「第23課 クラス用準備資料：永遠の結婚や子供を授かる祝福が遅れる場合」『永遠の家族 教師用資料』
「第23課 クラス用準備資料」『永遠の家族 教師用資料』
第23課 クラス用準備資料
永遠の結婚や子供を授かる祝福が遅れる場合
多くの人は，結婚や子供に対する義にかなった望みの実現が遅れるのを経験します。そして，そうした遅れは落胆や悩み，心痛をもたらすことがあります。この資料を研究する際，主に忠実であれば，主が永遠の家族のために約束された祝福を果たしてくださると信頼することができる理由について考えてください。また，家族の状況がどうであれ，救い主の教会と神の計画において，わたしたち全員が必要とされている理由についても考えてみましょう。
セクション1
自分の状況が家族の宣言に記載されているものと一致しない場合は，どうすればよいのでしょうか。
教会指導者は家庭生活の理想を教えています。また，教会の指導者は，すべての人がこれらの理想を経験するわけではないことも認識しています。例えば，家族の宣言の中で，預言者は，神聖な家族の責任を果たすうえで，「様々な状況で，個々に修正を加えなければならないことがあるかもしれません」と教えています（「家族—世界への宣言」ChurchofJesusChrist.org）。
十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老は，忠実な教会員も様々な家族の状況を経験することを認めています。
年齢を問わず，自身の現状が家族の宣言の内容に必ずしもそぐわなくても，イエス・キリストの福音を忠実に守っている人々が大勢います。親の離婚に心を痛める子供たち，……，離婚し，伴侶の不貞に深く傷つく経験をした男女，子供を授からない夫婦，……様々な理由で結婚できないでいる独身の男女などです。（「信仰の目」『リアホナ』2019年5月号，36）
十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は，次のように教えています。
教会の成人の半数以上は，伴侶に先立たれているか，離婚しているか，あるいは未婚です。神の計画や教会において，自分の機会や居場所はあるのかと疑問に思っている人もいます。永遠の命は，単に現在の婚姻状態によって決定されるものではなく，主の弟子となり，「イエスの証に雄々しく」〔教義と聖約76：79。教義と聖約121：29も参照〕あるかどうかが重要であることを理解しなければなりません。……
……悔い改めという救い主の恵み深い賜物を受け入れ，主の戒めに従って生活し続けるすべての人は，永遠の命を受けます。たとえ，現世ですべての特質を身につけることや完全になることができなかったとしても，それを受けられるのです。（「キリストに希望を抱く」『リアホナ』2021年5月号，55）
多くの教会員が理想的な家庭生活を経験していないのにもかかわらず，なぜ教会指導者は，家庭生活の理想について教え続けるのか疑問に思う人もいるかもしれません。
中央扶助協会会長会のシャロン・ユーバンク姉妹は，シングルアダルトととしての自分の経験や洞察を一部分かち合っています。
わたし自身，独身ですので，その気持ちはよく分かります。行動をともにしてくれる人がいませんし，教会で座っているのも気まずく，パーティーは拷問のようなものです。言うべきでないときに親族が口を出してきます。……
家族を重視する教会で居場所を見つけるのが難しいこともあります。しかし，現実には，教会員の大半は完全な家庭環境で生活しているわけではありません。完全で理想的な家族と暮らしている人など，いるとは思えません。それでは，なぜ家族を強調するのでしょうか。それは，家族がわたしたちの永遠の行く末であり，わたしたちは自身の状況がどうあれ，堅固な家族関係を築くスキルを学ぶためにこの地上にいるからです。（“A Letter to a Single Sister,” Ensign, Oct. 2019, 40）
クラスに備えて深く考える
家族の状況が理想的でないときでも，イエス・キリストと家族に関する主の教えを信じる信仰をどのように行使することができるでしょうか。
セクション2
望んでいる祝福が遅れているとき，信仰をもって前進するにはどうすればいいでしょうか。
