3ニーファイ6－10章

はじめに

ガデアントンの強盗団から奇跡的に救い出された後で，ニーファイ人とレーマン人は3年の間平和を享受しました。その後，高慢や階級差別，迫害が起こり，それらが大きな罪悪とニーファイ人政府の最終的な転覆をもたらしました。エルサレムにおけるイエス・キリストの死のしるしには，多くのニーファイ人の都市を破壊し，邪悪な住民を殺すという大きな破壊が含まれていました。暗(くら)闇(やみ)が3日の間，全地を覆いました。暗闇の中から，救い主の声が聞こえ，人々を主のもとへと招きました。暗闇が消え去った後，人々の嘆き悲しむ声は，喜びとイエス・キリストに対する賛美に変わりました。

3ニーファイ6－7章

ニーファイ人は高慢になり，教会は分裂し，秘密結社が政府を滅ぼし，民は部族に分かれる

預言者に従うかどうか決めなければならなかったときのことについて考えてください。3ニーファイ6－7章に記録されているように，ニーファイ人の中には預言者を拒んだことにより悲劇的な結果を経験した人々がいました。一方，悔い改めて主の選ばれた僕(しもべ)に耳を傾けることによりもたらされる祝福を経験した人々もいました。

3ニーファイ5章を読むと，ニーファイ人は悔い改め，神に熱心に仕え，神の力によってガデアントンの強盗団から救い出されたとあります。その後，しばらくの間，ニーファイ人は繁栄しました。しかし，多くの人々がすぐに高慢な心をつのらせたことにより，教会内に分裂が生じました。預言者が遣わされ，人々の罪悪を責める教えを説きましたが，さばきつかさたちは彼らを捕え，ひそかに殺しました（3ニーファイ6：4－23参照）。およそ6年以内に，人々は「サタンの力に身をゆだね」（3ニーファイ7：5），邪悪になったため，あらゆる義に反して戦いました。秘密結社は政府を滅ぼし，それが原因となって民は部族に分かれました。

民の罪悪にひるむことなく，ニーファイは彼らの罪を責める証(あかし)をし，悔い改めを叫び続けました（3ニーファイ7：15－20参照）。3ニーファイ7：21－22を読み，ニーファイに従ったことで人々がどのような祝福を受けたか，幾つかの例に印を付けてください。これらの節から，「人は悔い改めて主の僕に従うならば，生活の中で聖霊の影響を受けられる」ということが学べます。

聖典学習帳に，預言者やほかの神権指導者の勧告に従う選択をしたときのことについて書いてください。そうすることでどのような祝福を受けましたか。

3ニーファイ8：1－18

大きな破壊がイエス・キリストの死のしるしとして起こる

イエス・キリストが再臨される日を想像してください。その日が来たときに，自分はどう感じると思いますか。同様に，ニーファイ人はイエス・キリストの降臨を長い間待っていました。レーマン人サムエルは，イエス・キリストの死に伴って起こるしるしについて証ししていました（ヒラマン14：20－27参照）。3ニーファイ8：3－4を読み，このしるしについてニーファイ人の感じ方の違いに注目してください。

3ニーファイ8：5－7を読み，救い主の降誕のしるしが現れた日から34年目に何が起こったか見つけてください。3ニーファイ8：8－18をざっと読み，嵐(あらし)やそれと同時に起こった地震により被災した都市の住民に何が起こったか見つけてください。3ニーファイ10：11－12を読み，どのような人たちがこの破壊を生き延びたか印を付けてください。生き残った人々は，ニーファイ人の中の「ひときわ義にかなった人々」でしたが，それでもまだ悔い改めてイエス・キリストのもとに来る必要がありました。

聖典学習帳の中の1ページを使って，3ニーファイ8：5－18を報道する新聞の記事を作成してください。見出しを記載し，絵を描き，破壊についての報告を書いてください。

3ニーファイ8：19－25。

暗闇が3日間地を覆う

何も見えない真っ暗な場所，例えば，洞くつや明かりを消した窓のない部屋にいたときのことについて考えてください（あるいは，それがどのような状態か想像してください）。暗闇の中にいて，何も見えないとしたら，どんな感じがするでしょうか。3ニーファイ8：19－23を読み，嵐と破壊がやんだ後で何が起こったか見つけてください。（どれほど深い暗闇だったかを示す言葉や語句に印を付けるとよいでしょう。）

3ニーファイ8：24－25を読み，それほどたくさんの人々の死や滅亡を防ぐためにニーファイ人たちは何ができていただろう言ったか，見つけてください。

次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。
1. 罪の影響は暗闇にいることと，どのような点で似ているでしょうか。
2. 悔い改めは光を暗い部屋に入れることと，どのような点で似ているでしょうか。

3ニーファイ9：1－14

暗闇の中から，イエス・キリストの声が聞こえ，破壊から生き延びた人々は悔い改めて主のもとに来るよう招かれました。

3日に及ぶ暗闇の間，救い主の声は命を助けられた人々に語りかけられました。3ニーファイ9：1－2，7を読み，このような破壊が人々の間に起こったのはなぜだと救い主が言われたか見つけてください。次に，3ニーファイ9：13－14を読み，救い主が苦しみの中にある人々にどのような慰めの言葉をかけられたか見つけてください。これらの節の中で自分にとって意味のある箇所にしるしをつけるとよいでしょう。

