単元22—第1日
ヒラマン1-2章
はじめに
大さばきつかさのパホーランが死んだ後,パホーランの息子であるパホーラン,パアンカイ,パクメナイのうちのだれが新しい大さばきつかさになるべきかについて,ニーファイ人の民の中で深刻な争いが起こりました。パホーランが民に選ばれて大さばきつかさとなりました。パアンカイの支持者の一人で,秘密の団で活動していたキシクメンという男がパホーランを殺し,その結果,パクメナイが大さばきつかさに任命されました。この争いと分裂に乗じて,レーマン人はニーファイ人の首都であったゼラヘムラを占領し,パクメナイを殺しました。ニーファイ軍の指揮官モロナイハが,ゼラヘムラの町を取り戻し,ヒラマンが大さばきつかさに任命されました。キシクメンはヒラマンを殺そうとしていたときに殺され,ガデアントンが秘密の団の首領となりました。
ヒラマン1章
だれが大さばきつかさになるべきかという問題を巡る争いのために,ニーファイ人の首都であったゼラヘムラは,レーマン人に征服される
最近,だれかと口論したときのこと,あるいはほかの人が口論しているのを目にしたときのことについて考えてください。そのような争いはどんな問題を引き起こすでしょうか。ヒラマン1章を学ぶときに,争いがニーファイ人にもたらした問題を見つけ,彼らの経験から何が学べるか深く考えてください。
次の聖句を読み,質問に対する答えを与えられた余白に書いてください。
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ヒラマン1:1-4ニーファイの民の中に争いや分裂が生じた原因は何でしたか。
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ヒラマン1:5-8だれが大さばきつかさに任命されましたか。その人物の二人の兄弟はどのような態度を執りましたか。
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ヒラマン1:9-12キシクメンは何をしたでしょうか。また,キシクメンと彼の秘密の団は互いにどのような誓いを立てたでしょうか。
ニーファイ人の間で争いが起こったこの時期に,コリアンタマーという男がレーマン人を率いてゼラヘムラの町を攻撃しました。ヒラマン1:18-22を読み,ニーファイ人が争っていた結果,レーマン人は何を遂げたのかを調べましょう。
この出来事から分かる真理の一つは,次のようなものです。「争いは分裂を生じ,敵の影響力を受けやすくする。」自分の聖典のヒラマン1:18の横にこの原則を書き込むとよいでしょう。
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この原則をもっとよく理解するため,次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。
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一人の若い女性が,友達のことで両親と口論しています。このような争いは,生活のほかの分野に関して彼女が両親の助言を聞く際にどのような影響を及ぼすと思いますか。
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一人の若い男性が定員会のある会員に怒りの感情を抱いています。このような争いは,彼の教会での振る舞いにどのような影響を及ぼすと思いますか。
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自分の生活のどのような分野で周囲の人々との間に争いがあるか考えてください。あなたの生活からそのような争いを取り除くためにできることを具体的に一つ挙げてください。どうすればそれを達成することができるでしょうか。
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ヒラマン1:22-30には,レーマン人は,ゼラヘムラを征服した後,すぐにバウンティフルの町に進軍し,この町も征服しようとしたと記録されています。ニーファイ人の軍隊はレーマン人を取り囲み,彼らを打ち負かしました。多くのレーマン人が殺され,降伏した者は母国へ帰ることを許されました。
ヒラマン2章
ヒラマンが大さばきつかさになる。秘密の団がヒラマンの命を奪うのをヒラマンの
ヒラマン2章を学ぶ前に,次のことについて考えてください。誠実な若い女性や若い男性は,過ちや罪を解決するためにどのような努力を払うでしょうか。それを覆い隠そうとするでしょうか,それとも主や傷つけた相手から
キシクメンがパホーランを殺した後,キシクメンと秘密の団に所属している者たちは,だれが殺人を犯したか決して口外しないと互いに約束しました。ヒラマン2:3-4を読み,「だれにもキシクメンの悪事を知らせないという誓いを立てていた」という言葉に注目しましょう。次に,教義と聖約58:43を読み,何か間違ったことをしたときに,主がわたしたちにどのような行動を取るよう望んでおられるか見つけましょう。
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ヒラマン2:3-4と教義と聖約58:43で学んだことを基にして,罪を犯したときに主がわたしたちに望んでおられる行動とキシクメンおよび彼の仲間が取った行動との違いを聖典学習帳に書いてください。
ヒラマンはパホーランの弟であるパクメナイの死後,新しい大さばきつかさとなり,キシクメンと彼の秘密の団はヒラマンも殺すことにしました。そのころ,ガデアントンという男がこの秘密の団の首領となりました。ヒラマン2:2-9を読み,下の余白にキシクメンが殺された経緯を書いてください。
ヒラマン2:10-14を読み,ガデアントン強盗団がどうなったか見つけましょう。モルモンは,「秘密結社」と呼ばれるガデアントン強盗団のような秘密の組織(例えば,ヒラマン3:23参照)が,最終的にニーファイの民を滅ぼす元になると警告しています。モルモン書の昔の預言者も,秘密結社を受け入れないように警告しています(2ニーファイ26:22;アルマ1:12参照)。モルモン書は次の原則を教えています。「秘密結社は社会を滅亡に至らせる恐れがある。」
十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老は,
「『モルモン書』が教えているように,犯罪にかかわる秘密結社は,個人や家族だけでなく,文明全体にまで深刻な影響を及ぼします。
わたしたちが気をつけなければ,現代の秘密結社は,モルモン書の時代とまったく同じように,迅速かつ
『モルモン書』は,悪魔が『罪の根源』であり,秘密結社の『創設者』であると教えています〔ヒラマン6:30〕。……その目的は,個人や家族,地域社会,国家を破壊することです〔2ニーファイ9:9参照〕。『モルモン書』の時代には,かなり成功していました。そして現代では,さらに多くの成果を収めつつあります。だからこそ,わたしたち……にとって重要なのは,地域社会の安全のためにできることを行って,真理と正義を守るために堅く立つことなのです。
……〔わたしたちは〕模範を示し,教会の標準を守り,周囲の人々に証を述べることによって『神の証人になる』のです〔モーサヤ18:9参照〕。」(「真理と正義を守る」『聖徒の道』1998年1月号,43,44)
あなたの地域社会と国において真理と正義を守るというバラード長老の教えを応用する方法を,一つ,あるいは幾つか考えてください。
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聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。
_月_日,ヒラマン1-2章を研究し,このレッスンを終了しました。
教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。