アブラハムとサラは，望んでいる祝福のうち，あるものは遅れ，あるものはこの世では果たされないというのがどんなものかを知っていました。アブラハムが75歳のとき，アブラハムとサラには子供がいませんでした（創世11：29－30；12：4参照）。しかし，主はアブラハムに，「わたしはあなたの子孫を地のちりのように多くします」と約束されました（創世13：16）。主はまた，アブラハムとその子孫にカナンの地を受け継ぎとして与えると約束されました（創世17：8参照）。後に，アブラハムが100歳でサラが90歳のときに，サラがイサクという名の息子を産むという約束を受けました（創世17：17，19参照）。この約束とそのほかの幾つかの約束は果たされましたが，数えきれないほどの子孫を持ち，約束の地を受けるという主の約束は，アブラハムとサラが生きている間には果たされませんでした。
ヘブル書の中で，使徒パウロはアブラハムとサラに対するこれらの約束について述べています。
クラスに備えて学ぶ
へブル11：8，11－13を読み，望んでいる祝福が現世において，遅れたり，果たされなかったりした場合に，イエス・キリストを信じる信仰を働かせることについて，アブラハムとサラの模範から何を学べるか考えてください。
大管長会のダリン・H・オークス管長は，「信仰とは信頼を意味します。神の御心と，神が物事をお進めになる方法を信頼し，神の時刻表を信頼することです」と説明しています（「時」『リアホナ』2003年10月号，12）。
わたしたちが望む祝福に関して主を待ち望むとは，忍耐と従順さを試すことでもあります。七十人の一員として奉仕していた際，スペンサー・J・コンディー長老は次のように述べています。
この世に生きるわたしたちは時として忍耐ができず，主の尊い約束を見失うことがあります。そして約束が果たされるよう従順であり続けることができなくなってしまいます。（「尊く，大いなる祝福を求める」『リアホナ』2007年11月号，16）
バラード会長も同様に，主を待ち望むことについて次のように教えています。
主を待ち望むとは，従順であり続け，主に向かって霊的に成長することを意味します。主を待ち望むということは，何もしないでいるという意味ではありません。決して待合室にいるように感じるべきではありません。……
主とその約束を待ち望みながら，今わたしたちが個人として成長することは，わたしたち一人一人にとって，主の計画における非常に重要で神聖な要素です。……主は，忍耐と信仰を持って御自分を待ち望む者を尊ばれます〔イザヤ64：4；教義と聖約133：45参照〕。（「キリストに希望を抱く」55）
自分の考えを記録する
祝福が遅れたとしても主は約束を果たしてくださるという確信を深めてくれた経験や教えを記録してください。
セクション3
家族の状況にかかわらず，どうすれば主の教会において貢献できるでしょうか。
現在の家族の状況が，家族の宣言で述べられている状況と一致していない教会員の中には，教会の中にどこに自分の居場所があるのかと疑問に思う人がいるかもしれません。使徒パウロは，イエス・キリストの教会を肉体にたとえて，教会員一人一人が必要とされる理由を教えています。
クラスに備えて学ぶ
1コリント12：12，16－17，21，25－27を読み，教会のすべての会員がいかに重要で，全体に貢献しているかを考えてください。
それぞれの独自の状況は，ワードや支部の家族に価値と経験をもたらすことができます。バラード会長は次のように強調しています。
皆さんが，現在も永遠にわたっても，永遠の父なる神の子供であることを決して忘れないでください。神は皆さんを愛しておられ，教会は皆さんを求め，必要としています。皆さんが必要なのです。皆さんの声，才能，スキル，善意，義が必要です。（「キリストに希望を抱く」55）
十二使徒定員会のロバート・D・ヘイルズ長老も，次のように教えています。
わたしたちは一人一人が違った存在ですから，だれでもこの「ワードファミリー」との交わりを絶つ可能性はあります。……そうではなく，自分の賜物や才能を人々と分かち合い，希望や喜びを伝え，それによって自らの霊を高めていこうではありませんか。（「ワードという家族の一員となる」『リアホナ』1999年3月号，12）
クラスに備えて深く考える
ワードや支部のほかの会員をもっとよく理解し，彼らが自分の価値を感じ，受け入れられていると感じられるようにするために，あなたは何ができるでしょうか。あなたが教会に居場所がないと感じている場合，主の教会における自分の価値と居場所を感じられるよう，救い主から助けを得るために，何ができるでしょうか。