七十人のC・スコット・グロー長老は，救い主は御自分のもとに来て癒(いや)されるよう，すべての人々を招いておられると証しています。

「イエス・キリストはわたしたちの心を癒してくださる偉大な御方です。滅びに至る罪を除き，イエスの贖(しょく)罪(ざい)の癒しの力が及ばない罪や背き，苦しみや悲しみはありません。

罪を犯すとき，おまえはもうだめだとサタンはささやきます。対照的に贖(あがな)い主は，たとえわたしたちがどんなことをしたとしても，あなたにもわたしにも，すべての人に贖いを用意しておられます。」（「贖罪の奇跡」『リアホナ』2011年5月号，109）

3ニーファイ9：13に記されている，御自分のもとに来て，その癒しの力を受けるようにという救い主の招きは，わたしたち一人一人に向けられています。救い主がわたしたちを癒すことがおできになるように，わたしたちはその招きを受け入れ，自らの罪を悔い改め，改心しなければなりません。

聖典学習帳に，生活のどのような場面で救い主の癒しの力から恵みを受けられると思うか書いてください。主に癒していただくためには何をする必要があるでしょうか。

3ニーファイ9：15－22

救い主の声，御自分の犠牲によってモーセの律法が成就されたと宣言される

ニーファイ人はこの時点までモーセの律法に従って生活していましたが，その律法の一部として，主は御自分の民に動物の犠牲をささげるよう命じておられました。それは主が贖いを通してささげられる最終的な犠牲の予型，または，ひながたとしての意味がありました。3ニーファイ9：17にある救い主の言葉を使って，次の文章の空欄を埋めてください。「わたしによって贖いは可能になっており，またわたしによって。」

救い主は，モーセの律法の儀式，律法，典礼，象徴はすべて，人々を御自分に向けるために与えられたが，贖いの犠牲を完成したことにより，成就されたと宣言しておられます。3ニーファイ9：19を読み，ニーファイ人は何をささげる必要はないと救い主は宣言されたか見つけてください。3ニーファイ9：20を調べ，動物の犠牲の代わりに何をささげる必要があったか印を付けてください。

「打ち砕かれた心と悔いる霊」という犠牲をささげるとはどういう意味でしょうか。悔いる霊とは，謙(けん)遜(そん)で，教えを受け入れやすく，悔い改めている霊です。打ち砕かれた心と悔いる霊を持つとはどういう意味か理解を深めるために，十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老が語った次の言葉を読み，「打ち砕かれた心」と「悔いる霊」を定義するために用いられている言葉に印を付けてください。

「昔の民は，主を礼拝し，祝福を求めるときに，しばしば贈り物を持って来ました。……改心の祝福を求めるならば，打ち砕かれた悔い改めの心，そして悔いて従順な霊を贈り物としてささげることができます。その贈り物とは自分自身，今の自分と将来の自分です。

皆さんには清くない思いやふさわしくない思いがありますか。もしもそれを捨てるなら，救い主への贈り物になります。良い習慣または性質が欠けていますか。それを取り入れ，人格の一部とするなら，主への贈り物になります。」（「あなたが改心したときには」『リアホナ』2004年5月号，12）。

3ニーファイ9：21－22を読み，御自分のもとに来るためには，どのようになる必要があると救い主が教えておられるか見つけてください。

自分の知っている何人かの小さい子供について考えてください。聖典学習帳に，小さい子供たちに備わっていて，わたしたちが救い主のもとに来るために必要な特質について説明してください。

3ニーファイ9：13－14，20－22にある適切な言葉または語句を使って次の原則を完成させてください。「人が打ち砕かれた心と悔いる霊をもってキリストのみもとに来れば，キリストは。」（正しい答えは一つだけではありません。）

この真理を応用することができるように，次の質問に答えましょう。
1. どのような態度でいると，打ち砕かれた心と悔いる霊を主にささげることが難しくなるでしょうか。
2. 悔い改めの心と従順な霊で主のもとに来たとき，主がどのように祝福されるのを経験しましたか。
3. どうすればもっと打ち砕かれた心と悔いる霊を主にささげることができるでしょうか。

3ニーファイ10章

主，めんどりがひなを集めるように御自分の民を集めると約束される

民は救い主の声を聞いた後，驚きのあまり全地は何時間も静かでした。その後，その声は再び民に語りかけられました（3ニーファイ10：1－3）。3ニーファイ10：4－6を読み，救い主が民を守り，養うために何をしようと言われたか見つけてください。悔い改め，十分に固い決意をもって主のもとに来る人に対し，6節で救い主がお与えになった約束に印を付けてください。

救い主はめんどりがひなを羽根の下に集めて危険から守るたとえを用いられました。救い主はどのような点で，危険からひなを守るめんどりに似ておられるか考えてください。加えて，3ニーファイ10：4－6によれば，イスラエルの家のすべての者が集められなかったのはなぜでしょうか。

3ニーファイ10：8－10を読み，民が救い主の声を聞いた後で何が起こったか見つけてください。

聖典学習帳の今日の課題の下に，次のように書いてください。

＿月＿日，3ニーファイ6－10章を研究し，このレッスンを終了しました。

教師に伝えたいこと（質問，思ったことや分かったこと）。