単元29—第1日
モルモン8:12-41
はじめに
自分の民の滅亡と父親の死について書いた後で,モロナイはモルモン書が明るみに出ることについて預言し,モルモン書を非難する人々に警告します。モロナイは,多くの人が神よりもこの世の所有物を愛する邪悪な時代に,ニーファイ人の記録が明るみに出ることを理解していました。また,モロナイは,終わりの日の霊的に危険な状況の中で出現するモルモン書には「非常に価値がある」(モルモン8:14)ことを証しました。
モルモン8:12-32
モロナイ,モルモン書が明るみに出ることについて預言する
自分がこれまで受けたものの中でも偉大な
しばらく時間をとって,そういう賜物がどうして自分にとって祝福となってきたのか,その理由を考えてみましょう。
エズラ・タフト・ベンソン大管長の次の言葉を読んでみましょう。「
ベンソン大管長がここで言おうとしている賜物とは何だと思いますか。
モロナイはこの賜物についてモルモン8章で教えています。モルモン8:12-14を読んで,その賜物は何であるか見つけてください。「この記録」という言葉はモルモン書を指しています。モルモン書こそ,ここでベンソン大管長が語った賜物のことなのです(「モルモン書—わたしたちの宗教のかなめ石」『リアホナ』2011年10月号,53参照)。ベンソン大管長の言葉の最後の空欄の部分に「モルモン書」と書きましょう。
もう一度モルモン8:12-14を見て,モルモン書の価値についてモロナイは何と教えているか,探し出してください。金版の金銭上の価値についてモロナイは何と教えていますか。モロナイは,金版を金銭上の利益を得るために利用することを主はお許しにならないが,金版に記された記録には非常に価値がある,と説明しています。
モルモン書がどう世に出されるのかを知ると,この書物の重要性も理解できるようになります。モルモン8:15-16を読み,モルモン書がどう世に出されるのかについて,モロナイが教えていることを探し出してください。
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次の質問の答えを聖典学習帳に書きましょう。
「モロナイはモルモン書を非難したり,モルモン書に反対する人に警告を与えています。モルモン8:17-22を読むときには,この警告を探しながら読んでください。あなたにとって,『主のすべての約束が果たされるまで,主の永遠の目的は続く』ということを知るのは,なぜ大切ですか(モルモン8:22)。」
主は「わたしよりも前に世を去った聖徒たち」(モルモン8:23)と聖約を交わされたとモロナイは説明しています。その中には,ニーファイ,ヤコブ,エノス,アルマといった預言者も含まれています。主は,末日にこうした預言者たちの言葉を明るみに出すと聖約されたのです。モルモン8:23-25について学習するとき,その預言者たちがだれのために祈ったのか,明確にしたうえで読んでください。
この預言者たちは「同胞」(モルモン8:24)のために祈りました。つまり,レーマン人とその子孫のために祈ったのです。彼らはまた,末日に「これらのものを世に出す」人のためにも祈りました(モルモン8:25;モルモン8:16も参照)。つまり,預言者ジョセフ・スミスのためにも祈ったのです。ジョセフはこの末日にモルモン書を世に出すために選ばれた者でした(教義と聖約3:5-10参照)。古代の預言者の多くはジョセフ・スミスの存在を認識していて,モルモン書の翻訳と出版が成功するよう祈りました。このようにして,神の目的は果たされるのです(モルモン8:22,24-25;教義と聖約10:46参照)。
十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長は,モルモン書を世に出すためにジョセフ・スミスが果たした役割について,次のように話しています。
「〔ジョセフ・スミスが〕何の助けも受けず,神の導きなしに〔モルモン書を〕創作したと考えることは,不合理なことです。
事実は明瞭です。それはジョセフ・スミスが神の預言者であり,それ以上の者でも以下の者でもないということです。
聖典はジョセフ・スミスから与えられたというよりはむしろ彼を通してもたらされたものです。彼は啓示が与えられる仲立ちとなりました。それ以外の点では,古代の預言者たちや近代の預言者たちと同様に,彼も並の人聞です。……
預言者ジョセフ・スミスは,学問のない,一介の農家の息子でした。彼が若いころに書いた手紙を読むと,つづりも文法も,また語法もあまり洗練されていないことがうかがえます。
そのような彼を通して,文学的にも味わいのある形で啓示がもたらされたということは,まったくの奇跡です。」(「われらは,すべて神のこれまでに啓示したまいしことを信ず」『聖徒の道』1974年12月号,562-563)
自分がモロナイだと想像してみましょう。およそ1,600年前に生活し,神の力によってわたしたちの時代を先見することを許されています。モルモン8:35を読み,わたしたちの時代の霊的な状態についてどう思うか,考えてみましょう。次にモルモン8:26-32を読みましょう。ここには,モルモン書が世に出る時代,つまりわたしたちの時代の様子をモロナイが預言的に書いています。
