セミナリー
単元30—第4日,エテル12章


単元30—第4日

エテル12章

はじめに

長年に及ぶヤレド人の歴史を述べた後,モロナイは預言者エテルの務めについて書き始めました。その後,モロナイは歴史についての話を中断し,イエス・キリストを信じる信仰を働かせる人が受ける祝福について記します。また,不安を抱いていると告白します。モロナイは,末日にモルモン書を読む人々が,自分やほかの記録者たちの書く能力が弱いために,モルモン書を受け入れないのではないかと心配しました。それに対して主は,主の前に自らへりくだり,信仰を持つ者は,すべてその弱さを強くされると,モロナイに約束されます。

エテル12:1-4

エテル,ヤレド人に悔い改めを説く

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〔浜辺に錨をおろす船の画像〕

船に(いかり)があることが大切なのはなぜでしょうか。錨がなければ,船はどのような危険や困難に遭遇するでしょうか。絵の中の船に「わたしの人生」と書いてください。次の質問の答えを考えてみましょう。

  • 船が人生を表すとすれば,波は何を表すでしょうか。

  • 波を問題点や悪にたとえることができるとしたら,錨のない人の人生はどのようになる可能性がありますか(モルモン5:18参照)。

  • 錨と同様,あなたを安全な場所につなぎとめておくために,主はどのような助けをあなたに下さいましたか。

エテル12章を研究して,錨の備えられている船のようになるためには,つまり,大波や問題に直面しても揺るがず,確固としているためには,何をしなればならないか,探し出してください。エテル12章は,モロナイが預言者エテルを紹介する場面から始まります。エテルは,民が預言者を拒み,悪事にふけって生活していた時代に生きていた人物です。エテル12:1-3を読み,こうした困難な環境の時代にあったエテルの印象的な行いを見つけてください。

エテルは,出て行って民に悔い改めを熱心に勧める中で,困難や悪事に取り囲まれたときに神を信じる者が望むことのできるものについて教えました。エテル12:4を読み,その望むことのできるものに印を付けてください。(読み進めて行くときに,「神の右に一つの場所」というのは,神のもとに帰って永遠の命にあずかるという意味であることが分かっていたら,参考になるかもしれません。)

  1. 次の質問の答えを聖典学習帳に書きましょう。

    1. 「確かに」望むことは,単に願うことと,どのように違うと思いますか。

    2. イエス・キリストを信じる信仰を持つことで,人はどのようにして,神の右に一つの場所を「確かに」望めるようになるのでしょうか。

    3. エテル12:4の中で,どの部分が望みとイエス・キリストを信じる信仰を持っている人の行動を描いた部分ですか。

このレッスンの初めに見た船の絵の錨に「信仰」「望み」と書いてください。

エテル12:4では,「望みとイエス・キリストを信じる信仰を持つときに,確固とした多くの善い行いをする強さを授かる」という原則を教えています。

確固として(揺るがずに)多くの善い行いをすることが難しいと感じるときのことを深く考えてみてください。このような状況のとき,あるいは生涯を通じて,助けを受けるために,エテル12章の研究を続けながら,主イエス・キリストを信じる信仰を深めていけるような方法を探し出してください。

エテル12:5-22

モロナイ,信仰によってもたらされた奇跡や力ある業について述べる

  1. 聖典学習帳に,あなたが霊的な証を求めている福音の真理を書いて次の文を完成させてください。わたしは_について霊的な証を得たいと思います。

まず真理の証拠を見て,それが証明されなければ,その真理に従って生活することはできないと感じている人がいます。モロナイはそのような態度についてエテル12:5-6で論じています。これらの節を読み,あなたの心に響く勧告の部分に印を付けてください。(エテル12:6はマスター聖句です。)

