単元1—第3日
タイトルページ,序文,証人の証
はじめに
すでに聖書があるのに,なぜ末日聖徒イエス・キリスト教会の会員はモルモン書を必要とするのかと友達に尋ねられたとします。(もしかすると,あなたはすでにそのような経験をしたことがあるかもしれません。)そのようなとき,あなたなら友達に何と言いますか。
モルモン書の巻頭には,この神聖な書物の目的を説明するタイトルページと序文があります。そこには,モルモン書がわたしたちの証に与える影響,また,この書物がわたしたちと神との関係に与える影響が述べられています。モルモン書の巻頭には,また,翻訳されたモルモン書の原典である金版を見て,モルモン書の神聖な起源について証した証人たちの証も載っています。
このレッスンを終えるときに,今年のモルモン書の研究を最大限に有意義なものとするにはどうすればよいか考えてください。また,救い主イエス・キリストと回復された主の福音についての証を強めるために,モルモン書からどのような助けが得られるか考えてください。
タイトルページ
預言者ジョセフ・スミスは,モルモン書のタイトルページは昔の預言者モロナイによって金版に収められたことを説明しています。「モルモン書のタイトルページは,本のようにとじられたあの版の,最後の1枚の左側にあった文章を一語一語そのまま翻訳したものです。その版にはこれまで翻訳されてきたこの記録が載せてあ〔り〕ました。そして,このタイトルページは,現代に書かれたものでは決してなく,わたしが書いたのでも,この時代にこれまでに生きた,あるいは今生きているだれかが書いたものでもありません。」(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』60-61)
タイトルページの最初の段落を読みながら,モルモン書が世に出る過程に主が関与されたことを証するために,モロナイが用いている語句を探してください。
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聖典学習帳に,モルモン書が書き記された過程,また,翻訳された過程に,主がどのように関与されたかを知ることは,あなたにとってなぜ重要であるかを書いてください。
タイトルページの第2段落を読みながら,モルモン書が書き記されたおもな目的としてモロナイが挙げている3つのことを探してください。(聖典に印を付けるとよいでしょう。)「イスラエルの家」とはヤコブの子孫と,聖約を交わし主の教会の会員となった人々を指します(『聖句ガイド』「イスラエル」の項参照)。さらに,「ユダヤ人と異邦人」には,天の御父のすべての子供たちが含まれます。第2段落にある「イスラエルの家の残りの者」と「ユダヤ人と異邦人」を自分の名前に置き換えて,タイトルページのメッセージを自分自身に向けられたものとして読んでください。
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聖典学習帳に,モルモン書のこれらの目的を知ることが,モルモン書の重要性を理解するうえでどのような助けとなるかを書いてください。
エズラ・タフト・ベンソン大管長は,モルモン書の「おもな目的」について次のように述べています。
「モルモン書のおもな目的は,そのタイトルページに書かれているように,『ユダヤ人と異邦人に,イエスがキリストであり,永遠の神であり,すべての国民に御自身を現されることを確信させるもの』です。
誠心誠意で真理を求める人は,霊感あふれるモルモン書の言葉について祈りながら深く考えるなら,イエスはキリストであられるとの証を得ることができます。
モルモン書の聖句のうち半分以上は主について述べたものです。キリストに対する様々な呼び名の中には,新約聖書よりモルモン書に頻繁に出てくるものもあります。」(「キリストのみもとに来て」『聖徒の道』1988年1月号,90参照)
タイトルページで宣言されているように,「モルモン書はイエスがキリストであられることを証するものです。」今年,モルモン書を研究しながら,イエス・キリストについて自分がどのようなことを学んでいるかに注意を向け,学んでいる事柄について聖霊の力によって確認を受けられるように天の御父に祈り求めてください。
モルモン書の序文
橋や建物のアーチが下に何の支えもないのに崩れないのはどうしてだろうと不思議に思ったことはありませんか。アーチを建設するときには,支えを用いながら両側を築き上げていきます。その後,アーチの頂点の空いている部分を注意深く測り,そこにぴったりと収まるように「かなめ石」と呼ばれる石を削ります。かなめ石が設置されると,アーチは外部の支えなしで立つことができます。かなめ石を取り除いたらアーチがどうなるか想像してみてください。
モルモン書の序文を開き,第6段落(「この記録について……」で始まる段落)を読んでください。この段落を読みながら,モルモン書について預言者ジョセフ・スミスが教えている重要な原則を3つ探してください。