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自分の聖典学習帳に,モロナイがわたしたちの時代について書いたことを二つ以上選び出して書いてください。また,あなたの選び出した様子がなぜ興味を引いたのか,またわたしたちの時代になぜ当てはまると考えたのか,その理由を書いてください。
モルモン書に関して,エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように教えています。
「さて,モルモン書をわたしたちの研究の中心としなければならない……理由は,このモルモン書がわたしたちのために書かれたものだからです。ニーファイ人にも,古代のレーマン人にもモルモン書はありませんでした。まさにわたしたちのためのものなのです。……
モルモン書の記録者は口をそろえて,後世の人々のために記したことを証しています。……
彼らがわたしたちの時代を見,わたしたちのためになることを選んでくれたとしたならば,なおさらモルモン書を研究する必要があるのではないでしょうか。『これを記録するように主がモルモン(モロナイあるいはアルマ)に霊感をお与えになったのはなぜだろうか,現代の生活への教訓として何を学べるのだろうか』と絶えず自問する必要があります。」(「モルモン書—わたしたちの宗教のかなめ石」55-56参照)
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個人的にモルモン書がどれほどの価値を持っているかを考えるに当たり,聖典学習帳に次の質問の答えを書きましょう。
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わたしたちの時代の状況について記述したモロナイの預言がいかに正確だったか,考えてみましょう(モルモン8:26-32参照)。これらの預言は,わたしたちの時代のために書かれたモルモン書の価値について,どのようなことを教えていますか。
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エズラ・タフト・ベンソン大管長が教えたように,モルモン書が『現代のわたしたちに与えられている中で最も大切な賜物』であるのはなぜだと思いますか(「モルモン書—わたしたちの宗教のかなめ石」53)。
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「友人から,モルモン書はあなたにとってどうして大切なのかと尋ねられたら,どう答えますか。」
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モルモン8:33-41
モロナイは終わりの時代を見て,わたしたちの時代が霊的に邪悪な状態にあることを非難している
「物質的,情緒的,社会的あるいは霊的に助けを必要としている人に気づいたときのことについて考えてください。その人を助けるために何をしたか,あるいは,何をするべきだったのか考えてみましょう。どうしてその人を助けるという選択をしたのか,あるいはしなかったのか,深く考えてみましょう。助けの必要な人を助けない人々がいるのはなぜだと思いますか。」
モルモン8:36-41を読み,終わりの時代に一部の人々が助けを必要としている人を助けない理由をモロナイがどう説明しているか,見つけてください。自分の聖典のその理由の部分に印を付けるのもよいでしょう。「飾る」という語は,「美しく見せる」あるいは「見栄え良くする」という意味だということを理解していたら,参考になるかもしれません。
「現代の青少年は,イエス・キリストの真の弟子である前に,金銭で買えるものを愛し,物質的なものを追い求める傾向がありますが,その例としてどのようなことがありますか。」モルモン8:38,41を研究し,人々が高慢になり,邪悪になり,貧しい人や乏しい人を無視するようになると,どのような結果に直面することになるか,それを指摘してください。
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モルモン8:36-41から学んだことを一つの文章に要約して自分の聖典学習帳に書き出しましょう。
この部分から学べる原則の一つの例は,こうです。「神は,貧しい人や助けの必要な人にどのように接するかついて,わたしたちに責任を問われる。」
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自分の聖典学習帳に,以下の質問の答えを書いてください。「自分の学校や地域社会にいる青少年の中で,物質的にも,社会的にも,情緒的にも,霊的にも,最もよく見られる助けの必要な事柄にはどのようなものがありますか。」次に,来週,助けの必要な人に手を差し伸べるために自分は何ができるか,考えてください。この目標を自分の聖典学習帳に書き留めましょう。
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聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。
_月_日,モルモン8:12-41を研究し,このレッスンを終了しました。
教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。