エテル12:6によれば,主から証を得る前に,わたしたちは何をしなければならないですか。「信仰が試される」ことについて考えるとき,何が思い浮かびますか。

「信仰が試される」というのは常につらいことを指しているのだと誤って解釈している人がいます。十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老は,「信仰が試される」の意味について,次の洞察を与えています。「モロナイが教えた次の原則を応用することによって,もっと効果的に信仰を使えるようになります。『……信仰が試されてからでなければ,証は得られないからである。』〔エテル12:6強調付加〕ですから,信仰を試す度に,つまり何らかの印象に従ってふさわしい行動をする度に,御霊による確認の証を受けるのです。そしてこうした気持ちは信仰を強めてくれます。この経験を繰り返すにつれて,信仰はさらに強くなります。」(「不確かで困難な時代に支えとなる信仰の力」『リアホナ』2003年5月号,76)

次の聖句を読み,人々が信仰を働かせた後でもたらされた祝福を探し出してください。

「……からでなければ」という言葉がエテル12:7,12,17,18,31で使われていることに注目すると理解しやすくなります。

  1. これまでエテル12章で研究してきたことを基に,主から霊的な証を得ることについてのモロナイの教えをどう思うか,自分自身の言葉で,聖典学習帳に書きましょう。

モロナイが教えた原則の一つは,次のとおりです。「証を得たいと望むならば,まずイエス・キリストを信じる信仰を働かせなければならない。」

  1. 次に設定された場面を読み,その中から二つ以上を選んで,主を信じる信仰をどのようにして示すことができるか,聖典学習帳に書き出してください。

    1. ある若い女性が,モルモン書が真実であることについての証を得たいと思っています。

    2. ある若い男性が,愛する人たちが福音を受け入れるように助けたいと強く望んでいます。

    3. ある若い女性が,病気の父を祝福してほしいと主に願い求めています。

  2. あなたやあなたの知っている人が,信仰を具体的に表した後で証や奇跡を受けたときのことについて聖典学習帳に書いてください。

霊的な証を得たいと望むときに,その根拠となる原則や教義を再度思い起こしてください(このレッスンの課題2を参照)。証を得るに先立って自分の信仰を具体的に表すために,どのようなことができますか。

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〔マスター聖句のアイコンの画像〕
マスター聖句—エテル12:6

  1. エテル12:6を暗唱するためには,まず何度か読み通してください。次に自分の聖典学習帳に覚えている部分をできるだけたくさん書き出します。その後,自分の書いたものと実際の聖句とを比較します。この節をもう一度研究し,聖典学習帳にもう一度書き出します。

エテル12:23-41

モロナイ,異邦人が将来モルモン書にどのような反応を示すかについて不安を表す

エテル12:23-41に記録されているように,モロナイは,自分やほかの記録者の書く能力の弱さのために末日にモルモン書を受け取る人々がそれを受け入れてくれないのではないかという不安を口にしています。エテル12:26-27で主がモロナイの不安に対して述べておられることを読み,どのようにしたら,弱いものが強くなると主が言っておられるか,探し出してください。(エテル12:27はマスター聖句です。)

時々,聖文では福音の原則を述べる際に「もし……ならば」「そのとき」という表現が用いられます。「もし……ならば」という言葉を使って,わたしたちが行わなければならないことが述べられ,「そのとき」という言葉に続けて,わたしたちの行動の結果どのようなことが起こるかが説明されます。エテル12:27を読み,この条件と結果の原則を見つけ,それを書き出してください。

もしわたしたちがならば,そのとき主は

今週教師からレッスンを受けるときに,ここの聖句についてもっと深い話し合いを持ちます。また,エテル12:28-41に書かれている,信仰,希望,慈愛に関するモロナイの提言についてさらに研究し,学ぶことになります。

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〔マスター聖句のアイコンの画像〕
マスター聖句—エテル12:27

エテル12:27に書かれている考え方を覚えられるように,次の語を紙に書き出してください。もし……来る……弱さ……示そう。……(けん)(そん)……弱さ……与える。……へりくだる……すべての者……恵み……。もし……へりくだり……信じる……弱さ……強さ……。

これらの言葉に注目しながらエテル12:27をもう一度読んでください。紙に書かれている言葉だけを見て,できるかぎりこの聖句を言い直してください。紙を今日もしくは明日見るであろう場所(ポケットや聖典の中など)に入れておいてください。聖句を暗記するまで,紙を見たときにはいつでもエテル12:27を復習してください。

  1. 聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。

    _月_日,エテル12章を研究し,このレッスンを終了しました。

    教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。

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