単元4—第2日
1ニーファイ16章
はじめに
兄たちはニーファイの言葉に力を感じて,主の前にへりくだりました。一家が荒れ野の中を旅するに当たり,主はリアホナを与えてその旅路を導かれました。一家は旅の中で多くの苦難を経験します。例えば,兄たちの弓は弾力がなくなり,ニーファイの弓は折れてしまって食糧を得る道が閉ざされてしまったことがありました。このことで家族の多くがつぶやきましたが,ニーファイは新しい弓を作り,どこに狩りに行けばよいか主の助言を求めたのです。1ニーファイ16章を学ぶことは,懲らしめにや苦難に対処する方法を考える機会になります。苦難に遭っているリーハイの家族を主が導かれたように,
1ニーファイ16:1-6
ニーファイ,兄たちのつぶやきに対処する
良くない行動をしたために懲らしめられたり,非難されたりしている人を見たことがありますか。それに対してその人はどのような態度を取ったでしょうか。
悪人は拒まれて,命の木の実を食べることができないとニーファイが教えたところ,レーマンとレムエルはニーファイから非難されたと感じました(1ニーファイ15:36-16:1参照)。1ニーファイ16:1-2を読み,真理に従った生活をしていない人が真理を聞いた場合に取る態度についてニーファイが言っている事柄に線を引きましょう。
「胸の底まで刺し貫く」という言葉は,その人が罪の意識を痛切に感じるという意味です。「罪のある者は……真理を厳しいものと思う」とはどういう意味でしょうか。
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聖典学習帳に,たとえ真理が厳しく感じられ,真理によって「胸の底まで刺し貫」かれるように感じたとしても,真理に従うために実行できることを,2つか3つ書いてください(1ニーファイ16:2)。青少年の中に,従いにくい真理があると感じている人がいるのはなぜでしょうか。自分が書いたことを,1ニーファイ16:3-4でニーファイがレーマンとレムエルに伝えたことと比べてみましょう。
1ニーファイ16:5には,レーマンとレムエルがニーファイの言葉を聞いてどのような態度を取ることにしたと書いてありますか。この節の中で,真理が胸の底まで刺し貫くときに行うべきことを示している言葉はどれでしょうか。この質問の答えとなる言葉を見つけて,自分の聖典に印を付けましょう。
1ニーファイ16:7-33
リーハイの家族,リアホナに導かれる
次の文章が正しければ「正」に,間違っていれば「誤」に,丸を付けましょう。
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ニーファイはイシマエルの長女と結婚した。
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リーハイはリアホナと呼ばれる羅針盤のような球を与えられた。
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丸い球には4本の指針があり,リーハイとその家族に進むべき方向を示した。
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この球が与えられてから,荒野を進むリーハイの家族の旅は楽になった。
1ニーファイ16:7-10とこの章のまとめを学習しながら,最初の3つの質問の答えを確認しましょう(アルマ37:38も参照)。1ニーファイ16:17-19を読み,4つ目の質問の答え合わせをしましょう。(「解答」はこのレッスンの最後にあります。)
わたしたちは,従順であっても試練を経験することがあります。試練が降りかかるのは多くの場合,間違ったことを選んだ結果ではありません。むしろ試練はこの世の常としてやって来るもので,この世の旅路の中でわたしたちが学び成長する機会を与えてくれるものなのです。救い主がそのように学び,成長されたのとちょうど同じです(教義と聖約122:7-8参照)。わたしたちの人生の試しの一つは,こうした試練にどう対処するかです。
ニーファイは1ニーファイ16:10でこの球の説明をしました。その説明によれば,この贈り物はリーハイとその家族が約束の地へ旅する道中,どれほど役立つと思いますか。リーハイの家族にとってリアホナがどのような助けになったかが書いてある箇所を,1ニーファイ16:16の中から見つけて印を付けましょう。
1ニーファイ16:20-22を調べ,ニーファイの弓が折れたときにリーハイの家族の何人かが取った態度を描写している箇所を見つけましょう。1ニーファイ16:23-25,30-32を研究し,この試練に対してニーファイが取った態度を調べましょう。ニーファイのこの態度は家族にどのような影響を与えたでしょうか。
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聖典学習帳に次の質問の答えを書きましょう。「同じ試練に対してニーファイと彼の家族が取った態度は異なっていましたが,両者を比較することによって,あなたはどのようなことを学びましたか。」
