管長が語った次の言葉を読み,ニーファイが教えたことと似ている箇所に線を引きましょう。

  • 「神の言葉はただすべてに勝る祝福へとわたしたちを導くだけではありません。わたしたちは神の言葉の中に,また神の言葉を通して,誘惑に打ち勝つ力,すなわちサタンとその使いの業を覆す力を見いだすのです。」

  • 「神の言葉には,聖徒を強め,御霊で守る力があります。その結果,聖徒たちは悪に立ち向かい,善を固く守って,人生に喜びを見いだすことができるのです。」

  • 「正義にかなった成功,まやかしを避け誘惑に打ち勝つ力,日々の生活における導き,心の(いや)し—これらは主の言葉を守る者に与えられた約束のほんの一部にしかすぎません。……どんなに一生懸命にほかのことを行っても,聖典の中にしか見いだせない祝福があります。主の御言葉を守る,それをしっかりとつかんで離さなければ,暗黒の霧の中を進み,命の木に到達することができるでしょう。」(『聖徒の道』1986年7月号,80,82)

聖文を研究し,祈り,霊感を受けた指導者の言葉に耳を傾けることによって神の御言葉にしっかりつかまることは非常に大切です。

  1. 聖典学習帳に,神の御言葉を宣伝するチラシを描きましょう。チラシには,神の御言葉にしっかりつかまる人々にニーファイが約束した祝福を必ず書いてください。また,神の御言葉はどこに書いてあるか,だれから聞くことができるかも書いておくとよいでしょう。

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〔聖典を読む若い男性の画像〕

自分の聖典の1ニーファイ15:24-25のそばに,この原則を書いてもよいでしょう。「日々神の言葉を研究してそれに従うことにより,サタンの誘惑に打ち勝つ強さが得られる。」

  1. この原則に対するあなたの(あかし)が強くなるよう,次の質問のどちらか一方または両方の答えを聖典学習帳に書きましょう。

    1. この原則のとおり,個人の聖典研究をしてきたおかげでサタンに対抗する力が身についたと感じるような経験をしたことがありますか。それはどのような経験でしたか。

    2. この原則が正しいと実感するために,あなたにはどんなことができるでしょうか。

リーハイの夢の中で,鉄の棒にしっかりつかまっていた人々は暗黒の霧の中を無事に進んで,命の木に到達することができました。1ニーファイ15:26で,ニーファイの兄たちは命の木のそばにあった川の意味を説明してほしいと言っています。1ニーファイ15:27-29を調べ,川が何を表していたか見つけましょう。

1ニーファイ15:32-36を読んでください。なぜニーファイの兄たちはこの教えについて悩んだのでしょうか。

  1. 次の質問の答えを聖典学習帳に書きましょう。

    1. リーハイの夢とニーファイによるその解き明かしの中で,神がニーファイの兄たちを愛し,心配しておられることが分かる箇所はどこですか。

    2. 1ニーファイ15章の中で,神があなたを愛し,心配しておられることについては何と書いてあるでしょうか。

  2. 聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。

    _月_日,1ニーファイ15章を研究し,このレッスンを終了しました。

    教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。

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