3ニーファイ15－16章

はじめに

救い主はバウンティフルの神殿で民を教え続けられました。主は，モーセの律法が成就されたことと，御自分が，民の頼るべき光であり律法であることを宣言されました。その後，12人の弟子に，アメリカ大陸の民はイエス・キリストがエルサレムで語られた「他(た)の羊」であることを説明されました（ヨハネ10：14－16参照）。イエス・キリストはまた，悔い改めてイエス・キリストのもとに立ち返る人々は主の聖約の民の中に数えられると約束されました。

3ニーファイ15：1－10

救い主，モーセの律法は成就したと宣言される

什分の一を納める，安息日を守る，あるいは両親を敬うといった律法や戒めに従うようにと主が言われたのはなぜなのか不思議に思ったことはありませんか。イエス・キリストは，ニーファイ人を教えられたとき，主の律法と戒めの背後にある中心的な目的について教えられました。3ニーファイ15章を学ぶときに，この目的を探しましょう。

救い主は，群衆に語り終えた後，彼らの中に疑問を抱いている人がいることに気づかれました。3ニーファイ15：1－2を読み，人々が何を驚き怪しんだか書いてください。

律法の「古いもの」は過ぎ去って「すべてのものが新しくなった」という救い主の宣言にニーファイ人が驚き怪しんだのはなぜなのかを理解するうえで，ニーファイ人が何世紀にもわたってモーセの律法を知り，その律法の下で生活してきたことを知っておくとよいでしょう。ニーファイ人の礼拝，儀式，教会組織は，モーセの律法の上に築かれており，その目的は，民をイエス・キリストの来臨に備えさせ，またイエス・キリストの贖(あがな)いの犠牲に心を向けさせることでした。今や，その聖なる立法者は彼らの前に立ち，贖いは達成され（3ニーファイ11：10－14参照），モーセの律法は御自分によって成就していると宣言されました（3ニーファイ9：16－20；12：46－47参照）。モーセの律法を構成する古いものは「過ぎ去って」，新しいものが律法に取って代わることになると宣言されたのです。この宣言によって，神の礼拝のあるべき姿が突如として変わりました。

救い主は，一つのきわめて大切な教義を強調することによって，彼らの不安に対処されました。3ニーファイ15：3－5，9を読み，律法の源が変わることはないとニーファイ人を安心させたと思われる救い主の答えの部分にマーカーで印を付けてください。

次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。「わたしは律法である」と言われたとき，イエスはニーファイ人に何を教えておられたのだと思いますか。3ニーファイ15：9

この聖文に記されている救い主の教えから，「イエス・キリストは福音のあらゆる律法と戒めの中心である」ということを学ぶことができます。モーセの古い律法はより高い律法に取って代わるということを知り，礼拝の仕方に関する変更を経験したニーファイ人にとって，この真理が大切だったのはなぜなのかよく考えてください。

3ニーファイ15：9－10を読み，主がこの教義を学んだわたしたちに実行するよう望んでおられることに印を付けてください。この聖文で学んだことを基に，次の原則を完成させてください。「を守り，でイエス・キリストにならば，主はを与えてくださる。」

什分の一を納める，安息日を守る，両親を敬うなどの戒めについて考え，次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。
1. 戒めを守りながら，キリストに頼らないとはどのようなときでしょうか。
2. 規則に従うことだけでなくイエス・キリストに頼ることに焦点を当てることで，戒めの守り方はどのように変わるでしょうか。

キリストに頼ることで，戒めの守り方がどのように変わるかという点に関して，一つには，戒めに従う動機が義務感，あるいは規則への愛から，主への愛に変わるということが挙げられます。

十二使徒定員会のマービン・J・アシュトン長老が語った次の言葉を読んでください。「救い主イエス・キリストに頼って最後まで耐え忍ぶならば，永遠の命を得，昇栄できるという教えは，何と大きく霊的な慰めと祝福を与えてくれることでしょうか。……神はわたしたちが頼れば頼るほど，近い存在となってきます。神に頼る人は，何の強制がなくても，神に仕えて生きるようになります。教会の指導的な立場にある人は，いつも神に頼ることを忘れてはなりません。」（「多くの賜(たまもの)」『聖徒の道』1988年1月号，21）

なぜ従う必要があるのか疑問に思った戒めを一つ選び，その戒めを守ることでどのようにイエス・キリストに導かれるか考えてください。自分が選んだ戒めにもっと従順になるための目標を設定し，その目標を達成する方法について幾つかのアイデアを書くとよいでしょう。聖典学習帳にあなたの考えたことを記録してください。

3ニーファイ15：11－16：5

イエス・キリスト，他の羊について弟子たちに語られる

あなたは忘れられている，あるいは孤独だと感じたり，天の御父はあなたの真の姿を御存じではないと思ったりしたことがありますか。孤独だと感じたり，劣等感を感じたりすることあるかもしれませんが，＃「神は御自分の民を心に掛け，御自身をその民に現されます。」＃3ニーファイ15章の残りと 3ニーファイ16章の初めの部分を学び，そのことが真実であるという証拠を見つけてください。

