「第10課 クラス用準備資料—結婚の新しくかつ永遠の聖約」『永遠の家族 教師用資料』
「第10課 クラス用準備資料」『永遠の家族 教師用資料』
第10課 クラス用準備資料
結婚の新しくかつ永遠の聖約
第6課で,結婚は神によって定められたものであると学びました。ラッセル・M・ネルソン大管長はまた,日の光栄の結婚は,「創造主がその子供たちにお与えになった結婚の中で最も気高く,永続する結婚」であり,「ほかのいかなる関係よりも幸福になるための大いなる可能性がある」と教えています(「日の栄えの結婚」『リアホナ』2008年11月号,92,93)。この資料を研究する際,永遠の結婚についての自分の気持ちと,それにふさわしく生活するために何ができるかを考えてください。
セクション1
なぜ永遠の結婚のために努力するべきなのでしょうか。
知人たちの結婚について考えると,神殿での結婚は民事結婚とどのように異なるのだろうと思うかもしれません。
わたしたちは,「神の幸福の計画は,家族関係が墓を超えて続くことを可能にし〔た〕」と信じています(「家族—世界への宣言」ChurchofJesusChrist.org)。永遠の家族関係は,イエス・キリストにより可能になりました。ネルソン大管長はこう教えています。「〔イエス・キリスト〕の贖罪によって,すべての人が実際に復活するとともに,罪を悔い改め,救いに不可欠な儀式と聖約を受け,守る人は永遠の命を得られるようになったのです。」(「イエス・キリストの力を生活に取り入れる」『リアホナ』2017年5月号,40)主は末日に,永遠の結婚を確立することを可能にする,権能と儀式と聖約を回復されました。
2節で使われているように,「新しい」という言葉は,聖約がこの神権時代に新たに回復された,という意味です。また,この聖約は永遠に続くものであり,「創世の前から」(教義と聖約132:5)存在しています。それは,ずっと昔に神がアブラハムとその妻サラと交わした聖約の一部です。
Bible Dictionary(『聖書辞典』)から,次のことが分かります。「アブラハムは,まず救いの聖約であるバプテスマによって福音を受けた。その後,アブラハムはより高い神権を与えられ,日の栄えの結婚(すなわち昇栄の聖約)をして,永遠の増加〔無数の子孫〕を受けるという保証を得た。」(Bible Dictionary, “Abraham, covenant of”)
主はアブラハムにこのように約束されました。「わたしは大いにあなたを祝福し,大いにあなたの子孫をふやして,天の星のように,浜べの砂のようにする。」(創世22:17)日の栄えの結婚には,「日の光栄で子供を持つ」という祝福が含まれます(Joseph Smith, in History, 1838–1856 [Manuscript History of the Church], volume D-1, 1551 [josephsmithpapers.org])。
主はさらにアブラハムに,これらの祝福はすべて,彼の現世の子孫に与えられる,と約束されました(教義と聖約132:29-31;アブラハム2:6-11参照)。永遠の結婚と永遠に増し加えられることに関するアブラハムの聖約は,「結婚の新しくかつ永遠の聖約」(教義と聖約131:2)に入る一人一人との間で更新されます。言い換えると,結婚の結び固めの儀式を通して,わたしたちはアブラハムと同じ祝福を約束されるのです。
夫と妻が神殿で結び固められるとき,二人は神と,そしてお互いと神聖な聖約を交わします。その聖約には,互いに,また神に対して忠実であり続けることや,キリストのような方法で暮らすこと,交わしたすべての福音の聖約を尊ぶこと,増えて地を満たすことが含まれています。
永遠の結婚の聖約に関連するこの図の意味を考えてください。十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,この聖約の関係について次のように教えました。
結婚の聖約を交わした二人の間には主イエス・キリストがおられます。救い主が三角形の頂点におられることに注目してください。女性は三角形の底辺の一方の端に,男性は反対側の端にいます。さて,この男女がそれぞれ着実に『キリストのもとに来て,キリストによって完全に』なろうと努力したら,二人の関係はどうなるでしょう(モロナイ10:32)。贖い主のおかげで,また贖い主を通じて,二人の距離は次第に縮まります。(「結婚—神の永遠の計画に不可欠なもの」『リアホナ』2006年6月号,54)
セクション2
自分の結婚が永遠のものとなるために,どのような選択をする必要があるでしょうか。
主は,男女が主の律法に従った主の権能による結婚をしていない(結婚の新しくかつ永遠の聖約に入っていない)場合,その結婚は「彼らが死ぬと……効力がない」と明らかにされました(教義と聖約132:15)。しかし,単に神殿で結び固めを受けるだけでも,永遠の結婚が保証されるわけではありません。
19節で,神殿結婚が永遠のものとなるには「約束の聖なる御霊により彼らに結び固められ」なければならないことに気づいたかもしれません。聖句ガイドから,次のことが分かります。「聖霊は約束の聖なる御霊である(使徒2:33)。聖霊は人の義にかなった行いや儀式,聖約を,神に受け入れられるものとして確認される。約束の聖なる御霊は,救いの儀式が適切に執行されたこと,またそれに伴う聖約が守られていることを御父に証される。」(『聖句ガイド』「約束の聖なる御霊」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org)
夫婦がともに「聖約の中にとどま〔る〕」(教義と聖約132:19)ときに,聖霊は約束の聖なる御霊としての役割を果たして,夫婦が聖約を守っていることを神に証明してくださり,その夫婦の結婚は永遠のものとなります。「聖約の中にとどま〔る〕」には,夫婦がともに結び固めの聖約の条件を忠実に守らなければなりません。十二使徒定員会のロバート・D・ヘイルズ長老は,これらの聖約を守ることの重要性について教えています。
この聖句〔 教義と聖約132:19〕から分かるように,永遠のきずなは,神殿で結び固めの聖約を交わした結果として,自然に生じるのではありません。この生涯での行いの結果がわたしたちの永遠の行く末を決めるのです。天の御父が備えてくださった結び固めの祝福を受けるには,戒めを守り,家族が永遠に一緒に暮らしたいと願えるような方法で行動しなければなりません。(「永遠の家族」『聖徒の道』1997年1月号,73)
わたしたちは,最善の人になろう,また聖約を守ろうと努力する際,イエス・キリストの模範に頼ることができます。十二使徒定員会のロナルド・A・ラズバンド長老はこのように教えました。
約束や聖約を交わしそれを守るという点において,救い主イエス・キリストは,わたしたちに大いなる模範を示してくださっています。主がこの地上に来られたのは,御父の御心を行うという約束を果たすためでした。そして,その言葉と行いを通して福音の原則を教えられました。また,わたしたちが再び生きることができるよう,わたしたちの罪を贖われたのです。主は御自身の御父との約束をすべて守られたのです。
……約束を守ることは,単なる習慣ではありません。イエス・キリストの弟子であることを表す特質なのです。……
わたしたちは約束や聖約を尊んでいるでしょうか。それとも,そうした約束や聖約は,中途半端な決意で,簡単に破ってしまうことはないでしょうか。(「約束と聖約を尊ぶ」『リアホナ』2019年11月号,53,54)