エズラ・タフト・ベンソン大管長は,モルモン書がどのような点でわたしたちの宗教のかなめ石の役割を果たすかについてさらに説明しています。引用を読みながら,モルモン書がわたしたちの宗教において果たす中心的な役割について,だれかに説明するときに役立つかもしれない語句や文に下線を引いてください。
「モルモン書は3つの点でわたしたちの宗教のかなめ石です。それはキリストに対する証のかなめ石であり,わたしたちの教義のかなめ石であり,証のかなめ石です。
モルモン書はイエス・キリストに対するわたしたちの証のかなめ石であり,キリスト御自身はわたしたちが行うすべてのことの隅石となる御方です。モルモン書は力強く,しかも明快にイエスが実在の御方であることを証しています。……
モルモン書に『イエス・キリストの完全な福音』が載っていると言われたのは主御自身です(教義と聖約20:9)。それはすべての教え,これまでに明らかにされたすべての教義が載っているということではありません。そうではなく,モルモン書には救いに必要な完全な教義が収められているということなのです。そして,その教義は分かりやすく簡単で,子供でさえも救いと昇栄の道を学ぶことができます。……
最後に,モルモン書は証のかなめ石です。かなめ石を取り外したらアーチが崩れ落ちるように,この教会のすべては,モルモン書が真実かどうかにかかっています。教会の敵はそれをよく知っています。彼らがこのモルモン書の誤りを立証しようとあらゆることをするのはそのためであり,もしモルモン書の信ぴょう性を揺るがすことができれば,預言者ジョセフ・スミスもともに倒れるからです。神権の
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モルモン書の序文の第8段落(「わたしたちはあらゆる地に住むすべての人に……」で始まる段落)を読み,モルモン書が真実であることを知る方法を見つけてください。この段落を読んだ後,聖典学習帳に次の文の続きを書いてください。「わたしたちが読み,深く考え,祈るとき,聖霊が_。」
かなめ石がアーチのほかの石を支えるように,モルモン書についての証は福音のほかの重要な原則についてのわたしたちの証を強めてくれます。序文の第9段落(「聖なる御霊を通じて……」で始まる段落)を読み,第8段落の勧めに従うことによって証が得られる3つの真理に線を引いてください。「わたしたちがモルモン書を読み,それについて深く考え,祈るとき,聖霊は,モルモン書が真実であること,イエスがキリストであられること,ジョセフ・スミスが神の預言者であったこと,末日聖徒イエス・キリスト教会が地上における主の王国であることを証してくださる」のです。
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聖典学習帳に,なぜモルモン書がわたしたちの宗教のかなめ石と呼ばれているのかについて書いてください。
証人の証
あなたは裁判官で,二人の人の間で争われている問題について何が起こったのか真実を見極めようとしているとします。何が起こったかを知っている証人が一人いたら,その証言にはどれほどの価値があるでしょうか。多くの証人がいたら,さらにどれほどの価値があるでしょうか。
主は,モルモン書の原典である金版(ジョセフ・スミスはその金版から翻訳した)を数名の証人にお見せになりました。「三人の証人の証」を読み,版とモルモン書の出現について証するために証人たちが用いている幾つかの表現に印を付けてください。次に,「八人の証人の証」を読んでください。下の表に示されている,両者の経験の相違点に注目してください。
三人の証人 |
八人の証人 |
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聖典学習帳に,次の質問に対する答えを書いてください。ジョセフ・スミスのほかに金版についての証人がいることは,なぜ重要なのでしょうか。
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聖典学習帳に,モルモン書とジョセフ・スミス,回復されたイエス・キリストの福音に関するあなた自身の証を書いてください。まだ自分自身の証がないと感じる場合は,今年モルモン書についての証をはぐくむために行うことを書いてください。証を強めるために,書いたことについてあなたが感じていることを,親か家族のほかのだれか,または友達に伝えてください。
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聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。
_月_日,「モルモン書の巻頭にある文書」のレッスンを研究し,終了しました。
教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。