新約聖書とモルモン書に記録されているように，イエス・キリストは旧世界とアメリカ両大陸に住む人々の間で教え導かれました。3ニーファイ15：11－17を読み，主はアメリカ両大陸の人々についてエルサレムの人々に何と語ったと言われたか見つけてください。

「他の羊」とは，羊飼いであるイエス・キリストに従うほかの者たちを指します。囲いとは羊を飼うための仕切りですが，囲いという言葉は，この場合，イエス・キリストに対する共通の信仰を持つ人々という意味で用いられています。3ニーファイ15：17によれば，主はその御(み)姿(すがた)を他の羊にどのような方法で現すと言われたでしょうか。

主は，他の羊についての詳しい知識をエルサレムに住む人々には与えないよう天の御父から命じられたのはなぜなのか説明しておられます。3ニーファイ15：18－20を調べ，救い主の説明に印を付けてください。天の御父はニーファイ人に関するより偉大な知識をユダヤ人にはお与えになりませんでした。ユダヤ人が罪悪を犯したためです。主から知識と真理を受ける方法について，このことから一つの大切な原則が学べます。この聖文に基づいて，次の原則をどのように完成するでしょうか。「神はに応じて知識と真理を授けてくださる。」

主はニーファイ人に，彼らは御自分がエルサレムで語った他の羊の一部であると言っておられます。ユダヤ人は，主が異邦人（イスラエル以外の民）のことを語っておられると思いました。異邦人が救い主の声を「聞く」ことはないということを，ユダヤ人は理解できなかったのです（3ニーファイ15：21－23参照）。

主はニーファイ人に，主が彼らのことを心にかけていることを再確認されました。3ニーファイ15：24を読み，その具体的な方法を見つけてください。

3ニーファイ16：1－3を読み，ほかにどのような人々が救い主の声を聞くかを見つけてください。救い主が訪れられたほかの場所や民の記録はありませんが，救い主がほかの人々を訪れ，彼らを御自分の「群れ」に導かれたことは明らかです。

イエス・キリストは，御自分の声を聞く機会のない人々のことも心にかけていることを，どのように示しておられるでしょうか。3ニーファイ15：22－23と3ニーファイ16：4を読み，主が異邦人にどのような方法で御自身を現すと述べておられるか見つけてください。

3ニーファイ15章と16章でこれまで学んだことから，神は御自分の民を心にかけ，彼らに御自身を現されるということに関して，どのような証拠を見つけたでしょうか。

3ニーファイ16：5を読み，異邦人が主とその福音を知った後，末日に何が起こるか見つけてください。

イエスは御自分のすべての子供たち，すなわちにイスラエルの家と異邦人を祝福すると約束されました。そのためにニーファイ人によって書き記された言葉を彼らにお与えになりました。ニーファイ人の記録は異邦人を改心させる助けとなるでしょう。そして異邦人は末日にイスラエルの家を集合させる助けとなるでしょう（3ニーファイ16：4－5参照）。

次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。自分のこれまでの人生を振り返るとき，イエス・キリストがわたしたちすべてのことを心にかけておられることを示す，どのような証拠を見つけましたか。

3ニーファイ16：6－20

イエス・キリスト，末日に福音を受け入れる異邦人に対する祝福と警告について述べられる

グループやクラブやチームに加わりたいと思ったことがありますか。具体的な例について考えてください。そのグループに加わるために何が必要となるでしょうか。あなたが加われる最も偉大なグループは，末日聖徒イエス・キリスト教会，主の聖約の民です。

3ニーファイ16：6－7を読み，末日における異邦人の信仰とイスラエルの不信仰によって何が起こるか見つけてください。終わりの時には信仰心のない異邦人もいて，彼らはイスラエルの家を散らし，苦しめるということを理解しておくとよいでしょう（3ニーファイ16：8－9参照）。主は末日において，邪悪な人々からは福音を取り去り，イスラエル人であれ異邦人であれ，義にかなった人々にはそれを明らかにされます（3ニーファイ16：10－12参照）。

3ニーファイ16：13を読み，主の聖約の民となるためには何が必要か見つけてください。3ニーファイ16：13で学んだことを基に，次の原則を完成させてください。「もしわたしたちがならば，イエス・キリストの民の中に数えられるようになる。」

次の質問の答えを聖典学習帳に書いてください。
1. 主の聖約の民に属していることは，どうすれば分かるでしょうか。
2. 主の民に数えられることにより，あなたはこれまでの人生でどのような祝福を受けてきたでしょうか。
聖典学習帳の今日の課題の下に，次のように書いてください。

＿月＿日，3ニーファイ15－16章を研究し，このレッスンを終了しました。

教師に伝えたいこと（質問，思ったことや分かったこと）。