ヒラマン書の研究を通して，雄々しく主に従い，イエス・キリストについて証()したヒラマン，ニーファイ，リーハイ，そしてレーマン人サムエルといった偉大な人々の模範と教えから学びます。これらの人々の教導の業は，神が御自分の僕()たちにその御()心()を成し遂げることができるよう力をお授けになること，また，義にかなった人々の働きには，何千人もの人々に祝福をもたらす力があることをはっきりと示しています。また高慢，悪事，そして秘密結社から生じる結果についても学びます。
モルモンはニーファイの大版から記録を短くまとめ，ヒラマン書を作りました。この書はヒラマンの息子であり，息子アルマの孫であるヒラマンにちなんで名付けられました。ヒラマンはおじのシブロンから記録を受け取り，ニーファイ人の義にかなった大さばきつかさとして奉仕しました。また，息子ニーファイとリーハイに，贖()い主，イエス・キリストのことを覚えておくようにと教えました（ヒラマン5：9－14参照）。後に，これらの教えがきっかけとなり，ニーファイは大さばきつかさとしての職を捨て，ニーファイ人とレーマン人に悔い改めを宣()べ伝えました。何千人ものレーマン人が改宗した後，サムエルという名のレーマン人の預言者が霊感を受けて，ニーファイと同じ時期に，ニーファイ人の間で悔い改めを宣べ伝え，預言しました。ヒラマン書はヒラマン（ヒラマン1－3章）とニーファイ（ヒラマン4－16章）が統治した時期に保管された記録から取られています。ニーファイの記録にはレーマン人サムエルの預言と教えが含まれていました。
ヒラマン書の原典として用いられた記録は恐らく，紀元前52年から紀元前1年の間に書かれました。モルモンは紀元345年から紀元385年の間のどこかでそれらの記録を短くまとめました。モルモンはこの書を編集したときに自分がどこにいたのかについては記していません。