ニーファイはつぶやくのではなく,新しい弓を作り,どこに行って食糧を探せばよいか分かるよう導きを求めました。ニーファイの模範から,「できることをすべて行い,主の導きを求めるなら,主はわたしたちが困難を乗り越えられるよう助けてくださる」ことが分かります。
これらの出来事の間,主はリアホナの働きをリーハイに説明しました。リアホナを通してリーハイの一家を導くために主は何を求めておられたでしょうか。1ニーファイ16:26-29の中から見つけましょう。
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あなたは今,幼い子供にリアホナについて教えているとしましょう。聖典学習帳に,リアホナがどのようにしてリーハイの家族を導いたか,そしてそのような導きを常に受けるためには何をしなければならなかったかを簡単な言葉で説明してください。
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聖典学習帳に次の質問の答えを書きましょう。「リアホナはどのような意味で『主は小さな手段によって大いなることを成し遂げられる』ことを示しているでしょうか。(1ニーファイ16:29)」
リーハイの民のように,主はあなたが個人的な導きを受けられるように様々な
祝福師の祝福
トーマス・S・モンソン大管長は,祝福師の祝福は個人に与えられるリアホナであると言っています。
「リーハイに羅針盤をお与えになったその主は,今も,わたしたちの進むべき方向を示すために一つの珍しい,価値ある賜物を用意してくださっています。それはわたしたちの安全のために危険を示し,道すなわち安全な道を目に見えるように示して,わたしたちを約束の地ならぬ天の家へと導いてくれるものです。その賜物とは,皆さんが受けている祝福師の祝福です。ふさわしい教会員ならだれでも,このお金では買えない,貴重な自分だけの宝を受けることができます。……
祝福文はきれいにたたんでしまっておくべきものでも,額に入れて飾ったり,公表したりすべきものでもありません。むしろ読み親しんで,従っていくべきものです。祝福師の祝福は,あなたが真っ暗闇の中にいるときに光となり,人生の危機にあるときに道しるべとなってくれるでしょう。……祝福師の祝福は,あなたの取るべき進路を示し,道案内をしてくれる個人的な羅針盤なのです。」(「祝福師の祝福は光の羅針盤」『聖徒の道』1987年1月号,69参照)
聖文と預言者の言葉
当時七十人の一員として奉仕していたW・ロルフ・カー長老は,キリストとその
聖霊
十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,聖霊とリアホナを比較して次のように述べています。「態度と行いを義にかなったものとするように努めるとき,聖霊は今日のわたしたちにとって,リーハイと家族にとってのリアホナのようになってくださいます。リーハイのためにリアホナを働かせたのとまさに同じ要因が,聖霊をわたしたちの生活に招くことになります。そして昔リアホナの働きを止めたのとまさに同じ要因が,今日わたしたちが聖霊から身を引く原因となるのです。」(「いつも主の御霊を受けられるように」『リアホナ』2006年5月号,30参照)
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聖典学習帳に,祝福師の祝福や聖典や預言者の言葉,聖霊のどこがリアホナに似ているかを2つか3つ書いてください。
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聖典学習帳に,上に挙げた3つの中のどれか一つに従うことによって主の導きを受けたときのことを書きましょう。
1ニーファイ16:34-39
イシマエルの娘たち,父の死を悲しみ,レーマンはリーハイとニーファイを殺すことを企てる
1ニーファイ16:34-38では,荒れ野を何日も旅した後,イシマエルが亡くなったことが分かります。イシマエルの娘たちは父親を亡くしたことを非常に嘆き悲しみ,イシマエルの家族の中からはリーハイとニーファイに向かってつぶやき,エルサレムに帰りたいと言い出す者が出てきました。レーマンはニーファイとリーハイを殺す計画まで立てました。ニーファイの兄たちは主の
1ニーファイ16:39を読み,主がこの状況の中で何をなされたかを見つけましょう。この節から学べることから考えると,主がわたしたちを懲らしめられるのはなぜなのでしょうか。
主はわたしたちのためを思って導き懲らしめられるのです。主から受けた導きと懲らしめに従って行動するなら,主はわたしたちを祝福してくださいます。
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聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。
_月_日,1ニーファイ16章を研究し,このレッスンを終了しました。
教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。